2024/09/01 のログ
Dr.イーリス > 蒼先生が気まずそうに手を振ってくださった事に、イーリス微笑んで。

「“駄作”そのものは、思いつかないわけでもなかったですからね」

蒼先生が恐怖を食べているから、恐怖が必要というのは理解できる。
とは言え単なる悪意で、あまり意味もなく相手を恐怖に陥れる事自体には興味は湧かなかった。
犯罪の抑止力で恐怖を植え付けるというのであれば、犯罪防止の効果が見込めるかもしれないので、イーリスの思いつく恐怖の演出というのを話した。

「一ヵ所だけの抜け穴、というのはとても大切ですね。逃げ道を完全に塞げば、相手は自暴自棄になって大暴れしてしまう事もありますが、あえて逃げ道をつくってあげる事で相手をそこに誘導して事を進めやすくできます。結果として、相手の逃げ道を完全に防ぐよりも労せず捕らえる事も可能という事でもあります」

恐怖演出の副次効果で、捕らえる労力も減らせる。

「相手の手札をいきなり全部潰す、というの事もまた手っ取り早く事件を解決する方法ですね。人間は普通、そんな事できませんので選択肢にないぐらいです」

初手で相手の手札を全部潰せるなら、苦労しないだろう。

「精神干渉はひとまず度外視でいいのですね、分かりました。蒼先生にとって大した事がないという指標はちょっと分かり辛いですが……一体一体がそれなりに厄介な相手という事ですね。私がこの前考えた人海戦術が扱える相手でもなさそうですね」

わざわざ蒼先生にとって、と言っているので、人間からすれば厄介な相手なのだろう。
フェイルド・スチューデントによる人海戦術を仕掛けても返り討ちに遭うと考えていいだろう。

イーリスの前方、虚空に画面が表示される。
その画面は常世島の地図であり、数カ所が赤く点滅する。

「この赤く点滅する箇所に、《廃品神隠》さん達がいますね」

場所は特定されている。
あとはこの情報からどうするか、になる。

「複数の敵、それも戦闘能力がそれなりに高い空間能力の使い手なので、元来は死場所を察知しても捕らえるのに時間がかかる相手ですね」

イーリスはまた別のモニターを出現させて、タッチ操作し始める。
居場所を特定しているので、《廃品神隠》さんのいる場所にあるコンピューターの類のハッキングを試みている。

「そうですね。助かると思っていたら突然全員捕らえられるのですから、その恐怖は凄まじいものになりそうですね」

こくん、と頷いてみせた。

奥空 蒼 > 「そゆこと。逃げ道を完全に塞がず、敢えて逃げ道置いとけばいい。そしてその逃げ道は、例えばそう―――
"ここ"に通じていたら、凄く怖いよねッ!」

悪い、悪い笑顔だ。
ここ。
そして―――指さす先は超常犯罪者収容所(ごみばこ)
ここに入れられたが最後、真っ当に構成しないと破壊神含めて、
ゴミ処理係に気紛れに睨まれる事になる。
まあ…私含めあんまりやる気ないやつらだけど!

「一つ自慢していいかな、イーリス。
破壊神(わたし)がやることは"戦闘"じゃなくって"掃除"なんだ。

だからね。
―――一方的にキレイにしてやる、くらいの感覚でいて良いのさ。」

「さてとーー、これがそれか。
ん、ありがと。」

地図に表示される、本日の目標を見つめる。
場所が特定されているなら、もう早かった。

「普通なら、"逃げる"だろうけど。」
「キミがコレやってくれたお陰で助かったよ。」
「一網打尽にする方法を、思いついちゃった。」
「コイツさ、……多分かなり臆病なんだよ。……だから、この作戦は絶対に成功するはず。」

イーリスがコンピューターをハッキングしているようだ。
なにやら薬物のデータと下品なメールデータがあるコンピューターがハックされるだろう。

「キミ、人海戦術出来るって言ったろ?」
「遠隔で連絡は取れる?」

「―――弱くっても出来る事はあるから。」

蒼い空間の歪みを、作り出す。
それは遠くまで、果てなく伸びていく。

「私に距離なんてものは関係ないんだ。」
「―――ここから、その赤い点があるところへ向けて」
「唯一の破滅への逃げ道を、蜘蛛の糸のように伸べる」

「これは"一方通行"の結壊(けっかい)だよ。
キミが特定してくれたから、そこにだけ仕掛けられる意地悪な魔法。
逃げようと、踏み入った瞬間、"こちら側に向かう"事以外の移動が壊されていくんだ。」

