設定自由部屋です。常世島内であるならご自由に設定を考えてロールして戴いてかまいません。
また、ここでは回想的なロールも可能です。ですので常世島の外でも構いません。しかし、あくまでメインは常世島の内部でお願いできればと思います。
その他常世島内の特殊な場所や、シチュエーションなどにご利用ください。

●フリー設定ルームです。最初に入室する人が部屋の設定を自由に設定できます。
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●この部屋には固定パスワードが設定されています。
参加者(0):ROM(1)
Time:00:16:13 更新


ご案内:「青垣山【回想】(ソロ)」から???さんが去りました。 (11/25-00:24:34)
??? > ━━━━━━━━━━━━。







……………………夜が明けていく。
雲間から顔を覗かせた陽の、紅い、朱い光条。


抉れた地面、凪がれた木々。新たにそこも恐らくは、命が芽吹きやがては消えていくだろう、傷跡。


……突き立った槍が一本、破れた上衣の家紋を縫いとめるように、佇むのみ。
(11/25-00:24:14)
??? > ━━━━━━━━バグンッ。 (11/25-00:21:07)
??? > 「━━せめて、お前を……っ、ここ、で…………っう”ぇ」

頭の半分が熱い。
もう両の眼で見てもやれない。
ひしゃげた腕が、手の中の相棒を手放そうとするのを抑え込む。
叩きつけられて、何度も跳ねる躰を、槍を地面に突き立てて止める。
全身が麻痺したように感覚を遠くに手放す。それでも意識は手繰る。

口の中が少しだけ広くなった。吐き出したら、白いものが幾つか足元に落ちる。
……たった一撃掠めただけでこうなってしまっては。


「━━は、はっ、はははは」

もうなんだか、いっその事笑えてくる。

自分が刻んだ傷は大した事もなかろうと、地面に這いつくばった形から、四つん這いに、その鬼は顎を開いて、

「━━━━」
土をかいて、立ち上がり。
穂先を折った槍を構える。もう、先などは無いと、重みを失った己の心の中。

「━━━━ごめんな、最期までお前のこと、ちゃんと呼んでやれなかった。
…………でも、悪ぃ。ここに、お前が居なくて、良かったよ……」

━━━━地面を蹴る。向かうは顎の中。内より、最期の全身全霊を以ての一撃を与えようという、”諸共砕命”の疾駆。


「━━━━……元気でな。



”× × ×”」
(11/25-00:19:27)
??? > ━━━━大きく凪ぐように、巨躯の腕が払われて。

着地から身を翻すように再びの跳躍が僅かに遅れる。
掠めるだけで、蟻の如く矮小な比の躰は弾き飛ばされる。

…………世界の半分が赤く染まり、ぐるぐると回る世界に眩んだ。
脳裏に、幾つかの光景が浮かび。

「━━━━っぁ、が」

━━━━誰かの笑顔が、薄れる意識を覚醒させよと頭に滲んだ。
何時も呑気にしてそうで、しっかり者だった誰か。居るのが当たり前の存在が、今戦う存在に脅かされることなんて、許せなかった。

……此処で終わるのだとしても、それでも、自分は。
(11/25-00:08:59)
??? > 歩むだけで山河を抉り、拳を振るえば地は瞬く間に焦土となりうる巨大な鬼。

ダイダラボッチと仮に呼ばれた怪異との、孤立無援の特攻(ばんゆう)。
故に、段々とその動きは精彩を欠く。それでも槍を振るう腕が止まることがないのは━━━━。


「っ、この…………いい加減、膝ァ着けよ!!」

地面を蹴り割って、今までの足のみに集中させていた攻撃の方向を、斜め上へと向ける。食い込ませた穂先を軸にして、そのまま身体が水平になるように相手の腱に足をつけ。

「うぉぉおおおォォォオオッ!!」

力のままに、食い込ませるままに足を駆け上がっていく。重力を振り払って、垂直に駆け上っていく。
建物の壁より踏みしめる感触は凹凸が無いのを、食い込ませるほどに足が力むことで離れない。
足首を縦に掻き、鬼の腿までを抉り、腹部まで駆け上がっていくと、後方へとバク転。
上へと切り払う縦の一閃から、

