設定自由部屋です。常世島内であるならご自由に設定を考えてロールして戴いてかまいません。
また、ここでは回想的なロールも可能です。ですので常世島の外でも構いません。しかし、あくまでメインは常世島の内部でお願いできればと思います。
その他常世島内の特殊な場所や、シチュエーションなどにご利用ください。
参加者(0):ROM(1)
Time:17:55:43 更新
ご案内:「とある事務所」から宇賀野 実さんが去りました。
ご案内:「とある事務所」から東山 正治さんが去りました。
■東山 正治 >
「俺にコーヒー出してくれるのは実ちゃんくらいだよ」
飽きもせずにそうしてつきまとってくるのも彼くらいだ。
ありがた迷惑。だが、今だけは悪くないのかもしれない。
本当に子供のように甘えてくるからついついかわいがってしまう。
それも、相手が相手だからなのかもしれない。
「……親友に対してどうなんだって話よ。まったく、気の早い……。
まぁ、飯についてはいいよ。気分がいいから奢るけど、残すんじゃないよ」
腹は減ってないがそういうことなら付き合おう。
二日酔いのせいで減ってる気がしない。ぽんぽん、と頭を撫でた後立ち上がる。
軽く手を握り、今日も日常の一幕を刻んで行こう。
■宇賀野 実 > 「えへっへっへ…まあいいじゃないですか。ねえ?
こうして二日酔いの朝に寝起きのコーヒー出してくれる親友ですよ?」
お膝の上でじゃれつきながら自分のアピールに余念がない。
思いっきり相手に体を摺り寄せて甘えながら、相手の反応を見てころころと笑った。
「元既婚者だってなんだってんですか!
世の中にはそういう人いっぱいいるでしょ!
まあでも、俺のことをせーじさんが覚えてくれてるみたいなもんだもんな。
覚えてもらってるのはとっても大事なことだけど、まー、なんていうんですか?
せーじさんはな~、捨て置けないっていうか~。」
本当に年齢も下だし、今ならさらに差がある感じの姿であるけれど、
なんだかしたり顔で語る。 年齢は離れているにしても、大事な人であることには変わりないのだ。
「え~、そう~?うれしいな~。 せーじさん、なんだかんだでデレてくれるから好き~。」
頬っぺたをつつかれたり、髪を撫でてもらったり。まるでペットみたいな扱いだけれど、
今はそれがとっても嬉しい。 かつての自分を覚えている人に触れてもらっているだけで、
自分がまだ、変わり果てていないことを自覚できるのだから。
「せっかくお昼過ぎだし~、なにか食べに行きましょうよ。
俺つけ麺がいい。 今なら一本チャーシューつきの4倍行ける気がする。」
■東山 正治 >
「だからそうじゃないって言って……まぁいいか」
正直東山にとってはそんなことは些細なことだし、当たり前の事だった。
元の姿でもそうであっても、宇賀野実という人物に変わりはない。代わりもいない。
そんな何度もしたような問答に飽いた、いや、納得でもしたようだ。
彼にとってそれは重要なファクターなようだ。
やれやれ、と思って流し込んだコーヒーを、思わず吹き出しそうになった。
「……っ。滅多な事言うもんじゃないよ。俺、元既婚者よ?」
故有ってバツイチだし、何より当の本人がOKサイン。
こっちは何も言ってないしなんで乗り気なんだ。
こればかりには困惑。久しく"動揺"したのが傍目でもわかる。
言葉にして良いものといけないものがあるぞ、全く。
「忘れるほうが稀有だと思うけどね」
それこそ姿形なんて、この時代じゃ自由自在だ。
髪を撫でる手は自然と頬に移動し、柔らかなほっぺを突き回す。
最早すっかりペットを可愛がるおじさんの手つき。
■宇賀野 実 > 「なんでって…。 せーじさんは、俺が俺だったのを覚えててくれる人だもん。
せーじさんのことをせーじさんって呼ぶのも俺だけだし。
…俺にとっては、せーじさんは…元の俺を思い出させてくれる大事な人なんだよ。
わかります?その大事さ! 思い出の写真っていうか、思い出の生き証人っていうか?
