2024/11/20 のログ
ご案内:「東山正治の事件簿Vol.1」に東山 正治さんが現れました。
ご案内:「東山正治の事件簿Vol.1」に妃淵さんが現れました。
■鹿山鈴 >
鹿山鈴は一般的な女子生徒だ。
非異能者ながらこの混沌としたに馴染んでいる常世島生まれの人間だ。
特に非凡ということもなく、この大きくも狭い学園都市で暮らしている。
危険な事件に巻き込まれることもない人生だったが、
彼女は今回トラブルに巻き込まれ教師に相談することになった。
「先生……私の下着が……盗まれてしまったんです」
羞恥の恐怖の織り交ぜた感情を吐露することになった。
教師相手にも勇気のいる行為であろう。彼女はポツポツ、と身の上を話初めた─────。
■東山 正治 >
常世学園 学生街カフェテラス「橘」
丁度昼に差し掛かった高い陽射しが眩しい時間帯。
すっかり空気が冷え込み始めたこの時期でも昼時は変わらない。
軽いブレイクタイムや昼食、或いは朝から居座る人々が一杯だ。
そんな奥の席に、教師東山 正治は机に資料を並べていた。
「依頼者の名前は鹿山鈴。
現在17歳の2年生の女子生徒。一ヶ月ほど前から、
洗濯で干していた下着……まぁ、特に"上側"が紛失、盗難だと発覚。
風紀委員も動いているが、未だ犯人は捕まらずに、被害者は続出している」
「人々の間じゃ、そいつは鮮やかな手口から『怪盗ブラジャー』て呼ばれてるらしい。
そんなわけでその被害者の一人から俺の方に直々に依頼が回ってきたわけだが……」
ブラックコーヒーを軽く口に流し込み、対面に座る妃淵の方を見やった。
依頼者の適当な身の上話を口頭で説明し、今は席で二人きりだ。
東山は個人で探偵、もとい何でも屋めいた仕事を教師として受けることが多い。
その"お手伝い"として、最近彼女を雇ったのだ。
というわけで、この橘に仕事の話として呼び出したのだが……。
「……いや、まぁ、言いたいことはわかるよ。
うん、とりあえず質問とかある?此処までで」
もう既に東山の口元は引きつっていた。
■妃淵 >
カフェテラスのテーブルの向かいに座っているのは、見るからに十代半ばといった年齢層の少女
対面の、年配の男と比べれば明らかに関係性はある程度推察できよう
生徒と教師、とりあえずはそう見える…筈だ
珈琲を飲みながら何やらを説明している男の対面で頬杖をつきながら切れ長の視線を向けて、
一頻り説明を聞き終えれば、ややその整った顔の眉根に皺を寄せている
質問は、と聞かれればようやくその口を開いて
「そうだな、一つ目はなんでそんなに風紀委員がだらしないんだってことと」
「二つ目はそんなフザけた名前のヤツをどうにかする仕事をお前が受けてんのかってとこかな」
…声色は如実に語る 面倒くささを煮詰めたような感情を
口元の引きつった中年男性と、それを睨む少女…妙な空間の出来上がりだ
■東山 正治 >
睨む視線に更に表情が引きつる。
思った通りの言葉が返ってくると人間思ったより"クる"。
「ご尤もで。まぁ落ち着きなって、パンケーキ食べる?」
勿論カフェ代は奢り。
メニュー表でも出してどうどう、と宥めておく。
「一つずつ答えるとしようか。
一つ目はだらしないって言うより、同一犯と発覚したのが最近だ。
推定からして、遅くても一ヶ月前くらいに活動してる犯罪者だ」
「今絶賛行方を追ってる最中ってこと、お互いにね。
まぁ、ふざけた通称ではあるけど、それだけ巧妙でもあると言える」
決して彼等は無能ではない。
名前はともかくとして、やっていることはれっきとした"窃盗"だ。
それに、凶悪な違反者ならともかく、何かと逮捕には証拠がいる。
つい最近頭角を表した相手だ。未だ特定に至らないのも仕方ない。
軽くカップを揺らして、肩を竦める。
「教師が生徒のお願い断るのかい?
