2024/08/25 のログ
シャンティ > 「ふふ。弱気、も……謙虚、も……なに、も……かも――すぎ、れば……毒、よ?
 むずか、しい……? そ、う。永遠、ちゃん……の、方……が、わか、る……かも……ね?」

男の妹。以前、顔合わせをしたこともあるし、なんとなく慮った世話を兄を通じて受け取ったこともある。
その、彼女の名を口にする。

その意図はいかばかりか。

「あ、ら……そ、んな……粘着、気質……だ、った……のぉ?
 ふふ。意外……ね?」

くすくすと笑う。
不安を感じても、それを飲み込んで苦悩する。相手を慮って自分を制する。
そうならずに、只々連絡をする。
一途と言えば一途。懸命といえば懸命。しかし。切って捨てれば異常。
そういう一面があるのか、と女は笑った。

「いい、え……いい、え。
 わた、しは……演ず、る……側、では……ない、わ?」

細い手を、細い指先を、男の眼の前に突き出し、人差し指を小さく下に下げ、そして、上に引き上げた。

「私、は……観客、席、か……舞台、の……袖。
 けれ、ど……」

くるり、と女が宙で回る。

「かが、やか、しく、て……うす、ぐらく、て……
 あら、ゆる……息吹、が……つまって……いる、のよ」

杉本久遠 >  
「たしかになぁ、そう言うのはあいつの方が得意と言うか、よくわかってるだろうな。
 だからこそ、あいつは早々に選手を諦めたんだろうしな。
 オレの妹にしては、なんというか、出来過ぎてるよ」

 少々悪ノリが過ぎる事もあるが、よく気が付く妹である。
 もし久遠が頼れば、きっと一つの答えも出てくるのだろうが。
 そうせず、自力で苦悩するのが久遠らしいとも言えるが、それが良い結果になるとも限らないのが難しい所だろう。

「む、粘着気質、になるのか?
 君と交際をはじめてから常々思うが、難しい事ばかりだ」

 心配だから連絡をする。
 久遠からすればただただ、単純な思考ではあるのだが。
 その単純さが少なからず行き過ぎているのはその通りなのだろう。

「んん、観劇だけでなく、舞台裏にもいたのか。
 なんとなく、わからないでもないな。
 オレも色んなところで、裏方の手伝いをしてきたが、独特の熱量を感じたからなあ」

 彼女の言葉の真意をくみ取れるような造詣はないが、自分の経験と照らせばまったくわからない事ではない、が。

「折角だ、教えてくれないか?
 その輝かしさや、君に自分の半分と言わしめるほどの世界の事」

 そう、彼女へ真っすぐ踏み込んだのは初めてだったかもしれない。
 ただ、そう、どこか一歩引いている彼女が、それほどに思いを向けるものを知りたくなった。
 そして、それを語る彼女自身の事も、今までより少し深く。
 

シャンティ > 「いい、こ……よ、ね?
 いい、んじゃ、な、い。同じ……で、は……つまら、ない、もの」

出来すぎている、という言葉に微笑む。
よくできた兄、というのも悪いことではないだろう。
けれど、似たものだけでは面白みに欠ける。

「ふふ……それ、こそ……永遠、ちゃん、に……聞い、て……みた、らぁ?」

くすくすと笑う。
なんとなく、どんなことを言うのかを想像してみると、とても楽しそうだ。

「私、は……影、に……いる、人間、だ、もの……
 前、より……は、うし、ろ……ね」

だから、舞台裏に。観客席に。そういう生き方であった。

「そう……ね、ぇ……とて、も……感覚、的、な……話、よ?」

ゆるり、と宙返りをする。
空でなければ、とても出来ない真似だろう。
宙で寝そべるようにして、顔を近づけた。

「人、は……ね。 自分……し、か……いき、れ……ない、わ?
 で、も……劇、は……ね。 生き、た……他人、を……生きれ、るの、よ。
 観て、いる……だ、け……でも、ね?」

輝かしい人生を、薄暗い人生を。
地獄のような生き様を、幸福に満ちた生活を。

「そし、て……ね。
 そこ、に……作者、の……美学、が……盛り、こめ、る……
 醜く、ても……美、しく、て……も。
 たと、え……滅び、ても……形、は……残る、わ」

杉本久遠 >  
「たはは、それはそうだな。
 でもあれはあれで、相当な負けず嫌いだぞ?」

 そこは兄妹の似たところなのだろう。

「いやあ、あいつに聞いたら、なあ?」

 苦い笑いを浮かべる。
 間違いなく客観的な意見を述べてはくれるのだろうが、相当に揶揄われる事は間違いない。
 とはいえ、彼女に好意的である妹は、建設的なアドバイスもしっかりと添えるだろうが。

「影、か。
 言いたい事はわからないでもないんだが。
 オレは君には隣にいて欲しいけどな」

 前でもなく後ろでもなく。
 そんな事を照れの一つもなく言うところは、相変わらずだった。

「お、っと。
 感覚的――な?」

 器用な宙返りは、実のところ競技選手でも難しいテクニックの一つだったが。
 そう言う事を、さりげなくできてしまう彼女がまた、らしくて笑ってしまう。
 近づいた顔に、笑みを返せる事が嬉しい――相変わらず欲が少ない男である。

