2025/11/08 のログ
東山 正治 >  
「何時も言ってるよ。何がそんなに俺のことを気にしてるんだが……。
 一体何がそんなに突き動かしてるんだが。それと、何度も言うけど"さだはる"、ね」

グリグリと押し付けてくる小さな体を最早押し返す気力もない。
毎度思うが、この好意の源はどこから来るのやら。
もしかして、こうなる前からか、とは考えたくはない。
最早何度目かもわからない訂正ネタを口に出すだけで、吹き出してしまった。
なんだかどうでも良くなって来てしまうほどに、だ。

「そもそもそれを言うなら生徒が教師にボディタッチするなよ、まったく」

押し付けられる小さな体を持ち上げて、膝に乗せる。
それこそ可愛がるかのようで、気兼ねない"触れ合い"。

「……見た目は変わってもそういう所はあんま変わらんね、相変わらず。
 あんまりこういうの、職業上よくないんだけどなぁ……全く、お嫁さん……いや、お婿さんにいけないぜ?」

本当に、諜報員としては良くない気の許し方だ。
軽口冗談一つ叩いて、冷えた手でその柔らかな髪の毛を撫でた。

宇賀野 実 > 「なんでって…。 せーじさんは、俺が俺だったのを覚えててくれる人だもん。
 せーじさんのことをせーじさんって呼ぶのも俺だけだし。
 …俺にとっては、せーじさんは…元の俺を思い出させてくれる大事な人なんだよ。
 わかります?その大事さ! 思い出の写真っていうか、思い出の生き証人っていうか?
 そういうことなんですけど!」
思わず吹き出す相手ににんまりと笑って答える。
お膝の上に乗せてもらうと、満足気に目を細めた。 これが良いのだ。
前とは少し触れあい方が変わったけど、それでもこうして…自分を大事にしてくれるのは変わらない。

「うーん、そういわれると困るなー。 俺はもっとせーじさんにじゃれつきたいからね!!
 え~、今お嫁さんって言った? 俺のこと女の子にしちゃう? しちゃう? いいよ?」
髪の毛を撫でてもらって、心地よさげな表情でうっとりとため息をつく。
多少オラついたセリフを返しはするけれど、その態度はすっかりリラックスしたもの。
相手のお膝を椅子替わりに体を預け、友人同士のスキンシップに身をゆだねる。

「せーじさんは、俺のことを覚えててくれるから嬉しいなー。」
てろんとすっかり脱力して小さくつぶやく。 変容しつつある肉体、そしてそれに引っ張られる自分と、
なにより自分を取り巻く環境…それらが不安でないわけがないのだけれど、
この人がいてくれたら…そういうのだって、乗り越えられる気もするし、我慢だってできる。

東山 正治 >  
「だからそうじゃないって言って……まぁいいか」

正直東山にとってはそんなことは些細なことだし、当たり前の事だった。
元の姿でもそうであっても、宇賀野実という人物に変わりはない。代わりもいない。
そんな何度もしたような問答に飽いた、いや、納得でもしたようだ。
彼にとってそれは重要なファクターなようだ。
やれやれ、と思って流し込んだコーヒーを、思わず吹き出しそうになった。

「……っ。滅多な事言うもんじゃないよ。俺、元既婚者よ?」

故有ってバツイチだし、何より当の本人がOKサイン。
こっちは何も言ってないしなんで乗り気なんだ。
こればかりには困惑。久しく"動揺"したのが傍目でもわかる。
言葉にして良いものといけないものがあるぞ、全く。

「忘れるほうが稀有だと思うけどね」

それこそ姿形なんて、この時代じゃ自由自在だ。
髪を撫でる手は自然と頬に移動し、柔らかなほっぺを突き回す。
最早すっかりペットを可愛がるおじさんの手つき。

宇賀野 実 > 「えへっへっへ…まあいいじゃないですか。ねえ?
 こうして二日酔いの朝に寝起きのコーヒー出してくれる親友ですよ?」
お膝の上でじゃれつきながら自分のアピールに余念がない。
思いっきり相手に体を摺り寄せて甘えながら、相手の反応を見てころころと笑った。

「元既婚者だってなんだってんですか!
 世の中にはそういう人いっぱいいるでしょ!
 まあでも、俺のことをせーじさんが覚えてくれてるみたいなもんだもんな。
 覚えてもらってるのはとっても大事なことだけど、まー、なんていうんですか?
 せーじさんはな~、捨て置けないっていうか~。」
本当に年齢も下だし、今ならさらに差がある感じの姿であるけれど、
なんだかしたり顔で語る。 年齢は離れているにしても、大事な人であることには変わりないのだ。

「え~、そう~?うれしいな~。 せーじさん、なんだかんだでデレてくれるから好き~。」
頬っぺたをつつかれたり、髪を撫でてもらったり。まるでペットみたいな扱いだけれど、
今はそれがとっても嬉しい。 かつての自分を覚えている人に触れてもらっているだけで、
自分がまだ、変わり果てていないことを自覚できるのだから。

「せっかくお昼過ぎだし~、なにか食べに行きましょうよ。
 俺つけ麺がいい。 今なら一本チャーシューつきの4倍行ける気がする。」

東山 正治 >  
「俺にコーヒー出してくれるのは実ちゃんくらいだよ」

飽きもせずにそうしてつきまとってくるのも彼くらいだ。
ありがた迷惑。だが、今だけは悪くないのかもしれない。
本当に子供のように甘えてくるからついついかわいがってしまう。
それも、相手が相手だからなのかもしれない。

「……親友に対してどうなんだって話よ。まったく、気の早い……。
 まぁ、飯についてはいいよ。気分がいいから奢るけど、残すんじゃないよ」

腹は減ってないがそういうことなら付き合おう。
二日酔いのせいで減ってる気がしない。ぽんぽん、と頭を撫でた後立ち上がる。
軽く手を握り、今日も日常の一幕を刻んで行こう。

ご案内:「とある事務所」から東山 正治さんが去りました。
ご案内:「とある事務所」から宇賀野 実さんが去りました。