まぁ、受け止めれるかは内容次第だけどね。
別にこういう仕事なら受けるさ。実際困ってるワケだし、
フェイちゃんも実際被害者となったら、気持ち位わかるだろ?」
年頃の少女のよりセンシティブな部分だ。
見知らぬ何者かにそんなものを盗られる恐怖は計り知れない。
東山教師としては、断る理由は何処にもなかった。
「それにちゃんとバイト代も出すし、
そっちにも悪い話じゃないでしょ?……それでなんだけど、さ」
妙に改まって、よそよそしい。
というか、凄い気まずそう。
「オタク、ちゃんとブラジャーとか付けてる?」
なんて質問をしだすんだこの教師は。
■妃淵 >
「別に怒ってない。また面倒くせえ話してるなと思ってるけど」
あと少食なんでそういうのはいらない。
淡々と歯に衣着せぬ物言いが出来るのはこの年頃の生徒として見れば長所といえるだろう。…多分
「…ま、最近立件した話ってのと、
お前が案外生徒のお願い断れない甘ちゃんだってことはわかったよ」
珈琲カップを口に運びつつ、片目を伏しがちにそう言葉を返す
ひょうひょうとしながらテキトーなことを言ってるようでマトモだし、生徒思いなところもある。ムカつくタイプの大人だ。
「そらそうだろ、安いもんでもないし───……あぁ…」
「オレほど乳がなけりゃーブラつけなくていい、って?」
言葉は淡々としているしそこに感情らしい感情が含まれているようには感じられない
でも少女の背後がめらっ…て、ちょっと揺らいだ…ようにも見える
■東山 正治 >
"甘ちゃん"。
そう言われると思わず笑ってしまった。
嘲笑にも近しい、嫌味な笑顔だ。
「……"教師"なもんでね。
甘いもの嫌いそうなフェイちゃんの事は見捨てりゃ良かったかい?」
なんて冗談めかし言えば軽く肩を竦めた。
如何なる人間性なれど、"教師"を続けてる以上、
キッチリとその理由は存在している。
喉元までせり上がった言葉とともに、コーヒーを流し込む。
絶妙な苦味と酸味がいい。寒い季節、ホットがよく聞く。
そんな真っ黒な水面が僅かに揺らいだ気がした。
彼女から発せられた"ゆらぎ"めいたものに。
「意外と気にしてんだな……まぁ落ち着きなって。
別にそういう意味で言ったんじゃないからさ。まぁ、ホラ……」
どうどう、と宥めつつも言葉に詰まる。
言いづらい、凄く。でも言わなきゃ成らない。
カップのコーヒーを飲み干し、真っ直ぐと妃淵を見据える。
「──────1つ、俺にくれない?」
重大なインシデント発言だ!
真剣な顔でとんでもないことを言ってるぞコイツ。
■妃淵 >
「大人一人に見捨てられようが一人でも食いつなぐくらいワケねーよ。
……んで?セクハラ教師東山センセーは何が言いたいんだヨ」
問いかけながら白いカップの中で揺れる黒い液体をズズ、と啜る
向こうにいる頃は縁もなかったが、別に美味いモンでもない
もう少し大人になれば、その良さも理解るんだろうか
黒い液面に映る自分の表情を確認して、ふぅ…と一息。揺らぎが収まり、消える
「───……」
カップを口につけたまま、紅い視線がジーっと東山教諭を見つめている
「………」
「"何を"、"一つ"、"くれ"って?」
確認
確認は大事
■東山 正治 >
うん、そうだよね。そういう目をするよね。
視線が痛い。見返してくる視線が凄く痛い。
流石の東山もハハ……と乾いた笑みが溢れた。滅茶苦茶死にたい。
「落ち着いて聞いてほしいんだけど、さ。
フェイちゃんに話を振る前に俺なりに色々やったの。
その、ね?"怪盗ブラジャー"を捕まえるために色々ね」
東山は教師でもあり、公安委員会に所属している。
言ってしまえばそれこそ情報収集や追跡に掛けてはその道のプロ。
彼なりに大真面目に色々と捕まえるための手段を講じていた。
「その内の一つで罠を張ってみたんだよ。
……自分で女性の下着買いに行くのはまぁまぁ"キ"たよ」
現状独身の男、そりゃもう視線が痛かった。
