常世島内の交通機関には公営、私営の物を含めていくつか存在する。
列車や路面電車、さらには路面バスなども存在する。
それらに乗れば、常世島の様々な地点を素早く移動することが可能である。
常世島を走行する列車は基本的には日本本土の電車と変わるところはないが、一部レトロな車両など特殊な車両も存在する。通勤・通学の学生や職員に使われる。運行は主に鉄道委員会が行うが、いわゆる私鉄のようなものも存在している。
島内の様々な場所に駅があるが、最も大きいのは学園地区の「中央駅」である。
列車やバスにせよ、鉄道委員会が運行を取り仕切る交通機関は多くの島民が利用するため、そのセキュリティは堅固である。
一部私鉄や私営バスは運行に送れが出ることなどがあり、問題視されている。
参加者(0):ROM(1)
Time:08:16:09 更新
ご案内:「常世島環状道路:一般道」から挟道 明臣さんが去りました。
■挟道 明臣 >
「最近の若い子って何処にいんのやら」
山ん中から落第街まで、何処にいても可笑しくない。
いずれにせよ、直近の動向や息災を知るのであれば、まずは聞いて回るしかないか。
友人や同じ所属の人なんかが都合よく見つかれば良いが、
緋月の所在も所属も聞かされていなければ、
祭祀局に真夜の事を聞けば余計な所に目を付けられかねないか。
ともあれ、だ。
「直接頭ひっぱたくでも良いが、鳴火の奴今どこに居んだ……
そっちは椎苗に伝えてさせるか……」
心臓を持って行くの自体は構いやしない。
預かっているだけのものだ。
ただ、その為に鳴火が死ぬつもりなら━━後からだろうと握りつぶす、と。
まぁ、実際にそんな事をするつもりは無いが。
自身の命を軽く見ている節のある亜麻色には、針の一本くらいは刺してやるくらいがちょうどいいだろう。
やる事を決めたのなら、バイクを止めている理由も無い。
音声認識で書き上げさせた短い文面を椎苗に送る手はずを整えて、緩やかにエンジンをふかせる。
街灯の少ない通りを、ヘッドライトで裂くようにして男の姿を消えていく。
■挟道 明臣 >
自分が動けなくなった時には、とノーフェイスは言ったが
そうでなくとも緋月という子には会う必要があるかもしれない。
酷く傷ついているであろう彼女にとって酷な事を強いるだけかもしれないが、
自分の預かり知らない所で、全てが終わるのを良しとする娘にあの女が期待を置くとは思えない。
最良の結果を手繰り寄せるための時間なんてものはそう残されていないのかも知れないが、
雑に片を付けて良い問題でも無かろうというもの。
「ってなると結局また人探しからだな……」
ノーフェイスのもう一つのお願い、藤白真夜の安否確認の事もある。
吹きつけてくる風はここ数日でより一層の冷たさを齎したが、
暖かい研究室に籠っている訳にもいかないと思うと頭が重い。
想定以上に鈍った勘と、丁寧に掃除されて使えなくなった情報網も多く、
サクッと短日でとはいかないだろう。
定点に張り付いて待っていれば一日そこらで見つかるかも知れないが、
この島の風紀委員は存外良い仕事をする。
■挟道 明臣 >
求められたこと自体はシンプル。
心臓を病室の頭の傍らまで持ち込む事、たったそれだけ。
ただ出てきた問題点は二つあった。
ひとつはホシノモリアルカの人格の問題。
そして、鳴火の述べた安全の期日。
「……クリスマスが終わるまで、な」
指折り数える間でも無く、ひと月を切っている。
明確に述べるあたり、なんらかの接触があったという事なのだろう。
アクセスを掠め取っておいた彼女の塒付近のカメラに妙なログは無かったはずだが。
その期日を境に、彼女の頭を欲する人間からの再接触があるという事だろう。
勿論、言葉通りに受け取ればの話だが。
鳴火がなんで悠長にそんなもんを受け入れたのかは、まぁ想像は付く。
近しい誰かを巻き込んで傷つけるよりは、なんてそんな所だろう。
「━━反吐が出る」
ツギハギにした身体の回収だ?
適合値を示したから素材として連れて行く?
何様だと、言いたくもなる。
鳴火もポーラとかいう奴も、他人と繋いだ縁を容易く切れると思っているのか。
死んで、居なくなってそれで終わりなのは手前だけ。
■挟道 明臣 >
「消すことに、なるのか」
ポーラ・スーという初等教育担当員を俺は知らない。
ホシノモリアルカという鳴火の友人を俺は知らない。
あるいはそのどれでも無い彼女らを、俺は知らない。
ノーフェイスは肉体の代替品にアテがあるとは言っていたが、
そうして目覚めるホシノモリアルカが何者であるのか。
鳴火が言うように意識を回復させることが叶ったとして、
ノーフェイスの語った少女を彷徨わせる結果を招きはしないか?
