2024/07/19 のログ
ご案内:「ポーツアミューズメント施設「ファイナルラウンド」常世店」に桜 緋彩さんが現れました。
ご案内:「ポーツアミューズメント施設「ファイナルラウンド」常世店」から桜 緋彩さんが去りました。
ご案内:「スポーツアミューズメント施設「ファイナルラウンド」常世店」に桜 緋彩さんが現れました。
桜 緋彩 >  
夏休みのスポーツアミューズメント施設「ファイナルラウンド」常世店。
友人たち三人と遊びに来て、数時間。
うち二人は先ほどテニスコートに遊びに行き、一人はバッティングセンターに挑戦。
自分はどうしようかなと考えた結果、バッティングセンターの方に着いてきた。
その友人はバッティングセンターに通い詰めていて、景気よくぱかんぱかんとボールをかっ飛ばしている。

「上手いものですね」

それを後ろでお茶を飲みながら眺めている。
自分は野球はやったことはないが、似た様な道具を使う剣とは微妙に身体の使い方が違うようで。
自分がやるならどうかな、とか考えながらぼんやり。

ご案内:「スポーツアミューズメント施設「ファイナルラウンド」常世店」に深見透悟さんが現れました。
深見透悟 > 「なっつやすみー なっつやすみー
 だけどやる事はあんま変わらーん」

ぽてぽて、ファイナルラウンドのスタッフ衣装を着たテディベアがやって来た。
晴れて無事に夏休みを迎えた幽霊、深見透悟である。
今日は夏休みのアルバイト。
こうして制服(もちろんぬいぐるみサイズ)を着て歩いているだけでゲーセンエリアのUFOキャッチャーの利用者数が倍増するらしい。
……何となく気持ちは分かる。

「まあ、自律して動くぬいぐるみなんてココも置いてないけどな……
 って、あら? あー、桜センパイじゃないですかー」

バッティングセンターに来れば見知った人の姿があり。
軽く手を振りながら近づいて行こうか。こんなところで奇遇ねー、とか声を掛けながら。

桜 緋彩 >  
「おや透悟どの。
 ――その恰好はアルバイトですか?」

世にも奇妙な歩くぬいぐるみ。
そんな奇妙な友人に一礼して挨拶を。

「友人と遊びに来たのですが、二人は今テニスをしていますね。
 もう一人はここに」

バッティングゲージを示せば、すぱかんすぱかん景気よくぶっ飛ばしている女子生徒の姿。
彼の低さからではぱんつが、と思うだろうが、残念彼女はスパッツを履いている。

深見透悟 > 「そうなんですのよ、こうして制服を着て施設内を練り歩くだけでお給料が出る超穴バイト」

そんな理屈が通るのは動くぬいぐるみだけだが、実際に動くぬいぐるみが居るのだから仕方ない。
一礼する桜へと相変わらずねえ、とこちらもぺこりとお辞儀をしてから

「センパイは友達と遊びに来たのかー
 うんうん、夏の思い出の1ページって感じで良いねえ凄く良い、羨ましい」

示された方へと目を向ければ景気よくボールをかっ飛ばしている女生徒。
生憎とスカートの下にスパッツ着用だったが、健康美溢れる姿にうんうんと腕組みをするクマ。
センパイはやらないのん?と桜へと振り仰いで、首を傾げる。

桜 緋彩 >  
「なんと。
 しかし、透悟どのは可愛らしいですからね。
 歩いているだけで売り上げに貢献するのも納得と言うものです」

ちまっこいテディベアが練り歩く姿はとてもメルヘンだろう。
特に女子生徒の財布の紐も緩むと言うものだ。

「いえ、私はやったことが――」

ない、と答えようとしたら横から友人が飛び込んできた。
テディベアに。
なにこれかわいいーーー!!なんて叫びながらアメフト部も裸足で逃げ出しかねないタックル。

深見透悟 > 「でしょうでしょう、俺というかこのリリィの可愛らしさは宣伝効果抜群よ!
 ま、ただ歩いてるだけでお金貰うのも申し訳無いから、施設内を見て回って何かあれば管理室に報告してるんだけどね!」

様な警備員も兼ねているのだ。勿論、喧嘩などの荒事を止める事はほぼ出来ない。
まあ、喧嘩している所に突然クマのぬいぐるみが現れると、大抵の場合そこで一旦喧嘩は停まるのだが。