なんなら今も痛い。思い出しただけで頭痛くなってきた。
側頭部を指先で抑える東山の目は死んでる(※何時も通り)
「けど、結果は坊主だったね。
俺なりの結論だけど、多分新品じゃ釣れない。
使用済みである必要があると踏んだってコト」
なんだかカフェテラスの視線も鋭くなってきた気がする。
真面目な話をしてるはずなのにどうしてこんな……。
「いやまぁ、バイト代は弾むからさ、その……」
「"餌"として一つ、くれないってね???」
中年教師が、年頃の女子生徒に下着をせがむ。
なんだよこれ。知り合いがいなくて助かった。
■妃淵 >
そういう前段階があるなら最初から言えよ
そういう感情を視線に向けて届けてやる
「まぁ…」
「風紀委員がさっさと捕まえられない時点でそう簡単に釣れたら苦労しないだろ。
新品と使用済みをどう見分けてんのか知らねーけど…そんなもん盗ってみねーと普通はわかんねーだろ」
そう考えると、普通の窃盗犯とは考え辛いのか
この島も大概ヘンなのが多いのは重々承知しているが
「で、オレの使用済み下着を寄越せ、と……」
確認は大事なので、口にもする
「──、いくら出す?」
テーブルに頬杖をつき、にんまりと笑みを浮かべて睨め上げる…ア、わるいかお
バイト代の話っちゃ話だが、文言が悪い。お互い様だけど。
■東山 正治 >
そりゃもう御尤も。その視線には思わず肩を竦めた。
「異能か魔術か……どんな動機であれ、
それだけの執念とか何かがありゃあ何でも出来ちまうかもな」
それの良し悪しは置いといても、そういうものだ。
特に今はある種の"何でもあり"が横行している。
お陰で法整備も操作技術も常にあっちこっちと天手古舞だ。
思うところはあれど、今は事件に関係ない。
電子端末で料金を払えば、溜息混じりで席を立つ。
「イイ値を付けてくれていいから、復唱しないで……」
中年のメンタルには来る。
そうと決まれば行動は早くすべきだ。
行くよ、と軽く手を振れば一足先に店を後にする。
■東山 正治 >
──────常世学園 堅磐寮。
性別に囚われない学園公営の寮だ。
紆余曲折を得て彼女の使用済み下着とともに、
彼女が住んでいる寮のベランダに一緒に急遽干してある。
東山と妃淵は、そのベランダがよく見える位置ににいた。
寮の外側。公道の隅でじっと待つこと数時間。
所謂"張り込み"だ。寒空の下でも、基本は我慢比べだ。
「さて、釣れるといいがね……ハイ、これ」
コンビニで買っておいたあったかぁいお茶ペットボトルを妃淵に差し出した。
東山の視線は何処を向いているかはわからない。
が、その視界から一度たりともベランダから目を離さない。
■妃淵 >
「寒……おい、これ犯人が出てくるまで此処で見てるつもりか…?」
おにぎりとホットなお茶を受け取りながら、露骨に嫌そうな顔
張り込みなんてそんなものだと理解はしていつつも、長丈のジャンパーを羽織った少女不機嫌そうだ
「はぁ…まぁバイトだからやるけど」
「釣れなかったら責任とれよオッサン」
先生相手だが全く構わずオッサン呼び
ある意味、そうやって気を許す程度には距離感が近くなったのかもしれないが
そんな恨み言をいいつつも、自身も横目で視線をベランダへと向ける
■東山 正治 >
「そうなったら高い飯屋でも奢ってやるよ」
なんて軽口一つ叩いてヘラヘラ笑っていた。
目線を悟らせないのは隠密においては基礎的な事だ。
特に何かしら"警戒"している相手はちょっとした視線にも敏感だ。
昔取った杵柄。こういう仕事ではよく使っている。
「ていうか、相変わらず口悪いね。オッサンって……、……ん?」
一応教師なんだけどな、と諌めようと思った矢先、
空気が変わった感じがした。そしてそれは、"的中"した。
妃淵質のベランダに近寄ってくる謎の小さな影。
静音性バッチリの隠密性の高い"違法"小型ドローンだ。
少なくとも民間で発売しているようなものではない。