「――ふーむ」

 彼女の言葉をよく聞いて、自分なりに噛み砕いてみる。
 自分の人生しか生きれない人間が、他人の人生を生きる事が出来る――たとえ演技であっても、観客であったとしても。
 そこに宿る情熱は、確かに異なる人生を体験させてくれるのだろう。

「醜くとも美しくとも、劇という形で世界に残る、か。
 うん、それこそ、わかる気がするな」

 そこには男が生きる競技の世界にも、一部通じるものがある。
 どんな人生でも、どんな形でアレども、後世に残る物があるのだ。

「君はそんな、美学の込められた、美醜を問わない物語――というよりは、一つの人生、というのか?
 それを読み取ったり、追体験したり――そう言うところが好き、なのか?」

 むう、と難しそうに考えながら、久遠なりに解釈した言葉で訊ね返す。
 とはいえ、流石に畑違いの分野。
 どうしても自信のない聞き方になってしまうのだが。
 

シャンティ > 「そう、ね……芯、の……強い、子。かわい、い……わぁ」

どこか似ているようで、似ていなく、やはり似ている。
そんな兄妹の様子は、面白い

「ふふ……本当、面、白い、わ……ね、ぇ? そう、いう……言葉、は……迷わ、ず……でる、の、に……
 変、な、ところ、で……縮こ、まる……の、だ、ものぉ」

おそらくは意識、認識の問題なのだろう。
時折飛び出す、軟派男もかくや、という行為の落差は愉快である。

「……で、も……影、も……悪、く……ない、の、よ?
 光、が……ない、と……影が、なく……影、が……ない、と……光、は……輝、け……ない」

くすくすと笑う。

「ふふ……」

しっかりと話を聞いて、噛み砕こうとする男。
その様子を楽しそうに見ている。

「せ、い、か、い」

一音ずつ、人差し指をふり……最後に、軽く男の鼻に触れる。

「だい、たい……だ、けれ、どぉ……ふふ。」

くすくすと笑う。
畑違いだと言っても、あくまで感覚の話。個人の感じ取り方の問題に過ぎない。
それなら読み取れることもあるだろう

「わた、しは……そう、いう……もの、に……ひか、れる、の」

杉本久遠 >  
「ん、んん?
 そうなのか?」

 まさに意識しているか、無意識に出る言葉かの違いだった。
 意識した途端、受け身になってしまうのだから、その落差たるや。

「たしかに昔から言う言葉ではあるな。
 それなら――うん、オレが君の光に、太陽のようになりたいものだな」

 これもまた無意識出てくる言葉である。
 これだから彼女に笑われるのだが、それがよくわからない久遠は、いつだって不思議そうに首を傾げる事になるのだ。

「――お?」

 鼻先に触れられると、驚いたように眉が上がる。
 まさか、わずかでも当たるとは思っていなかった久遠は、どことなく間の抜けた顔をしていただろう。

「そうか、だいたいか」

 笑う彼女に、大外れと言われなかったのは嬉しい物だ。
 感覚の話だからなおの事、歩み寄れた気がして、頬が緩む。

「――いいな」

 彼女が惹かれるものを知って、久遠から零れたのは自然な肯定の声だった。

「オレには無い――とは言わんが、あまり育っていない感性かもしれん。
 ただ、今こうして」

 自分に伸ばされている彼女の細い手を、ゴツゴツとした大きな手でそっと救うように。

「君が自分の半分とまでいう事の意味が、少しでもわかった。
 オレも君の物語を少しだけ覗けた、共有できたと思うと――うむ。
 君が誰かの物語に惹かれるのも、わかる気がするな」

 彼女の好きな物を知って、より彼女に惹かれた――という意味の言葉なのだが。
 これもまた思ったことを口にしただけ、なのである。
 嬉しそうに笑いかけて、恥ずかしげもなく言うのだから、筋金入りの天然かもしれない。
 

シャンティ > 「ふふ……そう、ねぇ……
 全部……録、音、してぇ……永遠、ちゃん、に……聞か、せて、みたい、くら、い?」

くすくすと、無意識に出る言葉を聞いて笑う。

「だい、ぶ……ふふ、だいぶ、よぉ?」

だいぶ、なに……かは、言わない。
そこで男が悟れるのかどうか。

「へ、え?」

男のほほえみを、不思議なものをみるように、みる
自分の感覚を知っての、肯定の言葉。

「あぁ……そう、いう……ね?」

手を取られたまま、笑う。
ある意味、わかりやすく文字通りに捉え、文字通りに飲み込まれたのだ。

「……ふふ、いい、わ……な、ら。
 覚え、て……おい、て……ね? 私、の……原初。
 いず、れ……ふふ」

みなまでいわず、くすくすと微笑むばかりだった。
 

杉本久遠 >  
「――くっ」

 小さく、噴き出すのを堪えるように笑う。
 妹に聞かせたいくらい、という言葉で、自分がどれだけ頓珍漢な事を言っているのか分かったらしい。
 ただ、それで恥ずかしいと思うでなく、笑ってしまうあたりは久遠らしさか。

