2024/08/20 のログ
ご案内:「演習施設」に紫陽花 剱菊さんが現れました。
■紫陽花 剱菊 >
桜梅桃李。
押し並べて老いも若きも汗みずく演習場。
青々とした広大な草原を模した場。
理屈は分からぬが斯様な絡繰らしい。
此度、彼方の故郷には無き術。
寡聞にして感服するより他無し。
「…………。」
かてて加えて、乱世にあれば兵の育ちも火急で合っただろう。
真、斯様幽世の島。跳梁跋扈の世。
故郷に比べ、より混沌を飾りては乱世に非ず。
摩訶不思議と思わずにいられない。泰平は小さくも芽吹いている。
「……否……。」
故に、異邦人。
乱世と戰場と切り離して考えるべし。
自らの蛮人を顧みて、木陰に佇み、男は生徒達の演習を眺めるばかり。
■紫陽花 剱菊 >
切磋琢磨、委曲を尽くす姿は数しれず。
彼等は何とし、自らの才を磨くのか。
そぞろのまま、そらんじるのか。
或いは只々御する為か。
「…………。」
何れに能わず、願わくば戰場に立つ事を無ければ良し。
夢物語やも知れぬ。泰平の世を享受すべき、と。
虚の瞳を閉じ、大木へと背を預けた。
さんざめく喧騒が玉響に耳朶に染みる。
思えば、己が生涯には何と無縁な場所で有ろうか。
斯様、幽世に居住まう資格は有るか。
「……あかね……。」
寿ぐ。
来し方行く末。
かの夕闇以上の理由は無い。
今も尚、狭間にて遷ろわん。
■紫陽花 剱菊 >
開けども当然、夕闇は無い。
夢現。酔っているのか、己は。
良い兆候ではない。雑念は消すべきだ。
「彼等の日常、泰平を見た。其れで良い……。」
泰平の一幕を垣間見た。
軌を一にするには十二分。
武芸、戦、血に塗れる取り柄しか無い。
閑日月は未だ不要。今一度夕の帳が降りる、其の刻迄。
誰が為に影にて剣を振るおう。
誰に気付かれる事もなく、音もなく影へと消えていくのであった。
ご案内:「演習施設」から紫陽花 剱菊さんが去りました。