設定自由部屋です。常世島内であるならご自由に設定を考えてロールして戴いてかまいません。
また、ここでは回想的なロールも可能です。ですので常世島の外でも構いません。しかし、あくまでメインは常世島の内部でお願いできればと思います。
その他常世島内の特殊な場所や、シチュエーションなどにご利用ください。
参加者(0):ROM(1)
Time:01:31:35 更新
ご案内:「病院 病室」から黒條 紬さんが去りました。
ご案内:「病院 病室」から伊都波 悠薇さんが去りました。
■伊都波 悠薇 >
「あ、えと、その、いとわ、はるか、です」
元気な黒條に、対して。
消え入るような声で、自己紹介し。
顔が真っ赤になったまま、その状態で。
ーーもう、むりっ
「げん、か、い……きゅう……」
羞恥に耐えられなくなった妹は、そのままこてんと、意識を手放し。
一騒動あったのは、いうまでもない。
■黒條 紬 >
「その言葉が聞ければ十分ですっ」
――此処でどんな言葉が並んだとて、この手の人物は気付いたら動いているだろうし?
「てんびん? 何ですそれ……?
ぜひぜひお話聞きたいですが――」
話さなくては、分からないことがある。
沢山、ある。
データだけで見る人間は、それはそれはつまらないもので、味がしないものだ。
情報の欠落もある。
だからこそ、このようにして黒條 紬は足を運ぶのだ。
そして、人と繋がるのは彼女の好むところであった。
「――まずは、改めまして。私は、黒條 紬っ!
風紀委員の2年生、渋谷分署所属ですっ!
というわけで、私のことは好きなように呼んでくださいね、悠ちゃんっ」
そうして抱きついたまま、そんなことを口にするのだった。
■伊都波 悠薇 >
「……善処します」
ふんわりと、そう返す。
しない、とは言わなかった。
そして、自分に、といわれると。
なんだか、懐かしい気がした。
一年前もそんな言葉を言ってくれた人がいた、気がする。
「大丈夫です。沼ってる相手はねえさーー」
そこまで言って。
肩を抱かれた。そしてそのまま、痛くない程度に抱きつかれた。
ーー失礼って、物理的なお話でござろうか!?
「わ、わ、わ…………」
頭の中で良くない妄想が膨らむ。
そんなわけもないが、脳内時間は30分ほど。
現実時間は2秒。とてもお子さまな時間や年齢帯では映像化できない脳内展開が繰り広げられるが、黒條にわかるはずもなく。
「まぁ、その……わたしのことを、しりたいなら。てんびんの、ことから」
ぷしゅぷしゅと頭から湯気を出し顔を真っ赤にして、絞り出すように、エラーわ起こしてる脳内から言葉を引き出した。
■黒條 紬 >
――彼女の口から出てきた『しつれいではない』という言葉。
「おぉ~っ? おやおや、言質……いただきましたよ~?」
そうすると、目線を下にして挙動不審な悠薇の肩をそっと抱いて、
抱きつくかのように優しく身体を寄せた。相手は、怪我人だ。
「じゃあもう、今日からお友達ってことで! よろしくお願いしまーすっ」
彼女に触れていない方の手をぶんぶん振る紬。
やはり距離感のバグっているらしい少女なのであった。
無論、痛くない程度のハグ。大丈夫、問題なしだ。
■黒條 紬 >
「それ大丈夫って言わない気がしますけどー?
