2024/06/06 のログ
マト >   
「うーん、成程ね、人造生命体(ゴーレム)としては少し分かるかもしれない」
「僕が元から人の形をしていたとするならば、多分それは人を怖がらせないためだと思うし」
「とはいえさっきは別の所で警戒させてしまったわけだけど」

要勉強だね、といいながら修繕作業を続ける
偶に優希に対してこの場所は大丈夫か、とか、此処も直した方がいい?と聞いてくるだろう
無防備に優希に背中を見せながら、熱心に祠に向き合っている

「折角人が頑張って作ったものを壊すわけにはいかないよ」
「役に立とうとして邪魔をするなんて最悪じゃないか」

其処に強い意志が垣間見えるように、マトの修繕はかなり慎重な作業であり
泥を一気にぶちまけるのではなく、少量ずつ塗り付けて固める、という作業が繰り返された
その為やや時間はかかるが、何事も無ければ外装は特に破綻も新たな傷を生む事も無く修繕されるだろう

風花 優希 >  
少年は問いかけられる言葉に、その都度応える。
外側からならば大丈夫、触れないようにして置くならいい、神棚はよした方がいい…だとか、事細かく。
そうして、わざわざそれを聞いてくるマトに、密やかに感心する。
なるほど…経験が浅いだけで、気を回すゴーレムというのも珍しいと。

「……うん、それくらいでいいよ。
 ありがとう、物理的な欠損はボクには補えないから助かった」

そして同時に、おのれの同族でもあるのだなと、そう感じた。
役立ちたい、或いは使われたいというそれは、恐らくはゴーレムであるからだろう。
被造物であるからには、造られた意味はきっとそこにある。
そうした感情の、欲の動きは究極的には道具である、少年と同様であったから。

だからこそ、恐らくはこうしたら満足するだろうという言葉が出た。
極々自然に…あたりまえのように。

マト >   
優希の言葉に素直に従い、それでいて極めて丁寧に仕事をこなしていく
意見を聞く、それを反映する、それはマトにとって恐らく当然の事であって
真剣ではあるものの、優希の言葉を聞くマトは何処か楽し気にも見えるだろう
更に言えば『命令』される事でその行動にバフがかかる、という特性も発動していたりするのだが
之自体はマトが自覚していないため集中している、としかこの場では見えないかもしれない

「―― どういたしまして、此方こそありがとう」
「優希に出会えたお陰で、知らなかったことを知れて嬉しいよ」

優希のお礼に対して、屈託のない笑顔を向けて立ち上がる
最後に手についた泥をぽろぽろと剥がしながら数本の桃色の花に変え
お供えのつもりなのか祠の前にそっと置くだろう
その仕草と満足げな顔からして、優希の考察は当たっていると確信が出来るだろうか

風花 優希 >  
さしもの少年も、命じたが故にその行動が『より良く』なっているなど思いもしない。
そもマトの修復作業の、命令の有無での前後比較が無いから致し方は無い部分もあるのだが。

「……まあ、もし万が一、こういう場所をキミがまた見つけた時に妙なことになったら事が事だからね」

ともあれ…だ、マトの返答には軽く頭を掻きながらそう返す。
お供え物をする様子を見て、あぁ、そう言えば自分も”そういう気回し”を忘れていたな、と自嘲して。

その隣に添えるように…何処からともなく宙から取り出したかのように
いつの間にか掌に氷の造花を創り出し…桃色の花の隣に添えた。

「で、なんだっけ、そもそもご飯を食べに来たんだっけ。
 ……ボクはそろそろ下山するけど、キミはどうするの?」

マト >   
隣に添えられた氷の造花を見てから優希の顔を少しだけきょとんとした顔で見る
そのまま並んだ二色の花を見下ろす表情はふわりと綻んでいて

「確かにそれもそうかもしれない」
「此処には他にもこういう場所があるのかな、それなら、優希の言葉はしっかり覚えておかないとね」

薄桃色の髪を揺らしながら両手を後ろに回して向き直り

「うーん、山頂で食べようと思ったんだけれど、さっき言われた事もあるしね」
「今日はもっと下の方でご飯を食べる事にしよう、何が言いたいかというと……」
「折角だから、下山まで一緒させてもらってもいいかい?」

そういって悪戯っぽくマトは笑う

「何せほら――"こんな山奥でバッタリ人と会うなんて普通は無い"んだから」
「もう少しだけ、その偶然を楽しみたいと思うんだ」

勿論、君が良ければだけどなんて言葉を添えながら返答を待っている

風花 優希 >  
「あるさ、こんなものばかりだから、ボクも”ここ”に居るんだ」

それはこの山を指すのではなく、もっと大きな意味合いでの場所を示すような口ぶり。
語る少年の口元は、口角を上気味に歪めた笑みを携えて。

「あぁ、構わないさ…今からだと下山することには日も暮れて最悪遭難だろうしね。
 なによりまあ、折角の縁だしな」
 
少年は返す。マトが言うようにこれは出来過ぎた偶然だ。
同族だと、そう感じたように。何かしらの所縁があるのかもしれない。
ならば、それをもう少し深めてもいいだろうと、そう返答して
ゆっくりと少年は祠へと背を向けた。

