2025/04/09 のログ
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スノウ > 「暑い...」

ふらふら歩きまわって何時間だろうか。
獣だったり瓦礫だったり...一向に話が出来る相手はいなかった。
味は最悪だったけど食べ物の確保は出来たのは嬉しいが。
ふと遠くを眺めていると。

「もしかして...人?会話が出来る人だといいなあ...。」

人影らしきものを見かけて近づこうにも、
もしかして追手なんじゃないか、なんて思考を巡らせて。

「こんな状況で戦えるわけがないか...」

丁度あった物陰に隠れて様子を伺うことにしてみた。

霞流 周 > 「――?」

ふと、とある方角に茫洋とした視線を向ける。
数秒、そちらをぼんやりと眺めてから…ややあって首を緩く傾げて。
転がる魔獣の屍骸を、足元を一瞥もせずに器用に避けながら、ゆらりゆらり…独特の足取りで。

(……気のせい…か、どうかは分からないけど…。)

歩き方も独特だが、何より右手に刀は提げているがその気配も態度もかなり無防備だ。
まるで流れる雲か、あるいは漂う霧のように掴み所が無い…不安定さみたいなものがある。

そして、その少女は物陰に隠れているであろう『何者か』の方へとゆっくり向かっていた。

スノウ > 「あんなに屍骸がある...強いなあの人。」

いくら暑くてパワーが出せないからと言って、あの数は相手に出来ない。
不意打ちをかけようにも無理だろうな...と考えていた。
そんな事を考えてるうちに距離を詰められてるようだ。

「もしかして...場所バレたかな...?」

こうなればやけだ、と。能力を発動させる為の準備をする。
....が、足場が悪くて滑ってしまいそうになり。
そのまま人影の方向へ転ぶ勢いで大きな音が出そうだ。

霞流 周 > 「…あ…。」

『何者か』が隠れているであろう物陰へと、もう距離が10メートルを切ろうかという辺りで。
いきなり大きな音と共に、スッ転ぶような勢いで出てきたかもしれない姿を見遣る。

「……あの…大丈夫…です…か?」

少女には特に敵意も殺意も無く、それでいて最低限の気遣いの声を掛けてみる。
少なくとも、その態度からして特にそちらに害を及ぼす意図は無いと伝わるだろうか。

(…気のせいかと…思った…けど…本当に…誰か…潜んでたんだね…。)

半ば、当てずっぽうに近いものだったが、内心でそんな呟きをぽつり、と漏らしながら。

スノウ > ...やってしまった。これでは不意打ちも何も...。
顔に砂が入った気がするけどそんな事を気にする状況ではない。
しかし何も...攻撃されない。捕縛位するのではと思っていた。

「...いたた。あ...あの。はい、大丈夫で...す?」

あれだけ戦闘してたのに殺気がない気がする。
よく見たら見ない格好だ、私は勘違いしてただけなのか。
この状況どうしよう...攻撃しずらいな...。
油断しちゃいけないと思い立ち上がってみたりする。

霞流 周 > 「…言葉は…お互い…通じるみたい…ですね…。」

彼女の格好をぼんやりと観察する。矢張りその目に敵意や殺意等は無い。…ついでに覇気も無いが。

(…左腕が…凄い感じだけど…取り敢えず…『異邦人』の人…で、間違いない…のかな…?)

以前も、この転移荒野で異世界の【死神】さんと遭遇した経験がある。
この荒野には【門】などを通じて異界の人や物も流れ着く…この人もそういう経緯、なのだろうか?

「…警戒…されてると思いますが…私は…別に貴女を…どうこうするつもりは…無いです…。」

と、ぽつぽつとした独特の間の喋り方は兎も角、右手に提げていた刀。
それを腰に巻いたベルトへと捻じ込んで。両手をフリーにして軽くゆらゆら振ってみせる。
”貴女に攻撃しないし敵対の意志も無い”というジェスチャー。

スノウ > 素振りを見て警戒を解いた。ダメなら既にやられてる。

「...会話が出来る人に会ったの久しぶりで。」

研究員でもないし...警備の人でもなさそうだし、何者なんだろう。
格好も違う...もしかして本当に知らない場所まで飛ばされた?
そんな事を考えてると腕に巻いてた布が無くなってる事に気づいた。

「...私の腕、怖くないんですか?」

見えてしまってるのは仕方ないから、思い切って質問してみる。

霞流 周 > 「……もしかして…長い時間…この荒野に…?」

開拓村とか一部の場所なら兎も角、それは中々に難儀だったろうな、と。
彼女が”こっち”に来てどれだけの日数が経過しているのかは分からないけれど。

腕については、相変わらず茫洋とした覇気の無い目付きで布が外れたその異形の腕を一瞥だけするが。

「…いいえ…特には…例えば…肉体を異形にする魔術とか…能力を持つ…人も…この”島”には…少なくないと思うので…。」

まず、ここが『島』であるという事をやんわりと伝えると同時に。
多いとは言わないが、彼女の左腕のように異形の部分を抱えていたり、または一時的に変化したり。
そういう人達も、それなりに居るし見た事もある、という事も伝えていこうと。

