2024/12/12 のログ
ご案内:「駄菓子屋『おおげつ』」に宇賀野 実さんが現れました。
ご案内:「駄菓子屋『おおげつ』」に東山 正治さんが現れました。
■宇賀野 実 > 秋……おおげつの周りでは『艶やかな少女の声が夜な夜な聞こえてくる』というウワサが立っていた。
季節が冬を迎えるにつれてその声は収まり、おおげつの主はようやく部屋を出られるようになったのである。
そして、秋を過ぎてから一回目の検診結果はひどいものだった。
『縮んでます』
「おじさんのおじさんが…」
『サイズ的には成長期を迎えてないレベルなので男児サイズですが、
前回の…夏の計測より更に縮んでいます』
「なんでそんなひどいこというの? もうちょっと優しさを持って!」
『肉体的にはより女性に近い状態に寄っていますが…。
完全に性別が変わるという状態では、今のところはなさそうです』
「よかったあ。 良くはないけど…」
『また検査をしますから、その時また来てください。
あとその鞄、娘が使ってる女児アニメのやつと同じですよ、いいですよね』
「いい……」
そんなやり取りを研究員と行った上で、ひさびさにおおげつ開店である。
心做しか、夏のころより体はよく動く気がする。 普段よりテキパキと
駄菓子を並べ、外にゲーム機を出して準備を整える。
「よし!」
今日も今日とて、満足げにお店を開くのであった。
■東山 正治 >
仕事の関係上、様々な情報が東山の元に入ってくる。
それは、例え旧友や周りの人間とて例外ではない。
暴けるだけの情報を暴き、人知れず罰するのが公安の仕事。
「……にしても、なぁ……」
駄菓子屋『おおげつ』
旧友の営む駄菓子屋を前に、東山は引きつった笑みを浮かべた。
此処数ヶ月、此処には意図的に顔を見せることはなかった。
どんな状況か理解していたからだ。これ以上罷り間違う事はしたくはない。
それはそれとして、彼の身体状況も深刻だ。
元に戻るどころか進んでいる先祖返り。
収まったタイミングで顔を見に来るのも仕方ない事。
「みーのりちゃん。元気?」
わざと足音を立て、店前へと近づいた。
店前で準備中の彼にへらりと実に気兼ねない挨拶だ。
■宇賀野 実 > 「よし、頑張るぞ…!!!」
お店のこともそうである、そしてそれ以上に自我である。
自ら贄になりたがる…”神饌”としての本質を、これ以上目覚めさせるわけにはいかない。
これが万が一強く発動してしまえば、相手に多大な迷惑をかけることになる。
秋の間おおげつを閉鎖して家にこもっていたのもそのためだった。
確固たる決意を胸に抱き、ぐっと拳を握って決意を新たにした。
「やったあああせーじさんだあああああ!!!!!!」
友人の声を聞いた瞬間、新たな決意は粉微塵になった。
子どもが親戚のおじさんに甘えるが如く、猛ダッシュで駆け寄って相手に飛びつく。
「せーじさんっ♡ せーじさんせーじさんっ♡
ご迷惑をおかけしました!!!入ってください!!積もる話もありますから!ね!!」
呼びかける声色は、幼さの中に甘さがこもっているそれ。
聞き慣れた相手からすれば、その声色が更に甘く…誘惑の色を帯びていることが
わかるだろう。
ぐいぐい。小さな身体で相手を引っ張りながら、鼻息荒く呼びかける。
「年の瀬ですからね、お餅もたくさん用意してあるんです、持っていってください!
それに本土から送ってこられた干し芋と干し柿もあるんですよ。
せーじさん食べなくても生徒に配るには有用ですから、ね、ねっ!」
全身からあふれる”嬉しい”オーラをほとばしらせながら、
相手を見上げ、服の裾をぐいぐい引っ張った。
■東山 正治 >
「!?おぶえっ!?」
そりゃもうビックリしたとも。
想像の100倍位のビックリドッキリ嬉しい反応されたんだもん。
思わず避けることも出来ずに食らう幼児タックル。此れがまぁまぁ効く。
「ちょ、み、実ちゃん落ち着いて。
言葉の洪水をワッ、と俺に掛けるのはやめようね?後さだはるな?」
何だか某みたいな台詞を言いながらどうどう、と嗜める。
さながらはしゃぎまくる姪っ子をあやすおじさんのようだ。
読み仮名的にそう呼んでくるのは彼くらいだ。
昔からの付き合い、最早あだ名のようなものだ。
「とりあえず、何?苦しい時に顔出せずに悪いね?
