2024/10/27 のログ
ご案内:「空き教室(性別種族Free)」に小鳥遊日和さんが現れました。
ご案内:「空き教室(性別種族Free)」に東山 正治さんが現れました。
■小鳥遊日和 > 「いやあ、相変わらず蘚苔学の授業わかんねえな…」
「でも小鳥遊先生のコスプレ姿は毎年”良い”よ。 見る甲斐がある。
特に今年はシスター風…。 あの体つきにあの衣装だ…。」
「そうだよなあ、衣装でも胸のデカさがグッとアプローチしてくるよな。
コスプレしてなくても…デカいし。 …デカいよな?」
「何言ってんだ。 小鳥遊先生はどうみてもデカいだろ。でかでかだろ」
「いや、そうじゃなくて…でかでかだったっけ…?いや、でかでかか…」
廊下を歩み去っていく生徒たちの感想を聞きながら、小鳥遊は頬を染めて尻尾を振る。
生徒たちに褒めてもらえるのは嬉しいし、授業を受けてもらえるのも嬉しい。
でも、もうちょっと授業の内容について思いを馳せてほしい…。
嬉しさ半分、恥ずかしさ半分な気持ちで、教室を丁寧に掃除しながら人を待つ。
”いつもと何も変わらない”一日だ。
■東山 正治 >
すれ違う生徒が妙な噂話をしている。
同僚の話だ。まぁ、年頃の男子だ。
こういっては何だが男女のレベルが高い昨今、
そういう下賤な話題をするのは何もおかしい話じゃない。
かくいう東山も若い頃にはしたものだ。
ある意味日常、青春の一幕か。
精々本人にはバレ内容にすべきだとは思う。
「(つーかデカデカってなんだよ……小鳥遊って……多分小鳥遊ちゃんだよな?)」
可愛い"男子"教師の小鳥遊教師。
自分の記憶の限り大きいところは何も無い。
寧ろ貞淑なイメージのが強い。仮装だろうか。
この時期には珍しいことじゃない。ともかく、
呼び出された空き教室の扉を数回ノックし、扉を開ける。
「失礼。小鳥遊ちゃん、なンかよ……」
そこにいたのはでっかいけもの。
ああ、全然違う人だったわ。
「ごめん、人違いだった」
がらがらー。
■小鳥遊日和 > 「あっ、東山先生!」
背中を向けて掃除していたけれど、声と匂いでわかる。
ぱっと身を翻して相手を見る。 ちぎれんばかりに尻尾が揺れていた。
「あれっ!?」
すごい勢いで扉を閉める相手に驚いて、大急ぎで駆け寄る。
「東山先生? わたしですよ、小鳥遊です!
あっ、あれですかね、衣装が似合いすぎて本職の方と見間違えたとかでしょうか?
恥ずかしいというか嬉しいというか…えへへ…」
嬉しいオーラを全身から溢れさせながら尻尾を振る。
まさしく犬かなにかのようであり、そしてなによりその胸が豊満であった。
「学生さんたちもそわそわしてるんですよ。
ハロウィンシーズンですからね、何かすごいことが起きないかって…。」
生徒たちが去っていった廊下を眺めながら呟く。
もちろん、そわそわしているのは自分も同じなのですが、と付け加えると、
照れくさそうに笑った。
■東山 正治 >
完全に閉める前に駆け寄られた。
本当に犬みたいに速い。声も……なんか違う。
東山は公安委員会、隠密機関の人間だ。
仮装、即ち変装等に関しては本職としての知識がある。
「いや、小鳥遊って……どう見ても別物っていうか、うん。
現状起きてるね。スゴい事。オレの目の前で」
劇的ビフォーアフターなんてレベルじゃない。
変装というより、もう別物だ。そういう魔術か?
