2024/08/13 のログ
ご案内:「駄菓子屋『おおげつ』」に宇賀野 実さんが現れました。
ご案内:「駄菓子屋『おおげつ』」に東山 正治さんが現れました。
■宇賀野 実 > 「あっ、正治さん!いらっしゃーい!」
お店に来てくれた友人を元気よく出迎えるのは、
見た目が幼い女の子になってしまった宇賀野である。
嬉しそうに駆け寄る様は、まるで子犬のようであり、
その様子を体現するかのように、犬耳と尻尾が生えていた。
「聞いてくださいよ! この前この犬耳と尻尾で異能の方向性を制御することに成功したんです!
つまり、この犬耳と尻尾で、相手に自分をイヌだと思い込ませることによって
イヌに対する欲望…つまり撫で回したりすることですが…で、消化できたんですよ!
すごくないですか!?」
相手の足元までたどり着くと、ぐるぐると周囲を周りぴょこぴょこ飛び跳ねる。
ほめてほめて!!!!!オーラを満ち溢れさせながら尻尾をちぎれんばかりに揺らす様は、
まさしくイヌであった。
■東山 正治 >
とある事情で姿形が変わってしまった旧友。
久しぶりの再会は散々な結果だったが、一応友情の方向に亀裂は入らなかった。
とは言え、色々と気まずいのも事実。
何より教師と委員会の二足わらじは、それ以上に東山を多忙にする。
そういうわけで久しぶりに彼の様子見をしにきたのがこの駄菓子屋。
この島で駄菓子屋を営んでいるとのことで、足を運んでみたら思わず絶句した。
「……祭祀局の連中に頭下げて作ってもらったモンはあるが……。」
足元でさながら犬……というかマジの犬耳と尻尾を揺らして飛び跳ねている。
というか仕草が完全に犬のそれ。異能の制御方法、らしい。
確かにそれなら納得できなくはないが、言葉を失った。
解決方法が斜め上過ぎる。騒ぐちんまいのを引きつった表情が見下ろしていた。
「まぁ、ある意味凄いねェ……人としての尊厳完全に捨ててるじゃんね?」
は、思わずお得意の嫌味がでた。
言わなきゃやってらんないよ。
なんで二度目の再会が今度は犬なんだよ、おかしいだろ。
■宇賀野 実 > 「えっ……?」
人としての尊厳。あまりに大事な物を失っているという指摘に、
思わず呆然とした表情を浮かべた。
「でも、でもでもですよ? 正治さんそんなこと言っていいんですか?
姪っ子泣いちゃいますよ? あんなことを2度と起こさないようにするには、
まずはこの方法があるってわかったんですよ?すごいことだと思いません?」
ジェスチャーも交えながら必死にアピール。
相手に”食べてもらう”ように誘う…制御できない異能の暴走を
まずは無害化するという企みが良くなかったのだろうか。
「…あっ、正治さん、もしかしてそういう……」
口に手を当ててハッとした表情。
二言目にそんな言葉が出てくるということは…てんさいてきずのうが一つの答えを導き出した。。
「あの…首輪に使えそうなベルト余ってますけど…」
緊張の面持ちで手をあげて発言。 これが真実だ!!!
■東山 正治 > 「おい誰が姪っ子だ」
■東山 正治 >
ガシッ!!
掴んだのベルト…ではなくその可愛い頭。
真っ白な髪の毛ごと片手で使うんだアイアンクローだ!
ぎりぎりと頭に指が食い込むのはさながら孫悟空の気分を味わえるぞ!
「暴走云々以前に男としての尊厳失ってるじゃねーか!!
百歩譲って甥っ子だろソコ!!……まぁ、確かにあれは良くない。
良くないから、どうにかしようって試みは認める。オレも認めるよ?」
「け・ど・な!」
ぎりぎりぎり…!どんどん指が食い込んでくる…!
東山の表情も引きつった笑顔に青筋を立ててお怒りモードだ!
「それ制御じゃなくてただのすり替えだろうが!
