未開拓地区に存在する小高い連山の総称である。
古くから常世島に存在する連山であり、その名の由来はヤマトタケルが大和を偲んだ歌から来ている。
古代から祭祀の場であったらしく、祭祀の遺構が数多く見つかっている。
世界の変容後、一種の異界となったらしく、神話上の存在などが山の中に潜んでいるなどのうわさも存在する。
入山は自由であるが、整備されているわけではないので注意が必要である。
参加者(0):ROM(1)
Time:05:03:06 更新
ご案内:「青垣山」から橘壱さんが去りました。
ご案内:「青垣山」から鶴博 波都さんが去りました。
■橘壱 >
背部のメインバーニアが徐々に熱を持つ。
青白い炎が周辺を湾曲させる程の熱量だ。
森の中で使えばあっという間に山火事一直線。
『……僕は、戦うことが好きなんですよ。
人が忌避するような戦いに生き甲斐を感じている。
けど、別に破滅とかを望んでいるワケじゃない。ただ、戦うのが好きなだけ』
『正確には、AFを動かすのが好きなんですよ』
兵器の在り方は戦いであり、それが存在価値。
それを示すのはやはり戦いしか無いということだ。
躊躇いもなく喋るということは、それだけ迷いがないということ。
というよりも、ある意味彼女を信用してだろう。
隠していてもいいが、何時か前線でかち合った時、
きっとその自由な姿を目撃するのもそう遅くないと思ったからだ。
『今言ったことを信じるかどうかは、先輩に任せます。』
そういう壱の表情は、いつもと変わらないものだった。
『じゃあ、これからしたいことを探しましょう。
探すだけが目的にならないように、ゴールを見つけてね』
何時しか目的こそが生き甲斐担ってしまっては意味がない。
ちょっと茶目っ気を出すように軽くウインクをすればゆっくりと浮かび上がる。
『それじゃあ、ランデブーポイントまで一緒に』
二つの軌道が、青空を通り過ぎていく──────。
■鶴博 波都 >
『壱さんみたいに────?』
鶴博 波都は、橘壱の内面にある闘争心を知らない。
鶴博 波都は、橘壱が鉄火場での戦いを生甲斐にしていると知らない。
鶴博 波都は、橘壱を頼れる努力家の風紀委員として見ている。
日常に相反する思考を持つものであることを知らない。
偶々、使命と生き甲斐が重なっているかもしれないことに気付かない。
『ううん。正直なところ、やりたいことは分かりません。
だけれど……取れる選択肢は多い方がいいなって思います。
だから前線に出るお仕事は止めないつもりです。よく考えてみると……』
(日常に居たい訳でもない?)
したいこと、という側面で見ると何も浮かばない。
ただ自分の才能が活かせて、人の為になっているから鉄道委員の仕事を続けている。
そこに自分の欲求と言うものは……あんまりない。
『……したいこと、あんまりないかもしれません。大きな道を自分で選ぶって結構大変なんですね……。
あ、でも、この子を動かすのは楽しいです。鉄道委員のお仕事はやり甲斐があります。』
したいこと。人生の進路。
敷かれた道を歩いてきたが、いざ自分で選ぶとなると難しい。
『……わっ、こんな時間。そうですね。話し込んじゃいました。
たぶん飛ぶのは問題ないと思います。ひとまず、みんなに助けて貰いながら進路を決めることにします。』
自身の駆る深緑のAFを浮かせ、飛行形態にシフトさせる。
鶴博波都の肌感覚だと、"地面を歩くより楽"なものに思えた。
自分で自分を操縦するような感覚は、操縦物のそれ等に近く思う。
『今日もありがとうございます。壱さん。』
『やっぱり、壱さんの方が先輩みたいですね。とても頼れます。』
からかわれている気がしていないらしく、何時もの彼女らしく素直に応えた。