ま、今回の件みたいに、自分を傷つけるようなことはやめてくださいねっ。
凛霞さんも、私も、他の人達もきっと心配しますから」
少し低めのトーン。
しかし、深刻過ぎない程度には声色に軽やかさを残して、紬はそう伝えた。
――気の所為なら、良いんですけどねぇ。なんか、心配なんですよねぇ、この人。
テンタクロウについて語る彼女の顔。声色。
何となく胸の内に引っかかるものを、今は一端捨て置くこととしたのであった。
「いや、なんですか。その、最悪で最低限なプロフィール。
そんなの、端っこも端っこ、表面も表面じゃないですかっ。
っていうか、何で凛霞さんが最初に来るんですか……。
確かにきっかけは凛霞さんでしたけど、
今日私は、凛霞さんの妹さんと話をしに来たつもりはありませんよ」
真っ直ぐな声色で、紬は言葉を紡いでいく。
「テンタクロウ事件に巻き込まれた、
風紀委員の同僚にして同級生――伊都波 悠薇の様子を見に来たんですよ。
……ま、でも悠薇さんが一筋縄でいかないのは、よーく分かりました。
もうちょっと隣に居て、友情的調査をさせていただきたく。
実際、なんだか心配ですし――」
びしぃ、と指をさしてそのように語っていた紬であったが――
■伊都波 悠薇 >
「大丈夫ですよ。もうそれよりも、沼ってますから」
すぅっと、目を細めた。
そして思ったのは、姉。自分にそう、『まだ』言い聞かせる。
「ふぇ?」
まさか、このタイミング。対象に自分の名前が出てくるのは想像できなかった。
だから、変な声が漏れて。
バッテンを指で作り、口許に。なんでもない、アピール。
顔は真っ赤だけれど。
「わ、私ですか。受け止めるっていっても…………
姉が優秀で、妹は0点をとったりしてしまうほどの、愚妹、ってことより、深くってことですか?」
目線を下に。そして、チラチラと様子をうかがう。
「しつれいって、ことは……えと、ない、です、けど」
■黒條 紬 >
「ま、色々言いましたけど……。
難しいことは、私達がこの学園の風紀委員である以上特に、ですけど。
どれだけスゴイと感じることがあったとしても。
そこに善性や、白を見出したとしても。
飲み込まれすぎないようにしなくちゃいけないのは、大切ですからねっ」
テンタクロウのことちょっと擁護しすぎましたし、と。
腕組みして、その言葉を言い放った。
――ま、悠薇さんに本当に伝えなきゃいけないのは多分、@こっち;@ですよねぇ。
彼女のことを深く知っている訳ではない。心の内など、読めよう筈もない。
しかし、紬の内心は――何処か彼女に、危うさを感じてはいた。
彼女の真意、そして現在の心境。それを掴む為に此処へやって来た。
そうして掴めてきたことがあったからこそ、紬はそのことをしっかりと伝えたのであった。
「私は風紀委員として、ちゃんと話を聞いて頑張ることは大切だと思っていますよ?
ですが、私個人として、具体的にこの人!
みたいなのは、私の場合はちょっと浮かばないですね~。
でも。うーん、強いて言えば、今は……悠薇さんですかね?」
悠薇の顔を見つめ返して、そう口にした。
「ポンコツだのお荷物だのお互いに言い合ってました、けど。
悠薇さんのそれは、その……何と言いますか、凄くちゃんと受け止めなきゃいけない
気がしていて。私みたいなお気楽者の考えているそれとは違う気もしていて」
そうして、一呼吸。
「私個人としては、ちゃんと向き合いたいなって、思えるように感じてしまって」
真剣そのものの眼差しを向けて、問いかける。
「隣でお話しちゃ、駄目ですか?」
■伊都波 悠薇 >
「ふふ」
ループしそうになったやり取りに笑みがこぼれ、少し首を右に傾けると、前髪で隠れていた左目が、覗く。
左目が、アナタをまっすぐ捉えて。
泣き黒子、が妙に印象的だった。
「話をすることに意味がない、そういうひともいますけれど、話をすることで手を伸ばせるかもしれない。上でも下でもなく、隣で。
そうしたい、そうしていきたい。
そして、そうしてほしい。そう、私は『ずっと』思っていますから。
黒條さんは、そういうの、ない、ですか?」
■黒條 紬 >
「なるほど、なるほど……」
興味深そうに、顎に手をやりながら。
紬は悠薇の言葉を聞いていた。真剣な表情だ。
「私は悠薇さんではないので、どれだけ考えたことを伝えても、
思ったことを話しても、それはただの第三者の言葉でしかありません。
でも一つだけ伝えたいのは、
悠薇さんはお荷物なんかじゃないってことです!
話そうとする姿勢だって、大事な風紀委員の能力で!
っていうか、私の方がポンコツで……って、
これ、また同じ流れになるやつだ~……ここまでっ!」
頭を抱えこむ紬。
「でもまぁ……そうですね。
風紀っていう組織から逃げずに居た、という点では確かにそう言えるかもしれません。
お話すると、見えてくるものですね。
私の頭の中だけでこねていた悠薇さんの考え方、ほんの少しだけ分かった気がします」
■伊都波 悠薇 >
言葉遣いが、うまい人、だと思う。
気遣ってそうしてくれているのか、それたも思惑があるのか、また、素でこうなのか、どれかはわからないけれど。
ーー無礼ている?
