常世島内の交通機関には公営、私営の物を含めていくつか存在する。
列車や路面電車、さらには路面バスなども存在する。
それらに乗れば、常世島の様々な地点を素早く移動することが可能である。
常世島を走行する列車は基本的には日本本土の電車と変わるところはないが、一部レトロな車両など特殊な車両も存在する。通勤・通学の学生や職員に使われる。運行は主に鉄道委員会が行うが、いわゆる私鉄のようなものも存在している。
島内の様々な場所に駅があるが、最も大きいのは学園地区の「中央駅」である。
列車やバスにせよ、鉄道委員会が運行を取り仕切る交通機関は多くの島民が利用するため、そのセキュリティは堅固である。
一部私鉄や私営バスは運行に送れが出ることなどがあり、問題視されている。
参加者(0):ROM(1)
Time:17:08:14 更新
ご案内:「学園地区駅 ホーム前」から御雷 天華さんが去りました。
ご案内:「学園地区駅 ホーム前」から天琴 衣詞さんが去りました。
■御雷 天華 >
「使いこなせれば、アレほど便利なものもそうはありませんよ。
……まぁ、実際に使う用途はそう多くはありませんから」
ただ普段使いする程度なら、不慣れでも大丈夫であろうと。
スマートフォンに悪戦苦闘している様子の少女に笑みを浮かべて。
天華はフォローを入れるようにそう告げる。
ただ使うだけならメールや電話だけでも十二分。
それ以上は、必要となれば一つずつ扱いを覚えれば及第点だろうと。
「えぇ、少々引き留めてしまいましたが、またいずれ。
学園か……或いはまた、お屋敷の方ででも」
ともあれ今は、一旦は別れを告げる。
その背を見送り、軽く手を振って。
それから少女は改めてMAPに視線を戻し。
程なくして行先を決めたのか、改札を潜るのだ。
■天琴 衣詞 >
「文明の利器は、確かに慣れた方が、良いのかも知れない。
学生手帳…と、いったか。あれは、使う為に覚える事が、多い。詰め込み過ぎるのは、どうかと思うが。」
学生手帳…とはいうものの、所謂スマートフォンに近い代物である。
文明から離れた人間には、まず使い方を覚える事が苦難の道だろう。
詰め込み過ぎ、という愚痴のような言葉も、極端な多機能化への苦言のようにも思える。
まあ、人間である以上、慣れというものはある…のかも知れないが。
兎も角、この巫女服を思わせる成りの少女、那岐流の中でも一際浮世離れしているタイプと言えるだろう。
何しろこんな街中で巫女服めいた服を着て、しかも楽器ケースは形から見て中身は琵琶。
少女の姿の方が、この街中では異物感が強めに思える。
「ではな、天華殿。次に会うとしたら――学園で、であろうか。」
さらば、と言い残し、色素の薄い小柄な少女は別のホームの方向へと歩みを進めていく。
路線は、住所の方向。学生・教職員居住区へ通じるものだ。
幸いにも、乗り換えという概念も学習出来ているらしい。
■御雷 天華 >
少し思案すれば、当然と言えば当然の話。
自らがこれから何処かへ行く為に駅へときたのだ。
その駅から出てきたのなら、その逆だろうと。
「成程、帰宅途中でしたか」
続く言葉には、その浮世離れっぷりに苦笑を浮かべる。
けれども、不思議とまでは思いはしない。
那岐流に於いて、俗世から掛け離れた生活を送る者は決して珍しい者ではない。
程度の差こそあれども、修行に身を置けば文明から離れる事は数多い。
とはいえ、それでもここまで現代離れしているのは珍しいが。
天華でさえ必要最低限の学生生活は『社会学習』の名目で送っていたのだから。
「まぁここで過ごすのならば文明の利器は、活用せねばなりませんしね。
……と、なるほど此方に宿を取られたのですね、ありがとうございます」
■天琴 衣詞 >
「帰る。」
何処へ、との問いには、ひどくこざっぱりした返事。
