自習の気分転換に、常世学園のあちこちを散策してみよう。
そんな切っ掛けから常世学園をお散歩し、部室棟に足を踏み入れたエルピスとイーリスのお話。
Time:23:15:38 更新
■《常闇の魔女》 > 「過去、女帝の逆位置。現在、力の正位置。未来、節制の正位置」
魔女は、エルピスさんの引いた大アルカナを凝視する。
「そうねぇ。そなた達の嫌っているその人、ルビー山本さんは、とても不安定な時期を長く過ごしていたのね。妬みから、そなた達を嫌っているのでしょう。そなた達が仲良くしているのをルビー山本さんは良く思っていないみたいね。だけど、そのルビー山本さんはそなた達のことを不本意ながら見守る決心をしているようね。甚だ、そなた達の関係を見守るのは、ルビー山本さんにはとても気に入らない事でしょうけどね」
魔女は、目を潜めて語る。
「ルビー山本さんは、本心ではメニー・レインボーと仲良くしたいと願っているのでしょう。だけど、ルビー山本さんは素直じゃない。さて、ルビー山本さんのこの気持ちがどんなものなのか、ご想像はそなた達にお任せするわね」
ローブの下で、魔女が微笑んでいるような気がした。
■エルピス・シズメ > 「おっとと……」
多少手がもつれそうになるものの、しっかりと手順通りに3枚引く。 [6d22→3+4+8+9+14+21=59]
■エルピス・シズメ >
(意外と優しい所かも……。)
暖かく見守る方針と聞けば安堵。
さらりとお気に入りのカップル認定されていることに気付けば、照れ混じりに微笑みながらタロットを引く。
「ほ、ほら、黒魔術自体カバーする範囲が広いから……ひとまず引くね。」
細かい事は置いといてひとまず、素直にタロットに応じる事にする。
引いたカードは……。
■《常闇の魔女》 > 「そうねぇ、新聞部にはそなた達が魔法少女ツイン・メニーだという情報を売らないでおいてあげるわ。我が部活は、学園内のお気に入りカップルを見守りつつ応援したいって方針もあるのよ」
そして、エルピスさんの占ってほしい内容に耳を傾ける。
「ふむふむ、そなた達のことを嫌っている人……。メニー・ホープは、その人と仲良くなりたいのかしら?」
魔女が首を傾げつつ、タロットをシャッフルする。
「シャラップよ、メニー・レインボー! 私が黒魔術と言えば黒魔術なのよ! カードを三枚引きなさい」
【6d22でダイスを振ってください。『引いた大アルカナ(過去)+奇数が正位置、偶数逆位置(過去)+引いた+引いた大アルカナ(現在)+奇数が正位置、偶数が逆位置(現在)+引いた大アルカナ(未来)+奇数が正位置、偶数逆位置(未来)』22のアルカナは愚者】
■Dr.イーリス > 「あの……私達がツイン・メニーであることは口外しないでくださいね……?」
ぺこりと頭を下げてのお願い。
「占ってみたいこと……。確かに、ルビー山本さんと和解できるかどうかは、気になりますね」
こくん、とエルピスさんに頷いてみせる。
そしてイーリスは、魔女が握るカードを見る。
「黒魔術と言いながら、普通にタロットではないですか……!」
魔女が握るのはタロットの大アルカナの束。
黒魔術でもなんでもなかった。
■《常闇の魔女》 > 「ネットで調べて、そこから部員達と議論を交わして、わりと勘で陰謀論的に紐づけたら、たまたまあたってしま……こほん、我が黒魔術に一切の不可能はないのよ!」
危険な事は全くしてない模様。
彼女たちはネットの情報を頼りにしている陰謀論者。ただし、わりと鋭い。
陰謀論があたって、背景と化しているローブ姿の部員は「キャーキャー」と喜んでいたりもしていた。
■エルピス・シズメ >
「でも……よく調べたね。危なくなかった?」
活動範囲が活動範囲。
目の前の魔女の身を案じながら、そっとイーリスから腕を離して椅子に座る。
「黒魔術の占いなんだ。
イーリス、占ってみたいことはある? 僕は……そうだね。」
「どうにも、僕とイーリスのことを好く思っていない、イーリスの知り合いがいるんだけど……