蒼い色の先には、奇妙に空間と空間が綯交ぜになって落第街の光景を混沌と映し出して、
万華鏡かガラス細工か、瞬間瞬間に移り変わる、閉じ込められた世界が見える。
それら全ては、先ほど見た赤色の場所へつながっていて―――

「さあ、お掃除始めよう?」
「この場で解決しちゃおうか」

実に、実にぐうたらな蒼いのらしい、この場から動かないままと宣言して。
それでも妙にやる気のある顔で笑った。

廃品神隠 > 「……む?」
「なんデスかねコレ…」

「まさか……」

「壊れたのデスかね……?」

《廃品神隠》なんて名前で呼ばれた超常犯罪者は、
落第街の空間の狭間に生息している。

普段は表に出てこないでいるが。

―――奇妙な"異変"に気付き始める。
機械が何者かにジャックされている……?

Dr.イーリス > 「ふふ。確かに、《廃品神隠》さん全員をそこに集めてしまえばとても驚いてしまいますし、とても恐怖でしょうね」

微笑みながら頷いてみせた。

「さすがはごみ処理係の破壊神様。とてもスマートでございますね。それでは、お掃除に移りましょうか」

モニターに表示される赤い点滅。
本日のターゲットであるごみさん。
お掃除をするのに、必ずしも戦闘が必要というわけでもない。

「《廃品神隠》さんのコンピューターから違法薬物《幻毒苺》のデータ、なにやら下品なメールデータを確認しました。ハッキングで手に入れた情報なのでこれを直接の証拠には出来ませんが、後ほどコンピューターを押収した際には証拠品になるでしょう。ひとまず、《廃品神隠》さんがそこにいるという確固たる情報でございますね」

ハッキングの情報はそのままでは証拠にはなり辛い。
だが、そこはどのみち後でコンピューターを押収すれば済む話。

「特定した居場所の近くに、人員の配置自体はできておりますからね」

こくんと蒼先生に微笑みながら頷いた。
イーリスの前に表示されるモニターが複数増えていく。そこに映るのは、フェイルド・スチューデントの面々、そしてターゲットの潜伏先。一つのモニターに複数の映像が映されたりして、様々な場所の状況が同時に把握できる。
多窓であるが、イーリスの手はそのどの窓も器用に操作していた。

「では、この場所で事件解決でございますよ。蒼先生のお陰で、普通に突撃命令出せますね。ありがとうございます」

《廃品神隠》さんの空間転移は、蒼先生により転移先が予め決められた。厄介な空間能力を使う事自体が罠と化したのである。

ハッキングした《廃品神隠》さんの全コンピューターを操作し、音声を発した。

ハッキングされたコンピューター「ぴんぽんぱんぽーん。こちら、風紀委員会のとある係。あなた達のコンピューター、全部ハックしました。残念でしたね。ついでに、あなた達の居場所も全員分特定しましたので今から突入しますね。逃げられるものなら頑張って逃げてみてくださいね。ご健闘をお祈ります」

《廃品神隠》さんにはそうご連絡して、焦りやら恐怖を与える。

そしてイーリスは通信を繋いで、フェイルド・スチューデントに告げた。

「生まれ変わったフェイルド・スチューデントと《ジャンク・アーミー》の皆さん。それでは、手筈通り、突入お願いしますね」

レーザー銃を装備したフェイルド・スチューデント、それに加わりイーリス製メカ《ジャンク・アーミー》が軍勢をつくり、《廃品神隠》さの潜伏場所に突入していく。

フェイルド・スチューデントの組織員「いくぞおおおおおおぉぉ!!」

軍勢が突入していく。
ちなみに《ジャンク・アーミー》は、外見はロボットであるが人型の兵器。全長1.8メートル。左腕がマシンガンとなっている。
イーリスが開発したメカでは珍しくある程度量産されているが性能は控えめ。
フェイルド・スチューデントに、さらに《ジャンク・アーミー》を加えて兵力を足している。

軍勢がレーザー銃やマシンガンで建物を破壊し恐怖を煽りながら、突撃していた。
もちろん、証拠となりそうなコンピューターの類などは攻撃しないよう指示を出している。
雑兵ではあるが、数の面で圧倒する突撃である。

奥空 蒼 >  


   「……破壊神(わたし)の作戦を先回りしたの?!」


 