「電車、というものの乗り方は、凡そ理解出来た。学園とやらへの道順も、覚えた。
当世は、目が疲れる。色々と、物や音が、多すぎる。」
その言葉が、既に彼女の育った環境の現代離れぶり…あるいは異常さを物語っている。
電車の乗り方を覚えるという時点で、どういう生活だったのかと思わずにはおれないだろう。
何処の田舎から出て来ればそんな言葉が出るのやら。
「――そうだな。
何某か、あった時に、連絡が取れた方が、不便ではないだろう。
この島での、此方の住居は、此処になる。渡せば分かると、言われたが。」
少し歩み寄って距離を詰め、懐から取り出したのは小さな紙。
名刺程度の大きさに、住所が書かれている。
――学生・教職員居住区の中にある、割とよいタワーマンションの住所と部屋番号だった。
恐らく天琴の家の者が手配したのだろうが、どういう基準で選んだのやら。
■御雷 天華 >
「世辞を口にしても、貴女にはそう意味の無いものかと思いまして」
それは彼女の、天琴という家の性質故に……という訳ではない。
自らが客観的にどう評価されているかを知りながらも、それを在るがままに受け取る振る舞い。
即ち、他者評価が如何なものであっても、ただそうなのだと受け入れる性質。
それを持つ相手に対して、世辞と実評の差は無いようなものだろう、と思案したが故の事。
「期待に思う事はありますが、されども任されるのならば応えねば成らぬ事。
より一層、励んでいくしかありませんね、お互いに」
ともあれ、と。
軽く、一呼吸を置いてから、改めて天華は少女へと向き直る。
「……今日は、これから何方に?」
■天琴 衣詞 >
「随分と、遠慮なく、物を言う。
世辞や社交辞令の飾り立てのない、そんな言葉を聞いたのは……そう、覚えていない位には、稀だ。」
まるで虚実を聞き分けられるかのような言葉。
否、天琴家が代々受け継ぐ神器の性質も考えれば、それすらも可能なのかも、とさえ思わせる。
苦笑しながらの少女の言葉には、小さく瞑目。
「確かに。如何な素質持ちとて、経験という積み重ねの壁は簡単に届かぬもの。
お互い、若い身で次代の責務を約束されて、大変なものだ。」
冗談、というにはやはり情動が欠けているので笑いどころが難しい言葉。
まあ、若いというのは事実である。
将来性豊か、という事には間違いはない、だろう。
■御雷 天華 >
「それを言われたところで、という奴ですね。
私としては納得できる話と共に、想像よりは人らしいと今は感じておりますよ」
そう返す少女の評価は実に率直なもの。
確かに目の前の彼女は、どこか欠落したものがある。
されど、興味を向ける仕草や物言いにはどこか感情が感じられる。
決して振る舞いすべてが絡繰とは、天華には思えなかった。
「まぁ、きっとそれはお互いさまではあるのでしょうね。
私個人としては、優れた…というには足りぬものがまだ多い身です故」
苦笑を携え、此方を覗く視線にも動じずに。
ただ在るがまま、此方もまた自らを誇りはしない。
■天琴 衣詞 >
「噂。噂、か。」
何かを確認するように、そう呟き、軽く首を傾げる。
ふぅ、と、小さく息を吐く声。
「天琴の次代は、人に非ず。人の皮を被った、絡繰人形。」
嫌味という訳ではなく、ただの確認のような言葉。
表情も、まるで変化がない。
「此方とて、耳が節穴ではない。否定は出来ぬ事。
聊か、人間らしさというものを、何処かに落として来たとは、此方とて分かってはいる。」
それを後悔するでも誇るでもない声。
事実は事実なのだから、好きに言わせておけばいいとでも言いたげな雰囲気である。
「御雷の次代の評判は、時折耳にしている。
いずれ御雷の名を背負うに相応しき、優れた当主に、と。」
じ、と。白縹色を思わせる薄い色の瞳が、青みを帯びた黒い瞳に向けられる。