「たはは――そうかあ、だいぶかあ」

 どうやら随分と恥ずかしい事を言っているらしいと知っても。
 出てしまった言葉は引っ込まないのだから仕方ない、とばかりに彼女と一緒に笑うだけだ。
 兄の言葉に作り物は無い――きっとそれは妹がこんな兄を尊敬しており、兄妹仲のいい理由の一つ。

 だから『いいな』と思ったのも、混じりけのない本心だった。
 美醜問わず――その意味を理解しながらも、『好い』と感じたのだ。

「うーむ、どういう意味か、と言われると困るぞ。
 オレは好いと思ったから、好いと言っただけだからな?」

 問われてしまわないように珍しく少しだけ先手を打つ。
 ただ、その打ち筋は定石から外れているのだが。
 彼女の微笑みに、少しだけ神妙な顔をしつつ、その手を優しく握った。

「ああ、よく覚えておかないとな。
 君の原初、原点か――いずれ?」

 首を傾げて、しかし、こういう時の彼女は答えてくれないとよく知っている。
 だから、その細い目をなるべくしっかりと開けて、彼女の瞳を見つめ返した。

「君の事をまた一つ、知れたのかな。
 誰かの物語を読む、識る、謡う――ああ、こう言うと凄く君らしい気がするな」

 細い青が、彼女を映す。

「オレは多分、そうして物語を読んで楽しそうにしている君が好きだ。
 ただ――もし君が」

 ほんの少しだけ、握った手に力が籠る。
 細い手を包んで、離さないと決意するかのように。

「危うい物語に夢中になって、深入りしてしまったら。
 その時は、オレが、君をオレの物語に連れ戻しに行く。
 ――実際に出来るかは、難しいだろうけどな」

 そう細い青で見つめたまま、薄く微笑む。

「――たはは、そんな男が君を心から好いている、愛し続けたいと思ってる。
 君の言葉を借りるなら、そうだな――オレは君と一緒に物語を作りたいんだ。
 影でも光でもいい、オレは君と一緒の物語を生きたい。
 なんて、馬鹿なヤツが居る事を覚えていてほしい。
 ――ちょっと我儘かもしれないけどな」

 そう言って、いつものように歯を見せて笑うのだ。
 

シャンティ > 「……あ、ら……ざぁん、ねん」

男は己の恥を笑いとばす。
誤魔化しでもなく、混じり気のない本心で。
少しは動揺するかと思ったのだが、よくも悪くも真っ直ぐだ

「あ、ら……」

珍しくも先手を打った言葉。思ってもみなかった形の奇襲。
少しだけ、言葉が途切れる。

「ふふ……読ま、れ、ちゃ、った、かし、らぁ……?」

くす、と笑った。
面白い不意打ちであった。なるほど、生きていてみるものだ。
たまには、こういうこともある。

「そう……いずれ」

それだけ。もう何も言わない、と。男の想像したとおりに、それ以上の答えはなかった。
ただ、いつも含みがありそうな中でも、特にどこか不思議な含みを感じたかも知れない。

「そう……」

手を握られたまま、女は虚ろな瞳で宙を見る。
何事かを考えているように。

「物語、の……醍醐味、は……読み、とる……汲み、とる……(から)を、想う……
 見え、ない……とこ、ろを……推し……量る……こと。」

口を開いた彼女は、滔々と語る。

「そし、て……もし、わか、る……の、なら……答え、合わせ……を、す、る……こ、と。
 それ、が……物語、に……ふれ、る……と、いう……こと、よ?」

くすり、と微笑む

「これ、も……おぼ、えて……おい、て?」

ゆるり、と寝そべるような格好から立っているような姿勢に戻る。
宙に浮いているのだから、どちらであろうとさしてあまり違いはないのだけれど。

「ちな、み……に。久遠、は……踊れ、る……?」

杉本久遠 >  
「別に読んだわけじゃないぞ?
 ただ、経験的にそんな気がしただけ、いわゆる慣れ、だな」

 彼女の笑みに笑い返す。
 ただの慣れ――それも突き詰めれば先読みではあるのだが。
 慣れてしまっても飽きない――それはとても幸福な事だろう。

「からをおもう――また難しい事を言う」

 それはいわゆる、行間を読む、と似たような事なのだろう。
 と、久遠は自分なりに解釈する事にした。
 同じ答えに辿りつくには、久遠と彼女では生きてきた道が違い過ぎるのだ。
 だからこそ、想い合い、違うからこそ楽しみがあるとも言えるだろうが。

「物語に触れる、か。
 よく覚えておくよ」

 苦笑を浮かべて、素直に答える。
 不器用なほど真っすぐに想いを伝えている久遠だが、なんだかんだとはぐらかされてしまう。
 それが楽しい、と感じている辺り――随分と重症ではあるのだが。

