2024/06/24 のログ
ご案内:「浜辺」にマトさんが現れました。
ご案内:「浜辺」に風花 優希さんが現れました。
■マト >
6月下旬、少し海水浴シーズンには早いが、暖かい気候のために既にちょっと早めの海を楽しむ姿もちらほらと存在した
「よし、と……待ち合わせ時間は、もう直ぐだけど。」
薄水色のワンピースを着て、ビーチ用にサンダルを履き替えたマトもまたその一人であった
今日は友人である優希と、はじめての『海』を堪能しにやってきたのである
「もう優希はいるかな?」
待ち合わせは寮の前ではなく、海の家としたのは折角だからこのサプライズ……自身の服装をギリギリまで隠したかったからだ
ほんのりと赤いリップを塗り、まつり……別の友人に教わったマニキュアとペディキュアも薄くつけてある
「ふふ、驚くかな~~」
何て鼻歌を歌いながら、待ち合わせ場所へとたどり着くのだが、既に優希はそこにいるだろうか?
もしいなければ、マトはそのまま海の家を背にして待っている事だろう
■風花 優希 >
「いやぁ、急に熱くなってきて丁度良かったね」
薄紫のパーカーの下にシャツと短パンという実にラフな格好で、友人と共に今日は海に繰り出していた。
かねてより約束していたこともあって、程よく海水浴も出来そうな天気であることは運がよかった。
片手には水着などを入れたバックを手に、のんびりと比較的気楽な様子で。
「やっほ」
少年は自分よりも少し早く来ていたマトを見つければ、軽く片手を上げて声をかける。
以前と違い、少し着飾った姿には、少しだけ目を丸めて足を止めた。
■マト >
「あ、やっほー優希!」
「天気が良くて良かったね、これなら思う存分遊べそうだ」
やってきた優希に、マトも大きく手を振ってこたえる
うんうん、と嬉しそうに頷いて髪を撫でるように漉きながら微笑む
今日は持つものが多少多かったので、マトもポシェットではなくバッグを片手に引っ提げていた
「……えへへ、どう?吃驚したんじゃないかな?友達に一緒に選んでもらったんだ」
そういってくるん、とその場で回転すると、それはセパレートタイプのワンピースであることが分かる
臍周りが出ているうえに膝丈も何時ものものより短く、何というか、全体的に開放的だ
頭には邪魔にならない程度の大きさの桜の花の髪飾りが添えられ、お腹には何とウェストチェーンまでつけている
彼女の今までを思うと、余程強力なバックがついたのだな、と思うかもしれない
■風花 優希 >
「…なるほどな、確かにちょっと見違えたかも」
まじまじと、マトの顔から足元までを視線が舐めるように往復する。
一見するとわりかし冷静に、ふむりとどこか観察するような様子で。
「服も新しい奴だよね、それ。
まさか化粧までしてくるとはちょっと思わなかったけど」
何時もとは違う容姿のそれが、ちゃんとオシャレ故だと気が付く辺りは、鈍くはないらしい。
傍から見ても、その友人というのが中々におしゃれな相手というのは、
想像に難くないくらいの変わりようだったのかもしれないが。
■マト >
「……で、でしょ?」
狙っていたとはいえ、舐めるように見られると、少しだけワンピースの裾を掴みながら頬を赤らめる
「ふふ、ちゃんと教わったからね、僕でも買えるくらいのものをさ……いやぁ、デパートっていい所だね」
実際は教えてくれた友人が一部出してくれた部分もあり、何時か礼をしたいなと考えているのだが
「ええと、それで……どうだい?似合ってるかい?」
「こう見えて前のワンピースより動きやすいし、結構気に入ってるんだけど」
砂浜をさくさくと歩いて優希の目と鼻の先までやってきてから、すっと手を差し出す
「ともあれさ、早速遊ぼうよ、色々海で遊ぶ方法については調べてあるんだ!」
がらり、と小さい音がする、見ればマトの下げるバッグのなかには、手持ちの小さいスコップなどが覗いているだろうか
■風花 優希 >
実に恥ずかし気な仕草で顔を朱色に染められると、なんとも言えない感覚が湧き出てくる。
なんというか、気まずい様な言語化しづらい感情が思考回路に走るのだ。
「ま、まぁ…デパートは大抵のものはあるからね、こういうのなら」
ともあれ、そんな思考は一旦、論理回路の端っこに寄せておく。
今は純粋に目の前の友人に、素直な感想を答えておく。
「うん、よく似合ってる。
花のように可憐だって思うよ」
飾り気のない、純粋で客観的な印象はそれだろう。
そう質問に返した後、バックを一旦砂浜において、此方もまたいくつか荷物を取り出す。