まるで、目を通してその奥までも覗き込んできそうな、視線。
それもまた、巫女服を思わせる身なりの少女の、あまりよろしくない噂を後押ししているのかも知れない。
■御雷 天華 >
「お互い、こうして密に対面するのは初めてですもの」
覚えて無くとも仕方ないだろう、と苦笑しながらフォローを入れる。
なにせ此方も一個人としては殆ど彼女を知らないのだ。
「衣詞さん、ですね。
お噂の方はかねがね聞いておりますよ」
聞いたことがあるのは『天琴の鬼子』としての話だけ。
人らしさを削り、その代わりに彼女は神器を担う器として既に完成している…と。
そうした評判だけはよく耳に届くのだから、那岐流が如何な流派なのかが良くわかる。
恐らく己の噂もそうした類のものであるのだろうな、と。
言葉を交わす最中に、ふと思案を巡らせる。
■天琴 衣詞 >
「次代殿の、名か。失念していた。」
たおやかな礼に対し、かけられたのはそんな声。
嫌味でも何でもなく、本当に失念していたのであろう事は、変わらぬ表情から分かる事だろう。
少しの間を置いて、はた、と気づいたように、巫女服を思わせる姿の少女も一礼を返す。
「天琴、衣詞。
尾羽張の分家、天琴の……次期当主、ということに、なっている。」
ひどく事務的な挨拶。事情を知らねば、眉を顰められても仕方がないだろう。
「器」は魔性を払うものであればよい。その力は強ければ強い程、良い。
情動、人間らしさ、そんなものは二の次三の次。
知る者が知れば、厭な顔しかしなさそうな、それが天琴の家に見えぬ所で根深く張り付いた主義だった。
御雷本家の者である少女が、幼少の砌に数える程度に顔を合わせた事を覚えていれば、
凡そ小学生の高学年程度の辺りから、まるで成長というものが感じられない容貌の少女。
それが、天琴が幾多の年月と試行錯誤の末に完成させた理想の「器」である。
――これでも、縦ニットの少女より二つも年上というのだから、尚更信じがたい。
■御雷 天華 >
「えぇ、御雷天華です」
丁寧な、礼装を弁えた一礼。
見知った顔ではあるが、事実上の初対面。
まずは名を名乗り、一先ずの挨拶を行なう。
「まだ一週程しか経っておりませんけれどね。
……今日は、何処かに行かれていたのですか?」
視線の先の少女の振る舞いは何処か無機質。
天琴という家の性質を知らなければそれは少し異様にも見える光景か。
幸い、天華は彼女の家の業を知っていた。
御雷次期当主として持つ、最低限の知識故に。
だが、同時に体感するのもまた初めて。
なるほど、『最適化』とはこう言う事か、と秘かに思う。
■天琴 衣詞 >
「………。」
薄い色の瞳が、どこか胡乱な雰囲気で声をかけて来た少女を見やる。
暫しの間を開け、ああ、と、口から漏れる声。
「――御雷本家の、次代殿か。
何某かの、集いの折に、見た覚えがある。……何時で、あったか。」
紡がれる声は可憐な響きでありながら、ひどく情動に欠けた無機的なもの。
どこか絡繰仕掛けじみた、そんな印象を与える。
「先んじて、この島に入っていたと、聞いてはいたが。」
何時の事だったか、と考えるも、然程も時を置かず、何時の事でもよいか、と思考を断ち切る。
――天琴の次期当主、そのかんばせ、立ち居振る舞い、絡繰人形の如し。
口さがない者にはそう揶揄される、情動の薄い…あるいは欠落したような物言いと振る舞いであった。
■御雷 天華 >
電車の到来を知らせる音と、程なくして改札を通りすぎていく人々。
なんとなしに横目で一瞥したその中に、ひとつ覚えのある姿が見える。
「おや…」
自らと同じ那岐流の、分家とはいえ尾羽張の家の者。
そう交流は深くないが、それでも顔と名前くらいは知っている。
「貴女は確か天琴の家の……お久しぶりです」
全体図MAPの前から少し外れて、彼女の方へと歩み寄る。