2024/06/08 のログ
ご案内:「訓練施設」に黒羽 瑠音さんが現れました。
研究員 >   
「リラックスしているね黒羽さん、いい事だ」

白衣の男性はカルテを訓練施設の一画に置いて少女へと向き直る

「さて、君の異能については前回ある程度確認が取れたから、今回は二つほど調べたいと思う」
「ずばり、対象と過程だ」

黒羽 瑠音 >   
「はい、友達と一緒にお出かけしたからかもしれません」

音夢さんとお出かけした後、私は二回目の異能の調査を受けていた
今回やってきたのは訓練場、此処には異能や魔術を使った訓練のために色々な設備や道具が置かれているらしい
つまりプロフェッショナルの巣窟というわけである!

「対象と過程……ですか」

神妙な顔をしながら次の言葉を待つ、実際何をするかは正直分からないのだけど

NPC2 >   
「そう、まぁ案ずるより産むがやすしともいうからね、早速試してみよう」

白衣の男性が差し出すのはコップ、中には水が入っている

「君が変えてほしいのは"これ"だ、早速お願いできるかい?」

少女が受け取るのを見ると、ポケットからスマホを取り出し、何かしら弄っているように見える

黒羽 瑠音 >   
「了解です!それじゃ早速……」

そういって両手でコップを持って力を使う、暫くすればコップの中身が僅かに濁り、何だか独特の匂いがし始めた

「ううん、これ……」

何だろう、嗅いだことあるような、無いような……?研究員さんに許可をもらって一口飲んでみる
……しぶっ!何というかしぶっ!!

「うぇえ……」

まさに罰ゲーム用の味と言った所だ、なんだろう之

研究員 >   
「大丈夫、今設置してる機材で、変化先の液体についてもスキャンしているから安全ではあるよ」

飲んでいいかと聞かれてOKをだす研究員は少し笑っていた

「あはは、それはノニジュース、しかも罰ゲームに使われるような熟したやつを使ったやつみたいだね」
「さて……僕が何も言わなくても君はコップではなく、飲み物の方を変化させた、多分それが自然な反応なんだろうけど」
「之で先ず、君は"液体"も問題なく変化させられることが分かったわけだ」
「更に言えば、液体が入っている物体の、中身だけを変える事も出来ていた」

では次は何か?といいながら取り出すのは風船だ

「次は意識してやってみよう、この中には当然ヘリウムが入っている、触れて、変えられるかい?」

黒羽 瑠音 >   
「おぉ… 成程」

研究員さんの言葉に大仰に頷く、確かにジュースとかを変えた事があるから感覚的に出来るのは分かっていたけど
入れ物ではなく中身だけを変えていたのは意識するまで気づかなかった事実だよね

「中身……はい、やってみます」

そういって「中の気体」を変えようと持った風船に集中する
暫くすると、風船の持っている感覚が変わってーーーって

「っっっ  さ!!」

めちゃくちゃ臭くなった風船を思わず放り投げてしまった

研究員 >   
「おっとっと…… うわ本当に臭い、これは……」

周囲に漂うのは生臭い匂い、風船から漏れ出ていく匂いに流石に眉を潜めている

「生魚かな?何らかの気体に変わると思ったけど……単純に『臭いにおいのもの』に変わったようだね」
「ともあれ、予想通り君は『気体』にも効果を与えられるわけだ、勿論今回は風船の中の、と限定したからでもあるだろうね」

かりかりとカルテに書き記しながら、未だ生臭さを隠さない風船をビニール袋にしまい込む

黒羽 瑠音 >   
「ま、まだ手に匂いがついている気がします……」

刺激臭に少し涙目になってしまう、流石にこの手の匂いは慣れる気がしないし慣れたくないよ!