「せっかくなんだしやれば良いじゃ――すゎべ!?」

アミューズメント施設まで来て茶ぁシバいてる場合じゃないですぜ、と言おうと思ったけど思っただけだった。
横合いから突撃かましてきた女子生徒のタックルに見事に巻き込まれる。
これが相手がトラックだったら間違いなく異世界転生してるところだった、人間で良かった、と後に彼は語ったという。

桜 緋彩 >  
友人はかわいいを連呼しつつテディベアをむぎゅうと抱きしめ、高速で頬擦りをしている。
自分はと言うと、あわあわとそれを止めることも出来ずに狼狽えるだけ。

「あ、あの、首、首が取れてしまいます――」

胴体部分を抱きしめながら思い切り顔を押し付けているので、首が凄いことになっている。
一旦抱きしめるのはやめるものの、抱っこしたまま離す気配もなく。
"私ここでこの子と見てるからさ、緋彩も打ってきなよ!"
なんて言いながら、友人はベンチに座って膝に彼を乗せてしまう。

「し、しかし……」

おろおろしたまま彼の方へ視線をやる。
彼もせっかくだからやればいい、と言っていたが。

深見透悟 > 「あばばばばば」

もげるもげる、と高速頬擦りを受けて軋む首に顔が青くなる。
女子高生からの頬擦りなんて平時の透悟であればご褒美極まりないが、それでも限度を言う物がある。
頭がもげるのは流石にご褒美と呼ぶにはいささか物騒が過ぎた。

「せ、せっかくだし2、3回ぱこーんと打って来たら良いんじゃないっすかね……
 そして出来るだけ早く戻ってきてタスケテ……」

膝の上に乗せられ、一旦は身の安全が確保されたけれど安心は出来ない。
いつまた加減を知らない愛情表現が飛んでくるか分からないのだ、だったら桜に保護して貰う方が良い、と後半の台詞に万感の思いが込められていた。

桜 緋彩 >  
「そ、それでは失礼して……」

心配そうに何度も振り返りながらバッティングゲージに。
ヘルメットをかぶり、バットを持ってコインを入れる。
確かこんな感じに、と友人の構えを真似して打席に立つ。
その間その友人は彼を膝の上に置いて頭を撫で回していた。
最初のような勢いはなく、割と丁寧に扱っている。
映像モニタに映ったピッチャーが振りかぶり、球を投げる。
同時に白いボールが投げ出され、それに合わせてバットを振り――

「、――ぅ、んんっ」

見事な空振り。
フォーム自体は悪くはないが、どこかぎこちない。
剣の扱いとの違いに戸惑っているようだ。

深見透悟 > 「ヘイヘイヘイ、良いよ良いよ当たればデカいよ!
 今のスイングでピッチャーだいぶビビってるよ!打てるよ打てるよ!」

一応身の安全があると分かればデフォで調子に乗るのがこのテディベアもとい透悟である。
膝に乗ってるだけならといつの間にか野球帽をサングラスを身に付けて、空振りした桜へと声援を飛ばす。
気分はメジャーリーグのチーム監督だ。

「よく見てよく見て、球とバットの軌道を合わせて。
 ミートは自分のへその辺りで、センパイのパワーなら行ける行ける!」

やんややんや。
元々賑やかな性分だが、輪をかけて賑やか。
というか、少し喧しくすらある。

桜 緋彩 >  
"そーそー、腕じゃなくて腰!腰をボールにドカンとぶつけていくイメージ!"

友人も一緒になって声援を飛ばす。
やんややんや。
若干周囲の注目を集めていて、ちょっと恥ずかしい。

「もう……。
 よく見て、腕ではなく腰……」

ピッチャー振りかぶって第二球。
腰をぶつけに行くイメージでバットを振る。
球の軌道に入れたバットは、しかし僅かにボールの下を掠る。
ガキッと鈍い音を立てて後方に跳び、防球ネットを揺らす。