元気そうで安心したよ。……元気すぎるくらいね……」
苦い笑みを浮かべる被害者間の心境は複雑なものだった。
声音に混ざる艷やかさにすっかり"それっぽさ"が板についた動き。
戻るどころか、随分と悪化している。
「わ、わかったから落ち着いて……引っ張られるとおじさん疲れちまうよ……」
それはそれとして完全に姪っ子とおじのそれ。
流石に旧友の好意は無碍に出来ず、引っ張られるままに駄菓子屋へと入っていく。
■宇賀野 実 > ひとしきり相手の足の周りをぐるぐる回る。
テンションMAXのポメラニアンもかくやといった様相であった。
再度えいやと抱きつくと、鼻先を相手にぐりぐり押し付けて深呼吸。
「あー。 タバコの匂いするー。 せーじさんの匂いするー…♡
でもおじさんくさくはないからオッケー!」
慣れ親しんだ相手の匂いを満喫した後に、ようやく落ち着いてきたのか、
ちょっと離れて相手を手招きした。
簡素な椅子とテーブルが並べられた場所を指し示す。
「おおげつの中、談話スペースも用意したんですよ。
駄菓子って外で食べるのもいいけど、寒かったり暑かったりしたら辛いし。
利用は70円以上購入者限定だけど、まだお客さんもいないから
せーじさんも座ってください! はい!」
座布団を手渡してから、奥に引っ込む。
再度現れた時には、炭酸飲料を手に持って戻ってきたのだった。
「せーじさん、これおごりです! 自分の復活祝い!」
はい、とテーブルに置き、自分も座った。
相手が座ってくれるまでの間、なにかそわそわ。
なにから話そうか、といった様子である。
■東山 正治 >
「煙草は充分臭いと思うんだけど……」
なんだろうなこれ。豊穣のなんとかってのは犬のなのか。
そう言えばこの前のハロウィンも犬が爆誕していた。
犬か、犬に縁があるのか。泣けるぜ。
とにかくそれだけで満足するならいいだろう。
前みたいなことは勘弁だ。促されるまま、椅子に座る。
「ふぅん……いいんじゃない?
駄菓子ってやっぱり、人と食いながらくっちゃべるのが楽しいしな。
立ち食いよりもこういう場所がある方が生徒も安心だろ?」
何よりそれなりの年齢なら懐かしさもある。
こうして一望すると甦る昔の記憶。
ガキの頃はこういうのに屯するもんだったっけな。
「どうも。……復活って割には犬みたいだったけどね。
それで、どうしたの?そんなそわそわして。別に逃げないよ」
炭酸を軽く揺らし、へらりと笑いかける。
■宇賀野 実 > 「タバコの匂いとおじさんの加齢臭は別じゃないですか。
いやー、やっとせーじさんと話ができるなー。」
満足げな表情で談話スペースに腰掛けて、相手の言葉に頷いた。
「そうですよね、やっぱりね! 駄菓子とはいえ、少しでもくつろいでもらいたいし。
うちはもんじゃ焼きも出してるけど、そういう高級なものを頼まないと座れないみたいなのも、
ちょっと違うな~~~~って思ってー。」
缶を手に取り蓋を開ける。今の自分にはフルパワーが必要だった。
初等部用の子のためにオープナーがあったほうがいいかも知れない。
「えっ、犬みたいだった? いや~~~~ほんとにもう犬だったんですよ!!
発情した犬!!!! エッチなことしたいっていうか、とにかく身を捧げたい!
誰かにこの身を貪ってほしい!!みたいな衝動がめっちゃすごくて!!!
おおげつから出ないようにして、ご飯は宅配のやつ外に置いといてもらってで、
あとは一人でひたすら…。 も~~~~~大変だった。すごかったですよ!