食欲とか性欲とか全部位人間の尊厳捨てて犬に成りきってるだけだっての!
おま……おまっ……!それでいいのか!?」
少なくともあんな悲劇が起きることはないが
それと引き換えにこう、色々失うものが多すぎる。
というかもう失ってる。なんで早々に虚しく成らなきゃいけないんだ。
東山だって思わず声がかすれちゃうよ。
「……はぁ、ったく。そうならないためにコッチも対策するっての。
……ていうかさァ、まさかこのわんこ作戦。自分で考えついたんじゃないよな……?」
■宇賀野 実 > 「いだいよ―――ー!!!!」
緊箍児が如きアイアンクローが叩き込まれる。
以前ならやりあうこともできたのだが、今はただ締め上げられるだけ。
フリッツ・フォン・エリックも思わず拍手する威力の締め付けに
ぴゃんぴゃん泣き叫ぶ様は、まさしく怒られる子供だった。
「だってえ――!!!正治さん相手だからお話で済んだけど、
知らない人に発動したら性犯罪者になりかねないもん――!!」
小さな手で相手の手をぺちぺち叩いて必死にアピール。
「研究施設の人と一緒に異能の状態調べてて見つけたんですう!!
必死に考えたのに―――!!!ウエ――ン!!」
人としての尊厳はともかく、せめて犯罪を犯すまい、被害者を増やすまいという
必死の妙案だったのである。 嬉しそうに披露していたそれを真っ向から
(アイアンクローで)砕かれる…。犬耳はしょんぼりと垂れ下がり、
尻尾に至っては足の間にくるりと収まった状態で泣き叫ぶことしか出来なかった。
■東山 正治 >
「ハァ~~~~~~……。」
あの時のレジャー施設に言った時よりもでかい溜息が出た。
溜息選手権全国一位狙えるレベルのでっかい溜息だ。
流石にずっとギリギリするのは疲れるし痛めつける趣味はないので離した。
それこそふ、と力が抜けたように店番用のパイプ椅子にどかっと座り込んでしまう。
「……まぁ、ね。異能のかくあれど、同性でも性犯罪になりかねねェ。
似たような症状で、淫魔の血筋とかも色々あるが、まぁ……魔術とかじゃダメだったのか?」
真面目な話、此の手の問題は往々にして存在する。
それこそ無意識に発生して望まぬ行いが青少年を傷つけることだってある。
何方も被害者ではあるが故に、その行いの苦しさは理解する。
「(五百森ちゃんがそう言えばそうだったか……今度聞いてみるか……。)」
ある意味同じ境遇同士、解決策を知ってるかもしれない。
はぁ、完全に疲れ切った自身の顔を手で覆いながら軽く首を振った。
「わかったわかった……その点に関してはオレが悪かったよ。
実ちゃんなりに頑張ってたもんな、うん。そんな簡単に尊厳捨てるのは予想外だったけど。」
苦肉の策ならまだしも凄いノリノリだった。
ちょっとびっくりする位ノリノリだった。
ていうかちょっと引いた。なんなの。
お得意の嫌味を漏らしながら、"で?"とギロリと指の隙間から眼光が覗き込む。
「……オレの姪っ子ってのはどういう了見だい???犬関係ないよな???ソレ???」
■宇賀野 実 > 「ひいーん…!!」
ようやくアイアンクローが終わったので頭を抑えてうずくまる。
子供ボディは痛みに弱い。 相手のアイアンクローが強いのもある。
「魔術でっていうと難しいんですよ。 何をトリガーにするかが問題で…。」
立ち上がってから、肩を落として答える。 相手の言うようなプランは検討したけれど、
結局何をもってストッパーを起動するかが解決できなかったのだ。
「尊厳尊厳って言いますけど、誰かに迷惑かけるよりはいいでしょ…。
まあ、この見た目になってる時点でおじさんとしての尊厳はボロボロだから、
これ以上はあんまりダメージ受けませんしね。」
