2025/02/08 のログ
■宇賀野 実 > 「まあ人の名前なんていざってときしか使いませんけどね。
せーじさんならそう言ってくれると思ってた!助かる~~~」
教師としての力…そしてその名前が十分プレッシャーになれば、
ひどい目に合うことは避けられる。処世術といえばそこまでだが、
感謝の印に思いっきりハグした。
「えっ、うん。 めっちゃ遊びたいしお酒も飲みたい!
あとせーじさんのお膝の上を占領したいー。
いい匂いするな~…。 この体になってから、流石に吸うのは憚られて、
ココアシガレットばっかりなんですよね!」
メンソールとあt箱の煙の匂い。 男の人の匂い。
自分が失ったものに対してちょっと郷愁を抱く。
ぐりぐりと頭を押し付けるようにしているのは、その懐かしさと…。
なんだかいいなくなるようなことを言う相手への戒めであった。
「そうなんですよ! 子どもは見た目で判断しますからね。
せーじさんみたいに状況を知って付き合ってくれてるわけでもないし…。
大なり小なりってところはありますよね。
まだ自分がちゃんと男性だ!ってわかってるから大丈夫ですけど…。
ダイジョブですよね? むむぁー。」
なだめるように口をなぞる指に満足げな唸りを上げる。
その様子は女児とかよりも動物に近いそれであった。
「いやまあ引っ付きたいのはそうですけど…。
その方が面白いし、近くにいるほうが、なんていうんですかね。
こう…ほら、地元の仲間と久しぶりに会ったら当時の気持ちが蘇って来る的な?
そういう感じなんですよ! ねー、約束ですよ!一緒に飲んでくださいね!!」
おねだりしながらビールを口に運ぶ。小さな体に対してだいぶ飲んでいるのは間違いなかった。
■東山 正治 >
調子としては何時もこんな感じだ。
ただ、そのじゃれ付き具合にはかなり女児感が出ている。
少なくとも男同士(※今でもちゃんと男の子)の時は過度なスキンシップはなかった。
やはり、大なり小なり覚えるのは"危機感"だ。一向に進まない治療。
彼には悪いが、東山は正直"諦め"も何処か抱いていた。
特に直近で同僚が変わり果てた事が、よりそれを加速させている。
「(事例が無いワケじゃねぇが……どうしてかねぇ……)」
どうして自分の周りばかりが、こう変わっていくのか。
いっそ自分から何もかも奪うなら、殺してくれよ。
この生き地獄から。臓腑に渦巻くどす黒い感情を押し殺し、ヘラリと笑みを貼り付ける。
「……わかった、わかってるよ。
多忙の身だけどね。遊びもするし、膝くらいなら貸してやるよ」
茶番みたいだな、と思わずにはいられない。
それでも捨てる事が出来たらどれだけ楽なのか。
何処まで言っても、東山は人間だった。だからこうして、じゃれ合いもする。
「そういうからには実ちゃんも今日はとことん付き合ってもらうからね?
まだいけんだろ?……もう蕩けてる動物みたいになってるけど……ホラ、しっかり」
口元をなぞるついでにぺちぺちと軽く頬を叩いた。
なんだかもうそれこそ動物みたいだ。
そう、完全に自分に懐いてる愛玩動物みたいだ。
それこそ何時ぞやの同僚と重る。喜劇だな。
「今日は実ちゃんのために空けてんだぜ?ホラ、まだツマミも酒もあんだから色々話そうや」
■宇賀野 実 > 「約束ですよ!ほんとにですよ!!」
まるでオトナに言いくるめられる子どもみたいな態度で、相手との約束を確認する。
なにより眼の前の相手は、自分がこんなふうになっても一緒に飲んでくれる大事な人なのだ。
こうして一緒にいるだけで女児に染まりきらずにいられる。
もとに戻ることが恋しくてスキンシップを求めているのか、
あるいは女児に染まりつつあるからスキンシップが増えているのかは自分でもわからなかった。
アルコールのせいも多分ある。
「いけますよ全然!!しゃい!!」
ほっぺたを叩かれて蕩けかけていた状態から復活する。
小さな手でペチペチと自分の頬を叩き、おもむろに相手の膝から立ち上がった。
「ちょっとしょんべん行ってきます!!」
いそいそと言うにはかなり速度のある歩き方で置くのお手洗いへ。
しばらくして戻ってきたその手には、大きな酒瓶を抱えていた。
「アテはまだありますけど、ビールばっかりじゃ飽きるじゃないですか。
日本と焼酎持ってきましたよ! せっかくせーじさんが一緒にいてくれるんだし、
二人でこの2本……やっちゃいますかあ!」
元気に満ちた声で宣言する。今は、朝方のこととかは全く考えない。
眼の前の人と一緒にいるぞ!!!という強い意思に、瞳が燃えているのだった。
ご案内:「駄菓子屋『おおげつ』」から東山 正治さんが去りました。
ご案内:「駄菓子屋『おおげつ』」から宇賀野 実さんが去りました。