2024/09/01 のログ
ご案内:「データ溜まり」に海藤 宗次さんが現れました。
海藤 宗次 >  
「やっぱアナログな方法やと対処されおったかぁ…そらそうか。」

データ溜まり。それはハッキングをするための便利な中間地点でもある。
そこにいるは覇伝洲の幹部、海藤宗次。

この海藤宗次という男は先日風紀委員を落第街でうっかり殺してしまった。
そしてそれをフィスティアという風紀委員の少女にうっかり口を滑らせた。
こうなれば風紀委員もこちら(覇伝洲)を敵だと狙いかねない。
故に先日、常世学園の風紀委員会本庁に変装して忍び込んで直接端末操作をした。

だが、勘の良い或いは注意深い風紀委員によって訂正されてしまった。
つまりはこれ以上の潜入でのアプローチは危険。
故にやり方を変える。

「こうなったら割と強引にハッキング、てな」

宗次のアバター上はデータの入ったフォルダ等緩慢な動作で漁っているのが見えるが本体は手を動かしている。
というよりリアルでは宗次と金で雇ったハッカーが物凄い手を動かしている

海藤 宗次 >  
「ほな、先生お願いしますわ。」
『…宗次さん。目的は…段階的に ①.風紀委員本庁のデータベースに侵入。 ②.なるべく気づかれない尚且つ迅速にファイアウォールを突破。 ③.上位アクセス権限を行使して該当風紀委員を死亡から行方不明に変更。でいいですか?』

しゃきーん、どこからかアバター上の宗次がドリルを出す。
現実じゃポケットにしまうってことは出来ないがこの電脳空間ではこんなこともできる。

そして聞こえる宗次とは別の男の声。これが宗次が金で雇った例のハッカーだろう。
ハッカーの声はなんともダルそうだが根絶丁寧に専門外の宗次に説明する辺り根の性格は面倒見が良いのだろう。
だからこそ宗次の信頼を買った。
そしてハッカーという立場上危うい職である以上は宗次という武力の保護なしでは活動できない。
まあ、宗次自身も後学の為にハッキング技術を学ばせて貰ってるが

「せんせ、後始末忘れ取るわ。④.事が済み次第、ファイアウォールを修復し証拠隠滅、や」
『宗次さんも慎重だね。特に証拠隠滅に関しては執着心がすごいよ』

そんな他愛もない仲良さげな会話をしつつアバター宗次はドリルの回転数を上げる。
そのまま風紀委員本庁のファイアウォールに突っ込んでギャリギャリと削る

海藤 宗次 >  
「ほな、いくで~ハッキングドリルでガリガリじゃあ~」

ガリガリガリと電子空間のアバター宗次はドリルでファイアウォールをガリガリ削る。
ガリガリガリガリガリ…
風紀委員本庁のウイルス対策は中々に手厚い。
そのせいか最新の技術を持ったハッカーをしても中々進まない。

「なあ、先生…進むの遅おない?気のせい?」
『ああ、ごめんなさいね。宗次さん。これ結構分厚いですね。けどこのハッキング自体は比較的サイレントな筈だから安心してよ』

早速先行きが不安になってきた。
まあ当然の事ながら本庁ともなればハッキング対策は万全で優秀。
作業も手こずるわけだ。

「ほな、俺はちょっち飲み物とお菓子、コンビニで買ってくるわ。なんか欲しいのある?」
『しょっぱい菓子一つと飴玉、コーヒーで。』

風紀委員のデータベースに侵入しようとしてるのにそんな緊張感のない会話がアバター越しに聞こえる。
多分ボイスチャットをオンにしているのだろう

海藤 宗次 >  
「コンビニ結構近いなぁ。歩いてすぐや。…せんせ、順調か?」

30分後、宗次は帰ってきた。
コンビニが近いとは言った割に中々に遅かった。
まあこれでも幹部だ。尾行を撒くために複雑なルートを歩いたり、オモイカネが鳴って部下の報告とそれに対応する指示、猫ちゃん撫でる、他の幹部への報告と連絡、猫ちゃんなでる、ボスにも連絡、猫ちゃん撫でる、猫ちゃんなでる…結構やることがあるのだ。

『ああ、壁一個突破したところ。でも結構かかるからじっくり待ってて寝て待ってても良いよ。』
「そうかい、ほんならテキトーに見させて貰って後学に役立たせて貰いますわ。これでも色んな仕事やってるねん。」

副端末は宗次がサポートする。アバター上はドリルが二刀流になった。
宗次もハッキングの手伝いくらいはできるようだ。

結局今日中に終わらなさそうな作業で日付も変わってしまいそうだ。
割と暢気に買ってきたアイスとか食べながらハッキングさせてもらおう。

研究区、南部の閑散した一角、その中でも潰れかけのラボからのハッキングだった。

ご案内:「データ溜まり」から海藤 宗次さんが去りました。