奥空 蒼 > 蒼いのが考えていた作戦はこうだ。
こいつらは確かに強いが、逃げる事ばかり考える臆病者。
であれば、逃げるように突っつけばいい。
そして、全ての場所が割れているなら、

そのすべての場所へ人海戦術をやればいい。
お前の居場所はばれているぞと喧しく喚く、それだけだった。

それで、十分すぎる程逃げる理由にはなる。

しかし。
しかしだ。

その作戦はまだ伝えてなどいなかったし、
こんなものを用意していることも知らなかった。

「やっぱキミ……天才だろ。」

蒼いのも流石にその頭の周りぶりと戦況の制圧ぶりに讃嘆するしかなかった。

ついでにちゃっかりデータまで確保してくるあたり、抜け目ない。
何だこの子。

廃品神隠 > 「勝てるわけがないデス☆」

外の喧騒を聞きつけた廃品神隠の異名を持つ、
超常犯罪者は、まだ余裕そうに振る舞っているのだが―――

「イチゴ食べませんか、美味しいデスよ」

「え?」

「居場所が?」

「ちょ、えっ」

「なんデスかこれは―――ッッッ!!!」

全ての居場所を割られて、
同時に攻め入られて、冷静さを失う。

逃げられると思っていたものも、
切れる尻尾も全て喪ったのだから。

廃品神隠 >  


「「「「「いきなり居場所が全部割れて機械が突撃してくるってッ!!!そんなのナシだろ……?ハア……?こんなことが許されてなるものデスかァ……ッッ!?!?ふざけるな……!!」」」」」


点在するバラバラに分裂していた廃品神隠は、みんながみんな同じことを叫ぶ。

そして。

「「「「「こんなおかしいやつ相手にしてられないデスよ!!!小生はここから出させてもらう!!!そう―――こんなもの認められない!!無効試合だッ!!!」」」」」

次々に乗り込んでくる《ジャンク・アーミー》の皆さんから逃げ出す。
姿を、忽然と消し果てる。
空間転移によって、一切の戦闘行為を行わない、退避を選ぶ。

何故か。

それは今ある脅威はこの機械群だけではないと臆病に確信したからであり。
それでもなお、無限に空間を捻じ曲げて逃げられる者の臆病ながらの余裕であった。

廃品神隠 >  

その臆病な余裕が―――

「「「「「どこデスかここはあああああ!!!」」」」」

―――こいつら全員を超常犯罪者収容所(ゴミ箱)に連れて来てくれた。

 

奥空 蒼 > 「はい、ゲームセット~」
「やーったねイーリス!」

まるで引きずり出されるように蒼色の結界から出てきたのは…黒い靄が作る人の形をまねた異形の魔物だった。
なるほど、分裂も合体も思うままのようだ。
だけど、檻の中ではもうそれは叶わない。
ダメ押しに異能殺しの魔法を脳天にパンパンと流れ作業気味に雑に打ち込んだ。
ゆるーい笑顔でハイタッチでもしよう。してくれるなら。



「―――いやあ、これ……ナニやったんだ?」
「こんなにうまくいくなんて。」

何かを用意しているってのは察しても、その内容は知る由もない。
アナウンスしてたあたり、きっと凄い事やらかしたんだろうけどね。

Dr.イーリス > 先行するのは《ジャンク・アーミー》。その後からフェイルド・スチューデントの皆さんが続くという陣形。
まずは機械から突っ込ませて、安全性を確かめていた。


「お褒めいただき光栄ですよ、蒼先生。やりました!」

満面な笑みで、蒼先生と右手でハイタッチした。

フェイルド・スチューデントの人「姐さん、すいやせん! 逃げられたっす! あと何人か消えたっす!」

そんなご連絡がイーリスのスマホに来たりもする。

「作戦成功なので問題ございませんよ。お疲れ様でした」

そう労った。
そして転移された存在、それは魔物だった。
あと、彼等の潜伏先に設置されていたトラップ用の転移魔法陣に引っ掛かり、檻の中にいるフェイルド・スチューデントの人と《ジャンク・アーミー》がいたりするだろうか。
転移先が全て檻の中に通じているので、転移魔法陣を踏んでも即死にはならないけど、檻の中には閉じ込められる。