マト >   
「……」
「ふふ、そっか、優希は偉いね」

彼の言葉に何かしかを感じいったのか、目を細めて
そこから続く同意の言葉に、そのまま嬉しそうに身を翻した

「そうこなくっちゃ、まだ色々聞いてみたい事もあったんだ」
「もう少しの間、いや、之からよろしくね、優希」

それはマト自身もこの縁をもっと深めたいと考えているからの言葉に外ならなく
最後にもう一度だけ祠を一瞥してから共に背を向ける
薄暗さを増していく山中で、それでも足取りはきっと軽い事だろう

ご案内:「青垣山」から風花 優希さんが去りました。
ご案内:「青垣山」からマトさんが去りました。
ご案内:「青垣山 廃神社」に緋月さんが現れました。
緋月 > ざっく、ざっくと足音が響く。
足を進め、廃神社まで歩いてきたのは、書生服に外套【マント】姿の少女。
整備されていない山道を進んできた割には、大した息の乱れもない。

「――幸運です、まさか神社があるとは。
すみません、少し失礼します…。」

すっかり荒れ放題の神社に手を合わせると、踵を返して景色を確かめる。
開けた場所にある為か、見える風景は悪くはない。

荒野から此処まで歩いて来るうちに、すっかり日は上がってしまっていた。
軽くお腹が鳴ったが、意図的に無視する。

ご案内:「青垣山 廃神社」に蘇芳 那由他さんが現れました。
緋月 > 目を細めつつ、特に良く見える方向から様子を確かめる。
日が少し眩しい。

「多分、あの荒野が目を覚ました場所。
あそこから…多分、あっちを通って、で、こっちかな…。」

ぶつぶつと独りごちながら、歩いてきた筈の方角を確かめる。

「…あっちの道はしっかりしてるみたいですね。
帰りはあっちを使おう。」

整備された道を見ながらぽつり。
最初に整備されていた方の道を見つけていたらどれほど楽だったか。

「――あっちは、街…かな。
向こうにも、それらしいのはあるけど――。」

ぼそ、と呟きながら目を凝らす。
未開拓地区の開拓村に、遠くに学生居住区が見える。
最も、この少女にはどちらも「街」という括りにしか見えないようだったが。

蘇芳 那由他 > 定期的にとある幼女な雇用主さんから請け負っている【お仕事】。
それをこなす為にあれこれしていたら、少年の方向音痴もあってすっかり朝日が見え始めていた。
現在、青垣山の中腹辺りにて、リュックサックを背負い、拾った木の棒を杖の代わりによろよろ山登り中。

「……もうちょっと…ぜぇ…体力…はぁはぁ…付けないと…駄目かも…。」

仕事そのものは達成したものの、帰り道を間違えて”また”迷子になった末の現在地。
ふと、視線を上げた先に…神社?らしき朽ち果てた建造物が見えた。

(あそこで小休止しようかな…帰りの事はそれから考えよう…うん…。)

目標が定まれば人間頑張れる。ゆっくりと頼りない足取りながらも神社の入り口まで到着する。
先客の少女からも、もしかしたら早い内から少年の姿が見えているかもしれない。

緋月 > 「――――!」

再び整備されていた道を確かめていた書生服姿の少女。
その目が一点で止まり、反射的に鳥居の影に身を隠す。

(誰か来る――住人? 旅行者?
こんな荒れた場所に用事…怪しい…!)

などと考えつつ、隠れながらの観察を怠らない。
が、少しずつその警戒も薄れていく。

(……あの服は、大きな街などでよく見かける学生の服装に似てる。
それに見た所、疲れているように思える。
……もしかして、ホントにただの学生かな。)

其処まで考える間に、警戒心はかなり小さくなっていた。
むしろこうして隠れていて見つかった時、自分の方が不審者扱いされかねない。

「――よし、なんとかごまかそう。」

出した結論はひどくざっくりしたものだった。
寂れ切った神社にごめんなさい、と小さく声をかけ、軒下に腰掛ける。
手にした刀袋は傍らに。
登山の休憩者を装って何とか誤魔化して、あわよくば事情を探れれば、などと調子のよい事を考えていた。

蘇芳 那由他 > 如何にも怪しいのはその通り。しかも無防備かつ今にも倒れそうなくらいに足元が覚束ないのが更に。
実際、こんな朝方にわざわざこんな場所まで来る学生も居ない…事は無いか。
それでも、珍しい事に変わりは無いだろう。
…真相は、仕事をこなしていたら迷子になり帰れなくなって朝を迎えただけ、なのである。

「…はぁ…ふぅ…やっと…つ、着いた…。」

警戒心などがすっぽり欠落している少年は、無防備まんまであり、少女の姿も気配も何も気付いていない。
勿論、その思惑も知る事は無く、鳥居の前で一度足を止めて。

「…えーと…すいません。もうここに神様が居られるかは分かりませんが、ちょっとだけ休ませて下さい…。」

そう呟くように口にしてから、ぺこりと深く一礼をする。
信心は多分無いけど礼儀は大事。そもそも、これ以上歩くと確実に行き倒れる。

「……あれ?」

そこで、ハイライトの無い黒瞳が、神社の軒先に腰掛ける少女に漸く気付いた。
僅かに動きが止まるが、直ぐに「先客さんかな?」と、切り替え遠目からで失礼だが会釈を。

(あの傍らのは…刀袋…なのかな?学園の人かな?)

