2026/02/20 のログ
ご案内:「とある事務所」に東山 正治さんが現れました。
ご案内:「とある事務所」に宇賀野 実さんが現れました。
東山 正治 >  
某日 午後2時。とある事務所にて。
簡素な事務所には今日東山以外の人はいない。
"手伝い"として雇った生徒も今日は頼める仕事はないので自由にしている。

「……ったく。頼む相手は選んだ方が良いってのになぁ……。」

カタカタとノートパソコンに打ち込む無数の羅列。
既に弁護士の仕事は引退したがその資格は今も持っている。
時代が進んでも、この手の法務関係の仕事はやれるというだけで舞い込んでくる。
いっそ、資格破棄でもすればよかったかと思うばかりだ。

「……こんな所、か。」

依頼資料に区切りを付ければ、一息ついて軽く伸びた。
気づけば昼下がり。少し腹も減った。出前でも頼もうかな。
そんな事を考えていた矢先……。


宇賀野 実 > 「せーじさーん!おじゃまします!」
元気いっぱいの声とともに容赦なくドアを開いて現れるのは、
小柄な女児……もとい、そんな姿になってしまった友人だった。
暖かそうなコートにマフラー、ミトンめいた手袋と、
両手で抱えるような紙袋…。完全装備である。

「せーじさん、今日寒いから暖かくした方がいいですよ。」
ドヤ顔で部屋の主に告げてから、コートとマフラーと手袋をその辺にほっぽって、せーじさんのところに赴いた。

「えへへ~~~」めちゃめちゃ嬉しそうな顔で見上げる。
チラチラと紙袋と相手の顔を交互に見ながら咳払い。
「せーじさん、プレゼントがあるんですけど、なんだと思います~?」
答えて答えて!!っていう嬉しいオーラがほとばしる。
そんな明るい調子で呼びかけるのであった。

東山 正治 >  
\ガシャーンッ!!/


ってくらいの音がなる勢いで事務所に入ってきた。
勢いで正直椅子から吹っ飛ぶかと思った。
相手が友人だからこそ、目を丸くしてポカンだよ。

正治(さだはる)、な?実ちゃんさぁ……ドア壊れちゃうよ?」

この名前を訂正するやり取りは飽きるくらいやっている。
ため息混じりに肩を竦めて小さな友人を椅子から見下ろす。
部屋は空調も効いていて丁度いい温度だ。

「なんだかやけに上機嫌だな……。プレゼント?俺に?」

東山は訝しんだ。
彼が突拍子もないのは何時ものことだが、一体何なんだ。
適当に思案を巡らせあー、と声を出す。

「カツ丼とか?」

腹が減ってたせいで変な答えでてきたぞ。

宇賀野 実 > 「あー、すみません、でも早く渡したくて…。」
まっとうな説教は、ちょっと子供を諭すような物言いであった。
とはいえ反論できないので素直に頭を下げることにした。
大人だから謝罪もできる。

「そう、プレゼント! プレゼントなんですよ!
 かつ丼……じゃあ今度かつ丼にしますよ!
 そしたら…じゃん!」
紙袋の中から取り出したのは、リボンでいい感じにラッピングされたそれだった。
「バレンタインデーですよ、せーじさん!
 日頃お世話になってるから、食べてもらおうと思って~。
 これぼちぼち大変だったんですよ。
 手作りってほどのことはできないんで、店売りのやつですけど…。」
はい!とせーじさんに突き付ける。
ものすごい”受け取ってほしい”オーラがほとばしっていた。

東山 正治 >  
「ったく。……あ、いや。カツ丼は今食いたかっただけで……。」

どうやら漏れてたらしい。カツ丼食べたい欲。
でも丁度いいんだよな。肉も米も食べれるし。
まだまだ胃の方は年に負けちゃいないのだ。

「バレンタインデー……あー……。」

チラリと見やる卓上カレンダー。
そう言えばそんなイベントだったか。
昔は良くもらったりしたっけか。いい思い出……とは言えないな。

「…………。」

じー、と彼と包を交互に見やる。
こう見えて眼の前の友人は男である。
いや、確か"友チョコ"って概念もあったっけ。
貰えるものは一応、厄介なもの以外は貰っておこう。

「これ、一応友達のって奴だよな?」

一応、念の為、確認しておこう。
とりあえず包装を丁寧に剥がして中を確認してみる。

宇賀野 実 > 「そう、バレンタインです! うちでもいっぱい入荷したんだけど、
 ほら、駄菓子屋だからあんまり高いのは売れなくて…。
 それでー、日頃のお世話になってるせーじさんにお返ししようって思って。」

視線を浴びるとにこにこと相好を崩す。
嬉しそうにしているその姿は、まさしく女の子のようであった。
…チョコレートを渡して嬉しそうにしている姿も。

「友達友達! ん~~~~んむ!!」
ウインクして投げキッス。 もちろん大事な人…
自分がこの姿になっても、それ以前と同じように普通に接してくれる人への、
お礼と親愛を込めているだけだ。 べつにラブとかではなく、
どっちかっていうと感謝の塊である。だいぶ大きくて高かったが。

東山 正治 >  
「せいぜいひとくちチョコだろうなぁ。
 まぁ、ちゃんと貰っておくよ。ありがとねぇ、実ちゃん。」

たしかに駄菓子でいい感じのチョコは需要はない。
何にせよ、悪い感じはしなかった。
ヘラヘラと笑みを浮かべながら軽く頷いた。

「……ハハ。」

すぐ笑みに苦いものが混じった。
友情相手に投げキッスってするかな、普通。
この小さく愛らしい姿になってからやたらなんというか、
そういう"アプローチ"めいた行動が多くなった気がする。
因みに膝は空いている。

