2024/10/20 のログ
ご案内:「訓練施設」に霞流 周さんが現れました。
霞流 周 > 訓練施設の一角――緩やかな自然体でその場に太刀ながら、左手に提げ持つ何の変哲も無い数打ちの刀一つ。
構えは無く、気負いは無く、光の無い茫洋とした銀眼はぼんやり前だけを眺めている。

「―――」

意識は其処にあっても其処に意志(こころ)は無い。
確かにそこに存在しているのに、全く存在感が無い…溶け込んでいる。
存在を感知されても、それは何処か霧か霞のように捉え処の無い”何か”として映ろうか。

――ピッ、という電子音と共に機械の動作音。
同時に、少女を全方位から取り囲むように擬似的な銃弾の投影が殺到する。

「―――――」

その刹那、少女の右手がゆっくりと左手の刀の柄へと伸びた。…そこまではハッキリと映る光景。

霞流 周 > ―――そして次の瞬間、空間(世界)が斬裂する。
霞流 周 > 「――――…ん。」

抜き手も斬閃も刃すら見せず、周囲の弾丸全てが粉々になる
それを実行した少女はといえば、小さく息を零し――パチン、と涼やかな音を立てて納刀。

「……粉々に…なっちゃった…ね…。」

投影の銃弾は全てそのまま消えていく。粉々は想定とは違うのか、少し残念そうに思えるが声色は淡々と。
もう少し、正確に斬らないと想定通りには行かない…そう、自己判断を下す。

「……でも…やっぱり…鍛錬とか訓練は…苦手…。」

ぽつり、と呟いてから左手の刀を今度は右手に持ち替え(スイッチ)

霞流 周 > 右手に鞘ごと持ち替えた刀で、再び曖昧で霧か霞のように存在感が”消える”。
物理的に消えている訳ではなく、異能や魔術の類を使用してもいない。
ただ、単純に少女は己の存在感を希薄にしているだけ…気配を消す、より多分簡単な筈。

次の課題――少女の前方に巨大で太い円柱の投影が3本、直線状に立ち並ぶ。
その柱を全て斬るのが課題だとでも言うのだろうか。少女の視線は茫洋としていて感情が読めない。

「――――」

その場に突っ立ったまま、今度は左手で右手に持ち換えた刀の柄を緩やかに握る。
そこまでは緩慢なくらいに遅い動作であり、まるで寝惚けているかのよう。

霞流 周 > ――そして、また空間(世界)が斬裂する。

一つだけ先程と違うのは、その斬裂した位置が限定されている事だろう。
直線状に立ち並んだ3本の円柱の内、真ん中の柱だけが斬り崩される
手前と奥の2本は無傷であり、少女は既に鞘に納刀を終えていた。

「……これも…ちょっと…想定と違うかな…。」

見事に真ん中の柱だけを斬り崩すとう神業を行ったが、少女には納得というか想定とはズレがあったらしい。
訓練や鍛錬は苦手だが、こういうズレを修正点とにして認識出来るのは大きい。

小休止のつもりなのか、再び左手に刀を持ち換えながらも脱力したように…殆ど何も変わっていないが。
それだけ、少女にとって普段と斬る時の姿勢に差異が殆ど無いのだろう。

霞流 周 > 霧散するように消えていく柱の投影をぼんやりと眺めつつ、手持無沙汰に刀の鯉口を切り、また戻す仕草。

――チャキッ…カチンッ――チャキッ…カチンッ。

10回ほどそれを繰り返していたが、徐にそれを止めてその場に気だるげに座り込んだ。
一応、女の子ではあるのだが座り方はいわゆるヤンキー座りみたいな姿勢だ。

(…切れ味は…まぁ…この刀だと…この位が限界として…後は…正確さ…かな…。)

今の2回の絶技による自己判定…正確さをもう少し突き詰めるべきか。
無意識にやっている場合は兎も角、意識的に斬るならそこは矢張り何とか修正するべき。

霞流 周 > 刀は買い替える程のお金も伝手も無く、そもそもこの数打ちの刀の手入れで精一杯。
ならば、矢張り今より斬撃の正確さを詰めて確実に斬りたいものだけを斬れるように…と。

「……無意識だと…それも…関係ないんだけど…ね。」

無意識故に、機械のように自動的な反射行動は流石に少女にはどうにもならない。
意識していないからこその反射行動は、抑制も操作も一切無駄だから。

とはいえ、少女は別に『剣士』のつもりもなければ、剣術の高みを目指してもいない
突き詰めていく姿勢はそう見えてしまったとしても…それは自衛の為の手段に過ぎない。

霞流 周 > どのくらいの時間そうして座り込んでいたのかは定かではないが、不意にゆらり、と立ち上がる。

「……そろそろ…行こうかな…。」

あまり人目に触れたくないのもある…二級学生だから。
そのまま、後片付け、という程の事も無いがきちんと施設使用後のあれこれは終えて。

霧のように霞のように、不確かで曖昧な少女はそのままゆらり、ゆらりとした足取りで訓練施設を後にする。

ご案内:「訓練施設」から霞流 周さんが去りました。