訝しむが、場所に間違いはなさそうだ。
一旦、此の目の前のメスケモを小鳥遊(仮)としよう。
「似合う似合わない以前に……まぁいいや。
オレの知ってる小鳥遊ちゃんなら、この前の買い物でさ。
オレにわざわざ送ってくれたモンあったよな。何か覚えてる?」
典型的だが、プライベートの質問だ。
コレが本当にあの小鳥遊日和なら、わかるはずだ。
いらないと言ったのに律儀にもってきたネクタイピン。
一応今のネクタイにもしてはあるが、さて。
■小鳥遊日和 > 嬉しいオーラをほとばしらせている自分とは違い、
なんだか怪訝な表情を浮かべる東山先生。
なにか調子でも悪いのだろうか?首を傾げて心配気な表情を浮かべた。
「すごいこと…起きてますよね…!」
力強く頷く。 別人と勘違いされるだなんて、この衣装も伊達ではないということだろう。不思議な衣装屋さんにお願いしてよかった。
「えっ、この前のお買い物ですか? ええ、ネクタイピン…。
今身につけてらっしゃるそれだと思いますけど…。」
段々と不安げな表情になってくる。
まさか。ネクタイピンが壊れちゃったとか?初期不良とかかもしれない。
でも、見たところ曲がったり折れたりはしていなさそう。
「…な…なにかあったんですか…?」
ごくり。息を呑んで問いかけた。 送ったタイピンになにかあったのなら、
レシートを探しておかないといけないかもしれないし。
■東山 正治 >
何ということだ。出来れば外れて欲しかった。
どうやら目の前の獣人、メスケモは本人らしい。
額に指先を当て、深い溜め息が漏れた。
いや、待ってほしい。自分の知る限り、
先祖返りなんてのは起き得る家系ではないはずだ。
一旦気を取り直そう。東山の表情は当然優れない。
「……、……いや、何でもねェよ。
小鳥遊ちゃんが余りにも"様変わり"しちまったモンで……」
いや本当にね。
様変わりするってレベルじゃないんだけど。
だが冷静に考えれば、今や魔術で変装することも出来る。
その類……なんだろうか。落ち着け、東山。
とりあえず一個一個紐解いて行けばいい。
軽く目の間を指先でほぐし、一息。
「まぁ、何だ。本当にスゲェ様変わりしてる。
何処の魔法使いにしたててもらったんだい?
オレ的にはどうせなら、かぼちゃの馬車が似合う格好のがいいんだけどね」
■小鳥遊日和 > 「そうですか? 様変わり…たしかにそうですね…。
やっぱり衣装をお願いしたところが良かったのかも。
ハロウィンのために『特別な』衣装を用立ててくださるって仰ってたんですよ!」
誇らしげな表情で尻尾を揺らしながら、自分の体を軽く撫でる。
大きな大きな胸、くびれた腰、むっちりしたお尻と太もも…。
どこをどう見ても紛れもなく自分のはずだ。たぶん。なにか違和感があるけど、
きっと慣れない衣装のせいなのかも。
「ええと、たしか…仕立て屋さんの……。 銀髪で可愛らしい…。
あれ? 仕立て屋さんの……??
えっと…えっと、名前忘れちゃったみたいです!
お願いした衣装の出来が良くて飛んじゃったんですかね?」
衣装を作って暮れた相手を思い出そうとするも、どうしてもおぼろげにしか
思い出すことができない。 笑って誤魔化して見ようとするも、獣耳と尻尾から
どんどんと元気がなくなっていくことから、自信がなくなっちえることは明らかだった。
■東山 正治 >
聞いてて思わずずっこけそうになってしまった。
此れを"仕立て"の範疇にするには、タチが悪い。
そもそも存在そのものを組み替えたような、
或いは種族そのものを変化させたような有り様だ。
「初手トリックは反則だぜ、小鳥遊ちゃん……」
頭くらい抱えたくなる。
とりあえず都合よく合ったでっけぇ鏡の方へちょいちょい。
その肩を掴んでよーくみろ、と言わんばかりに立たせておく。
「とにかく、かけられちまった、と。
良く見てみろよ。スゲェ有り様だよ。
コレで"小鳥遊です"って言われてもわかんねぇよ」
「……まぁ、いいや。
こういう日位は別にいいんだけど……戻れんの?それ」
問題はそこだ。
■小鳥遊日和 > 「えっ、わたしまだ何も……。」
相手の言葉に不思議そうにする。 手招きをしてもらえると、
尻尾を振ってそっちの方に小走りで駆け寄る。たわわな胸が揺れた。
「わたし……えっ…?」
鏡の前に立つ。 長いマズル、全身を覆う獣毛、たわわな胸…。
シスター風の衣装を除けば、いつもの自分であるはずだ。
はずなのだが。
「すげーありさま…」
たしかにセクシーすぎるかもしれない。自分でもちょっとドキドキするし。
でも衣装が普段と違うだけで、東山先生が自分を見紛うほどでは…。
「もど……?」
首を傾げる。徐々に頭の中のパーツが整っていく。
この姿。東山先生の問いかけ。生徒たちの会話。そして違和感。
不安にかられて、東山先生の腕に抱きつく。
たわわな胸の谷間にがっしりと腕を抑え込みながら、
目に涙を浮かべて相手を見上げた。
「あの…わたし、なんでこんな姿になっちゃってるんですか…?