そういうことなんですけど!」
思わず吹き出す相手ににんまりと笑って答える。
お膝の上に乗せてもらうと、満足気に目を細めた。 これが良いのだ。
前とは少し触れあい方が変わったけど、それでもこうして…自分を大事にしてくれるのは変わらない。
「うーん、そういわれると困るなー。 俺はもっとせーじさんにじゃれつきたいからね!!
え~、今お嫁さんって言った? 俺のこと女の子にしちゃう? しちゃう? いいよ?」
髪の毛を撫でてもらって、心地よさげな表情でうっとりとため息をつく。
多少オラついたセリフを返しはするけれど、その態度はすっかりリラックスしたもの。
相手のお膝を椅子替わりに体を預け、友人同士のスキンシップに身をゆだねる。
「せーじさんは、俺のことを覚えててくれるから嬉しいなー。」
てろんとすっかり脱力して小さくつぶやく。 変容しつつある肉体、そしてそれに引っ張られる自分と、
なにより自分を取り巻く環境…それらが不安でないわけがないのだけれど、
この人がいてくれたら…そういうのだって、乗り越えられる気もするし、我慢だってできる。
■東山 正治 >
「何時も言ってるよ。何がそんなに俺のことを気にしてるんだが……。
一体何がそんなに突き動かしてるんだが。それと、何度も言うけど"さだはる"、ね」
グリグリと押し付けてくる小さな体を最早押し返す気力もない。
毎度思うが、この好意の源はどこから来るのやら。
もしかして、こうなる前からか、とは考えたくはない。
最早何度目かもわからない訂正ネタを口に出すだけで、吹き出してしまった。
なんだかどうでも良くなって来てしまうほどに、だ。
「そもそもそれを言うなら生徒が教師にボディタッチするなよ、まったく」
押し付けられる小さな体を持ち上げて、膝に乗せる。
それこそ可愛がるかのようで、気兼ねない"触れ合い"。
「……見た目は変わってもそういう所はあんま変わらんね、相変わらず。
あんまりこういうの、職業上よくないんだけどなぁ……全く、お嫁さん……いや、お婿さんにいけないぜ?」
本当に、諜報員としては良くない気の許し方だ。
軽口冗談一つ叩いて、冷えた手でその柔らかな髪の毛を撫でた。
■宇賀野 実 > 「そうだよー。 せーじさんやなことあったのかなって、心配しちゃったもん。
けど、俺が来たら嬉しそうにしてくれてー、いっぱい話してくれてー、
あとはー、そうだなー、うーん……。」
ちょっと考える仕草。 おお、と思い出したとばかりに手を打つ。
「俺のこといっぱい褒めてくれたし頭を撫でてくれたね!!