…っていう話をしたら、さすがにせーじさん引いたりしないかなって心配で
そわそわしてたんですよ。 まあ男同士だからいいけど!」
見た目は女児であるが、本人はまだ同性のつもりがいっぱいである。
身振り手振りと一緒に慌ただしくわっと喋り切ると、飲み物をぐいとくちに運んだ。
■東山 正治 >
「そりゃ別だろうけどねぇ、おっさん位だよそう言うの。
ていうか、話すだけなら幾らでも相手いるでしょ、俺じゃなくても」
そう言えば中身はおっさんだった。
安心した。まだ中身はおっさんだった。
悦ぶべきことなのになんだ、この字面。
絶妙に嫌な感じなのが複雑な感じ。
「何よりここなら目が届きやすい。
本当にガキだと何するかわかんねぇし、防犯意識もいいな」
「……そもそももんじゃだけじゃ居酒屋だよ」
くつくつと喉を鳴らして笑う様はからかった。
こういう場所に自分らみたいなおっさんが屯するのもまぁ悪くない。
ころりと喉に流し込む炭酸の刺激が爽やかだ。
「……、……別に引いたりはしねぇよ。
大変だったな。悪いね、何もしてやれなくて」
ヘラヘラと取り繕ってはいるが、内心は何とも言えなかった。
意識としては男性だが、それはつまり、やはり止まらず先祖返りが進んでると言う事。
あの中年男性が、こんなふわふわな女児になっている。
自らの周りにあったものが、変容し続けている。
「(気持ち悪ぃ……)」
こんなもの、不気味だと思わない世の中がどうかしてる。
決して口には出さない内心の毒を、一気に炭酸ごと飲み下した。
「……で、今は大丈夫そうじゃない。
やっぱりその、秋の季節は先祖返りが強くなるってワケ?」
■宇賀野 実 > 「そりゃそうかもしれないけど、こういう話できるのせーじさんだけですよ。
おじさんだったことをまともに知ってくれてる人が少ないしね。
ほら、せーじさんだってタバコいつも買う…コンビニ?の人の顔とか、
あんまり覚えられないんじゃないです?」
印象がなければ人は覚えることをしない。
背が高い、痩せている、変な服を着ていた…それらがなければ、
”普通の”人のことなんて、あんまり覚えられないはずなのだ。
「え~~そうでしょ~~~防犯意識あるでしょ~~~~?
ちゃんとブザーとかもあるよ。忘れた子に持って帰らせるやつ。
スケベなこと以外に何があるかわからんからね、この島だと。」
ほら、とポケットから卵型のブザーを取り出す。紐を引っ張ると鳴るやつだ。
「なんも悪くない! せーじさんがお話してくれるだけで嬉しいよお…!
女児扱いされたらどうしようかと思ったし!」
ころころと声色をはずませ、すっかり総合を崩す姿はまさしく見た目に即した女児のよう。
とはいえ、本人はまだ、なんとか取り繕えているつもりなのだ。
「うーん、そうみたいなんですよ。 これ以上ひどくならないように、
定期的に検査を受けているんですけど…。
せめて秋の間だけでもある程度抑える方法があればなあ。
あのほら、中学生ですよ、中学生。 せーじさんもわかるでしょ。
中学生のときのあの、ナチュラルにすけべなことを考えてる感じ。
あれのすっごいひどいやつが続くんです。」
相手の気持を知ってか知らずか、腕を組んでウウムと唸る。
いずれにせよ、初めて出会う難題であることには違いないのだ。
■東山 正治 >
「特徴とかは覚えるよ。
"仕事柄"、どうしても人の顔とか仕草とか目に付くもんでね。
そもそもタバコの銘柄さえ覚えられないのは実ちゃんの方じゃない?」
弁護士も公安も人を見るのも仕事の内。
何気なくすれ違う相手だって、細かな特徴まで勝手に覚えてしまう。
だから余計に、今の彼と昔の彼の乖離が酷くて頭が痛い。
ついでに軽口叩きながら胸ポケットから取り出すタバコの箱。
「此処、一応禁煙だっけ?
……いや、スケベがデフォルトみたいに言わないでね???」
まるで性の乱れが横行してるなんて酷い話だ。
……してないよな。言われるとちょっと不安になってきた。
「……俺にとっては、"どんな姿"でも宇賀野 実なのは変わらないよ」
それを受け入れられるかは、別問題だけど。
「盗み聞きってワケじゃないけど、聞いちゃったよ。検査結果。
何ていうか、ままならないっていうか……方法とかないワケ?
こういうの、祭祀局とか図書委員会の連中が得意そうではあるけど……」
「一気にスケールショボくなったな???
……え、実ちゃん中坊ん時そんなんだったの……?」
思わず顔をしかめた。
訝しげな目がおじさんを射抜く!