「砂遊びする気満々だねぇ。
泳ぐなら水着が居るけど、持ってきてる?」
■マト >
「そうそう、今度また別の買い物にも行こうと思ってね、それに単純に涼しくて過ごしやすいし……」
「途中のベンチで話している人達も多かったけど、涼みに来てたのかなアレは」
デパートの話に少し逸れつつも
「―― そっか、ありがと!」
感想には文字通り、花のような笑顔と、桜の匂いで返答するだろう
「泳いだことは無いけれど、学校指定ってやつならあるよ」
「本当は水着も選んで買いたかったんだけど……中々決まらなくってね」
そういってバケツとスコップと――ちゃんと持ってきたよ!といいながら学校指定らしきスク水を取り出して見せるだろう
「でもまぁ見ての通り動きやすそうな奴だし、今日は之でいいかなって、優希の方はどうだい?」
■風花 優希 >
「エアコン効いてるからね、ああいうとこ。
下手に部屋にいるよりも涼しいくらいだし…でも、何買いに行く予定?」
興味本気に返しつつ。
自らの感想に、花開くような笑顔を向ければ、ほんの僅かに視線を逸らす。
それは無意識に、なんとなしに身体が取った反応であった。
「まぁ、初めての海だし学校のでいいだろう。
そもマトは泳いだこともないだろうしな」
友人の身の上からして、まあないだろうとそう予想。
此方もまた、飾り気のない学校指定のパンツタイプの男子水着を取り出し見せて。
「とはいえ、先ずはどうする?
一旦、脱衣場とかあるとこ確認しに行こうか?」
■マト >
「ほら、前に料理もしてみようかって言っただろ?そういった調理器具とかね、といってもまだ先になると思うけど」
美味しくできたらご馳走してあげてもいいよ?なんて冗談めかしつつ
「うん、そういう優希はどうなんだい?泳いだことあるの?」
「あ、そうだね、まずは着替えないとか……ついでに海の家のメニューとかも確認しようよ」
「僕はラーメンと……トロピカルジュース、飲んでみたいな!」
どちらもメニューにはあるだろうが、余りかみ合わせは良くなさそうである
ともあれ一緒に脱衣所等施設を確認して回るだろうか
■風花 優希 >
「ああ、そう言えばそんなことを言ってたような…
それはちょっと、今後が楽しみになるね」
その時はぜひごちそうになろうかな、と軽く返す。
本音ではあるが、完全に世間話くらいの感覚であった。
「一応…人並みには?」
微妙に歯切れのわるい反応を魅せつつ、バックを持ち上げて歩を脱衣施設のある方向へ向ける。
「そうだね、この暑さで喉も乾いちゃうし、何か食べてから着替えるのもいいかも」
程なくして、脱衣所やシャワーの併設された海の家が見えてくる。
既に営業は開始しているようで、看板やらパラソルも並んでいた。
■マト >
「楽しみにしててね?」
何て言いながら片目を瞑るマトであった
「それなら僕よりは上手だろうね、場合によっては教えてもらおうかな」
「成程、確かにその方がよさそうだ、お昼とかも食べてないし……早速入っちゃう?」
海の家を指さして首を軽くこてりと曲げる
そのまま特に問題が無ければ、二人そろって海の家に入り、席に通されるだろうか
■風花 優希 >
「ちゃんと泳ぐなら、先生に教えてもらった方が良いとは思うけどねぇ」
とはいえ、海には遊びに来たのだから、ガッツリ泳ぐ必要もなし。
そこまで沖に行かない浅瀬なら大丈夫だろうと考えつつ。
「それなら腹ごしらえらもしちゃおっか。
ちょうどそこにほら、メニューも書いてるし」
看板を指さしつつ、適当な席に腰かける。
ラーメンが良いんだっけ?なんて返しながら、どんなものがあるのかとメニューを一瞥。
■マト >
「その時はね、まぁ今の所ちゃんと泳ぐ予定は無いし?」
何て笑いながら一緒に席に腰掛けて
「うん、海の家といえば焼きそばかラーメンらしいんだ!」
「こう、美味しいって程美味しくないけど別にまずくもない絶妙な味がとても雰囲気があるって……」
店内でいうには中々失礼な事を言いながらも、楽しそうに目を瞬かせており
「後は… 折角だから何か、トロピカルな感じの飲み物を……」
と選んでいるが、暫くして「よーし、決めたよ?」と言ってメニューを閉じるだろう
■風花 優希 >
「ふぅん?」
またなんとも意味深な言い回しに眉を潜める。
気にはなるが、後になればわかるだろうと追及はしなかったが。
「確かに焼き蕎麦か、ラーメンか、とはカレーが王道だよねこういうとこ。
味というか雰囲気を食べる感じだし」
ボクは焼きそばにしておこうかなぁ、など軽くぼやき。
「じゃ、注文していい?