「転移先を檻の中にしてくださり助かりましたが、檻に閉じ込められた私の仲間とメカは出してあげてくださいね」

転移先を檻の中にしてくださらなければ、この突撃作戦は不安定なものになるところだった。

フェイルド・スチューデントの人「出してほしいっす!!」

とか檻で叫んでる。

「《廃品神隠》さんにの潜伏先にある全てのコンピューターにハッキングして、全員の居場所を特定している事を告げた上で大勢による突撃を実施すると伝えたのです。その後、予め私が配置していた人員とメカに潜伏先を襲わせました。ふふ、《廃品神隠》さんはまんまと転移を使ってくださいましたね。蒼先生が転移先を弄ってくださらなければ、突入する私の仲間が危険な目に遭いますので難しかった作戦でもありますよ」

そう言って、にこっと笑う。

奥空 蒼 > パンッ!て景気よく掌鳴らす音が聞こえた。

「理解が早いんで助かったよ。」
「作戦の成功する手間が省けたし、多分…私が考えてた作戦より良かった。」
「―――機械(ソレ)、人的被害出さないためだよね。私のやり方だったら被害を出してたから」

そうならないために、あの山ほど檻に入った量産型の機械が先行したわけだ。
お陰で、だろうか?
ポータルから転移してきた攻撃で被害は出ず、
ポータルで攫われた彼らも檻の中にいる、で済んだ。

「はあい、ちょっと待ってねー……―――」
「んー、良い恐怖だ。」

出して―って言われたら檻の方へ向かって行って。
《廃品神隠》の群衆へひょいと指先向けた。

「災難だったね。」
「キミらはもう出られないけど、まあなんだ」

「精々、今日起きた事の恐怖を忘れずに語り継いでね。」

そうすることで私は生きていけるし。
そうすることで、罪への恐怖は破壊の神への恐れとなる。

……あと、今日手伝ってくれたキミと、キミらと。
にこやかに笑うと、檻を開ける。

不思議と《廃品神隠》の名を与えられた黒靄の魔物は
檻の外へ出てくることはなかった。
フェイルドスチューデントの皆さんと、
《ジャンク・アーミー》と名付けられた量産型の機械だけが、
そこから外へ出て行くのだ。
何やったって?ちょっと罰しただけさ。

「いやあ……私もさ、人海戦術出来るなら全員で居場所特定を宣言してもらって、
ビビらせることを作戦で考えてたんだけど……
用意が良いね、ほんっと。」

良い笑顔だ。
全くもう。

「――ウチ来る?ほんとに。」
「お陰でずいぶん楽になったからさ。本来かかる筈の手間が大幅に減った。」

誘いながらも。

「まぁその。……キミの事知らなくって迷惑はかけるだろうけど。」

ちょっと…うじうじしている。
色々とあったから。

それにこれから先も、色々あるかもしれない。

廃品神隠 >  
「…ってなーに良い話風にしようとしてるんデスかねぇぇぇぇ!!!」
「チクショーここから出せぇぇぇぇ!!!」
「こんなバカげた捕まり方をしてたまもんデスか!!!!」
「小生が表で幻毒苺をばら撒いて麻薬パンデミックを起こす夢がァァァァ!!!」

今宵のゴミ箱の中は、随分喧しいようだった。

Dr.イーリス > 「突入するにしても、出来る限り安全にいきたいですからね」

人間が完全に罠の魔法陣を踏まないというのは難しいけど、《ジャンク・アーミー》が先行すればかなり人的被害が減らせる。
《廃品神隠》さんが恐怖し、そして不運にも転移トラップを踏んだフェイルド・スチューデントの皆さんも少なからず恐怖していた。
《ジャンク・アーミー》は恐怖心などなく平然としている。

フェイルド・スチューデントの人達「出られたっす! ありがとうございやす!」

フェイルド・スチューデントの人達がお礼を言いながら、《ジャンク・アーミー》と共に檻から出る。

「ふふ、解放ありがとうございます。相手に転移を促すならば、考える猶予を与える事なく、ひたすら恐怖を与えて焦らせるのがいいですからね。突撃もせずにただ居場所特定の宣言をするだけでは、相手に考える猶予を与えてしまいますので、作戦の成功率が少し落ちてしまいます」

潜伏先を破壊しながらの軍勢による突撃。
それは、相手の考える猶予を奪い、選択肢をなくし、完全に転移のみを促す作戦。
例えば、考える猶予を与えた結果、バラバラになっている《廃品神隠》さん一人が転移して、その転移先が檻の中であると気づいた場合、他の《廃品神隠》さんはその異変に気付いて転移をしてくれないかもしれない。

「今回協力していただいた私の仲間、フェイルド・スチューデントはただいま絶賛就活中だったりするのですよ。ごみ処理係に入れていただけるなら、とてもありがたく思いますよ。私達がお役に立つ事、今回の作戦であなたに証明できたと思います」