ふわふわと宙を浮いているが、AFの挙動に不安定さはあまりない。
■橘壱 >
『……色々遠回しはしてきたけど、そのつもりさ』
ハッキリと答えた。その声音に淀みは無い。
『守られる側から守る側に変わること自体も珍しいワケじゃない。
わざわざ日常を自分から飛び出していくのは、余程の物好きですよ』
『──────僕みたいなね』
言い方を変えれば例外とも言って良い。
でざるを得ない人間を除けば、普通の人間は日常を出ない。
自分の生き甲斐は、戦いにしか存在し得ない。
鉄火場で戦うことの悦び。日常と相反する思考。
だからこそ望んで守る側にも立てることもある。
『波都先輩がやりたいことをやればいいんですよ。
誰かを守るために前線に出たいなら、僕も出来る限り手伝うし、
やっぱり日常にいたいなら何時だって止める事も出来る。止める権利は誰もない』
『そんな年長者じゃないですけど、自分の人生なんです。
だったら、"選択の自由"を行使出来る間は、好きにしましょうよ』
きっとそれが、生きるという事だ。
軽く身を翻せば、青く広がる空を見上げる。
『勿論、どっちを取るのもありなんだ。
どっちかってことはない。……って、最近気づいたんだけどね』
『ちょっと話し込んじゃったかな。そろそろ戻りましょう。
帰りは巡航して、空の旅と行きましょうか。翔べますか?』
なんて、ちょっとからかうように。
■鶴博 波都 >
『パーソナルカラーなんですね。
壱さんは、自由に翔べていますか?』
どこか誇らしげな蒼白の機体と、彼声。
そこに秘められた想いの深さは推し量れそうで量れないので、聞いてみることにした。
『そんな感じです。列車にまつわる怪異は稀に良くあることですが……
……こういうケースはちょっと初めてです。』
ちょっとした異変や怪異ぐらいはあれど、
先日のことのようなものは初めてであった。
少しの沈黙の後に、モニターと共に橘壱の顔が表示された。
同様に自分の声と表情も映る様に操作をしてからモニターに向かい、告げられた言葉をしっかりきく。
『前線に立ってから、意識しすぎちゃったのかもしれませんね。
ちょっと卑下しすぎた言葉を選んでみたいです。ありがとうございます。』
肩の荷が降りた、と、気の抜けた具合で柔らかい笑みを見せた。
『そうですね。守られる事は悪いことじゃないです。それはそうでした!』
考えてみれば、根底の部分では別段迷う事でもなかった。
あくまで前線に出る事はあれど、守られたままでも良いのだ。
そこは違えなくて大丈夫と考えて、安心する。
『餅は餅屋で、私はマニュアル通りに頼ればいいだけです。
……身を守って、本来の仕事が出来ることが一番ですから!』
『それはそれとして、AFの操縦は上手くなりたいですし、自衛出来るぐらいにはなりたいですけど……
……なんだかんだで、この子を動かすのは楽しいです!』
■橘壱 >
『メタラグでの僕の色だったんだ。
自由に翔べる空の色。僕の翼として相応しい色にしたくてさ』
誰もが自由に憧れる空の世界。
それを何よりも象徴するこの蒼白。
此れは何時か、此の世界でも同じように翔ぶための決意表明だ。
だからこそ、この機体を自らの鋼鉄の翼に生まれ変わらせた。
そう語る壱は何処か誇らしげに語っていた。
『形が変われば系統も変わるとは思うけどね。
……きぬさら線?怪異とか、そういうのだっけ』
多分異世界的なニュアンスのものだと思う。
指名手配中の音楽家。見知った無貌。
誰がいったか隣人がどうとか。いや、今はそれは良い。
彼女は彼女なりに色々と経験を詰んでいるらしい。
まるで、前線に立ち会ったことがきっかけのようだ。