戻れるんですかね…?」
きゅーん、と悲しげな犬の鳴き声を上げながら、問いかけるしかなかった。
■東山 正治 >
胸がめっちゃ揺れる。
東山も一応男だ。枯れ気味だが、性欲がないわけではない。
事実不慮の事故とはいえ、友人抱いたし。
そう考えるとなんかろくな思い出ないな。
ただでさえ今下り坂なのに余計下がってきた。ハァ……。
「…………」
でもなんだかんだ抗えない。
揺れたら見ちゃう。クソ、男なのが今ムカついてきた。
「な?スゲェ有り様だろ?
ていうか、今の今まで自分の姿見てなかったのかよ……」
流石にそれはちょっと無防備すぎる。
彼(彼女)は純粋すぎだ。人をすぐ信じるし、
騙されるところもあるかもしれない。多分此の場合は……。
「えっ。戻れるよな……?えっ???」
多分、後者。
あっけからんとした答えに思わず真顔。
流石に冗談がすぎるぜ、と口元が引きつった。
涙目の彼女には悪いが視線は揺れる胸に落ちた。
揺れすぎだろさっきから。胸毛だと言ってくれせめて。
「い、いや、戻れるかはわかんねぇよオレ???
こういうのは多分、祭祀局の管轄だろうしな……。
つーか、そんな保証もなしになったのかよ……」
呆れるよりほかない。肩を落とし、頭を抱える。
「……因みにオレを呼び出した理由ってコレ……
……じゃ、なさそうだよなぁ、知らなかったんだもん」
■小鳥遊日和 > 「今まで姿見てなかったっていうか、見たけど気づかなかったんですよ…!
違和感を感じなかったというべきでしょうか…。
『仕立て屋さん』から衣装をいただいたときは、服と獣耳だけだったんです。
こんな風になっているなんてことも気づかなかったし、もしかしたら…。
気づかないようにする何かが仕込まれていたのかも。」
ごそごそ。ポケットに入れていた教員証を眺める。
女性であること、獣人であること、植物学及び蘚苔学の教師であること…。
それらの情報を見て唸った。
「教員証レベルで書き換えられている…んだと思います。
元にもど…えっ? ひ、東山先生!助けてください!!
保証もなにも、受け取ったときとかはこうじゃなかったんですもん!」
鼻をぴすぴす鳴らして必死におねだり。 哀願する犬がごとき情けなさだ。
「理由は…そうですね。せっかくだから学生通りを一緒に歩きません?って思って…。
あっ、お散歩とかそういうわけじゃなくてですよ?」
今のこの姿だし、てっきりペットのお散歩みたいに扱われてしまうかも知れない。
事前に防衛線を張っておいた。
■東山 正治 >
「…………」
そう言えば通りすがりの生徒が話していたのを思い出す。
小鳥遊先生はでかでかとか、なんとか。実際デカい。
教員証の写真も今の獣人の姿になっている。
認知レベルでの改変の術。実際高度ではあるが、
此のように効く人間と効かない人間もいるらしい。
「手の込んだイタズラ……にしちゃあ、
ちょいとやりすぎだな。人をシンデレラにするにゃ、
カボチャ頭も笑いものにするだろうさ」
苦笑するしかなかった。
お祭り騒ぎに乗じたって事か。勘弁してくれ。
ちょっと揺れたり鼻が鳴いたり仕草まで犬。
困った、昔飼ってた犬を思い出してきてしまう。
「まぁ、オレの専門外だから今すぐどうこうってなるとな……。
此の手の呪いの類は、祭祀局の連中に任せるしかねぇな。
図書委員会でも何とか出来そーだが……まぁ、ともかく、だ」
軽く首筋を撫でて、へらりと笑った。
「もののついでだ。
祭祀の連中に見せる前の散歩ってなら付き合ってやるよ」
しれっと犬扱いした。
此の男、犬を飼っていた経験のせいでちょっと犬に甘い。
■小鳥遊日和 > 「…どうされました…?」
ぎゅっと体を東山先生の腕に寄せる。
柔らかな膨らみはまさしく女性のそれであり、
そして間違いなくでかでかだった。
「そうですね、気づかなかったら、わたしはこのまま…。
コスプレ獣人女教師として定着するところだったかもしれません…。」