すいませーん!」
と、海の家の店員さんに声掛けをするのだった。
■マト >
「雰囲気を食べる、か、面白い表現だね」
「焼きそばかぁ、そっちも良かったかも、でも二つはちょっと多いしね」
「僕はラーメンと… このトロピカルハッピーハッピージュースってやつで」
そういってごく普通のラーメンと……何だかとってもリア充感あふれる名前のジュースを頼むだろう
■風花 優希 >
「山の上でご飯を食べるとおいしいって話と同じだよ」
いつぞやの、初めてであった時の話を交えつつ。
焼き蕎麦を店員さんに注文していると…
「トロピ…なに?」
何か今、とてつもない名前のジュースが頼まれた気がする。
思わず反復しながらも、しっかり注文は終わって店員さんは下がっていき…。
■マト > 「……!成程、そういう事だったのか……寮母さんは流石だったということだね」
納得したようにぽん、と手を叩くと、何処かうきうきした様子で料理を待っている
「トロピカルハッピーハッピージュース、えーと、正確には……」
「『先着10名限定トロピカルハッピーハッピージュース、ペア客限定、之を飲んだら二人の仲も縮まること間違いなし!!』だよ」
「トロピカルジュースで、先着10名の特別な飲み物で、しかも一緒に来た人との仲を深められる……」
「すっごい良さそうな飲み物だろう?」
力説している、その気持ちに嘘は無いのだろうが――
優希は見るだろう、ラーメンと焼きそばに続き運ばれてきたそのジュースが
明らかに一人分には多い量、大きなグラスに入っており、其処にはハート型に交差する二本のストローが刺さっている事に
■風花 優希 >
「わぁ………」
如何にも楽しみな浮かれ気分で説明するその姿に思わずそんな声が零れる。
そう言えばデカデカと看板の一つにそんなものが書いていたような、などと思い返し。
そうして話している最中にも、例のブツはあっという間に運ばれてきてお出しされる。
いくら先着限定ドリンクとは言えども飲み物だ、提供は早い。
如何にもなハート型に交差するストローに、フロートが乗った大きなジュース。
それが目の前に出てくるのだから、口角がひくひくと疼いてしまう。
「まあうん……確かに特別な飲み物で…仲を深めるやつだけど」
■マト >
「わぁ………」
如何にも楽しみといった表情で待っていたマトは、ラーメンに続いて出されたそれに目を丸くする
明らかに一人用ではないそれと、二人分のストロー
つんつん、とその先をつついて、持ってきた店員さんを見るだろう
店員さんは「うふふ、ごゆっくり~」何て、まるで微笑ましいものを見るかのように退散していく
「わ、ぁ… 美味しそう……だね!」
「まるで海みたいに透き通った青い色に、上の方は白く変わっていってて……甘い匂いがして」
内容を褒めるようにしながらしげしげとジュースを観察、からん、と少しだけ溶けた小さな氷が音を立てた
「……ペア、って、もしかして」
「友達、って意味じゃなかったりした?」
今更その可能性に思い至ったのか、それとも無意識に外していたのか
優希の方を見るマトの目は、ぐるぐるしていた
■風花 優希 >
確実に、あの少し生暖かい視線と言葉はそういう事だろう。
妙な勘違いをされただろうなぁ、と思いつつも、もはやどうしようもない。
出てきてしまったからには飲まないと勿体ないし、何より…
「本当に楽しみだったんだね……」
マトのその反応から、反論するような指摘を入れるのも野暮だと感じた。
「でもそうだね、確かにかなり凝ったドリンクなのは間違いないな」
少しだけ瞳を細めて、揺れる氷を静かに見つめ。