ほっぺたを膨らませて抗議する。 異能であろうと魔術であろうと、
人に危害を加えてしまうぐらいなら、まだマシな対応策…だったはずなのだ。
口ではそう言いつつも、自分の尊厳をおもんばかってくれるのが嬉しくて、
尻尾が左右に揺れた。嬉しさ炸裂である。
「えっ…姪っ子っていうのは…ほら、プールの時に姪っ子っていったら、
正治さんがすごい顔になってたから面白くて…。」
言うだけ言ってからため息を一つ。
お辞儀をするような姿勢で頭を差し出した。
アイアンクローをするならしなさいという、反省の構えである。
■東山 正治 >
「トリガー、ね……まぁ、そうだな。
深くにも可愛いって思っちまったし、要は人としてみるか犬として見るかの違いか……。」
三大欲求を深く刺激してくるなんとも奇妙な異能だ。
それに情けなく当てられたのだから文句は言えない。
女神の血筋による先祖返り。つまり、神の権能と言い換えてもいい。
今では現実に当たり前に存在するような連中だが、神だ。
今でも信仰や、偶像崇拝の先にいる超常存在の力。
難儀するのはある意味当然とも言えよう。
「まぁ、逆手に取った対策だろうけどな……
……いやそもそもオタク、ちょっと楽しくなってない???」
なんでそんな尻尾振ってるんだ、やっぱノリノリじゃないか。
よもや、自分がおもんばかってる事が嬉しいとは思うまい。
じとー、と相手を睨みつけるのも疲れたのか、そのまま背もたれにもたれ掛かる。
「やっぱ楽しんでんじゃねェの……まぁいいや。
姪っ子でも何でもいーから、ラムネ持ってきてよ。叫びすぎて喉乾いた。」
「……それで?その耳と尻尾は何?付け耳?」
■宇賀野 実 > 「そうです。暴走は今のところ止められないわけだから、
まずは少しでも害のない方に傾けようと思って…。」
それでやるのが犬ごっこなので、尊厳的な意味ではめこめこである。
しかし、それしか平和にできる手がないのならそれを取る。
「楽しくは…あー、うーん…。
少なくても苦痛には感じなくなってきましたよ。
だってほら、外見だけ見れば女の子ですしね…。もし嬉しそうに見えたんなら、
なにより異能にコントロールできる道筋が出来たからだと思いますよ。
このまま、成す術なく完全に女の子になっちゃうのかって思ってましたからね!」
ぐったりと椅子に背中を預ける相手の言葉にニッコリ笑ってから、
尻尾を振って一声鳴いた。
「わん!」
小走りで冷蔵庫の方に向かうとラムネを取り出し、慣れた手つきで蓋を開ける。
そのまま小走りで相手の所に持っていくと、両手で捧げ持つようにしてラムネを差し出した。
■東山 正治 >
「……その結果、自分が割りを食うってね。
難儀なモンだよ。いっそ開き直ってくれりゃあ縁でも切れるのにな。」
何時でも不条理の犠牲者が割りを食う。
望もうと望まなくとも発現した異能の
先祖の過去の行いに、或いは巻き込まれて、割りを食うのは被害者だ。
ふつふつと自身の中に押さえつけたら憎悪が湧き上がる。
どうなっているんだ、此の世界は。無意識に奥歯を噛み締め、視線は既に冷めきっていた。
「それ本当にそういう嬉しさか???
オタク、さっき凄い尻尾とか耳とか動いてたけど???」
そうは言うが結構侵食されてないかこれ、大丈夫か。
確かにこのままただの先祖返りしてしまうよりはマシかも知れない。
彼なりの抗い方と言えば無下にはできないが……。
どうしようこれ、このままで本当にいいのか。
とは言え、法律ならともかく此の手の知識のエキスパートではない。
どうしたものかな、と苦い顔で額を自身の指で抑えながら思案中。
「いや、"わん"じゃないけど???