真剣な表情で頷くけれど、発言内容はあんまり真剣じゃなかった。
「ふーむ、たしかにそうですね…。 得意な方々に診てもらう方が、
判断も的確ですし治りも早いでしょう。」
尻尾をゆらゆらと動かしながら頷く。
そして、一緒にお散歩に行ってくれるという言葉を聞いた瞬間、
全身の血が沸き立った。
「やったー!ありがとうございます!」
ちぎれんばかりに尻尾が揺れ動く。
ぴんと立ったみみと輝く瞳が喜びを顕にした。
「行きましょう行きましょう、早速行きましょう!」
ふすふすと鼻息荒く相手を促す。
腕にぴったりと抱きつき、鼻先をぐりぐりと相手に擦り寄せる様は、
見た目や言葉こそ人間によっているものの、明らかに犬が甘えるときのそれだった。
■東山 正治 >
「……いや、どうもしてない。
というか、相変わらず引っ付くね。クセ?」
そのでかでかが気になりますなんて言わない。
東山はノンデリでも童貞でもない。
一般的なスケベ心がちょっとあるくらいだ。
その証拠に腕に引っ付いても特に拒否しない。
何なら別に元の姿でも無理に引き剥がす真似はしなかった。
「(ヤバいな。まぁまぁな危機のはずなのに全然そんな風にみえねぇ)」
少なくとも人一人改変するような行いだ。
ある種の支配的能力は、使い方次第では、
簡単に人の営みを破壊できる。なのに、なんだ。
こう、絶妙に危機感が沸いてこない内容は。
「……まぁ、何?その、なんだ。
性根まで犬になる前になんとかしよっか。行くよ」
甘え方が完全に犬のそれである。
しかも結構パワーあるな、大型犬か?
ハハ、と乾いた笑みを浮かべる東山は、
旧友の事を考えれば正直胸中にデロリとした悪意が漏れそうだった。
どうして此の世界は、何時も奪ってばかりなんだ、と。
……そうして小鳥遊をエスコートし、
学園内から出て近くの通りへと出ることになった。
すっかり街もハロウィン一色だ。仮装だが本物だか、
わからない連中がごまんといる。正直うんざりだ。
こんなことの、何が楽しいのやら。
「とりあえず局までに色々あるし、適当に回るか……。
腹減ってるなら、食うモンにゃ困らないだろうしな。行きたいとこある?」
■小鳥遊日和 > 「あっ…はい、クセです! それにその…今の姿だと、
こうしているのが無性に幸せで嬉しくて…。」
尻尾を振りながら嬉しそうに相手の腕に抱きつく。
巨大な膨らみの間にずっぽりと腕がはまり込み、逃さぬと言わんばかりであった。
そのまま両腕を使ってぴったりと抱きつくと、甘えているような姿である。
「えへへ…おさんぽ、お散歩…♡
はっ、はいっ!そうですね、頭の中まで犬になっちゃう前に急がないと…!」
お散歩はとっても幸せ。こうして信頼できる人が隣にいてくれるのも幸せ。
尻尾を揺らしながら相手といっしょに…ぴったりとくっついて歩く。
忠実な犬のようでもあり、甘えているようでもあった。
二人で通りの方に出てみれば、自分たちより大変な…。
イチャイチャしている連中が目に入るのだった。
「はい、そうですね…。うーん……。」
場所について問われてフリーズする。
頭の中に浮かんできたのはペットショップであった。
首輪、お散歩道具、おもちゃなどなどが頭に浮かぶも、
ぶるぶると頭を振って考えを振り払う。
「だ、大丈夫です!ゆっくり行きましょう、ねっ!」
相手を見上げて嬉しそうに笑いかけながら移動することにした。
■東山 正治 >
「"クセ"……ね。
オレは別いいんだけどさ、戻ってもそのクセ、
少しは自重したほうがいいと思うよ?小鳥遊ちゃん可愛いからさ」
「男同士でも多分ドキドキしちゃう子は多いだろうしね」
別に恋愛だの何だのは好きにすればいい。
未成年ばかりの学園じゃないし、学園の体とした都市だ。
常識の法律の範囲内で好きにすればいいが、窘めはする。
人間関係の距離感は、互いの関係を省みて縮めよう。
「…………」
尻尾が揺れてるし、甘えてくる。
こ、此の雰囲気……飼ってた頃の犬と似てる……!