どこか、そんな言葉が浮かんだ。
そんなわけ、ないのに。
何故か自分の腕の骨が傷んだ気がした。
「最初から、白であるだろうと思っていたわけではないんです。ただ、ちょっと、ほんのちょっとだけ。骨に拘っているのが気になっただけで。
そこに意味があるのなら話を聞いてみたいと、思っただけで」
その思考にいたったのは、悪いことばかり考えてし、姉に意地悪をする、悪い人、のせいだった。
「私の経験が活きた、だけです」
にへらと、力なく、笑った。
「でもほら、私が残念なのは、ご存じの通りですし」
悲しいこと、といわれると、そうなのかなと疑ってしまう。
社会への抗議。自分の抗議。ずっと抗議しているけれど、なかなか実を結ばない。
「テンタクロウさんは、方法が間違っていただけで、声をあげられる、逃げないスゴい人ですよ。だって風紀委員から、逃げなかったじゃないですか」
■黒條 紬 >
「当然です。
ネガティブなものを優先して見るように、人間はできている。
聞いたことがあります。
心配だ、危険だ、このままではマズい――怖い。
そういった感情は生き延びる為には必要だから、
現代の私達に今まで受け継がれた機能だと」
椅子に座った紬は悠薇と横並びの形になる。
視線を彼女に合わせて、語を紡いでいく。
「でも、そういった機能に、
黒い感情に囚われてしまう方は本当に多くて。
そんな中で、悠薇さんは。
テンタクロウの中に白を見た。
あれだけ恐れられている彼に。
そう仰るのであれば、それは悠薇さんの持つ、
優れた能力だと私は思います」
にこり、と笑う。穏やかで、何処までも包み込むような微笑みだ。
そして眼差しはと言えば、爛々と輝いている。
「風紀委員は、
そういった影を抱える人達に向き合うのが仕事だと、私は思います!
なら、悠薇さんのような人間は、風紀委員に必要なのではないでしょうかっ」
ぐっと握った両拳を、紬は悠薇へ向けた。
「だから、そんな悲しいこと、言わないでくださいねっ」
■黒條 紬 >
「ええ、まぁ……私はそう考えてますけど」
先ほど少しだけ置いていた距離。
その距離を、一歩分だけ、自然な形で近づけた。
「一応世間的には凶悪犯罪者とされているテンタクロウに
スゴい人なんて言葉が、しかも悠薇さんから
出てくるなんて、正直かなり驚きですね」
もう一歩、近づく。
「でも、まぁ少しだけ、理屈は分かる気もします。
いえ、せっかくお話いただいたのだから、理解したい。
そう思うから、私なりに無い頭を捻って考えるだけなのですが……」
むー、と。思案顔。視線は、清潔感のある真っ白な天井へ。
眉間に皺を寄せて、かなり考え込んでいる様子だ。
4,5秒ほど経った辺りで紬はその固い表情を解いて、
悠薇の方へ向き直った。
「真っ黒な人間なんて、この世には居ないですよね。
世間で極悪非道とされていた人物が、逃亡先で
一生懸命働いて、愛する奥さんの誕生日に花を買っていた、なんて。
そんなエピソードを聞いたことがあります」
そう口にして、窓際に置かれた時計の方を見やる。
白い時計は窓から差す光を受けて、こちらに影を落としている。
「悠薇さんはきっとテンタクロウが持っていた筈の、
黒でない、白の部分に惹かれたのでしょう。
常人であれば、暗い部分にばかり目がいってしまう筈です」
こつこつ、と軽い靴音。
ベッドの上の彼女の横まで向かえば、そこで失礼します、と。
近場の椅子に腰を下ろして。
決してバターの香りではない、また別の甘い香りがする。
■伊都波 悠薇 >
「そうですか?」
姉はそういうとき、妥協しない。
できない人はできないと切る。悪意がある人間には疎いが、こういう人物であるのなら……悪意を隠しているわけでないのなら、能力は有していると、そう思う。
……少なくとも、自分よりは。
「追い詰められはしませんでしたから。逆に、テンタクロウさんのほうが追い詰められているようでした」
思い返してみて。
「私には、テンタクロウさんが悪い人には見えず、スゴい人に感じたので。精神を病んだりすることはなかったですね。
…………大怪我をさせなきゃいけないと目に留まれただけ、ありがたい、ことでしは」
どこか、クライ。
なにかが、覗いた気もするが。
「…………風紀委員のお荷物ですし」
どこか、自嘲気味な言葉が、それなのかもと判断を鈍らせたかもしれない。