「おぉ……思ったより手に来るのですね」

剣ではあまり感じたことの無い手ごたえ。
インターバルの間に何度か軽く素振りをして、今の感覚を反復する。

深見透悟 > 「そうそうそう、掠ってるよ掠ってるよ!
 もっとよく見て、球をよく見て!」

勿論透悟も注視している。当然桜をだが。
ふぉ、フォームの崩れとかが無いか確認してるだけなんだからねとか何とか言い訳しつつ。
声援と言うか賑やかしで誤魔化してる節は否めないが、基本は助平な男子生徒であるからして。

「もうちょっとだけバット短く持って、脇をしめて振ってみる方がセンパイには合ってるかもしれない!
 だって……その方が上体の重心が安定するから、腕もブレにくくなるかも!」

だってたわわが邪魔そう、と馬鹿正直に言い掛けて慌ててハンドルを切ったテディベア。
素振りをして感覚を確かめる姿を見て思っただけだが、思った事をすぐに口にするのは危ない、大変危ないなと密かに反省するのであった。
まあでもお喋りなので反省が活かされることはあんまりない。

桜 緋彩 >  
"いや緋彩ちゃんは長く持って豪快にフルスイングした方がいいね。だっておっ――パワーあるもん!!"
友人は彼と反対のことを言う。
何か言いかけた気がするがきっと気のせい。

「どっちですか、もう。
 しかもなんか仲良くなってますし……」

さっきあんなに狼狽えていたのに。
とにかく一球打つたびにスイングを少しずつ修正していく。
だんだんと当たる様になってきて、次は前に飛ぶ様になり、最後の方では角度を付けて全てセンター方向へはじき返すほどになっていた。

「なるほど、コツを掴めば楽しいですね、これは」

そして最後の一球。
ピッチャーのフォームに合わせて後ろ足に体重を乗せ、ピッチャーの踏み込みと同時にこちらも踏み込む。
身体は開かないよう腰はまだ開かず、向かってくるボールにぶつける様に腰を回す。
少しだけ遅れて上体を回しバットを走らせ、一番力の入るところでボールを捉えた。
パキィン!と快音が響き、弾かれたボールはドンピシャの角度で飛んでいく。
ボールはぐんぐんと伸び、バックスクリーンが描かれたボードへドカンと突き刺さった。
ホームラン。
ファンファーレが響く。

深見透悟 > 「うおおおおおおお!!」

一球ごとに上達していく姿を賑やかに見守っていたテディベア(と友人だが)、最後の方では固唾を飲んで見守っていた為静けさを取り戻していた。
行ける、この調子なら次はきっと狙える。
確信と共に最後の一球が打ち出されるのを見て呼吸が止まり、ジャストミートで打ち返されるのを見た瞬間に堰を切った様に雄叫びが上がった。
たかがバッティングセンターでどうしてこんなに盛り上がれるのか。

「やったねセンパイ!いやあ、最後のは綺麗なホームランだった!
 これなら投げて打っての二刀流でメジャー進出だって夢じゃない気がする!」

そういや常世学園からプロ野球選手って排出されてるん?
そんな割とどうでもいい疑問に首を傾げたりして。

桜 緋彩 >  
二人してめちゃめちゃ盛り上がってる。
友人に至っては彼を頭上に掲げて飛び跳ねているし。
バットとヘルメットを戻し、恥ずかしそうにバッティングゲージから出てきた。

「ちょ、っと、盛り上がり過ぎではありませんか?」

こんなに派手に出迎えられたら、こっちは逆に冷静になってしまう。
友人が飛びついてくるのを抱き止め、困惑したように笑って。
因みにテディベアは二人のたわわの間にむぎゅうと押しつぶされているだろう。
"私も負けてらんないねぇ!"
なんて叫びながら、友人は再びバッティングゲージへ。
彼をこちらの胸の間に残したまま

「まったくもう……。
 お、っと大丈夫ですか?」

彼女を見送り、胸に挟まっているテディベアに気付いた。
すぽん、と引き抜き、地面に下ろそう。

深見透悟 > 高々と掲げられて揺らされるのは流石にちょっと酔うから止めて頂きたい。
そんな事を言うよりも今は桜のホームランを祝したい気持ちの方が強く、されるがままになっていたテディベア。
わぁいわぁいとご友人と共に喜びを身体全体で表現していたが、バッティングゲージから桜が出て来れば出迎えに向かう。