「――む、また唐突だな。
 嗜み程度には踊れるが、あまり得意ではないぞ?」

 そう言いながら、躊躇わずにリードするように手の位置を持っていくあたり。
 意外にも真っ当な経験が少しはあるようだった。
 

シャンティ > 「わか、っても……わか、ら、なく、ても……
 ええ。いずれ……ね」

リードするような手に従って、宙を滑る。
滑りながら、笑う。

「その、とき……は、どう……なる、のかし、ら……ね」

くるりと回る くるりと回る
寄り添う 離れる

くるり くるり くるり くるり

回る 回る

眼下の祭りの喧騒も遠く

杉本久遠 >  
「また、いずれ、だな」

 ゆったりと、リードしながら、少し不器用な動きで。
 リードするつもりが、いつの間にか翻弄されたりなどしつつも、楽しそうに。

「どうもならんさ。
 オレはオレで、君は君、そうだろ?」

 離れたり近づいたり、空を泳ぐように踊る。

「最初は勢いだった。
 知るたびに惹かれていった。
 そして今は――君が君らしく、思うままに居てくれる事が、心から愛しいと思う。
 だから、なにが起きても、これだけは変わらん」

 久遠が彼女を愛しく思う気持ちだけは変わらないと。
 躊躇なく断言するのに、僅かの照れもないところが呆れるほどにこの男らしいと言えるか。

 彼女を抱き寄せるように近づいて――丁度その時、空が明るく光る。

「――おお、花火か」

 夜空に大きく花開く火花。
 思わず彼女を抱き寄せたまま、止まってしまう。
 次々と打ちあがる花火は、特等席の二人を幾度も照らすだろう。
 

シャンティ > 踊る 踊る 舞い 踊る

「えぇ えぇ そう、ねぇ……久遠、は、久遠……
 私、は……私……ふふ」

その時は……

「楽し、みに……して、おく……わぁ?」

くすくすと微笑む
男の言葉に動揺をすることもなく

「あ、ら……花火……?
 そう、いえ、ば……やる、の……だった、かしら……」

七色の光が二人を照らす。
色はそれぞれに移り変わっていく

「たまや……だ、った、かし……ら、ぁ?」

小さく首を傾げる。

「ふふ……祭り、も……おわり、か、しらぁ」

杉本久遠 >  
「はは、楽しみにしててくれ」

 男もまた動じない。
 自信があるわけでも、確信があるわけでもないが。
 そうでありたいという『信念』だけは間違いないのだ。

「そこまで調べてなかったが――はは、随分近くに見えるな」

 空に居る分、物理的に近いのだから当然なのだが。
 とても大きく明るく、手を伸ばせば触れられそうに見えた。

「たまや、とか、かぎや、って言うらしいな。
 オレも意味はよくしらんが」

 その辺りの雑学にはどうにも疎いのである。
 とはいえ、眼下の祭りもクライマックスと言う事だろう。

「そうか、終わりか」

 そう言ってみるが、不思議と寂しさはなかった。
 それはきっと、彼女といるからで、彼女の一片に触れられたからだろう。
 花火に照らされる彼女に視線を向ける。

「――綺麗だな」

 当たり前のように、そんな言葉が出てきた。
 

シャンティ > 破裂音 光の華
広がる光

それらをはっきりと認識して

「えぇ……おしまい、よ」

ぽつり、と口にする

「そう――綺麗、ね」

虚ろな瞳はどこか遠くを見ていた
そうして、二人はその姿勢のまま大地へと足をつけるのだろう。

杉本久遠 >  
「――オレも、いずれ」

 ――彼女をもっと望むようになるのだろうか。
 そんなふうに想い、苦笑した。
 今だってこうして触れ合っていて、それ以上に触れる勇気がないだけだ。
 不器用な朴念仁には、どうやって想いを伝えたらいいかわからないだけだ。
 距離の縮め方も、彼女との触れ合い方も、なにもかもが手探り。

「だが、終わりも、次の始まりに繋がる。
 物語なら、そうだよな?」

 終わりを迎えるからこそ、新たな始まりがある。
 この日の彼女との逢瀬も終わってしまうが、それは全ての終わりではない。
 綺麗、と呟いた言葉が流れて行ってしまったのには苦笑こそしたが。