かわいいかわいいー!ってしてくれた!!ね!!!」
真偽がわからないから適当に言っているのが見え見えだが、
ちょっとでもせーじさんがまごまごしたら嬉しい。そんないたずら心だった。
「善人とか悪人とかじゃなくてさー。 せーじさんはせーじさんだし、
俺のことを知ってるひとだもん。 ちょっとした手助けぐらいするでしょ。」
普段この人がどれだけ……のたうちまわっているかを知っている。
だからこそ、こうしていっぱいじゃれつくのだ。 自分のためにも、彼のためにもだ。
「はい出たー!そういうのー! 生徒の前でそういうこというの、先生としてどうなんですか~。
俺も常世の生徒になったんですよ~? んふふ…。
まあ、せーじさんがそういう気持ちになるのはわかんないけどー。
でもさー、生きててほしいし相手しててほしいなーって思う俺が目の前にいるわけで~。
それなのにそういうことはさ~。」
どうなの~? ってずりずりと相手に寄り、小さな体をぐりぐり押し付ける。
子猫が甘えるような温かさと柔らかさで相手に思いっきり訴える。
たぶん、これは自分の異能がそうさせているのだ。たぶんそう。
けっして頭の中で女児に成り果てているからではない、はず。
■東山 正治 >
「……、……言われるとそうだねぇ」
思い返せば朧気ながら記憶がある。
随分と二人で話が弾んだ気もする。ああ、油断したんだ。
諜報員としては0点どころかマイナスだ。失笑が浮かぶのも、必然だ。
「そこまで世話焼くほどかね、俺は。友人って所含めても。
何時も思うけど、俺にはわかんねぇなぁ。俺は善人じゃないよ、実ちゃん」
自分で言うのも何だが、ここまで生きてきた中で薄汚れた人間だ。
こんなふざけた世界で死に場所を求めて何でもやってきた。
こうしてのらりくらりと生きてしまっている。
ヘラヘラと笑う姿には何時もより力ない。気だるさだ。
「いっそ、ほっといてくれりゃ良かったのにな。
店の人にも迷惑はかかんねぇさ。野垂れ死ぬなら、それが嬉しかった」
願ったりかなったりだ。はっきり言って、"余計なお世話"だ。
身勝手な八つ当たりなのは百も承知だが、そういう人間だと言うのは理解させるべきだ。
この世界に、未練なんてない。クソッタレな世界に生きてるくらいなら、死んだほうがマシだった。
■宇賀野 実 > 「だって、俺がせーじさん見つけたときの時点で、普段の…普段よりずっと飲んでたよ。
それにあんまり食べてなかったんじゃないかなあ。 とにかくすごかった。」
身振り手振りでそのときのせーじさんの飲酒状況を説明する。
わー!って手をバタバタ動かして、すごかった感を伝えようとするけど、うまくいったかはわからない。
「それだけぐったりしてたんじゃない? 昨日はさすがに無理だったんだよ、たぶん。
俺はせーじさんのこと大好きだから、ちゃんとせーじさんが嫌がることをしないって誓ってんの!
えっへっへ、まあいつも世話になってますからね!」
コーヒーを受け取ってくれたせーじさんを見て相好を崩す。
ほめてもらってとっても嬉しい。くるくる回ると、銀色の長い髪が自分の体をなぞるように揺れ動いた。
「えっ、運んだのはねえ、お店の人に頼んだ。
『おじさんがお酒飲みすぎちゃって…おうちの近くまで運んでほしいんです…!』って。
お嬢ちゃんえらいねって褒めてもらえたよ。
近くまで運んでもらったあとは、俺が頑張って運んだの。
汗かいたし疲れたなーって思って、脱いでお風呂入って着替えて…寝た。そんでさっき起きた。」
両手を組み、祈るような姿勢と甘く媚びるような声色を再現して見せる。
せーじさんが心配しそうなところもちゃんとケアできてるよ!と胸を張って答えるのだった。誇らしげ。
■東山 正治 >
「…………まさか」
冗談だろ、と否定したかったが嘘ではなさそうだ。
ストレスに疲労、なんでも溜まっているのは知っていた。
自分の体だ。知らないはずがない。自分の生命に興味がなかった。
どうせ死ぬなら、歯車での過労死が上等かとも思っていた。
が、中々どうして。そこまで友人の傍が、安心してしまったとでも言うのか。
手で抑えた口元は、愕然としていた。