問われた言葉に、さて何と答えたものかと思案する。
「……友達でこれを飲む人らが居たら、よっぽど仲がいいかノリかのどっちかだろうねぇ」
少し言いよどんだが、一先ずはそういう事にしておいた。
■マト >
「あの、ほら……初めてだったし、ね?」
優希の言葉に、頬がぴくぴくと動き、所在なさげに膝が揺れる
「そ、っか……ぇえ、と」
「仲良しなら、一緒に飲んでも、おかしくない……かな?」
明らかに瞳を泳がせながら、次に何というべきか思案しているようで
「とにかく、その、まずはこっち食べよっか」
目をぐるぐるとしたまま、一先ず麺が伸び始めているラーメンに視線を映し、ずるるるるっ、と食べ始める
「うん、おいしいね!」
ラーメンはそれでも美味しい、明らかに速い速度で食べ進めるあたり、まだ混乱は続いているようだが
取りあえず一瞬だけでも思考を先送りにしようという考えらしい
■風花 優希 >
「……マトが大丈夫だって言うなら、ボクはいいよ」
おかしくないかな、という言葉への返答としては何処かズレた回答。
あからさますぎる反応を見れば、少年としても何とも言えない顔を浮かべるしかない。
「そ、そうだね…こっちは冷めちゃうかもだしな」
ともあれ、先に食事をするべきだという提案には二つ返事で了承する。
今の気不味い感じが続くよりはよっぽどいい。
割り箸をパキリと割って、あむりと焼きそばにかぶりつく。
よくある屋台の焼き蕎麦よりもちょっとチープ味わいに、舌鼓を打つのだ。
■マト >
「ずるるるっ!?」
ぶぼっ
失礼、今の音はラーメンをすすっている間に優希の返答が帰ってきて思わず咽た彼女の声である
ちなみにラーメンの味は普通に美味しい、チャーシューもちょっとチープな感じのやつが余計に味が出ている
海苔もぴらっぴらなのが入っており、なるともついたまさに古き良きラーメンといった風情である
「けふっ、あ、そ、そっか、じゃあ……」
「一人じゃ、その~、飲み切れなさそうだし?」
「僕はもっと優希と仲良くしたいなとは、思うし、うん」
ラーメンの汁を啜る、口の中がほどよくしょっぱくなっているだろう
ジュースを飲むなら丁度いいタイミングだ
「じゃあ、その、ご自由に……?」
二人の間にジュースを置いて、ちゅううう、と片方のストローからおっかなびっくりトロピカルを飲むだろう
■風花 優希 >
今、吹き出したな。
目の前で聞こえた音に、そう突っ込むほど野暮ではない。
随分とまた、人間らしい反応をするものだと思いつつ、蕎麦を啜る。
そして幾らか咀嚼したのちに、ごくりと飲み込み。
「……飲み残しも失礼になっちゃうしね」
意識的に思考回路の一部を凍結させたうえで、何てことは無い様にストローに口を付ける。
何となしにトロピカルのジュースを味わう、マトへと視線を向けながら。
■マト >
「…… 」
ちゅうう、と横目で優希に視線を向ける
そしてすっ、と戻しながら、一度目を伏せて
「…… 美味しいね」
頬を赤らめながらも、味には満足しているらしい、少しだけリラックスできたのか微笑みを浮かべて
「次からは、ペアという言葉には少し気を付ける事にするよ」
「流石に、ちょっと恥ずかしいし、ね」
身を寄せ合うようにジュースを飲む彼女の首筋や胸元には、先ほどまでの混乱か
それとも夏の熱さのせいか僅かに汗らしきものが浮かんでいた
食事をしていた時間は実際には20分も無いほどだったが、嫌に長く感じたのはマトだけだろうか
■風花 優希 >
ずずずっと、ドリンクを吸い上げる。
水位が下がりカラン…と氷が揺れる音と、トロピカルを嚥下する喉音だけが静かに響く。