やっぱり犬になってるのちょっとよろこんでるよな?なぁ???」
ラムネを受け取りながらじろりとみやった。
それ人の返事じゃないよおじさん。
■宇賀野 実 > 「割りを食ってる…というとそうですけど、解決の糸口が見えてきたって考えたら
すごく嬉しいことですよ。 えー、いやですよ。 正治さんいい人だし。」
ニコニコと相好を崩すも、相手の顔を見てちょっとだけ悲しい顔になる。
ともあれ、問いかけには何度も頷いて答えた。
「そりゃもう嬉しいですからね。 ふふふ…これは最新鋭のやつですからね。
尻尾と耳は感情にきちんと則して動くようになっているんですよ。
取り外しも出来ますよ。 あ、尻尾はあの…ちゃんと腰にくっついてるんで
安心してくださいね!」
ぐっと親指を立てて大丈夫であることをアピールした。
さらに重ねられるツッコミににやにやと笑みを浮かべながら、ぶるぶると首を横に振る。
「えっ、それなんか…俺がそういうの好きな人みたいになっちゃうんですけど?
幼女化してわんわんプレイが大好きとか結構ヘビーな感じの人みたいになっちゃうんですけど?」
いいんですか?的な問いかけを逆に投げつける。
身体では文字通り大人と子どもだが、屁理屈なら負けていないのだ。おじさんだから。
■東山 正治 >
思わず喉の奥からくつくつと笑い声が漏れた。
苦笑だ。"いい人"だなんて、笑わせてくれる。
「……現役時代ならいざ知らず、オレがいい人なワケないでしょ。
オレがいい人基準なら、世の中いい人だらけになっちまうよ。」
少なくともいい人な訳が無い。
此の変容した時代に、変容後の世界を受け入れずにいる。
此の学園での評価も間違いなく悪い噂ばかりだ。
排他的で嫌味な教師。いい人と言うには、余りにも功徳は無い。
「そこまで聞いてないんだけど?
何を安心するんだよ、腰以外の何処につけんのさ……。」
とりあえず付け耳付け尻尾らしい。
最近の玩具(?)は随分と高性能だ。
このままだとツッコミ疲れるので一息。
ラムネを喉への流し込むとしゅわっとした爽快感が心を満たす。
うん、悪くない。昔ながらの炭酸感。こういうのでいいんだよ。
「ん、うま……。……あ?何いってんの?
もう言い逃れできない位好きな人みたいになってるじゃんね???」
「つーかオレ、いきなりそのカッコでこられてさ。
マジで言葉失ったのみたよな???それが答えなんですけど???」
真偽はともかく事情を知らなきゃそんなもんだ。
第一、こうしてノリノリの時点で本人もちょっとハマってるのでは?
じと、向ける視線は実際懐疑的。言い逃れできない姿と状況だぞ!
■宇賀野 実 > 「はいはい。 仕事の内容はともかく、友人としての話ですー。
あとは良くわかりませんからね、正直ね。」
唇を尖らせて相手に返した後に、水を向けられた犬耳の話に戻った。
「いや、安心してくださいよ!色々あるでしょう!!
たとえば秘薬で生えてきたとかー。 戻るのかなとか、
あるいはケモくなっちゃうのかなとか、そういう心配をですね、してくれて…。
あっそのラムネおいしいですよね。 少し前に工場移転するって言ったときは
どうなるかと思ったけど味が変わってなくて…。
えっ、言い逃れできますけど?!!?!?全然できますけど!??!?!?」
そこまで言ってから腕を組み、ウンウン唸った。
「いやだから言ってるじゃないですか!この姿は異能のせいだし
犬耳は異能のコントロールのためですってば!!もう!!
あまりのキュートさに言葉失っちゃったんでしょ!!はいはい!!」
姪っ子はカワイイもんな!!といおうものならアイアンクローされるので、
そこは言わなかった。
「まあ…なんとかしますよ。落ち着いたら正治さんと飲みたいなー。
気兼ねなく? 飲むやつをね…したい。」
手に持ったオープナーをくるくる回しながら呟く。
なんだかんだいって、なんとかする方策を練っている最中なのだ。
もし間に合わなければ…完全に変化してしまうのだろうし。