「こう見えて寝るときゃ物音一つにでも反応するんだけどな……」
そうでなきゃ、殺されても文句は言えない。
そういう場所で生きていたつもりだったのだが、この有り様。
鼻を差すカフェインの香り。マグカップに視線を落とせば、おずおずと受け取った。
「俺だって礼位は言うよ、そりゃ。
……まぁ、その辺を信用してないわけじゃないけどね……」
漸く思考も、頭もクリアになってきた。
周囲に目配らせても、変化は見られない。
とりあえず軽く喉に流したコーヒーはどうにも、何時も以上に苦く感じる。
「……にしてもまぁ、俺もヤキが回ったかな。
ていうか、どうやって運んだの?意外と力持ち?」
そのちんまい体は意外とパワフルなのかもしれない。
■宇賀野 実 > 「いっぱい。 俺が朝のテレビ見てる間もぐっすり寝てたし…。
なんならそのあと少しお昼寝してたぐらいだし。」
寝てた。 相手の言葉に神妙にうなずく。
実際、テレビを見ていようがお昼寝をしようが、
あるいはその合間にお手洗いに行こうが、全く彼は起きなかったのだ。
泥のような眠りというけれど、まさしくそれだったのだと後から思い起こす。
「えー! うれしいー!! せーじさんにお礼言われちゃったー!」
”実ちゃん”。 すっかり女の子にされてることに気づかないまま、
大喜びでぴょこぴょこと飛び跳ねる。 その姿はまさしく褒められて喜ぶ子供だった。
「お味噌汁、二日酔いに聞くよ。 事務所を漁ったりはしてない。
だって、せーじさんそういうの嫌いでしょ。
冷蔵庫と…。 毛布は適当に引っ張り出したけど。」
プライベートを大事にする人と、触れられたがらない人は違う。
せーじさんは後者だ。ちゃんと知ってる。 ちょっとドヤ顔で答えながら、
とりあえず、とマグカップに注いだ黒い液体を差し出す。
香ばしい香り…コーヒーだ。
「寝起きなのもあって声ガラガラだし、とりあえず水分!」
ふにゃふにゃと嬉しそうな笑顔を向けながら、飲んで!ってアピールした。
■東山 正治 >
聞き慣れた明るい声が鼓膜を劈く。煩い、頭に響く。
仏頂面のまま頭を抑えて、思わず肩を竦めた。
「……なんでいるのって思ったけど、そういうことね。そんなに寝てた?」
にわかに信じがたい話だ。
普段から身の振り方には気をつけていたつもりだったが、そこまで。
そこまで彼女…いや、彼相手には気を許していたのだろうか。
自分で自分が嫌になる。自嘲気味に、口元が歪んだ。
「節々がいたいと思ったけど、そういう事ね。
俺も年かな。まぁ、ありがとね。実ちゃん」
「味噌汁は……いいかな。ところで、勝手に事務所漁ったりはしてないよな?」
■宇賀野 実 > 「あっ、せーじさん起きた!おはよー!!」
起き抜けに元気いっぱいの声とともに、奥から飛び出してきたのは…。
薄手のキャミソールだけを身に着けた宇賀野だった。
「昨日はすごかったんだってねー。
おじさんが帰る途中にせーじさん見つけてなかったら、たぶん朝まで野ざらしになってたかも。
事務所でーっていうからそれを頑張って運んでー、一寝入りしてー。
そんで今。 インスタントのお味噌汁飲む?」
矢継ぎ早である。 同性であることを除けば、まったく気の置けない感じではあるが…。
今の宇賀野は女児さながらの外見なのである。 当人はあんまり気にしてはいないのだが。
■東山 正治 >
頭が、重い。
鈍器でも詰められたような鈍痛がじわじわと広がってくる。
泥土に落ちた意識を無理矢理引っ張り出されるような不快感。
寝覚めに関しては最悪と言って良かった。
「……ってぇ~……」
ぼやけた視界のまま首を振る。微妙に記憶が曖昧だ。
この絶妙にげっそりする感覚は二日酔いにでもなったか。
揺れる頭から必死に記憶を呼び起こすと友人と飲んだ記憶がおぼろげにある。
なんとまぁ情けない。というより、油断したか。
公安に所属人間にしては、随分と隙だらけなことをしたと思う。
「……やれやれ」
自分に嫌気が差してくる。
椅子の背もたれに凭れ掛かり、深い溜息が漏れた。
質素で簡素で、必要最低限なものしかない寂しい事務所。
誰もいない、いつもの事務所だ。そう、思っていた。