完全に散歩できてはしゃいでる時のあれだ……!
そりゃもう何とも言えない顔にだってなるよ。
「……ペットショップにもペット用品にもいかないよ?
あんまりヤバいなら引っ付かないほうが……つか、何?
今思ったけど犬になるならわかるけど、なんで胸が……、……」
「……まさかだけど、チンコついてない???」
適当に流してたけどコレ思ってたよりも拙い案件じゃないか。
周りがそれこそお祭り騒ぎだから誰も気にしてないし、
隣の小鳥遊もコスプレ獣人程度にしか見えないのだが、
事情を知る東山は、今何か冷たいものが過った気がする。
頼む、杞憂であってくれ。
■小鳥遊日和 > 「あ、ありがとうございます、気をつけます…!
生徒さんからも『年々成人男性力が下がっている』と言われる始末で…。
ちょっとは男らしくしないといけませんよね…!」
男同士というところに何度も頷く。
なにか違和感があるけど些細な話だろう。たぶん自分の男子力についての件だ。
「東山先生…♡」
尻尾を振りながら鼻先をぐりぐりと擦り寄せ、甘えた鳴き声をあげる。
はしゃいでいても甘え方は心得ている…聡い犬が取るような行動だった。
「あっ、そうなんですか、行かないんですか…。そ、そうですよね!
わたしはペットじゃないし犬でもないし…大丈夫…!
…えっ、胸が…なんですか?」
問いかけに少し考えるように視線を下げ……。
次に顔を上げたときには、驚愕の表情を浮かべていた。
「『シスターって”女の子がなるもの”』……。
仕立て屋さん、たしかそう仰ってました…!!」
たわわな乳、シスター、女性らしい体つき、教員証の”女性”の文字…。
そこまでピースが揃っていて股間が男性なはずもないが、
そこに”気付けない”ぐらいには、この変容は深くまで入り込んでいるのだ。
■東山 正治 >
「今はすっかり雌犬だけどな。
元に戻っても捲ってみるまで男ってわかんねぇし」
鋭い一言。
人の事を好いてはないからこそ、
簡単に悪口が出るような男だ。
今の状況って悪口になる???
「ッスゥー……成る程。成る程ね……?」
話せば話すほど頭痛くなってきた。
そんなにか、そんなにも影響力あったのか。
思わず変な息の呑み方しちゃったよ。
じゃあ何、今腕にあたってるコレ胸毛?
マジかよ。なんだか急に話変わってきたぞ。
東山が深刻な表情でちらりと横目で見やると、
そんなこととは裏腹にすっかり幸せそうな小鳥遊の顔。
「顔、蕩けさせてる場合じゃないと思うんだけど」
しっかりしてくれ、と溜息混じりに。
だが、しかし、しかし、だ。抗えぬ欲求もある。
そこは理解してる。だからね、これは不可抗力。
そんな事言いつつ、甘える犬の頭に手をおいてしまった。
ぽんぽん。
■小鳥遊日和 > 「雌犬…。 なんか急にこう、えっ?