「どうすっかね……」
頭を掻いたところで、答えは降りてこないのだが。
■挟道 明臣 >
「……あ?」
“心臓を届けて欲しい”
AIに要約された差出人不明のメッセージに怪訝そうな声がヘルメットの中で漏れた。
ホロディスプレイの運転用の拡張表示を表示外に追いやって全文を表示させて、ため息。
5年以上も乗り回してきた黒の愛馬を道路の脇に止める。
ログを辿れば送信元こそ分からないが、経由された回線は椎苗の物。
気分屋なあのチビっ子の事とはいえこんな内容でイタズラはしてこない。
まずもって本人に心臓の話はしていないのだから。
「複数の人格ねぇ……」
4つの人格、と鳴火は綴った。
一般的に記憶の格納されるはずの脳と、星核を宿した心臓。
それらを合わせて、とも。
彼女の言うところの同期を行ったとしても目覚める人格はそのどれか、と言うわけだ。
目覚めるというのは、解離性同一性障害に於ける主人格の話か?
あるいは━━
ご案内:「常世島環状道路:一般道」に挟道 明臣さんが現れました。
ご案内:「列車内」から雨宮 雫さんが去りました。
■雨宮 雫 >
「そっか、じゃあ一緒の駅だねー。
……何かの縁だし?そのまま駅出てホントにぶっ倒れられても困っちゃうというか……」
のろのろと立ち上がった女生徒を気遣いながら、ドアまで一緒に。
ホームに入った電車がプシューと音を立てて止まり、開いたドアから一緒に降りる。
「 まぁ、途中まで一緒にいこーよ。
大丈夫だよ、ボクはこの辺にも詳しいんだー……歓楽区はほら、怪我人も出るから、ね。」
ゆっくりと足を動かす女生徒の横を歩き。
2人は改札を出て、駅を出ていく。
歓楽区はこの時間でも、この時間だからこそ、人も多く灯りも多い。
すぐに紛れて分からなくなることだろう。
■雨宮 雫 > 「―――」
「―――――」
少年が更に気遣うような言葉を投げる。
女生徒は俯いたまま、首を横に、横に動かす。
俯いたままの女生徒は、顔を上げなかったから。
優しい声を投げかける少年の表情を見ることはなかったようだ。
段々と投げかけられる言葉は、体調を気遣うものから、何処まで行くのかとか、そういう話になっていったが……
話してる間にも電車は進み。
何個か駅を通過して、気づけば歓楽区へと入っていた。
2つ目の駅がもうすぐだとアナウンスが流れ―――
■雨宮 雫 >
携帯端末を見た女子生徒は、少しして少年の方に視線を戻して……首を横に振った。
そうではない、そうではない、と。
「そう?
何かそれにしては、雰囲気が外の景色より真っ暗だよ。
どこが目当ての駅か知らないけど、電車下りてちょっと歩いたらぶっ倒れちゃいそうな空気してるし……
ほんと、だいじょーぶ?」
女生徒は頷く……ではなく、俯いた。
■雨宮 雫 >
声には反応するのか、ゆっくりと顔を上げた女生徒に、にこやかな表情を浮かべて更に話しかける。
「いきなりごめんねえ。
なんか、元気無さそうに見えたからぁ……
ぁ、ボクは生活委員会のねぇ、保健課だから。
具合悪いのかなーって声掛けたの。」
ほらって言いながら、生徒手帳の携帯端末を出し、画面を見せる。
確かに、所属に 生活委員会 保健課 と書いてある。
「だからぁ、具合悪いのなら次の駅で下りて休めるように駅員さんに相談するけどー……?」
■雨宮 雫 >
少し、もう1人の乗客の女生徒を見ていたがわけだが。
そういえばきっちり着た制服も余り、深夜の歓楽街向けとは言い難い。
見方を変えれば、ぐったりしているようにも見えるし。
少年がスマホをポケットに突っ込むと、ぐるりと回りを見る。
自分と、もう1人以外は誰も居ない。
うん、誰も居ない。
するりと立ち上がって、女生徒の方へスタスタと近づいていく。
近づいて行っても、ほぼ目の前まで行っても、何の反応も見せない女生徒を少し眺めて。
「もしもーし……?」
■雨宮 雫 >
「…………んー?」
もう1人の乗客は座席の端っこに座って、手すりというか支えに身を凭れさせていて。
顔は足元を見るように俯いていて。
とても、今夜は歓楽街に遊びにいくぜーって雰囲気ではない。
明るいテンションとは逆ベクトルの、暗い暗い空気を纏っている。
■雨宮 雫 > 区画から区画への移動はなんだかんだで、結構、長い。
途中の駅に全部止まる路線なら尚更だ。
だからこーしてスマホに熱中しているようでも、目的地を通過しちゃうなんてのは中々起こらない……し、あんまりね。
遅い時間のせいか停車駅で誰も乗ってこない、どっちも下りないのが続く車両は異邦人街の真ん中を抜けて、歓楽街の方へ近づいていく。
そこでスマホでやってたゲームの区切りがついたのか、画面から顔を上げた少年がふと周りを見回して……
もう1人の乗客を見た。