2024/07/18 のログ
ご案内:「常世島 南海域」に紫陽花 剱菊さんが現れました。
■仕入れ屋 >
常世島南海域 某日
無から何かを生み出すという事は困難なものだ。
自給自足にも限界があるし、それが入手困難な物ならば尚の事。
世の中は、日陰にしかいられない連中はいる。
そういう人間が、表沙汰に出ずに物を手に入れるにはどうしたらいいのか。
そう、金だ。解決できる物を出来る奴に依頼する。
穏やかな潮風に吹かれながら、仕入れ屋は水平線の彼方を見据える。
「後数時間もすれば到着か……。」
時代の最先端、常世学園。
そこにもそういう連中はいるようだ。
向こうじゃ犯罪組織の事を違反部活などなんだのと呼ばれているらしい。
事情に興味のない仕入れ屋は、金さえ払えばどんな相手も顧客だ。
チンケな学生でもなんでも、金だけは信用できる。
勿論、仕事には嘘をつかない。
この船にはたんまりと本土でも持っているだけで捕まる物がごまんとある。
だが楽な仕事だ。湾岸警備の隙間をくぐり抜け、最早バカンス気分の船旅だ。
たっぷり蓄えた顎髭を撫で、仕入れ屋はほくそ笑んだ。
「……ん?」
そんな波風に紛れる微かな"違和感"。
だが、気づいた頃には遅かった。
■紫陽花 剱菊 >
然るに、影は夜風に紛れて到来する。
音も無く、潮にさざめく最中には、月輪さざめく@白刃@一つ。
一足、宵闇紛れて船体を揺らすは影の鬼。
何と識らず、船首にいたのが命取り。
見返る事も出来ず、白刃が肩部を貫く血風を潮に巻き上げる。
間髪入れずに首を括りあげる指先が船体へと潮風を切る。
轟音。甲板砕けては意識を奪うには充分。
「……侮ったな……。」
敵は一人だけに非ず。
倒れ伏した男を一瞥し、彼方を眺める虚の双眸。
袱紗代わりと白刃を挟み、血糊をこそげ落とした。
斯様、男の背後にも複数名の者々と、死屍累々。否、皆生きてはいる。
「……斯様な人数と工作程度では、我等の目は欺けん……。」
■紫陽花 剱菊 >
瞬く間もなく、誰も知る事は能わず。
唯此より、彼の者が手にする物も無し。
薫風を血染めにする事実は、冷光のみが知れば良い。
「後は風紀の役目……。」
補給源は絶った。
何れ、例の違反組織も瞬く間に陥落しよう。
然るに、剱菊もまた組織に属する身。
報告は義務であればと懐から取り出したるは鉄板。
否、唯の鉄板成らず。遍く彼の地の技術が集結した絡繰也。
まぁ要するに連絡用の端末ってことよ。
「…………。」
ゆるりと指先がすずろ硝子板をなぞる。
摩訶不思議、見慣れぬ電光が無数に点滅。
然りとて、硬直。困惑。
「……どれだ……?」
あなや異邦人。多機能過ぎる絡繰には不慣れ。
さながら携帯ショップにくるおじいちゃんだよ。
■紫陽花 剱菊 > 数刻、漸くして話は付いたとか。
ご案内:「常世島 南海域」から紫陽花 剱菊さんが去りました。