『(……なんだか因果な話だな)』
皮肉とも言える。
彼女の言葉を聞いて僅かな沈黙。
ただ、すぐに口を開いた。モニター通信越しに出てくる壱の表情。
『普通の人はそれこそ、そんなものとは無縁ですよ。
それは別に悪いことじゃない。風紀委員だって、事務員さんとか、
前線に出るような人ばかりってワケじゃない。それを箱入りっていうのは、その……』
『違うとは思うけどね。
それこそ卑下する事じゃないんじゃないですよ』
この世界そのものには争いや怪異と言った問題は数多く存在する。
この島一つとってもそうなんだ。だからといって、そればかりじゃない。
世界を織り成す日常こそが、この世界作り上げていると言っても良い。
『守られることは悪いことじゃないでしょう。
日常を守るから、今日という世界が守られている』
違いますか?とはにかんで問いかけた。
■鶴博 波都 >
『大体その位ですね。覚えておきます。』
うん、と、頷く。
質量と重さの可変性も備える機械。
その原理は分からないが、そういうものだと受け止めた。
『鉄道委員の制服の色と、右腕の赤は私の髪色ですね。
左右が分かり易い様に、アンシメントリーのカラーにしました。
壱さんは青色が好きなんですか?』
こだわってはいるものの、その理由は機能的なもの。
自分の中での認識性を快適にする為の、おまじないの一つだ。
『その辺りは、他の子と一緒ですね。
あ、えーと……ちょっとは良い所ですけれど、そう言う意味じゃなくて……』
『……何て言ったら良いんでしょう?
鉄火場とか犯罪とか、ほとんど無縁の生活を送っていたんだなって最近よく思うんです。』
『この前も、『きぬさら線』の中で指名手配の音楽家さんに遭遇して……
……こう、"犯罪者"にどう接したら良いか分からなくて……』
育ちが悪くないことは否定しないが、そうではないと訂正。
この顔にピンと来たら――なんて人相書きも渡されたかもしれない、
不法入島者と怪異の中で遭遇したことを告げた。
『……『きぬさら線』自体は結局夢オチで済む怪異の中だったので、
何もなかったしできなかったですけれど、前線に出ると悪い人と出会う事もあると思います。
今までは、自分の業務に専念していればいいだけでしたけど……。』
怪異の中で出会った不法滞在者にもそのことを指摘され、告げられた。
『そう言う意味での温室育ちです。守られてばかりの、日常にずっといましたから。』
■橘壱 >
彼女が上がってきたのを見ればうんうんと頷いた。
まだちょっと動きの硬さが目に付くが、初めてなら十分すぎる。
『隊長ってガラでもないけどね、まだ。
ん~……大体人間サイズなら100か200キロか……どうだろ?』
質量が自在に変わるまさに万能材質。
その質量によって重ささえ変わる異世界の逸品だ。
余り考えたことがないから正確な答えは持っていない。
『にしても、そのカラーって先輩の趣味ですか?
いい色ですね。元々Fluegelの色は黒だったけど、
僕が乗るってするからにはこの色にお願いしたんですよね』
この思い入れのカラーだからこそ良いというのがある。
実際こういう気兼ねはやる気に繋がるので、非常に重要だ。
『本当の戦場ならそういうのに気は使えないけど、
今は訓練の最中だからね。未開拓地区と言っても、
環境に気を使わないとね。無差別にやってたら、あっという間に壊れてしまう』
『……所でさっき温室育ちって言ってたけど、実はかなりお嬢様……?』
■鶴博 波都 >
貸与もまた、行動データが企業へと提供されるから成立するものかもしれない。
その辺りの細かい事はあんまり気にせず、基本動作を手足のように動かす。
『えへへ、動かす事だけは得意ですから!