「それで、えっと、次は……?」

今の嫌な記憶を振り払うように、次は何をするのか研究員さんに問いかけてみる

研究員 >   
「あ、ああ、次はこれだ」

研究員が次に取り出すのは、フラスコに入った氷のようなものだ

「之は魔術的に作り出した氷でね、普通の氷よりずっと解けにくいんだ」
「それに魔力が混ざっているから独特な味わいがあると一部に評判……だとかなんとか」

そういってタオルの上に取り出して彼女に渡す

「さぁ、変えてみてくれるかな?」

黒羽 瑠音 >   
「魔術!成程、こういうのも出来るんですね」

魔術は目下私が気になるものトップスリーのうちの一つである、それを使って作られた氷……
触ると確かにひんやりしているが、触っていても中々溶けだす様子もないし、寧ろ指がひっつく

「之を… はい、そのための手袋ですねっ」

予め渡されていた手袋をして氷に触れて力を使ってみる
すると、直ぐに氷は冷たさを忘れ、暑く……って

「……うわっつ!」

変わったのは地元でも売っていた一般的な『カイロ』しかも熱熱な状態である
もし素手で触っていたらちょっと火傷してたかもしれない、研究員さんに感謝だ

研究員 >   
「~~~社のカイロか、凄い一般的なものだね、魔力も特に感じられない……」

研究員の眉が片方くい、とあがり、何かしかを書き記していく

「興味深いね……これでさらに二つ分かった事がある」
「君の異能は少なくとも魔力で出来たものに対しても発動する事」
「更に、魔力のあるものが変化した先が魔力のあるものとは限らない事」
「之は多分、君自身の認識に左右されている部分もありそうだね」

黒羽 瑠音 >   
「……そう考えるとちょっと凄いのでは?」

なおそれによって得られる結果は自分に不都合な変化であるという事実は無視する
いや無視できないからこういう調査をしてるんだけどね!自分ツッコミも手慣れたものです

「私の認識……前の調査の時の5円玉の件もそういう感じでしたよね」

例え普段は下位互換でも、その場では相互、或いは上位になるものにはなりえない
それを考えると、そもそも魔力がある時点ですごーい!となる今の私の場合……

「魔力のあるものには変化しない、までありえそう……」

今までのパターンを考えてそう結論付けれてしまうのである、うーんこの……

研究員 >   
「あはは、そこらへんはもう一長一短だからね、君がその辺りをしっかり学べば……」
「また変わってくるかもしれない、それがいい事かは別だけれど」

そこまでいって、研究員は再度スマホを眺め、カルテと共に置いていた小さな測定器と照らし合わせる

「それで……やっぱりか、想像はしていたけれど」
「さて、対象についての調査は一区切りとして、過程についてだけど」
「実の所、今異能を使ってもらっていた時にそちらについても調査はしていたんだ」

黒羽 瑠音 >   
「何にしても魔術は習ってみたいです、ワンチャン素質とかあるかもですし」
「他にもなら得る事なら何でも、折角常世学園にきたんですし、出来る事は色々やってみたいなって」

それは実際嘘偽りない気持ちである、今まで遠い世界であった出来事が手に届く
そんな状況に心躍らない中学生がいるだろうか、いやない!

「おぉ……手際がいい、ってやつですね、それで……結果は?」

続けて行われていたらしい、過程とやらの結果を聞く姿勢を取りながら口及び鼻直しのスポドリをごくりと

研究員 >   
「一言でいうなら『分からない』或いは『無い』だね」
「君の異能による変化は――」

研究員は一度息を吸い、改めて言葉を続ける

「変化前後の過程(プロセス)――確認できず」
「変化対象への何らかの力の流れ――確認できず」
「行使者である君の体の消耗や変化――確認できず」
「周囲の空間への影響――確認できず」

しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ
恐らく〆をマークしているのだろう音が手に持ったカルテから鳴る

「つまり、何も分からないという事が分かった、という事だね」
「何の脈絡も無く、コンマ1秒の過程も無く、何かが支払われている様子も、或いは支払っている様子も無い」
「ただ"変わる"だけ、ある意味ではとても"異能"的かもしれないね、理不尽さが」
「まぁ、正確には今この場にある機械で測定できる限界ではあるから」
「本当にそうなのかはまだ断定はできないけれどね」