■宇賀野 実 > 「タバコすわないもん…。
でもほら、駄菓子ならいくらでも覚えますよ」
唇を尖らせて拗ねる様は女児であった。
とはいえ、相手の言葉にも位置リアル、大人しく頷いた。
「禁煙だけどいいですよ。換気ちゃんとしますからね。
いや、スケベ以外にも色々あるでしょ、暴力とか、ケンカの巻き添えとかね。
そういうことに小さい子が巻き込まれちゃあだめだから、ね?」
おじさんとしてきちんとそのへんは考える。駄菓子屋としての考えであった。
「やったー! せーじさんからお墨付きが出たー!!
じゃあ次何着ようかな~。 猫ちゃんレオタードとかもいいな~。
あっ、えっ、方法ですか? うーむ…。
たしかに、そのあたりに聞いてみるのは手かもしれない!」
せーじさんの提案にぱっと表情を明るくして何度も頷く。
少しでも抑えられれば、人並みにできれば今年のように困ることもないはずだ。
「えっ???? えっ、なん…なんでそんな目で見るの…?
少年マガジンの表紙の水着のタレント見ただけで
『お”ち”ん”ち”ん”は”く”は”つ”す”る”ぅ”!!』ってならなかったの?
なるでしょ?? 嘘ですよねせーじさん????」
発情のキツさを説明するだけなのに、中学生時代のすけべ脆弱性について
話すことになると思わなかった。 視線に射すくめられてちょっとべそをかくも、
懸命に中学生時代の限界っぷりを頑張って説明する。
■東山 正治 >
「そりゃ、覚えなきゃ仕事にならんでしょうよ。
いっそタバコとかも扱って万屋にでもしてみたら?」
なんて適当吹かしておいた。
煙草を一本取り出しては口に咥え、ジッポライターで火を付ける。
現代では作られない骨董品レベルのライターだ。
「ふぅ……」
立ち昇る白煙と、メンソール系の匂いが充満し始める。
東山自身が纏っていた煙草の匂いと全く同じもの。
どちらかと言えば、"女性向け"の煙草の匂いであった。
「じゃあなんでともかくって言ったんだよ……。
まぁ、そうだねぇ。言ってることはご尤もだわ、うん」
小さな争いの火種はそこら中に燻っている。
学園都市、島国の一つとは言え、その嫌な濃密さは国家一つに負けず劣らずだ。
「そういう意味で言ったんじゃないんだけどな???
ていうかそういう思考だから進むんじゃないの……?先祖返り」
ハァ、呆れた溜息と共に白煙が漏れる。
「聞くならこっちから口利きしとくよ。
案外、実ちゃんみたいな問題は多いからなんとかなるかもよ?」
変質系のタイプは意外と珍しくもない。
此れが一縷の望みになればいいが……。
「…………」
引いている。明らかに表情が引いている。
何なら凄い『マジかよコイツ』みたいな視線をしてる……!
「まぁ、ね。思春期だからそういうのに脆弱性があるのはわかるけど……。
俺?俺はもうちょっと理性的だったし……え、実ちゃんってそんな中坊時代だったの……?」
まじ……?
■宇賀野 実 > 「う~ん…でも駄菓子屋さんにタバコはねえ。
ココアシガレットならあるんだけどな。 あっ、それ好き!
せーじさんタバコ色々吸うけどそれが一番いいですよ!」
メンソールの香りが大好きだ。ぱっと表情を明るくして相手に頷いた。
相変わらず銘柄はわかんないけど。
「えっ……だってどんな姿でもっていうから…。
いつもおんなじ格好じゃせーじさんも飽きるかなって…。」
冷静な指摘がじわじわと効いてくる。 視線を落とし、
しょんぼりした表情で答えた。 新鮮でいたい反面、
それが先祖返りを進めてしまう可能性…十分に考えられる。
「えっ、だって中学生ですよ!? 風が吹いてもえっちな気持ちになるお年頃じゃ…。
ええ…?なんでっ?えっ、俺がすごいえっちみたいな感じになってるんですけど?