ほんのすこし、形が変わっただけです。』
機械を手足の様に動かすことは彼女にとって当然の事。
無自覚に才能の片鱗を魅せ付けながらランニングをこなすが──。
『ん、なんでしょう。壱隊長。』
冗談めかしながらも機械のモノアイ越しに移る視線は真剣。
鬱蒼とした森の中、切り立った崖を"跳ぶ"蒼を見て──わぁ、と、声を弾ませる。
『すごいです!……確かに、火の気を出したら燃えちゃいますね。
何かに火がついて、大火事にでもなったら大変です。なるほど……やってみますね。』
魅せられた手本に感嘆の声を響かせながら、ハウトゥを学ぶ。
やれそうかと問われれば、頷いてみせて。
『やってみます。……それっ!』
屈みこんでから、手本に倣って跳ぶ。
フレーム内のマッスルシリンダーとソルモーターによって、
パワーエクステンダーの恩寵を受けて超人と化した跳躍をしてみせる。
上空に出てから軽くメインブースターを吹かせて推力を得て、
土煙を巻き上げながらスケートのように多少滑らせて着地する。
『とうっ! ……こんな感じでしょうか。
本体重量は結構な具合でしたけど、たぶんカタログより軽いですよね。
大体どのくらいになっているんでしょう?』
■橘壱 >
確かに自分は活動的に動いているつもりだ。
何よりもこの動きやデータは、企業にも提供される。
ある意味で自分の動きはフリー素材。
『イメトレとマニュアルだけで今日動けるってのは凄いものだよ。
人によっては、生まれたての子鹿みたいになっててもおかしくは無いんだから』
それこそ重量の問題ではなく、
体に蔓延る"違和感"に耐えれる脳が混乱するのだ。
普段やっている事を脳を徹して手足を、機械を動かす。
義肢や一部を動かすって話じゃないんだ。全身だ。
此れが無自覚だっていうんだから恐ろしい。
『(末恐ろしさってやつか。頼もしいのやら恐ろしいのやら)』
だからこそ思う。彼女がどんな成長をするのか、楽しみで仕方ない。
こうして進む山道は鬱蒼とした木々が多い。
人の手が加わっていないのが丸わかりだ。
生い茂る草に隠れて分かりづらいが、道も大分段差が多い。
姿勢安定制御機能がなければ、こけているかもしれない。
『段差が凄いな……この先の崖は……あ、ストップ』
モニターに映る大きな断崖絶壁。高いな。
青白い一つ目が見上げ、軽く手を上げて僚機を静止。
AF乗りの先輩。考えることがわかる。
『此処でバーニアを使うと、山火事の危険性がある。
こういう時は、こうやって"跳ぶ"んですよ』
科学の炎は草木を簡単に燃やす。
こういう自然への配慮が何よりも必要だ。
お手本を魅せるようにFluegelがかがみ込み、跳躍。
人工筋肉により、本来の自分では考えられない身体能力を得られる。
機械の、パワードスーツの強みだ。
上空に出れば、背中のメインブースターが火を吹き、
あっという間に崖の上へと着地する。
重苦しい着地音が土煙を巻き上げ、蒼白の機人が振り返る。
『こんな感じです。やれそうですか?』
■鶴博 波都 >
『ばっちりマニュアル読んできて、壱さんの動きも見てましたから。
イメージトレーニングだけは、ばっちりしてきました!』
装着しただけでもある程度は分かったものの、貸与時にマニュアルを借りて読み込んでいる。
戸惑う事なく動いていると言う点では、着用しただけで分かった事も少なくはない。
サブアームやバーニア、内部武装には極力触れずに脳波によって操縦。
才能を自覚しているからこそ、『今触れるべき機能じゃない』と極力補助なしの状態で駆動させている。
マシンが人型を模倣出来たことによる恩恵の大きな一つとして──。
『ある程度動くに慣れたらそっちも意識してみます。
人と同じ様に動けるならどこでも走破出来ますから、今は基礎から確かめてみてます。』
うきうきしながら山道を登る。
走破時の安定性を確かめる様に速度を上げたり一段飛ばしで跳んでみたりと試行錯誤。