淡々と研究員は調査の結果を彼女に伝える、少しだけ声色が弾んでいる辺り、彼にとっては悪くないものなのだろう

黒羽 瑠音 >   
「おぉ…さっきも言いましたけどそう聞くと何だか凄い力な気がしてきました」
「その結果が私にとってマイナスになる、という一点を除けば……」

結局そこにいきつくんだよな~~と唇を尖らせてみる
その謎の過程を得て起こっている結果が水をノニジュース(くさいもの)に変えるというのが問題なんだよねぇ

「でも、こうして調べて貰っていると、何というか前より希望が見えてきた感じはします」
「知らないより、知ってた方がずっといいですもん」

此処に来なければ絶対に知る事が無かっただろう私の異能の仕様についての気づき
それを実際の形として見れているだけで、今のところは満足だ、いや、将来的には役立てたいんだけどね

研究員 >   
「そう前向きでいて貰えると此方としても協力しがいがあるよ」
「私たちはそう、そういった『良い』学生の味方だからね」

研究員は柔和に微笑んで測定器を回収する

「さて、今回は此処までにしよう、次からは本格的に……」
「君の異能の使い方について一緒に考えていこう、勿論、自分で色々試してみてもいい」
「ただ、周囲と自分への迷惑は常に考えて使うようにね」

そういうと、お疲れ様といい研究員は瑠音より一足先に訓練所から出ていった

黒羽 瑠音 >   
「はーい、がんばります!」

両手を胸元まであげてやる気アピールである
此処まで付き合ってもらって投げだすつもりはこっちにも毛頭ないのだ

「あはは、そこらへんはハイ、身につまされてますので……」

実家の方では主に食べ物に使っていた力、それが一番安全だし被害も少ないと思っていたからなのだけど
まぁそれでも被害が出る事はあった、主に匂い面で……

「またよろしくお願いします!」

そういって研究員さんを見送った後、手元に残った飲みかけのノニジュースを見て渋い顔を浮かべるのである

黒羽 瑠音 >   
「よしっ、もーちょっとだけ自主練?してみよっと」

とはいえ何をどうすれば練習になるか分からないので、取りあえず用意してきたものを色々使ってみるのだ
結果的にまぁ大体酷い結果になるのだけれど……少しだけ糸口が見えた気がした気持ちなのでメンタル的にはセーフ!
そう自分自身に言い聞かせたのだった、うう、帰ったらふて寝しよっかな

ご案内:「訓練施設」から黒羽 瑠音さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に深見透悟さんが現れました。
深見透悟 > 「たまには魔力を回さないと、体ん中で澱むんだよなぁ……」

手には20cmほどの杖、背にはテディベア。制服姿の深見透悟は訓練施設の一室にて独り言ちた。
本日の目的は『気軽に魔術を気兼ねなくぶっぱなすこと』ここ数日の徘徊で利用者が多くない事は確認していたので、
最適な場所として選んだのがここ訓練施設だった。

「最後にぶっぱしたのいつだっけ、ってくらい普段魔術使わないしな……
 もう少し日常生活でも使えそうな魔術、探してみっかなー」

ぶつぶつと思考をそのまま呟きながら、手にした杖を指揮棒のように振る。
小気味よい風切り音が鳴り、地味に楽しい。

深見透悟 > 「んー……日常生活に寄り添うような魔法ー
 明かりが点いたり、空調代わりになったり?
 そういう風な使い方なら……けど魔力コントロールとか、魔術師じゃない人には難しいか?」

思案を巡らせながら、室内のあらゆる場所へと杖を向けていく。
杖が向けられた先、壁や空中などには手のひらほどの大きさの魔法陣が展開された。
その魔法陣へ向けて、再度杖を振れば杖の先より光弾が放たれ、光の軌跡を残して魔法陣へとぶつかり弾ける。

「うーん、あとはシャワー代わりにしたりとか寝るときに何か良い感じのフレグランスを出したり……魔術じゃなきゃダメかコレ?」

小規模な爆発を断続的に起こしながら、杖を振る透悟は魔法陣にも光弾が飛ぶ先へも視線を向けない。
傍から見れば適当極まりなく魔術を行使しているが、本人からすれば集中はそれなりにしている。
完全に考え事と魔術の行使とで頭を切り分けている状態、が最も近いのかもしれない。視線を向けなくとも正確に魔法陣の的を射抜くのは、魔力を感知しているからだろう。