《廃品神隠》さんに視線を移し。

「ふふ。とんでもないパンデミックを無事に防げてよかったですよ」

と声を上げて笑い、蒼先生に視線を戻した。

奥空 蒼 > 「―――はいどうも。」
「そっか、キミらも就職活動中かあ。世知辛いね。」

出てきたフェイルドスチューデントの皆さんに声をかけながら、
就職活動なんて言葉を聞いて、妙に人間臭い反応をする蒼いの。

―――して、作戦についてしっかり語ってくれる辺り、
この子、結構データの話するの好きそうな気がしてきた。
その辺任せてみよう。私のやりたくないところだし、適材適所。
レポートとかも凄い上手いし。

「そう?ありがたいね。」
「ああでも、"一応"風紀委員よ、ここ。末端だから普段は他の部署と関わり薄いけど。
フェイルドスチューデントって言ったら…そのー、まあ、
多少なり風紀委員と因縁があるようだけど大丈夫?
……根回しはしとくけど。」

確か……一時期は悪さしては逃げ回ってたとか聞いた。

「あと―――一応超常危険物と超常犯罪者を取り扱ってるから、比較的危険度は高いのが多い。
今回だって、真正面からやったら即死級の能力持ちだったからさ。
空間、時間、記憶、改竄系が最低限で、更なる超常現象があるかも。
キミらくらい優秀なら、そう恐れるものでもないかな~。
それに…最悪、やってる感出しときゃいいし。」

この部署は適当だが、流れてくる仕事はろくなものがない。

「色々言ったけど私としては歓迎しちゃうから!」

両方の指をビシッ!と向ける


「……苺の形してるのは、日用の食料に混ぜて流通させるつもりだったんかもね。お手柄だよ!」
「よし、もういいよ、黙れ。」

《廃品神隠》の名を持つ異形は、黙れと言われると何故だかもう口を開くことは、なかった。

奥空 蒼 > 「その気になったらまたおいで」
「面接と適性検査の用意でもしておくから。」

「……でも、通過儀礼みたいなもので、合格はほぼ決まってるから安心して、ね。」

にこーって笑って。


「それじゃ、清掃完了の報告を済ませちゃおうか―――……」

もうしばらく、今日の戦果を横目にお話を楽しんでいる事だろう―――……

Dr.イーリス > フェイルド・スチューデントの人A「スラム暮らしで不良やってたっすけど、なんとか更生したいっす……」
フェイルド・スチューデントの人B「就活も上手くいかず……世知辛い世の中っすよ……」

フェイルド・スチューデントの人達の中に、ちょっと泣いてる人もいる。

「その……難しそうでしたら、他を考えたいとは思います。風紀委員の更生プログラム、みたいなのを受けさせていただけたりとかはできないでしょうか。私も更生プログラム、一緒に受けたいとも思いますし。根回ししていただけてとても嬉しいです」

悪さをしていた過去、それはフェイルド・スチューデントの人達に重くのしかかり、就活がうまくいかない事情の一つでもあった。
そのまま風紀委員に加入、というのは難しいかもしれないけど、この部署ならまだ大丈夫だろうか……と蒼先生にお願いしていた。

「危険が多いのは……その通りではあるかもしれませんが、私達は元より、スラムや落第街で危険な暮らしをしておりましたからね。仲間の死は、とても悲しいですが……幾度もありました……。危険は、覚悟できます」

ですよね? という感じでフェイルド・スチューデントの皆さんへ。
フェイルド・スチューデントは、こくこくと頷いている。

歓迎してくださる、という事でイーリスの表情は明るくなった。

「ありがとうございます、蒼先生! これからよろしくお願いしますね!」

フェイルド・スチューデントの人達「よろしくお願いします!!」

イーリスがぺこり、と頭を下げた後で、フェイルド・スチューデントの人達も続けて頭を下げた。

フェイルド・スチューデントの人達の就職先が決まりそうで、イーリスの心はとても気楽になった。
蒼先生に、いっぱい感謝したい。

「では、近々面接お願いしますね! はい、報告書も既に書き終えておりますよ!」

蒼先生の端末に報告書を提出した。
それからもお話を楽しみ。
そうして後日、面接や適性検査、更生プログラムなどを経て、イーリスとフェイルド・スチューデントは風紀委員ゴミ処理係となるのだった。

ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」からDr.イーリスさんが去りました。
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」から奥空 蒼さんが去りました。