設定自由部屋です。常世島内であるならご自由に設定を考えてロールして戴いてかまいません。
また、ここでは回想的なロールも可能です。ですので常世島の外でも構いません。しかし、あくまでメインは常世島の内部でお願いできればと思います。
その他常世島内の特殊な場所や、シチュエーションなどにご利用ください。
参加者(0):ROM(1)
Time:15:44:59 更新
ご案内:「常世総合病院 個室型ICU」から緋月さんが去りました。
■総合病院 > ――先生、至急先生を呼んでください!
――信じられん、こんな速度で意識が戻るとは…
――点滴に、経絡修復薬の追加を――
その日、総合病院の一室は、俄かに慌ただしくなった。
■緋月 > 乾いてかさかさの唇を、何とか開く。
声は、出るだろうか。少し、喉が痛い。
「すみません………ここは、どこですか……?
その……水が、欲しいのですが――――。」
■緋月 > から、と音がする。扉の開く音。
億劫ながら、何とか少しだけ首と目をそちらに動かす。
何か、板のようなものを抱えた白い服の女性が入って来たようだ。
此方が視線を向けている事に気が付くと、その表情が驚愕のものになる。
少し失礼ではないかと思った。
だが、それを言葉にする程、気力がない。
■緋月 > 小さく瞼が震え、ゆっくりと目が開かれる。
はっきりとした風景は見えない。瞼に力が入らない。
ぼやけて見える天井は、一度見た事のあるものによく似ていた。
身体を起こそうとする。が、動かない。
力が入らない、身体中がひどい倦怠感と時折走る鈍痛に支配されている。
それ以前に、何やら身体中にくっついていて邪魔だ。
外したいが、腕が動かない。
ため息を吐いて、身体から力を抜く。
■緋月 > ベッドの上には「緋月」と記載されたネームプレート
多数の機具に囲まれ、コードで繋がれて今もベッドに横たわるのは、一人の少女。
医療器具を除けば、病室にあるものは片隅の刀掛台に丁寧に置かれた白い刀。
電子音が定期的に響く以外は、何者の声もしないその病室で。
――――ぴくり、とその指先が僅かに動く。
■総合病院 > 常世総合病院の個室型ICU。
その一室は、今も尚厳しく立ち入りが制限されている。
訪れるのは定期確認を行う看護師と、容体を確かめに来る医師のみ。
それ以外は、一定の周期で繰り返される医療機器の電子音だけが支配する部屋。
ご案内:「常世総合病院 個室型ICU」に緋月さんが現れました。
ご案内:「常世総合病院/ロビー」からポーラ・スーさんが去りました。
■ポーラ・スー >
「あら、とっても素敵。
大丈夫だって信じているみたいだわ!
ふふっ、でもいつだって、先生には頼っていいんだからね?
学生たちの手助けをする、そのための『先生』なんだから」
手を合わせて少女たちの絆に感動していると、少女が端末を取り出したのを見て、自分の口元を両手で抑えた。
どうやら自分が騒がしくしてしまう事はよくわかっているらしい。
「――あらあら、慌ただしいのね。
はぁーい、ちゃんと静かにして、我儘言わないで帰りまーす」
少女に注意されれば、それすらも嬉しそうに返事をして。
立ち去る颯爽とした少女の姿を、本当に愛おしそうな視線で見送った。
「はあ――もうほんとに。
『剣士ちゃん』も『ひいちゃん』も、とってもいい子なんだから。
ますます大好きになっちゃうわ」
そんなふうに、今日の出会いを心から喜んで。
自身もまた、弾むように軽い足取りで病院を後にしたのだった。
ご案内:「常世総合病院/ロビー」から桜 緋彩さんが去りました。
■桜 緋彩 >
「それは、どうも、ありがとうございます」
素敵、と言われて素直に頭を下げる。
とは言えこの先生の様に手放しでほめてくる人はあまりいないので、ちょっと戸惑うのだけれど。
「いえ、それには及びません。