『世界は変わり続けているんですね。私も、置いていかれないようしなきゃいけません。
今までは温室育ちの世間知らずでしたけど──そろそろ、そう言う訳にも行きませっ、んねっ。』
慣れない着地の衝撃に一瞬身体を止めたりしながらも、その一挙一動を確かめながら歩いている。
……思うところがあるのだろうか。変わり続けると聞いて少し真面目なトーンで声を返す。
(一段分でもナチュラルに動かすと結構来ますね。……ここはバーニア使った方が良さそう。)
■橘壱 >
ホログラム光に照らされる壱の表情は驚嘆に染まった。
『凄いな……装着しただけでわかるんだ。
確かに説明書もあるけど、凄いな。
一応手足や羽が生えてるのを想像してくれたらより動かしやすい、かも?』
基本的に脳波コントロールと言っても、
要するに手足を動かす感覚とあまり変わりない。
そこに付随するのはサブアームやバーニア起動と言った拡張性。
壱の言うように簡単に言えば手足が増えたような感覚だが、これがまた難しい。
単純にそれだけでも脳の負荷や処理能力の倍数が増える。
今からそれを同時動かせと言われて混乱しない方が少ない。
『(……AFの操縦に関しては天才と自負してたけど……)』
此れはうかうかしてられないな。
せめて、その道の先輩風くらいは吹かせておかないと。
ふ、と自然と口元は笑みを浮かべていた。
『安定期に入ったとは言え、世界は今でも変わり続ける。
そういう環境でも人が活動出来るための拡張機能がコンセプトだからね。
安全面や活動性はかなり考慮されてるさ。ま、とりあえず軽く動こうか』
まずはどれくらい動かせるか、だ。
悪路となった山道を鋼の足音が踏み鳴らし、
こっちこっち、と身振り手振りで先導しながら先に進む。
■鶴博 波都 >
「確かに、ランダムなトレーニングを考えるとお外の方が良いですね。
……この子(AF)を動かすのは初めてなので、緊張してきました。
えーっと、起動は……。」
無骨な腕輪を腕から外して放る。
転がった腕輪は割れた賽子の様に切れ目と共に広がり、
瞬く間に深緑色で、右腕だけ赤く塗装されたAFを展開する。
流れるままに着脱し、一体となった後、赤い右腕をじっとみつめる。
『分かりました。』
『基本的には操縦者の脳波とリンクし、思考による脳波コントロールで動くんですよね。』
事前に読み込んで来た説明書を思い返しながら、一歩一歩歩く。
機械や操縦物全般の取り扱いには自信があるが、油断はしない。
『耐久性も深海2万メートルの水圧にも絶えうる耐久性。
あらゆる環境下において生命が生存できるような最新鋭清浄機フィルターにラジエーター。
着用者の保護と、医療メーカー出のコンセプトは安心してぶっつけ本番で乗れます。』
手指膝足による機器の操縦ではなく、思考を読み取って動く鋼のマシン。
体力はあれど、運動そのものは慣れていないので今の所は『動けている事』以外は素人の動きだ。
■橘壱 >
「訓練場だとあらかじめ形が決まってるからね。
"動かす"ってだけなら、コッチのほうがいいですよ。
波都先輩の操縦技術ならすぐに慣れるから大丈夫ですって」
彼女の操縦技術、才能ならAFだってすぐ慣れるだろう。
反重量式装置で飛び回るドローンは時々コッチに手を振ったりと愛嬌の良いAIだ。
「とりあえず慣らし運転って感じで、早速やりましょうか」
今回は初めて乗るAFの慣らしだ。
戦闘訓練以前に、それこそ手足のように動かさなければいけない。
AFは兵器だ。実戦で使えなければそれこそ意味がない。
眼鏡を外し、白衣の裏側に閉まってトランクを投げ捨てた。
間髪入れずにトランクを踏みつければひしゃげて広がり、
瞬く間にその全身を包み込み蒼白の鋼が人の形となった。
青白い一つ目が光り輝き、頭部の奥で壱が一息吐く。
『とりあえず慣らしって感じで、先ずは移動から初めましょうか』