「…あと…ここで知り合ったのも…何かのご縁…だと…思いますので…。」

そう、口にして軽く会釈を緩く一つしつつ。

「…霞流…周…と、いいます……アマネ…で、構いません…私の名前…です…。」

スノウ > 「時間の感覚が無くなる位にはいたと思います...。」

長い間逃げ回る生活をしてたせいか、そんな事を考える余裕は無かった。

「島...?ここ、国じゃないんですか?」

腕の事を驚かれなかった上に、今ここに立ってる場所が島だと言う。
私みたいな人が他にもいる...?現実味が無くなってきた気がする。
なんだか別世界に来たみたい、夢の中にまだいるんじゃないか...と。

「あ、えっ、はい....よろしくお願いします。スノウです。」

普段の調子からかけ離れた少し高い声で挨拶を返してしまう。
なんだろう、ついてってもいい気がする。そんな気がする。

霞流 周 > 「……水でよければ…飲みますか…?…あと…携帯…食料も…。」

彼女の言葉に察した?のか、パーカーの懐から、小型の水の入ったペットボトル。
…と、袋に包んだ肉の干物…いわゆるジャーキーを手渡そうとする。
彼女の口に合うかは分からないが、おそらくまともに飲み食いは出来ていない可能性もある。

「…えぇ…【常世島】…と、いいます…。…今…私たちが居るこの荒野は…通称…【転移荒野】と呼ばれてます…ね…。」

一気にあれこれ説明しても、彼女も付いて行けないだろうと、小出しになるべく簡素に伝えていく。

「…そして…この荒野は…【門】というものを…主に通じて…別の世界の…人や…物…魔物とかそういうのも…流れ着いたり…します…。」

スノウ、と名乗りを返してくれた彼女に、軽くまた会釈を小さく一つ。
相変わらず、少女の視線は茫洋としていてどうにも覇気や生気に欠けている。

「…多分…スノウさん…も…おそらく…何かの弾みか切欠で…この【世界】に…流れ着いたのかも…しれません…。」

スノウ > 「...なんだかすみません、頂きます。」

何だろうこの容器...水筒みたいなものかな?
こっちはお肉みたいな、もの...他も多分似たような物だろうか。
まともな食事なんてしてなかったし...あれ、開けれない...?

「全く知らない...元々土地なんて知らない方だけど...」

ペットボトルを開けるのに苦労しながら遠慮なくお肉を食べていく。
丁寧に説明してくれる貴方を見ながら、優しい人だな...なんて思う。

「そういえば変なドアを蹴破ってここに来たんだっけ...。」

あの時の判断は正しかったんだろうか。
誰も追いかけてこない状況で、色々今貰ってるし...。
ここまで尽くしてもらってもやはり警戒してしまうような素振りをする。

「色々貰ってるのに変におどおどしてしまって...すみません。」

霞流 周 > 「…どうぞ…。」

元々、言葉数が多かったりお喋りな気質でもない少女だ。
普段に比べたらそれなりに口数は多いが、それでも何処か淡々としている。
ペットボトルの蓋を開ける事に四苦八苦していたり、物珍しそうにしている様子から見るに。

(…スノウさんが…本当に異邦人だと仮定して…こういうタイプの物は無い世界の…人…?)

それか或いは…と、考えを巡らせようとして…止めた。
ドアを蹴破って来た、という発言に…ドア=扉=門?と、頭の中に思い浮かべながら。

(…それはそれとして…まだまだ…警戒…されてる感じ…かな…無理も無いと…思うけど…。)

土地勘も何も全く無い所に放り出されたようなものだ。
彼女の口ぶりからして、こっちに来て最初にまともな会話をしたのは自分が初のようだし。

「…いいえ…警戒されるのも…無理はないと…思いますので…大丈夫です…。」

そもそも、そういうのはあまり気にしない性格でもある。
しかし、このまま彼女を荒野に独りにもしておけないだろう。
何時かの【死神】さんの時と同じく、街の中心部…学生街…引いては、生活委員会の本部に保護を頼むべきだろうか?

