2024/08/14 のログ
東山 正治 >   
「お互い、友達作る目はなかったってことだ。」

まさか、想像できるものか。
本土以来の旧友がこんな姿になっているなんて思わないだろう。
本人が望んで性転換とか、手術とかならまだしもこんな…。

「(それこそ神様を恨むぜ、こりゃ。)」

納得できるものかよ。
はっ、と鼻で笑い飛ばしたのは世間か、或いは自分か。

「まぁ確かに色々あるだろうけどねェ。
 そもそもイジってどうにかなんなら、まずは元に戻る事から始めるだろ。」

そもそも体をイジって変えられるならそれが出来る証明でもある。
それが出来ないなら変なモノを使うってこともないだろう。
いろいろ試したことがあるなら余計に意味がない。
つまり、心配する前に選択肢に上がらないのだ。
へ、と嫌味っぽく笑ってやれば煙草を懐から取り出した。

「この前の酒よりは美味いかな。
 駄菓子屋の雰囲気もそーだし、案外売れてるんじゃない?……は?」

「きゅーーーーとぉ~~~~~~???」

思わず素っ頓狂な声を上げて肩を竦めた。

「カガミ見てから言えよ"おじさん"。
 属性盛りすぎて気持ち悪ぃし、中身知ってるオレからすりゃそういうの以前の問題だよ。」

寧ろ此処まで呆れた絶句しかしていませんけど。
その程度でからかってるつもりなら、10年早い。
火の付いていないタバコを加えれば、何気なく上を仰いだ。
このうだるような気持ちは、暑さだけのせいじゃない。

「……オレの方は開けとくし、協力はするさ。
 だから、何でもいいなよ。実ちゃん、幾らオレでもダチをただで見捨てたりはしねーさ。」

宇賀野 実 > 「んふふ」
相手の言葉に肩を揺らして笑う。
いつものやり取りで嬉しかった。

「まあそれはそうなんですよ。それがうまくいかんので、
 なんとかしようってことになったわけでね。」

「あっ、なんだあ!? キュートじゃないってかあ!?
 属性盛り…あっ、はい…いや属性を付けたくてやってんじゃないんですよ!!」
しゅん。 犬耳が力なく垂れ……たがピンと立ち直った。
外見も耳も望んでいるわけではないわけだし。

「じゃあなんでも言いますよ! 俺だって正治さんのピンチには手を差し伸べますからね!」
例えば、姪が必要なときとか。

「まあ今日は正治さん来てくれたし、もんじゃでも奢りますよ。
 キムチとチーズも入れてあげます。」
がたごと。 駄菓子屋の隅にある鉄板の下に潜り込んで火を付ける。
通常のお菓子もたくさん並んでいるが、こうして軽い料理もできるようにしてあるのは、
古い駄菓子屋の作法に倣っているからなのだ。

東山 正治 >  
「オタクのことキュートだって言ったらひどい目にあったんだけどね???
 そうじゃなくてもそれを"肯定"したらマズいでしょーがよ。
 これは一種の"自己医療"でしょうよ。目的ブレないでね。」

少なくともちょっと肯定しただけであのザマだ。
一応対策用のアイテムは持ってきたとはいえ、成らないに越したことはない。
そもそもこれがなんとかするための術だって自覚薄いんじゃないか、やっぱり。
此処ばかりは口酸っぱく言っておいた。二度目はゴメンだ。
はぁ、とため息交じりにタバコに火を付けた。
だって、"おじさん同士"だし問題ない。

「今絶賛ピンチの奴に言われたくはないけどねェ……ま、いいさ。
 その奢りのもんじゃで手を打ってやるさ。ラムネで一杯、ってのも悪くない。」

子どもを迎え入れる駄菓子屋が一瞬で飲み屋の雰囲気だ。
見てくれが変わってもおじさん同士である以上、そういうのに成りがちだ。
所謂おじさん臭って奴かもしれない。
ヘラヘラとした笑みを浮かべながら、戯けたように肩を竦めた。
今日のシメとしては丁度いい。
あの頃と違う雰囲気だが、登る煙に浮かぶ友情は今も昔も変わらないものだろう。
その後調子に乗って酒を煽ってまぁ頭痛になるのも、何時も通りである。

ご案内:「駄菓子屋『おおげつ』」から東山 正治さんが去りました。
ご案内:「駄菓子屋『おおげつ』」から宇賀野 実さんが去りました。