事実を語っても名誉毀損になるケースもありますよ!?」
急に雌犬って言われた!事実ではあるけれどショックだ。
今の自分は雌犬なんだ…。
「それに東山先生仰ったじゃないですか。『性根まで犬になる前に~』って。
わたしのこと犬って言ったら、その分だけ犬に近づいてしまうのでは?」
ちょっとだけ反論。 東山先生が自分を犬として認識して犬として扱うほど、
自分だって染め上げられてしまうはずだ。
「顔とろけてないんですけど!? えっ、わたし雌犬って言われてとろけてました…?!」
突きつけられた事実に打ち震える。このままでは頭の中まですっかり雌犬になってしまう。
人間であらねば!!!強く意識しておかねば、あっけなく雌犬になってしまう。
大丈夫。わたしはつい少し前まで成人男性の人間だったはず。そう簡単に
「うぅ―――――っ♡ きゅ、くぅんっ♡
あたま、あたまっ、それぇ♡ もっとしてくださいぃ♡」
頭に乗せられた手に自ら頭をぐりぐりと押し付けて、とろけきった甘い鳴き声を上げる。
尻尾を振りながら体を、鼻先をぐりぐりと相手に押し付けて嬉しそうに鳴く姿は、
雌とか雌とかじゃない以前に犬だった。
■東山 正治 >
「名誉毀損……?コレで……?」
うっかり頭を撫でてしまったのは確かに悪い。
確かに悪い、が。それを差っ引いても何だこれは。
此の感じ、知ってるぞ。そう、あれはかつての現役時代。
自宅の玄関の前で、尻尾を振って待っていた愛犬。
そう、あれだ。あの感覚に似ている。
マズい、思ったよりも犬だコレ。雄雌以前に犬だコレ。
「いやまぁ、そうなんだけどね。
小鳥遊ちゃんさぁ……コレでちょっと言い逃れはまぁ……」
確かに色々言った手前なんですけど、
此処まで性根犬に変わる?ちょっと楽しくなってきたな。
逆にこれ何処まで行ってるんだ。どうせ戻るんだ(多分)。
祭祀にわたす前に久しぶりの犬成分楽しむか。
そう、東山はどうしようもないくらい犬派だった……!
「おー、よしよしよしよし……」
とりあえず頭をわしゃわしゃしつつ顎も撫でてみた。
犬のあやし方というか、その辺は久しぶりだな。
■小鳥遊日和 > 「は、判例上は事実でも悪評を広めると名誉毀損になるんですっ、
本当なんです、ほんとにっ、あっ、あぁっ♡ はひ、ひゃいぃ♡
ごめんなさいごめんなさいっ♡ 言い逃れでぎないですっ♡」
頭を撫でてもらっている。ただそれだけなのに腰が抜けるぐらい幸せで心地よい。
撫で方、力加減の一つに至るまで、まさしく完璧な……犬に触れていた人でないと
会得できない、触れ方の境地。 犬のためのそれを、人間の精神が浴びてしまったのだ。
まともでいられるわけがなかった。
「うるる……♡っくぅんっ、あ、っ、はあっ、はふ、はふ♡
あたまぁ、幸せでっ、わらひ…あぇぇ…? もっとしてくださひゃひ…♡」
長いマズルの顎の部分、そして頭。 撫でて貰えばもらうほど、頭の中が幸福感に
塗りつぶされていく。 情けない声を上げて尻尾を揺らしながら、
相手の手に自分を任せることしかできなかった。
これじゃあ東山先生の言う通り、犬に染まりきってしまう…。
あれ?でも犬に染まりきって困ることなんてあっただろうか?
こうして撫でてもらって幸せでいられるなら、犬で悪いことはなにもないのでは?
とろんと目尻を下げ、すっかり脱力した状態で相手にすがりつくように抱きつく。
浅く早い呼吸を繰り返し、長い舌をだらんと出しながらすっかり至福の表情を浮かべていた。
■東山 正治 >
仕立て屋がどうとかいっていたが、
確かにこれは見事なものだとは思う。
此の毛ざわり。絶妙なもふもふ感。
指先に絡まらず、かといって深すぎないボリューム。
うーん、愛でるのに丁度いい。このでっかい乳も、
どうせ幾つかは胸毛っぽいけどなぁ。
……荒んだ心の中年男性。
動物のセラピー効果は実際テキメンだった。
意識か無意識か、すっかり堪能してしまった。
は、と気がついた頃にはもう遅い。
「やっべ……」
自分が思うよりも彼が感じるものは強烈っぽい。
とろんとした夢心地。すっかり主人に甘える犬の顔。
それなりに気をつけていたつもりだが、ダメだったらしい。
頬が引きつる。自分でやってちゃ世話がねぇ。
笑うしか、なかった。
「お、落ち着いてな小鳥遊ちゃん?な???