「……一応聞いとくけど、同居人の趣味じゃないよな?」
横目で妃淵を見やった。
そうこうしてるうちにドローンの小型アームは器用にブラジャーを掴み、
スルスルと"それだけ"を取って上空へと一目散に飛んでいく。
「……アッチか。どうやら晩飯はまた今度っぽいな。
さて、行きますか。拝みに行こうじゃないの、"怪盗"の顔を」
動きは速いが規則的な機械の動きは追いやすくて助かる。
こっち、と手招きしながら早速東山は歩き始めた。
■妃淵 >
「んじゃー老舗の牛カツ定食ぐらいは覚悟だな…」
軽口には軽口を返しつつ
こんな寒い中よくへらへらしてられるなと皮肉も一つ
「センセーって呼ぶよりしっくり来るだろ。それともお兄様とかそういうのが… …ん」
同時、空気の変化を感じ取る
ベランダに近づくドローン
凄いな、最近のは殆ど音すらしないのか、と驚きはするものの…
「あんな高いオモチャ黙って買ってたらケツをしばいてやるよ」
同居人のモノではないととりあえず明言
手口も時代とともに変わっているとはいえ、これじゃ足もつきにくいわけだ
「"怪盗"ねえ…」
下着ドロ如きに冠する名前にしちゃ大仰だなと溜息を吐きながら、やれやれと追跡してゆく──。
「で、荒事になったら"また"オッサンは高みの見物?」
■東山 正治 >
「そりゃ良かった。同居人が犯人だってオチはなくなってよかったよ」
事実は小説よりも何とやら言うが、余計な事はおきなさそうだ。
さて、問題は犯人と対峙したときだ。ドローンの軌道はしっかり頭の中にある。
急ぐこともなく、二人揃って町中で"風景"に溶け込んでいるとも言えよう。
「フェイちゃんだけで済むならいいけど、教師だからなぁ。
それに俺が受けた仕事だから、キチンと仕事はするさ」
「……っても、期待すんなよ?俺も歳だし」
それこそ若い頃ならいざ知らず、派手に動くと"疲れる"。
くつくつと何処かからかうように喉を鳴らして笑いながら、
やがて追跡していると寮から少し離れた雑居ビルにやってきた。
飲食店に整体だのなんだのと混沌とした、何処にでもありそうな雑居ビル。
間違いなく、屋上へと飛んでいった。
「木を隠すなら、ね。
逃走範囲はそう遠くなく学生街でこっそりと。
……さて、まだいてくれりゃいいけどな」
こっち、と妃淵を誘導するため先頭に立つ。
腐っても教師だ。生徒に何かあってはいけない。
何処となく小汚い雑居ビルの階段を登り、屋上へと辿り着いた。
大量の室外機などでゴタゴタしており、思ったよりも狭い。
「……アソコ、誰かいるな。
一応いきなりシバいてもいいけど、加減はしとけよ?」
顎で指したのは一番奥の室外機。
昼の陽射しにより、何かしらの大きな影がそこには映し出されている。
何でもありとは言わないが、コレは委員会の仕事ではない。
その過程で起きることは凡そ"大目に見ている"のだ。
東山は法律家だが、ガチガチの堅物でもない。
■妃淵 >
「残念ながらアイツは変態性に欠けてるからな」
細い肩を竦める
ただでさえ心配になるほど隠し事が下手そうなヤツだ
「だったらオッサンが全部やればいいじゃんって言おうとしたのに予防線張るなよ」
汚い大人だ、なんて悪態をついていると、ドローンは雑居ビルの屋上へ
それを追ってゆけば、なるほど
ドローンを追跡して…ビンゴ
それほど速度が出ないからこそ追跡は実に容易だったが…
「誰かいるね、って犯人以外いないだろ
さっさと終わらせるぞ、ただでさえクソ寒いんだ」
そう言うとズカズカと歩いていった、と思えば相手がこちらに気づくよりも速く、影となっている室外機ごと思い切り蹴り飛ばしていた
小型のコンテナ程もありそうな大型の室外機が大きな音を立ててズレれば、極小のスペースとなる物陰から出てこざるを得ないだろう
口より先に手が出る
フェイエンはそんな女だった
責任は年上の雇い主がとってくれるだろうという腹積もりでしかない…