「また、どこかに行こう。
 まだまだ暑いだろうから――そうだな、また、普通に泳ぎにでも行かないか?」

 一緒に物語を作っていきたい。
 その想いを、改めて行動で示していこう。
 そう思わされる。
 ――そんな愚直な方法しか思いつかないのだ。

「もっと一緒に居たい――そう思うようになったのは、オレも少しは成長したのかな」

 地に足が着いても、彼女の手を放すのが惜しく。
 苦笑しながらそんな事を言っていた。
 

シャンティ > 「さあ……どう、かしら……?」

くすり、と笑う。
終わりは始まり。終わりの始まり。
物語の流れは無数で、無限だ。

「泳ぐ……そう、ねぇ……そう、いえ……ば、前、も……泳い、だ……わ、ね?
 それ、も……いい、かも?」

あの時よりは泳ぎもできるだろう。
運動性能が低いのは確かだが、最近は少しましになっている。

「ふふ。成長、なの、か……覚醒、なの、か……
 どう、なのか、しら……ね?」

くすくすと笑っていた

杉本久遠 >  
「またプールでもいいし、海、は少し人が多すぎるかな。
 山の方で、川辺を楽しむのもいいかもな」

 同じ泳ぐだけでも、選べるのは一つではない。
 これもまた、今を生きる物語の面白いところだろうか。

「む――覚醒、なんかかっこいいな?」

 なんてしみじみ思ってしまうあたり、少年心が抜けきっていないのだった。
 成人したとはいえ、男の子だったのだから仕方ない。

「まあ、だから、なんだ。
 途中まででいいから、送らせてくれ」

 それは男にしては頑張った、ささやかな我儘。
 こういう時は、照れ臭そうに言うのだから、やはりどこかズレている。
 成長にしても覚醒にしても、久遠が関係を進めるには、まだまだ時間がかかりそうな、淡い一夜だった。
 

シャンティ > 「ふふ……おまか、せ……する、わ」

アウトドアの類は不得手分野。
そういうことは、得意な方に任せる、と言外に伝える。

「あ、ら……」

送らせてくれ、という言葉に、くすり、と笑う。

「そう、ね……いい、わ、よ?
 この、まま……?」

踊ったまま。宙から降りたまま。
手をつなぎ、抱き寄せられた格好のままで笑う。

「狼、か……騎士、か……それ、とも……なに、か、しら……ね」

くすくすと笑い、男がどう反応しようと送られていくのであろう

ご案内:「Free3 どこかの夏祭り会場の上空」から杉本久遠さんが去りました。
ご案内:「Free3 どこかの夏祭り会場の上空」からシャンティさんが去りました。
ご案内:「歓楽区 バクダン定食」に海藤 宗次さんが現れました。
ご案内:「歓楽区 バクダン定食」にナナさんが現れました。
海藤 宗次 >  
ここは歓楽区、その中でも落第区に近いエリア。
歓楽区というだけあって夜は街がネオンライトで照らされるが街の光と影の関係のように薄暗いエリアがある。
それがこの雑居ビルエリアだ。

夜は何やら不穏な取引がされてそうな場所ではあるがそんなことはない。
というのもここら一帯はウマイ店、特徴的な店が多いのだ。
知る人ぞ知る、という奴だろう。
そんな場所で

「あんな、こういうちょっと薄汚れたような場所に意外と良い店があるねん。」

多分待ち合わせ。
あと独り言。
いつものように派手なチャラ男だが今回は刀は持ってきてない。銃もだ。
完全に食事モード

ナナ > 基本的には落第街の中で過ごしてばかりだったため、煌びやかな町並みは珍しく感じる
送られてきた場所と睨めっこしながらやってきた一見美少女
落第街と違い妙な声かけも無くスムーズに到着する

「居たわね、本当に食事の誘いが来るなんて少し驚いたわ。」

パッと見何も武器の類は持って居なさそう
騙し討ちなんて事も少し警戒していたが無駄だった

海藤 宗次 >  
「俺もまさか本当に来るとは思わへんかった…」

自分で誘っておいてちょっと驚いたように目を丸くさせる。
ボケなのかマジなのかこの男の場合は分かりづらい。
コホン、と咳払い。
切り替えるのは大事だ。

「はい、ちゅーことで互いに先日の事は水に流しましょ会。本当は女の子連れて行くんはフランス料理店とか高そうな場所やけど…俺、ああいう旨いとこだけ切り取ってチマチマ食べるの…苦手やねん…」

と食っちゃべながら案内する。
薄暗くて夜には猫の集会とかになりそうな閑散とした場所からはあちこちから良い匂いを出していた。料理店が多いのだろう。
その雑居ビルの二階。階段を上がりながら案内する。

宗次もかなりえげつない事や酷い事をやったがそんなもん知らんというようにニコニコと食事を楽しもうとしてた。

ナナ > 「何よそれ、行くって返したじゃない。
こっちも話したい事あったし丁度良かったの。」

誘っておいて何て言い草だと反論
にしてもどうやってこちらの連絡先を特定したのか
妙な所で油断ができない

「フランス料理なんて食べた事ないし別に気にしないわ。
量も少ないイメージだし。」

ちゃんと食事をする気なので気取った店でない方がやりやすい

色んな匂いが混ざってお腹を刺激される
落第街とはいい意味で違っていて少し楽しみ
以前の事を全部綺麗に水に流すかはともかくとして、食事は楽しむつもり

海藤 宗次 >  
「改めて嬢ちゃんの事を評価し直すわ。思ったより肝座っとるわ。話したいことは中でゆっくり…あ、ところで変な事したらぶっ飛ばすって言うとるけどデート的なラブラブスキンシップとかアカン?」