「いやーセンパイお疲れさ――くぎゅぅ」

わー、と普通に出迎えようと思ったらご友人がまたしてもタックルめいた飛び掛かりを仕掛けた。
気が付けば柔らかいと柔らかいの間に挟まり、身動きが取れなくなっていたテディベア。仕方ないなあ、と状況に甘んじる。
あくまで仕方なく、少女たちの友情表現に水を差さない為だと後に彼は供述し(語っ)た。

「だ、大丈夫ですことよ……もう半日でも居れるくらい!
 ……にしてもセンパイ、ご友人もだけどー……よく制服でバッティングなんて出来るねえ?」

窮屈じゃない?と引き抜かれて下ろされながら訊ねる。
シャツのレンタルとか無かったかしらん、と思い返してみつつ。

桜 緋彩 >  
「流石にこの時期に、半日ぬいぐるみを抱えているのは辛いですね……」

すごく暑そう。
ともあれ再び元居たベンチに座って友人のバッティングを見学。

「風紀委員の仕事中も似た様なものですし。
 それに、ちゃんとサイズを合わせたシャツは結構動けるものですよ」

特注したシャツは激しく動いても突っ張ることなく身体の動きに追従してくれる。
色々規格外な身体なのだ、既製品では収まらない。
ベンチに置きっぱなしにしていたお茶を飲んで一息つく。

深見透悟 > 「ごもっとも過ぎて何も言えねえや……!」

空調の利いた施設内ならワンチャンあるかと思いつつも、よく考えてみたらアルバイト中である。
いや、抱えられて施設内を歩き回るのも宣伝効果ありそうだとは思うけれど、業務に含んで良いのだろうか、ダメ?あっそう……

「ほほう、そういや風紀って仕事中は別制服なんだっけ。
 俺は見ての通りコスプレ的なもんしか着ないからさあ」

なるほどそういうものか、と桜の言葉に納得するテディベア。
ある意味自分が今着ているスタッフ制服も特注品。
体に合わせて誂えられたものが一番動きやすいというのは同意できる。
ベンチによじ登りながら、改めて桜の徹底された自己管理に驚嘆する透悟だった。

桜 緋彩 >  
「そうですね、赤いジャケットのような制服です。
 こう……こんな感じの」

オモイカネ8を操作して画像を表示。
赤いジャケットのような制服。
この時期は割と暑い。

「コスプレ……と言っていいのでしょうか、それは。
 ともあれ、刑事課の人たちは潜入捜査などありますから、制服は無いようなものですけれど」

本土の刑事がスーツ姿でいるようなもの。
とは言え本土の刑事も刑事課の人も、独特の空気感を纏っている人が多いので、それもどこまで効果があるのか、と思うけれど。

「この間なんて刑事課の人にカジノへ潜入捜査の手伝いに行ってほしい、なんて頼まれまして。
 一般委員なのにバニースーツを着させられるところでした」

深見透悟 > 「ほうほほう、あ、オモイカネ8だ。」

出回ってるなあ、と感心するところが違う。その事に気付いてすぐさま表示された画像に意識を向ける。
なるほど暑そう。夏服冬服で分かれてないんだろうか、というのが素直な感想だ。

「一応これは制服と言う扱いだけど……でも他のスタッフの手作りらしいし……
 へー、風紀委員って一口に言っても色々分かれてんのね。あんまり普段関わりないから全然知らんかったわぁ」

あんまり関わりないのは風紀に限らず、委員会全般に言える事だが。
とはいえ新たな知見が得られるのは好ましく、頻りに相槌を打ちながら聞いていたが、

「カジノへの潜入……バニースーツ?
 え、センパイが?先輩がバニースーツを?」

何それ超見てえ、とまで続きそうになるのをぐっと堪えるテディベア。
思わず桜の頭から爪先まで3往復くらい見回してしまう。

桜 緋彩 >  
「あ、コスプレってそっち。
 と言うか手作りなんですね」

てっきりテディベア姿の方かと思った。
スタッフに制服を作って貰えているなんて、愛されているのだなぁと。

「風紀委員はあまり関わりにならないのが一番ですよ」

にこ、と笑いながら。
風紀委員と関わり合いになると言うのは、大抵事件に巻き込まれた時だ。
そんなものはない方がいい。

「――着ていませんよ」

じとっと睨む。
全く、男の子と言うのはみんなこうなのだろうか。