「因みに高いっつったけど、幾ら位?」

宇賀野 実 > 「開けてみて開けてみて!」
ぴょこぴょこ飛び跳ねてせーじさんにアピールする。
何しろ”高い”チョコレートである。見てもらって
驚いてもらわねば渡した甲斐もないということなのだ。

「あっ、なんですかその”しょうがねえな”みたいな笑い方。
 せっかくなんですからもうちょっとこう…ね!
 やったーチョコレートだー的なね?」
えいやと移動して容赦なくお膝の上に乗る。
相手の方がもちろんデカいので、上目がちにお説教するしかなかった。

「ねだん、9800円。 駄菓子コーナーじゃ売れないし、
 夜にやってる魔法用具店じゃそもそもチョコレート買うひといないしで…。
 せーじさんにもらってもらおうかな~って…。」
足をぶらぶらさせながら、自分で自分の指をいじりつつごにょごにょ。
ばつが悪そうな感じの雰囲気は、怒られる子供のようなそれだった。 

東山 正治 >  
「男から貰ったらそんなもんでしょ、普通。
 別に今女から貰ったら嬉しいかって話何だけどね。」

はっきり言えばそういう気分ではない。
だが、受け取らないのも失礼に当たる、そんなものだ。
開けて開けて、と言われればはいはい、と適当に返事をして開けてみる。

「……、……奮発したんだねぇ。わざわざ俺のために?」

ちっちゃいのが膝に乗ってきた。
拒否はしないが、昔を思えば随分と収まりの良い大きさになったものだ。
思わない事が無いわけじゃないが、今言うべきことじゃない。
表情にも出さずに、軽く頭を撫でてやることにした。

「まぁ、別に値段がどうこうとは言わないけど、そっちの財布事情が大丈夫なら。」

心配はそこだ。
わざわざそこまでして身を削る必要はない。
特に、この状態になってからそういう部分は見受けられる。
異能の影響による奉仕精神か。そう考えると自然と表情も強張った。

宇賀野 実 > 「男からもらったらそんなもん。
 女からもらったら嬉しいか……。
 じゃあ男とも女ともつかぬ今のおじさんからもらったなら…!?」
これはワンチャンあるのではないか!!!
眼をキラキラさせながら相手を見やる。
いやまあそういうのじゃないんだろうけど。


「別に?入荷したけどダメだっただけですけど?
 せーじさんに豪勢すぎるプレゼントだと嫌がられちゃうけど、
 感謝を示したいなみたいな気持ちもあるから、
 ここはひとつバレンタインにかこつけてちょっと高い贈り物で
 感謝を示そうかなみたいな?気持ちは?ないんですけど?」
頭を撫でてくれる手にぐりぐり頭を押し付ける。
猫みたいだけど、今はせーじさんに触れることで
おじさん力を補給するタイミングなのだ。せっかく膝の上にいるんだし。

「試しに一個だけ入荷したけど、案の定売れなかったやつってことで…。
 ほら、本当に『せーじさんにプレゼントしよう!』ってなったら、ね!
 おじさん全身にチョコレート纏ってプレゼント!ってやりますよ!」
常世学園だからそれぐらいできるはず。たぶん。

東山 正治 >  
「自分で言うんかい。まぁ嬉しいっちゃあ嬉しいけど……。」

嘘はいってない。嘘は。
嫌だってことはないし、嬉しいのは事実だ。
随分と食いついてくるのにはやや呆れているのは表情にでていた。

「わざわざそのために一個だけ入荷するの経営下手だっけ?
 ……、……まぁ、なんだ。そういうことにしておくよ。ありがと。」

要はそういうことらしい。わざわざ誤魔化す必要あるのか?
どんな形であれ好意をかき乱すのも少し気が引ける。
実際開けてみた中身だいぶそれっぽい。
いや、駄菓子屋に並ばせる気ゼロの風格がある。
まるで犬か猫みたいに膝でじゃれる友人とチョコを交互に見やった。

「食べ物は流石に粗末にしちゃダメだよ実ちゃん。はい、あーん。」

流石に全身チョコはNGだった。
流れるように貰ったチョコレートをくれた本人へと差し出す。
勿論毒見目的。中々に酷い男である。

宇賀野 実 > 「いや~、だって~。この姿になって泣いてたら、
 なんかマジで不憫すぎるなって…。
 めっちゃかわいいおじさんを売りにするしかないなって。」
ねえ、って相手のちょっとダルそうな顔に元気よく答えた。

「…そ、そうですけど?経営下手ですけど?
 えへへ~~~~~。」
素直に応じたところで、褒めてもらえたらあっという間に表情が緩んだ。
体を預け、ぐりぐりと手に頭を押し付けてじゃれつく姿は、
まさしくペット(動物的な意味で)のようだった。 ダダ甘えである。

「んー。」
眼前に差し出されたチョコレートを、そっと目を閉じて唇で食み、お口の中へ。
しばらくもごもごやっていたあと、カッと目を見開いた。

「せ、せーじさん、これすごいよ……。
 ウチの商品じゃ一生味わえない味がする。すごい。」
愕然である。パイプチョコやココアのシガレット、
10円を模したチョコレートなどとは比べ物にならない、
まさに”高級な”味であった。