お触り、アカン?とキャバクラの客みたいな事を聞く。
罠かもしれないのに態々出向くあたり肝が据わってると宗次を唸らせるがあいも変わらずふざけている。

「まー、量は少ないかも知れへんな。結局は汗流して働いてパクパク食べるんが美味しいねんな。」

今日はオフだが。
完全プライベートなので半グレの手下たちも撒いて完全に一人だ。

そうして中へと案内される。
店内は小規模な店なものの小綺麗である。
店主は強面の中年で無口だが淡々とキャベツなどを刻んでた。

「おっちゃん、おいっす。あー、集金ちゃうで~。今日は純粋な客や」

店主は頷く。
無粋な者なら『彼女かぁ?』と揶揄うものだがこの店主はただ無言。余計な事は言わない質だろう
奥側の二人の席を指して案内するだろう。

ナナ > 「評価されるなんて随分上から言ってくれるわね。
あんたとデートする気なんて無いし、ちょっとやそっとじゃ死なないって分かってるから普通に殺すわよ?」

にっこりと笑顔で答える
死んでもどうにかなる相手には制裁もやりやすい

「運動の後お腹減ってる時に美味しいのは分かるわ。
ドラゴンを殺した後も美味しかったし。」

一応、前回やり合った時にある程度実力や異能等を把握してる事もありリラックスできている
警戒はしてるけども前回程敵意剥き出しという訳でもない

店内に入れば普通のお客らしく振る舞う

「お邪魔しまぁす。」

物静かな店主、美味しいものが出てくる予感
案内されるまま奥の席に座り、一息つく

海藤 宗次 >  
「あ、上から目線やった?すんまへんな。幹部とか上の立場なってくると悪い癖がつくんですわ。ありゃ、お触り厳禁?別に殺してもええけどここでは無粋な事すなや。店長さん、厳ついけど堅気やねん」

あの強面で無口な店主に聞こえないようにナナに耳打ちする。
騒ぎは起こしたくはないようだ。
プライベートでは特にだ。

「ドラゴンかぁ…いや、ドラゴン殺すのは結構やけど、まさかその殺したドラゴン食ったとかそういうオチちゃうか?」

宗次からすればドラゴンは羽の生えた爬虫類だ。
爬虫類などあまり食べても美味しくないイメージから顔を苦くする。

「静かやけど、腕は確かやから。あ、これメニュー表ね」

席につけばメニュー表を渡す。
特に変わったものはない。焼肉定食、から揚げ定食、カツ定食…定食屋にいけばありそうなものは乗ってある。あとついでにチャーハンとかラーメンの中華も少々。
だが、目を疑うのは量である。メニューの写真からは拳大のから揚げだったり、なんかサイズ感のおかしいカツ、やけくそじみた焼肉定食の肉の量…
しかも値段は結構リーズナブルなのが恐ろしい所だ。

ナナ > 「幹部ねぇ…そう言えばどっかの組織とかなのあんた達?
お店に迷惑はかけないようにするけど、そっちの行動次第って所ね。」

どったんばったん大騒ぎなんてする気は無い
店主の人も怒ると怖そうだし

「食べたわよ?その為に態々仕留めたんだから。」

なにを馬鹿なと言いたげ
鱗や爪等はともかくそれ以外の肉は殆ど食べきった
それのお陰で強くなったし後悔はない

「ふぅん…色々あるわね。」

一般的な定食は一通り
変わり種の中華まで、サイズの大きいデカ盛りみたいなメニューまであるらしい

「良いじゃない、かなり良い感じのお店ね?」

一先ず唐揚げ定食とチャーハンを注文
唐揚げの大きさを確認したうえでこれである

海藤 宗次 >  
覇伝洲(ハデス)や。あ、申し遅れました幹部の六番手の海藤宗次です。まあ、半グレ幹部やけどいまはプライベートタイムで関係なし、だから抗争はせんしお店にも迷惑かけへん」

改めて自分の正体を明かすように所属と名前を挙げる。
そして今はオフだからという独自の理由で暴力はお休み。

「ドラゴンなんて、好き好んで食うんか?…いや、もしかしたら旨いのかも?…せやけどいずれにしろちゃんと残さず食べたんはエライわ」

まるでゲテモノ。
だがそんなゲテモノでも食い物は食い物。
そこは素直に食す食べ物の感謝を忘れない心には感心して褒めた。

「色々あるしデカいし安めや。俺思うに、運動部の帰り道近くでやったら繁盛しそうやわ。」

感想はそれ。
学園の近くにあれば運動部の間では結構有名になってそうだ。

そうしてナナの拳大のから揚げの定食に、盛り盛りのチャーハン。宗次はなんかサイズ感がおかしいカツ定食。注文してしばらくすればこれらが運ばれる。

ナナ > 「ハデス…なるほどね。
あんたで六番なんだ、結構面倒そうね。

私はナナ、ただのナナよ。」

六番手と聞いて意外な反応
自己紹介されたので返す形で自己紹介
名乗りを上げる程の組織所属でもないので端的な情報

「別に美味しそうと思ってた訳じゃないわ。
まぁ…私の体質関係ね、この前さんざん見たでしょ?あれのパワーアップって感じ。」

残さず食べた所を褒められたのは初めて
作業感で食べたので美味しかったかどうかと言われれば料理すれば美味しいのでは?ぐらいの感想
顎はいかれてしまうだろうと言っておく