目が覚めてもまだしばらくは入院は続くでしょうし、私も通院しますので。
退院の日はともかく、目を覚ましただけで先生方にご迷惑をおかけするわけにも」
片手を掲げて大丈夫、と。
確かに一緒に住んではいるが、ある意味でそこまで心配はしていない。
彼女は結構頑丈だし、命に別状はないと言うことは聞いている。
自分が通院している間にタイミングが合えば顔を見せるぐらいで良いだろう、と。
そうこうしていたらポケットの中でスマホが震えた。
「失礼――あぁ、すみません。
行くところが出来たので、失礼いたします。
――先生もあまりお医者様や看護師さんにご迷惑をおかけしないよう……」
見れば、研ぎに出していた刀が仕上がったとのこと。
テンタクロウとの一戦で随分と刃零れしてしまっていたから。
立ち上がり、深々と一礼。
そして先ほどの彼女の様子を思い出し、少し顔を近付けてそんな忠告を。
そうしてもう一度改めて一礼し、その場を後にするだろう――
■ポーラ・スー >
抗議の視線にも、病院スタッフたちは微笑みながら去っていくだけだった。
この世に救いは無いのかもしれない――
「わるいのよ、だって、わたしをドキドキさせるんだもの!」
ぷう、とむくれて、唇を尖らせる。
まるっきり子供のそれだ。
それでも、少女が手の平を合わせてくれれば、再びご機嫌な笑顔に変わる。
くるくると、直ぐに表情が変わるのだった。
「ふふっ、『ひいちゃん』はホントに素敵な女の子なのね。
『剣士ちゃん』もとっても愛らしい子だったけれど、あなたも負けず劣らず、とーっても愛らしい女の子だわ!」
今度は小声だったが、嬉しさを抑えきれていないのはまるわかりだ。
そして、合わせた手の平をそっと放すと。
「あのね、『剣士ちゃん』の状況だけども、もう危ない状況からは落ち着いたみたいよ。
きっと、近日中に目が覚めると思うわ。
担当医さんにあなたにすぐ連絡が届くようにお願いする?
あ、職権乱用とかじゃないわよ、わたし、別に偉くないもの。
ほんとうに、ちょーっとだけお願いするだけ!」
『だから捕まえないでね、風紀委員さん』なんて、おどけながら。
先ほど問答していた中で得た情報と、自分に出来る事を提案する。
■桜 緋彩 >
いやそんな「なんだあの人か」みたいな反応してないでちゃんと注意してくださいよ。
そんな意志を込めた視線を、医療スタッフへ飛ばしておく。
ギュッと強めの目つきで。
「――いや私は悪くないでしょう」
ちょっとだけげんなりした顔。
病院で子供みたいに騒いで、しかもそれはこっちが悪いと言ってくる
子供か。
大人だった。
マジかよ。
「はあ、まぁ握手でも構わないのですが……」
火傷をしているのは二の腕から先の外側が主だ。
動かせば多少突っ張るが、逆に言えばその程度である。
とは言え気を使ってくれるならそれに越したことはないので、彼女の掌にこちらの掌を合わせよう。
■ポーラ・スー >
「――あらっ」
少女に落ち着くよう言われて、恥ずかしそうに頬を染めた。
周囲にそっと頭を下げてから、少女の方に向き直った。
なお、周りの医療スタッフの反応は『ああ、またポーラ先生か』というような様子だった。
どうやら、嬉しい事があると毎度こんな調子なのだろう。
「ごめんなさい、ちょっとはしゃぎすぎちゃったわ。
でも、『ひいちゃん』がいけないのよ?
わたし、いまとーっても嬉しいんだから」
薄く頬を染めたままの笑顔で、少女に向けて童女のような教師は両手を差し出す。
「握手――は大変そうだから、手を合わせましょう?
子供たちとよくやるのよ、仲良しのしるし、だったり、大事な約束をしたり。
手の平合わせはね、とっても素敵なおまじないなの!」
そう言って少女に自分の両手のひらを向ける。
蒼い瞳は、少女が手の平合わせをしてくれると、信じて疑っていないような期待に満ち溢れている。