あっ…ああ~~~~~…。 わかった!!ほら、先祖返り!!その影響にちがいないですよ!!!」
必死だった。このままではセンシティブおちんちんボーイとしての誹りを免れない。
ここは異能のせいにしよう。すごい勢いでそういう風に話を持っていくことにした。
「いや~~、まさか中学生のころからそういった状況に陥っているとは…。
ちょっと厨二設定っぽいですよね。」
これでよし、うまくごまかせた。きっとせーじさんも納得してくれるだろう。
■東山 正治 >
白煙を燻らせ、僅かに口元が笑む。引きつった笑みだ。
「俺も好きだった匂いだよ。
まぁ、未練かな。昔の女、もういない相手の好きな銘柄だ」
かつての伴侶だったものが吸っていた銘柄。
変わりゆく世界の変わらない男の未練の象徴。
白煙を揺らしては、ちょいちょいと軽く手招き。
「それこそ女の思考じゃあ……、……俺達友達だよね???」
友人同士でおめかしするのはわかるが、
個人にひけらかすのはなんか違うような……。
「…………」
携帯灰皿に灰を落とす。
無言。無言の視線だ。
互いのテンションの落差がどんどん痛い……!
「まぁ、何?元々実ちゃんがエッチなのはわかったよ。
いいんじゃない?男子としては健全だとは思うけどね」
男なんてものは意外と下半身のこと考えがち。
幾つになってもそれは変わらないとは思っている。
ヘラヘラと笑って一応流しておいた。男の名誉のために。
「まぁ、今じゃすっかり中学生より小さいしな……それ、おっきくなるの???」
■宇賀野 実 > 「…せーじさんも大変ですね…。」
大体色々わかったとばかりに、少しだけ口ごもる。
手招きに応じるように相手の隣にそそくさと移動した。
多分手招きしたからには良いのだろう、たぶん!
「友達ですけど?? えっ、友達じゃないんですか?
もしかして姪とおじさんとか…? とうとう俺は姪に…?」
ツッコミに真剣な表情で呟く。 姪っ子として置くほうが
社会的に有利とかなのかもしれない。
「えっ、なんかそういうことにするんですね!?
じゃあまあ、まあまあまあまあまあ、せーじさんの顔を立てて、
この話はよしとして…。
おっきくなるかどうかはわかりませんけど、異能次第じゃないですかねえ。
もしかしたらこのまま成長すれば美形のお兄さんになるかもしれないですよ。
ほら、ついてますからね、ちゃんとね!!」
小さいけどね。 とは言わなかった。恥ずかしいから。
いずれにせよ、祭祀なり図書委員なりに相談するところからなのだろう。
二人でどうこうなる問題ではあるまいし、どうこうなる問題なら
とっくに対応をしている。
■東山 正治 >
隣に座った小さな旧友の頭に手を置いた。
大きく、そしてちょっとカサついた中年の手。
柔い白髪を軽く撫でれば肩を竦める。
「生きてりゃ誰だってそうでしょうよ。
実ちゃんもそうでしょう?こんな姿になっちまったんだからさ」
老いも若いも関係なく、生きることだって大変なんだ。
それこそ何もかも、今更なんだ。
「なんだって???おい、正気に戻れ!」
ついに頭がおかしくなってしまったのか。
自称姪ってなんだよ。姪っ子なんかいないよ。
落ち着けって髪の毛わしゃわしゃしておく。
「(俺の顔なんだ……)」
「もう美形っつーかまぁ……なんだろうね。
可愛い系?成長してくれるなら、だけど」
そもそも先祖返りで若返りも起きているんだ。
このまま年老いるとは考えづらい気もする。
とは言え、これ以上は言っても仕方在るまい。
後は局と委員会に任せよう。
■宇賀野 実 > 「うぉぁー……」
頭を撫でられる。自分がすっかり小さくなっているからか、
とても大きく頼もしい手に感じる。 心地よい。
うっとりと目を細めて思わず唸った。
大変ではあるのだけれど、
こうして…生きていられることが大事というのは、それはそうだ。
「あっ、あぶなかった!! あやうくせーじさんの姪になるところだった。
いやー、危なかったですね、異能のぱわーがっ、あっ、ぉぁー…」
再び頭を撫でてもらってうっとりと表情を蕩けさせる。
これ大好き。頭をぐりぐりと相手の掌に擦り寄せるようにして、
無意識のうちに思いっきり甘えた。
「かわいい系! 美少年…美青年?男の娘?
…ありはありかもしれない…。ある程度成長すれば、
元の姿に寄せる形で色々できるんじゃなかろうか?
でも…まずは祭祀とかですかねえ。」
大人しく撫でてもらいながら、二人で今後を相談する。
そうして復帰後の一日は過ぎていくのでありました。
ご案内:「駄菓子屋『おおげつ』」から東山 正治さんが去りました。
ご案内:「駄菓子屋『おおげつ』」から宇賀野 実さんが去りました。