「ほんとに結構大きいわね…それじゃ、いただきまぁす。」

一口は口のサイズ的に無理なのであむっと齧る
揚げたてサクサクでいい感じ、サイズは勿論大満足
サイズに臆することなくサクサクと食べ進める

「それで?私の事こうして食事に誘った訳だけどそっちは何か話ておきたい事とかあるの?」

海藤 宗次 >  
「幹部になりたてだからこんなもんや。俺は伸びるで。…ナナちゃん。こりゃ偶然か?俺が六番手で嬢ちゃんの名前はナナ()。」

七番のナナかは知らないが語呂合わせとするならこんな感想が出るだろう。
見た感じは所属のないフリーか。
だが戦った感じではこちらを警戒し嫌悪してそうなので勧誘は出来なさそうだ。まだ


「それがあのけったいな能力の正体っちゅうわけや。ちゅうことはこれら食っても鶏の身体しか貰えへんわけやな。」

強くなるため、能力の都合上と聞けば納得。それは同意できる。
宗次の能力も性能だけは破格なものの刺青を入れたりと力を手に入れるには苦労がある。

「裏があるかって?ないで?ご飯食べて今後は喧嘩なく仲良しこよしでズッ友でいましょうって話。……まあ、強いてあげるなら君、異世界の人間だったりするん?」

ケタケタと笑ってカツを一口。デカイ。でも旨い。
ナナの力は脅威だった。だからできれば戦いたくないと考えて仲良し会という名の食事に誘う。
だから特に聞きたいことは…しいて言うならどういった人間か知りたいくらいだ。

ナナ > 「将来に期待って奴?
偶然ね、たまたまなんて色々あるわよ。」

可愛らしい反応も無くバッサリと
七番手だったら惜しかったかもしれない

「鳥類なんてもう覚えてるわ。
夜目とか鉤爪ぐらいしか使えないけどね。」

背中から翼をはやして~と言うのは割と妄想である
試したけれど飛び上がるだけでもどれだけ体力を持っていかれるか

「今後、ねぇ。また誘拐騒ぎなんて起こしたら潰しに行くわよ。
誘拐以外は別に好きにしたらいいけど、私の周りに害がなければ興味ないし。

残念、私は異世界出身とかじゃないわ。
追加で教えてあげるとこれは異能でもない後付けの体質みたいなものよ。」

仲良しこよしは割と条件次第といった所
誘拐、これだけは地雷でもあるので許す気は無い
恐らく手を広げてるであろうそれ以外については割とどうでもよかったりする

海藤 宗次 >  
「せや、俺も組織の中じゃ若い方やし。あっら~かわいくない反応。あんまし運命とか信じないタイプと見たわ」

俺も信じられへんけど、と付け足す。
6番手と言えど他の幹部には負けられへんわと思うくらいの気合はある。

「飛べないん?ナナちゃん重すぎるんちゃうん?鳥類って飛ぶために軽くしてるんやで。そんなに何でもかんでも体内に取り込んだら重くなったとか?」

そういえばナナの攻撃はいちいち重かったような、と思い出す。
魔物を取り込む能力のせいで身体が重くなってる推測を指摘する。
女の子相手に『体重重くね?』とデリカシーのない言葉だが飛ぶための体重に適してないと指摘しているつもりである


「あー、それはホンマに善処しますわ。シノギも他にありますしそれで稼がせて貰いますわ。」

いつもだったらここで挑発してるがチラっと店主の様子を気にした後で前の受け答えより素直な口ぶり。
目は逸らしてるし本当に分かってるのか不明だが揉め事を回避するように舌を回した。

「体質ねえ……けったいな体質持ってたら地球じゃ色々弄くり回されそうやな。つまり今まで治安悪い所で暮らさざる得なかった、と。ま、裏の住民同士親睦深めましょ。ご飯食べたらなんかデートする?」

ナナの瞳の奥を見るように。今まで辿ってきた軌跡なんて知りはしないけど目を見ればなんとなく感じられそうだと思ったから
ちょっとシリアスそうになったかと思えばまたデートだの軽口をたたく