遠くから、ざざんと聞こえる波の音が、やけに大きく聞こえる気がした。
「……うん、確かにおいしい」
まあ、これはこれでマトにとっても悪くないのかもしれないな、などと。
密やかに思いながらも、視線を逸らすように目を閉じて。
「それがいい。
何となく、商品名で察するものが在るとは思うけどね」
しっかりと食事を終えたのは、飲み終えてから暫くしての事だった。
■マト >
ず、ずずっ
中身が無くなり、氷だけになった後も少しだけ名残惜しそうにジュースを啜る
遠くから海鳥の鳴く声が聞こえた気がして、夏が近いのを感じるだろうか
「無くなっちゃった……あっというまだね」
どこか名残惜しそうにいいながら、口元を軽くふいて、何だかんだ楽し気に足を揺らしていた
その後は一気に残ったラーメンも片付けてしまって
「うっ、それを言われると弱いけどさ……」
「とにかく、之で改めて着替え、だね、ちゃんと僕みたいな… 堅磐寮住まい用の更衣室もあるみたいだし」
「僕はそっちで着替えてくるよ、じゃあ、後でね?」
すっく、と立ち上がり、会計を済ませればお互いが水着へと着替えるだろう
■風花 優希 >
「なぁに、まだまだ海はこれからだろう?」
やけに長く感じる食事だったが、実際には遊ぶ前の腹ごしらえだ。
まだ泳いでも居ないし、水着に着替えてすらいなかった。
食事を終えれば、会計まで済ませてしまって。
「ん、じゃあまた後で、かな。
……そういや君は、そっちだったな」
ああ、今更ながらに両性だったなぁ、などと実感しつつ。
自らも男子更衣室に向かうのだった。
■マト >
「そうだね!此処からが本番だ」
そういってスクール水着姿で合流してくるマト
ワンピース姿の時の体格で何となくわかっていたが、その体はスレンダーであった
案外男ものの方の水着でも通用するかもしれない、身体的には男性より、なのだろうか?
「やっぱりこの水着も中々動きやすいね、体にぴったりしてるのは少し気になるけど……」
「じゃあ、まずは海辺まで……ついに海デビューだね」
「海についてはちょっとは調べてきたよ、水がしょっぱいとかね」
それは基礎中の基礎知識である
■風花 優希 >
「よっと、お待たせ」
着替えてくるのも早いもの。
服を脱いで学校指定の水着を一枚着こむだけなので当然といえば当然だが。
とはいえ、一応はパーカーは着こんだまま。
バックはそのまま常備しているようだった。
「最初は波打ち際で軽く遊ぼうか。
海に慣れてからの方がよさそうだしな」
マトの言葉に苦笑しながら、じゃりじゃりと砂浜を踏みしめながら歩を進める。
ざぱん…ざざぁ…と波が引いては押し、引いては押しの浜辺へと。
■マト >
「まってないよ~」
何て笑いながら二人で波打ち際へと歩いていく
ぱちゃぱちゃと、まずはお約束の様に足先で波に触れた
「之が海… で、海水かぁ」
「思ったよりもなんてことも無いね、ただの水だ、だけど――」
「広いねぇ」
当たり前の感想を述べながら、水平線を望む
「砂もどこまでもさらさらしていて、海と混ざり合っている部分は足が取られそうだ」
「結構、波って勢いがあるんだね、油断したら持ってかれちゃいそうだ」
何て足首までを波に濡らしながらしげしげと、波が寄せては引く様を眺めているだろう
■風花 優希 >
「そりゃあ、地球に7割は海だしね」
足に波が掛るくらいまで近づきつつ。
海の方が多いんだよ、などと軽くぼやく。
「今日はまだ、凪いでる感じだけど、もっとすごい波の時も在るよ」
ともあれ、足首くらいまで波が来るところまで来れば、軽く手をこまねいて。
「ほら、もうちょっとこっちに来なよ」