オレもやりすぎたから、ホラ。さ、祭祀いかないとさ。
お、おーい。ホラ、戻ってきなよ。な?」
落ち着くように背中トントンしてみる。
抱きつかれても困惑しか無い。大型犬かよ、ほんとに。
■小鳥遊日和 > 頭を撫でてもらうたびに、どんどんと『馴染んでいく』。
獣耳も、尻尾も、大きな胸も、女の子の体も、そして犬としての精神も。
東山先生が我に返って背中を叩いてくれると、夢心地な状態から目が覚めた。
「わんっ♡ あっ、はいっ、おさんぽ、祭祀局までおさんぽですよねっ♡」
段々と意識がはっきりしてくる。
わたしは雌の犬(エッチな意味ではない)で、
信頼できる人にいっぱい撫でてもらうこととお散歩が大好き。
今日は祭祀局というところにお散歩にいくのだと言われて、
ものすごく嬉しくなって…この人にじゃれついていたところだった、はず。
相手の腕にしっかりと抱きついて、ぐいぐいとひっぱる。
人間同士がやるとデートみたいな姿勢らしいけれど、犬と人がする分には
何ももんだいないはずだ。
「はやく行きましょう、おさんぽ行きたいです!」
尻尾をちぎれんばかりに振りながら、文字通り屈託のない…
あどけない笑顔を向けて、嬉しそうに鳴いた。
■東山 正治 >
「ちげーよ!!元に戻すつってんの!!」
いかん、うっかり犬派だからって触れたら、
とんでもないことをしてしまったのではないか?
いや、まだ犬の精神に感化されているだ。
小鳥遊日和だ。彼は教師であり、犬ではない。
けど、完全に仕草は犬だ。ハァ、疲れ切った顔で溜息を吐いた。
「オレがやったことでもあるし……最悪責任とらねぇとなぁ……」
もしかしての最悪を考慮すると、
トリガーを引いたのは此方である以上仕方ない。
最悪上手い具合に"人より"というより、小鳥遊よりに思考矯正が必要だ。
自分は教師だ。導くだけの力はあるはず。
期待はしないが、手は尽くさねばならない。
そんな複雑な感情が入り混じったぼやきだった。
「わかった、わかったから……小鳥遊ちゃん引っ張らないでね。
お散歩じゃないの。これから治しに行くの。オッケー?」
思えば妙に距離感近かったし、
一体自分の何に懐く要素があったのやら……。
どうどう、と手のひらを見せて落ち着かせながら、
とんでもないトリックを片手に祭祀局へと向かう。
さて、この先どうなることやら……。
■小鳥遊日和 > 「ひゃい!?」耳をピンと尖らせて、相手の声に驚く。
けれど、すぐに尻尾を揺らしてじゃれつき始めた。
お散歩に行くのは間違いないのだし、とっても幸せだからだ。
「責任…? でも、なんとなくですけど…。」
一緒に歩きながら、鼻をひくつかせる。
あたりに漂う匂いに、少しだけ真剣な表情になった。
「これ、責任どうこうって話じゃないと思いますよ。
たぶん祭祀局…すごい混んでると思います。」
魔力、仕立て屋さん、そして歪みの<匂い…>
学生通りに満ちるそれらが、すくなくても
彼一人どうこうの話ではないことを物語っているのだとわかった。
「おさんぽ…おさんぽじゃないんですか?治しに行くお散歩ですか?
途中でなにか食べていきますか? それとも何か買っていきますか?」
尻尾を振ってじゃれつきながら、一緒に通りを歩いて祭祀局へ赴く。
祭祀局は人混みでごった返しており、集まった人々は口々に
「気がついたらモンスター娘になっていた」だの「性別が変わってしまった」だの
「ハロウィンの衣装が飛びかかってきて気がついたら強制着用させられてた」だのと
口々に混乱を訴えていた。
「ね」
げんなりする東山先生の隣で、忠実な犬は誇らしげな表情を浮かべ、尻尾を一振りするのでありました。
ご案内:「空き教室(性別種族Free)」から東山 正治さんが去りました。
ご案内:「空き教室(性別種族Free)」から小鳥遊日和さんが去りました。