ナナ > 「若いけど幹部って所だとそれなりに優秀って事よね…ふぅん、良いじゃない。
運命なんて信じないタイプよ、自分の力で切り開いてこそだもの。」

可愛くない反応なのは重々承知
かなり優良株扱いを受けるのはこの前のやり取りで納得がいく

「…女に対してそのセリフってぶん殴られてもしょうがないわよ?
体の中がスカスカだったら飛べるでしょうけど、そんな事したら飛べるだけの紙飛行機よ。」

青筋が浮き出そう
店の中でなければとりあえずその重さを体感させていたかもしれない

「なら、別に敵対する理由もないわ。
気に入らないから潰しに行ったって言うのは嘘とか例えじゃないんだし。」

暗にそれをしない限り仲良くは出来ると伝える
そこを超えてくるならまぁ、前と同じである

「はっ、勘がいいじゃない。
色々弄られた結果がこれよ。察しが良いのは嫌いじゃないわ。

あんたとデートする程仲良くなった覚えなんて無いんだけど?」

チャーハンのレンゲをそちらに向ける
殺し合った相手にデートの誘いなんて良くできるなと言いたげな目線

「ただそうね…こっちの用事に協力するならあんたの用事にも手を貸すわよ?
ビジネスライクな関係だけど、そういうのは嫌い?」

海藤 宗次 >  
「ええやろ?せやから俺、中々優良物件やねん。モテてもおかしくないっちゅうに…なんでやろ?」

なんで自分は優良物件なのにもてないんだろう?
と疑問に思いながらなんか自分基準で可愛げに首をかしげてきた。普通にわざとでおおげさっぽい感じだ。

「あー、事実言われたら怒る生き物やったか?…おっと危ない危ない。…まあ、飛ぶにしては代償デカすぎるわな。じゃあバッタ食いまくってジャンプ力強化とかどや?」

日常会話でわざとらしくしかも人を怒らせるのは意図せずして、ここまでくるともはや才能だ。
あわてて落ち着かせる。
代わりといってはなんだが空中で動けない代わりの大改案を出す。
この時宗次は、カツ食いながら『イナゴの佃煮も食いたいなあ』とか思ってる。

「弄られた…そうきたか。互いに苦労したんだ。そうカッカしなさるな。まあ、殺しあった次の日でもデート出来るのも俺の器のデカさかな?カハハハハハ
 んー、借りを作っとくのもありかなーって思ったで。んで、そっちの用事ってなんなんや?シノギの邪魔ならなければやれるで」

飄々と笑いながら水を一気に飲み干す。
そうしてそちらの用事というのも興味が出た。
最近、代り映えしない仕事が多かったので心機一転というやつだ

ナナ > 「裏稼業ばっかやってる危険物だからじゃない?」

少なくとも恋人にしたいかと問われれば大多数が裏の人間と聞いて断るだろう
首を傾げる動作を見ればうわぁ…と言いたげな冷たい目線

「あんたと居ると自制心の修行になりそうね?
そっちの方が効率的よ、まぁ今の所空を飛びたい事もないし単純な教科で十分か知らね。」

目の前の男には人を怒らせる才能があるかもしれない
こんな調子では他の幹部とやらに嫌われるのではないか、なんて思ったり

「器がでかいというかイカレてんじゃないのそれ?
私、割と大き目の研究施設から追われてるの。だからそことやり合う時の兵隊が欲しいのよ。死なない肉壁とかが特に。」

チャーハンには付き物の中華スープを一口

海藤 宗次 >  
「そんな…裏稼業でも裏稼業なりに必死に真面目に誠心誠意…死んでも天国にいける善人やのに」

そんな冷たい目などおかまいなしにいけしゃあしゃあと宣う
しかもメソメソとウソ泣きする始末。

「俺、そんな腹立つかいな。俺これでも友達は沢山おるで。敵も多いけど。 
 バッタの跳躍で離脱で十分やな。空飛んでも3D酔いしそうやからやめた方がええで」

こんな癖だらけの性格だ。当然敵も多い。
そして自称友達沢山。

「おいおい、俺のどこがイカレとんねん!君だって『殺しあったし顔の好みのちょいと違うけどとりあえず付き合ったろ…』っていうときあらへん?」

しかもこの男さらっと好みとズレてるのにデートするかとか言ってた。
ちなみにもう少しお姉さんなのが好みらしい。

「君さぁ…そんないかにも肉壁なってくださいって危険なヤツ、誰がやるねん。アホちゃうか?俺は君らと研究所のゲロ袋ちゃうぞ。…まあやるけど。」

そろそろ食い終わりそうだ。カツを最後一口食べて水を飲み干しながら言う。
正直言って肉壁になれとか言われてなる奴はいない。そんなもの死んで来いと言ってるようなものだ。
宗次はそう感じた。だから口を尖らせて説教っぽく言った。


でも行くらしい。
ぶっちゃけここまでフリ

ナナ > 「ああいう仕事を誠心誠意取り組んでたら死んだら地獄直行でしょうね。」

今更嘘泣きに騙されたりしない
と言うより彼の話は全部真面目に取り合うべきではないというのも学習している

「無自覚なら天才ね。友達…ふっ。」

友達と聞いて鼻で笑う
居るわけない、という感情が透けて見える

跳躍等に関してはその通りで、無理に空を飛ぶ意味は殆ど無い
憧れを満たせるくらいでデメリットと釣り合わないのだ

「無いわね、殺しあってその後すぐ食事に誘う奴が居るなんて驚いたわよ。
あと、この綺麗な顔が好みから外れるなんて面白い事言うわね。」

自身の顔に絶対の信頼を置いているからこそ出てくるセリフ

「適当に耳が気持ちよくなる条件を提示されても嬉しくないでしょ?
文字通り肉壁になっても良いならって話。

…だからそんなにすんなり了承されるとは思ってなかったわ。」

ほぼ二つ返事で了承するのには流石に違和感を覚える
常識を超えた被虐趣味でもない限り最低限悩みはする内容なので

定食とチャーハンは綺麗に食べ終えている
量、味ともに大満足