……その人と話し合えたり、和解出来る機会があるのかどうか、知りたいかな。」
占ってもらいたいものの一つを告げる。
暈してはいるものの、イーリスには『ルビー山本』の事であるのは明らか。
エルピスにとっての、少しの心残り。
複雑に思っているものの事は、どうにも気になる。
■《常闇の魔女》 > 「やはりそういう事なのね。そなた達、分かりやすいわねぇ」
フードの下では、勝ち誇った顔をしている……ような雰囲気を出している。
「せっかく来たのだし、座りなさい。我が黒魔術で、ふたりのことを占ってあげるわよ」
魔女がアンティークなテーブルの方にエルピスさんとイーリスを誘導しつつ、椅子に座る。
魔女と対面になるよう、他の部員さんがふたつの椅子を引いて、エルピスさんとイーリスが座るよう促してくる。
別の部員さんが魔女にカードを渡していた。
「そうねぇ、ふたりの何を占ってあげようかしら?」
■Dr.イーリス >
「あの……えっと……。それはその……」
ちらりとエルピスさんに視線を移す。
魔法少女は、正体を明かさないもの。
イーリスもイーリスで、どうしようかと、困ったような表情でエルピスさんに視線を送っていた。
その反応が物凄くわかりやすい。
■エルピス・シズメ >
「……えーと、それは──。」
ちらり、と、イーリスを横目に見る。
間違っていないし、正体を紐解いたのは素直にすごいと思う。
ただ正直に答えてしまっていいものか悩んだので、イーリスの出方を伺うことにした。
■《常闇の魔女》 > 「いいわねぇ。我が研究会はそなた達に興味津々よ。常世学園の神秘を研究することこそ、我が研究会の使命!」
嘆いていた黒ローブの部員達が立ち上がる。
「少し前に歓楽街に現れた噂の魔法少女、ツイン・メニー。私達は、あの魔法少女の正体を調べているのよ。そこで、私はある推測を立てたわ」
魔女がエルピスさんとイーリスに歩み寄っていく。
ちなみにこの部活の人達、落第街のことを歓楽街と呼ぶ程に、落第街に関わりがない。なにせ落第街は表向きには存在しない。落第街に一切関わりがないここの部員にとって、落第街なんて噂だけのものでありあくまで歓楽街の一部でしかなかった。
「ハロウィンの赤ずきんちゃんとおおかみさんこそが、ツイン・メニーの正体だってことよ!」
びしっ、と魔女がエルピスさんとイーリスを指差した。
■Dr.イーリス > ハロウィンの件を触れられて、イーリスは頬を染めて俯いてしまっている。
エルピスさんに腕を抱きしめてくださると、イーリスはお顔をあげて、恥ずかし気にはにかんだ。
「えるぴすさん……。えへ……」
■エルピス・シズメ >
「うん……その通りだけど……。」
どうやらハロウィンの一件はそれなりに広まっているらしい。
ちょっとだけ見せつけるように、イーリスの腕を抱きしめる。・
「たぶん……運と色かな……。」
視線を泳がせる。
その時の棟に空きがなかったことと、虎柄模様を構築する黒色であったことのような気がする。
ちょっとだけ気まずくなりながら、澱みつつも答える。
■《常闇の魔女》 > 「そなた達のことは知っているわ。ハロウィンの時に拡散されていた、とてもらぶらぶな赤ずきんちゃんとおおかみさんでしょう?」
こてんと魔女が首をかしげている。
「ところで私、というかここの部員全員、ひとつとてつもなく大きな悩みがあるのよ。聞いてちょうだい」
魔女が頭を抱える。
「どうして……うちの部室の周囲は、「なんでやねん」って言ってる部活しかないねん……!!」
ローブ姿の部員達が全員両膝をつき、両手を地面につけて嘆いていた。
部員A「もっとマシな場所に部室を用意してくれてもいいよね……」
部員B「これはいじめ? 新手のいじめ?」
部員C「あたしたちが一体なにをしたっていうのよ……」
■Dr.イーリス > エルピスさんのご説明に、イーリスはこくこくと頷く。
「と、とつぜんおじゃまする事になって申し訳ないです」
なんだか黒魔術的な雰囲気に、イーリスはちょっとおどおどしていて、エルピスさんに体を寄せている。