まさかこれくらいで流される事は無かろうと、そう安心させるように微笑んだ。
■マト >
「そんなに多いんだ、流石にそれだと僕でも全部固めるのには100年規模でも足りなさそうだね」
そもそもエネルギーも足りないけど、なんて笑いながら
「それは怖いな、僕、強い風の時とかは飛ばされそうでちょっと困るしさ」
何て言いながらも優希に導かれるようにゆっくりと近づいていって
「お風呂とはやっぱり勝手が…… 」
ざぱぁっ、と、示し合わせたかのように突発的に強めの波がマトの膝を襲って
「お、っと、っと、っとぉ……!」
軽い体をゆらゆらと揺らしながら――
ぱしゃあん!と、お手本の様にうつ伏せに海に浸かってしまった
■風花 優希 >
「そんなことが出来るなら、そりゃもう神様だよ」
くつくつと、冗談めかして笑い返す。
ざざんと波打つ海の浅瀬で、水の感触を味わいながら静かな波風で髪を揺らして。
「飛ばされそうって…ああ、結構…軽いんだっけ、そういえば」
今更ながらな、忘れがちな事実を思い返していた頃に、それは起こった。
ざぱりと少し強めの波が起きたかと思えば、マトの身体が暗りと揺れて…
「って、おおっと!? …大丈夫かい?」
その身体がうつぶせに海に浸かる。
咄嗟に優希は傍に駈け寄りその身体を起こそうと肩を抱く。
■マト >
「神様かぁ、優希がいうと説得力があるね?」
マトは初めて会った時の事を何となく思い出しながら近づいていく
彼の滑らかな髪が揺れる姿に目を細めて
或いは、それも足を取られる原因だったのかもしれない
「はふっ、けほっ、しょっぱ、ぃ……」
抱いた体は本当に軽く、まるで人型のマネキンでも抱いているかのようだ
線の細さも相まって、優希でも力をいれれば壊してしまいそうな印象を受けてしまうかもしれない
彼女が纏わせている桜の花のような香りが、潮風に混ざって鼻をくすぐるだろう
「あ、ありがとう……」
「……僕、泳ぐの苦手かもしれない……」
「手、離されたら持ってかれそうだ、ちゃんと立てば大丈夫だと思うけど」
抱かれているお陰で更に波にさらわれる事は無かったが、彼女はあはは、と何処かばつの悪そうに笑う
実際優希が支えている間もマトの体は波に遊ばれてゆらゆらと揺れているだろう
薄桃色の髪がびったりと海水で濡れて体に張り付いていて
「ちょっと、重石とかあったほうがいいのかなぁ」
何て言いながら、何とか手を借りて立ち上がろうとするだろうか
■風花 優希 >
「ありゃりゃ、顔面から行ったもんなぁ」
それは口にも海水が入って当然だろうと。
抱き寄せて身体を越したマトが、他には何ともなさそうな様子にはほっとして。
けれども直ぐに、鼻を擽る海には不釣り合いな桜の香りに目を背けて。
「あー…それじゃあ、暫く支えてようかな」
マトが流されぬように、肩を抱いたまま。
桃色の髪の毛が風で靡き、自らの身体にも触れる感触に少しくすぐったげに。
「もしくはもうちょっと重くなるかだなぁ。
…どうにかできそう?」
■マト >
「顔がびちゃびちゃだぁ……ふはっ」
でも、ちょっとだけ楽しそうに海水を吐き出して
「そうしてくれると助かるよ、ふぅ……」
肩を抱く少年の腕に、何とも言えない安心感を覚えながら身を寄せて
そのままそれを支えに何とか立ち上がりつつも
「うーん、僕の力で固める……例えば表面だけを氷にして上を歩く……とかなら出来そうだけど」
「それじゃ泳ぐって言わないよね……」
「一度試してみたんだけどさ、僕自身を直す事は出来るけど、組成……形を変えるのはできなさそうなんだ」
と、困ったようにむむむ、と唸っているだろうか