少なくとも自分はおそらく初対面の人だろう。ともあれ、小休止もしたいので自然とそちらに歩み寄る事に。

緋月 > 相手が会釈をしたのを目にし、先客を装う少女も小さく一礼を返す。
軽く頭を下げたつもりだったが、つい少し堅めの礼になってしまった。
そしてそんな内心では、

(……大丈夫かなこの人…すごく顔色悪そう…。)

自分も色白の方だが、それでも息を切らせながら登って来た少年程ではない。
いっそ病的に見えるその顔色が、更に少女から警戒するという考えを取り去っていた。

「――どうも。えっと…あなたも山登り、ですか?」

なるべく不自然にならないよう気を払いつつ、そう声をかける。
少し色素の薄い、グレーのポニーテールが軽く揺れた。

(…変な奴だと思われませんように。)

近づけば、時代錯誤気味な書生服姿が外套からどうしても見えてしまう。
以前に都会で変わったものを見た目で見られたことを思い出しながら、そう念じてみた。

ご案内:「青垣山 廃神社」に蘇芳 那由他さんが現れました。
蘇芳 那由他 > こちらの会釈に小さく一礼を返してくれる少女の様子に、内心で一安心。
冷静に考えてみると、いきなりフラついた学生服の少年がこんな場所に現れたら変でしかないから。
自業自得、と言えばそれまでなのだけど…あと、顔色が悪いのは色白の肌も相まって余計にそう見えそう。

「…こんば…えぇと、おはようございます?…いえ、山登りというか何というか。」

実際は”仕事”の帰りに迷っていたのが正しいが、素直にそれを言うと変な目で見られそうな。
そして、不審者扱いもされかねない…が、嘘とか誤魔化しは下手な部類。
ちょっと言い難い諸事情があってここに来た、という感じなのはバレバレかもしれず。

お互い、変な奴と思われませんように!と内心で願う初対面の構図。

そちらにゆっくりと歩み寄れば、まずは失礼して適度な距離をきちんと空けて腰を下ろす。
少し息を整えながら、ぐいっと服の袖口で汗を拭いつつ背負っていたリュックサックを下ろし。

「……。」

少年、そこでやっとまじまじと彼女の服装を見る。
果たして、彼の少女の服装への感想は――…

「何か格好いい服装ですね。外套も落ち着いた赤色、という感じですし。」

裏表がそもそも無いので、正直な感想をただ口にする。

緋月 > 服についての素直な感想を聞けば、書生服姿の少女は小さく肩をびくりとさせ、

「――え、でへへへ…かっこいい…かっこいい――――」

少々だらしのない表情で、情けない心の声が口から駄々洩れである。
直後にはっとしながら表情を正すと小さく咳払い。

「…失礼をば。
都会の方からすると、いささか古い姿らしくて、よく好奇の目で見られたものでして。」

キリっとしながらそう返すものの、さっきの心の声のせいで情けなさが先に立つかも知れない。

「しかし、大丈夫ですか?
随分と…その、失言でしたら申し訳ないですが、顔色がよろしくないので。
荷物、重いのですか? 帰り道、大変そうですが…。」

と言いつつ、街らしきものが見えた方角…学生居住区が見える方向を軽く指差す。

ご案内:「青垣山 廃神社」に蘇芳 那由他さんが現れました。
ご案内:「青垣山 廃神社」に蘇芳 那由他さんが現れました。
蘇芳 那由他 > 実は書生服、というものをよく知らないし外套にも特に偏見も何もない少年。
常世島の環境故、というのもあるだろうし過去の記憶が無いので変な先入観も無いから、というのもあり。
けれど、小さく肩をびくり、とさせる少女に「…あれ?」という顔。

(もしかして失言……だったかな?どうしよう、ここは素直に謝って何とか――)

…直後、少々だらしのない声が聞こえた気がした。…聞かなかった事にしておいた方がいいだろうか?

「…古い姿なんですか?僕はファッションとかは全然さっぱりですけど…。」

少しずつ息を整えながらも、首を傾げて不思議そうに。
きりっとした顔立ちの少女の言葉に、さっきのあの表情と呟きは幻かな?と。

「…お恥ずかしい話、ちょっと休憩しないと行き倒れそうなレベルで不味かったですね。
こういう神社があって助かりました……あー、学生区はあっちの方角かぁ…。」

少女の指さす方角を眺めて疲れた声が漏れる。
薄々、というか前から気付いていたが僕はやっぱり方向音痴なのではないだろうか。

「あ、荷物は食料と飲み物とタオルくらいなので大丈夫です。
…と、僕は蘇芳那由他といいます。ナユタで構いません。あっちの学生区にある常世学園、という学園の1年生です。」

改めて会釈と、名前と学年を名乗っておこう。こういうのは早い方がいい。