「…スノウさん…取り敢えず…このままこの荒野に居ても…あれなので…島の中心部…まで…ご案内しましょうか…?」

スノウ > 「...こう開けるんですね、ん...ごくごく。」

異形の腕だと握りつぶしかねないな、と何とか片手で開けた。
私が世間に疎い...いや「この世界」の物なのだろう。
服装的には似てるけど雰囲気が全然違うし、優しいし...。

「ずっと閉じ込められたもので...私の視線鋭いですよね...?」

色々お話してくれてるのにずっと身構えてた事に今更気づく。
私はやっと落ち着けてる...んだろうか?どうなんだろうか...。
何かお礼をしないといけないけど返せるものなんてないし。

「私が行ってもいい場所であれば...お願いします。」

深くお辞儀をしてお願いをしてみる事にする...。
行く当てもないし...いざとなれば戦闘も出来る。
この人だったら私が参加しなくても問題なさそうだけどな、と。

霞流 周 > 「…そう…でしょうか…?視線が鋭いのは…それはそれで…格好いいと…思いますけど…。」

あくまで少女の感想ではあるが。目付きが鋭いというのも、多少なり緊張や警戒を保ち続けてるのもあると思う。
ちなみに、少女は別にお礼やら見返り云々は何も考えていない…そもそもそんな下心も無い。

「…そうですね…この島は…『学生』…私みたいに…学び舎で学ぶ生徒たちが…自治を主に担う特殊な…島なので…。」

それと、矢張り生活委員会の本部に案内して、彼女を異邦人の一人として保護…身の安全を保証して貰うのが先決か。
もし、学生になったら安全と同時に生徒としての縛りも生じるだろうが…。

(…スノウさんの…意志に任せたいし…私はあくまで…案内するだけ…が、落し所…かな…。)

彼女が水分補給などを終えたら、ぼちぼち道案内をするとしようか。

「…一先ず…島の中心部にご案内して…生活委員会という所に…事情を話して…保護して貰うのがいいかもしれませんね…。」

と、提案だけはしてみるが、あくまで案内と提案だけ。案内はするとしても、その先はスノウさんの判断にお任せだ。

スノウ > 「か、かっこいい...!?そんな...ことないです...。」

突拍子もない事を言われて顔が赤くなっている。
本当に礼儀正しい人なんだ...あっちの世界じゃいなかった。

「『学生』...?もしかして勉強とか...してる人ですかね?」

聞いたことがある。勉強して、偉くなったりする人だっけ。
研究員達もその一環でなったとかそんな感じだった気がする...。
聞いてる限りだと私みたいな異形でも学べたりするのかな。
こんな腕で出来るのか分からないし、怖がられそうだけど。

「...ここから連れてって欲しいです。」

色々考えて見たが、私一人じゃどうしようもない...。
私の知らない単語は一杯出て来たけど、保護?をお願いする事にした。

霞流 周 > 「…そうですか…?」

普通に格好いいと思うけれど。自分がぼんやりしてるように見られるせいかもしれない。
スノウさんの顔が赤い気がするのだけど、もしかして照れてるのかな?とかぼんやり考える。

特に自分が礼儀正しいと思った事は無い…あくまで最低限、そのつもり。

「…えぇ…私も一応その学生で…文化、知識、あと…魔術とか異能とか…色々学べますね…。」

こちらの世界に馴染みつつ、衣食住を確保出来る点を考えると、保護して貰ってから正式に学生になるのはメリットはそれなりに多い。
…けれど、矢張り学生としての立場やルールによる多少の縛りはどうしてもある。

「…分かりました…じゃあ…スノウさんが大丈夫そうなら…早速出発…しましょうか…。」

一先ず、道案内と生活委員会の本部までの付き添いは引き受けようと。
その後――学生になるのか、保護して貰うのか、そこはスノウさん自身が決める事で。
少女はただの案内役…みたいなものでいい。
一気に帰るには多少距離もあるので。ともあれ、彼女が出発できそうなら先導するように歩き出そうと。

(…私は…意外と異邦人の人と…知り合う事が多いんだなぁ…。)

そんな事をぼんやり思いながら、曖昧な少女はゆらり、とした独特の歩き方で彼女を導くのであった。

スノウ > 「...そうですよ?」

褒められる事なんてなかったし...何だか胸が熱い気がする。
顔も熱いしまだ体温が整ってないだけかな。

「アマネさんも学生さんと...聞き覚えがある単語があるような。」

魔術と異能は知ってる、私にもあるし似たようなもの?
ちょっとだけ思考を巡らせるが、考えるのは後回しにしよう。
あとで一杯質問しよう。情報が少ないのは怖い。

「何から何までありがとうございます...。」

もう一度頭を下げて、一緒に歩いていくことにする。
私はこれからどうなるんだろう...前みたいな生活は嫌だな...。
変な不安はありつつも、この人だったら大丈夫だと思う。

(あれ、こうやって歩くのって初めてじゃないような...?)

不思議な気持ちになりつつも、隣にいる人に感謝をしながら導かれて。

霞流 周 > そうして、”霞”の少女は”雪”の少女の案内役となって――街まで送り届けるのであった。

――余談、生活委員会の本部の受付とかにも律義にスノウさんに付き添ったかもしれない。

ご案内:「転移荒野」からスノウさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」から霞流 周さんが去りました。