「出雲槍術━━━━活八(かつはち)ッ!!」

穂先が霞むほどの速さで、上から、下から、斜めに切り払う所作。
×字に傷を与える一撃が、轟音を立てて崩れ始める巨躯に、一撃二撃と刻まれる。
空中で重鎗を振り回す。制動に関節が悲鳴を上げる。それでも攻撃の手は止まらない。
落下しながら傷を与え続け、着地と同時に倒れ込んでくる巨躯を避けて距離をとる。


━━━━その刹那。
(11/25-00:02:39)
??? > 赤い髪は尾のように伸びた一本結いを豪風に揺らし、影が遅れて追随していくように靡く上衣。
刻まれた家紋は、何処かの武家の紋にも伺える。

闘志が極限までその緋色の瞳孔を細め、血筋が走る程に見開かれて、常に対象の動きを捉えて離さない。
鍛えられた細指が握るのは鉛の大槍。穂先の太い重鎗を巧みに使いこなし、迫り来る巨大な足を駆け抜けながら突き、切り裂き、離れては再び、土煙を爪先一つで叩き起しながら。

「ぉおおおおおッッ!!!!」

裂帛の叫びと共に突き立てる。既に何度繰り返し、何度叫んだかも判らない。
掠れかける声の末、それでも振り絞るような声は。

”それが決して己の身一つで叶うことの無い業であっても、全てを尽くし切る最後の戦だという決意があった。”


━━━━為し得ぬ所以は、ただ一つ。
先から切りつけ続けるものは。

己が蟻のような小ささに比較されてしまうほどの巨躯を持つ、一角の鬼との決闘だからだ。
(11/24-23:52:02)
??? > ━━━━轟音。地鳴り。世界が揺れ、大地が慄くように足の自由を奪う。
踏みしめた土の感触は硬く、それ故に踏ん張りこそ利くが、振動がバランスを奪う。

「ッ!」

━━━━両の手で槍を握りしめて、振動の中心へと疾駆する。土煙に覆われた視界。
突き破るように現れる巨大な足の側面を抜けながら、

「━━う お ぉおおおおおおおおおおッッ!!!」

穂先を滑らせるようにして切りつけ、火花を散らしながら駆け抜ける。



━━━━x年前 青垣山

巨大な人型の怪異に、その若者は、単身で槍を携えて挑んでいた。
(11/24-23:42:08)
ご案内:「青垣山【回想】(ソロ)」に???さんが現れました。 (11/24-23:36:57)
ご案内:「住宅地郊外の別荘」から花ヶ江 紗枝さんが去りました。 (09/16-02:58:20)
ご案内:「住宅地郊外の別荘」から冬桐真理さんが去りました。 (09/16-02:56:52)
花ヶ江 紗枝 >   
「私はもう少し起きている事にするわ。
 読んでしまいたい本があるの。
 気にせず休んで頂戴。おやすみなさい」

微笑んで答えると軽く手を振って客間へと歩んでいく背中を見送る。
パタンと閉まる扉を見ると一つだけため息をついて。

「お茶だけ始末してしまいましょうか」

立ち上がると至極ゆっくりとした動きで急須のお茶を容器に移し
冷凍庫の氷をいくつか入れるとそれが溶けていく様子をじっと眺めて

「ごちそうさま、か」

随分久しぶりに言われたなと嘘の無い笑みを浮かべる。
此方にいる間だけは誰かのために料理するのもいいかもしれない。
……外にいたあの子にもご馳走できるものも考えてみよう。
夜はまだ長い。眠れない私にとっても。
けれどただ苦痛なだけの時間も、
誰かのために考える事があれば少しは気がまぎれるかもしれない。
……私にそんな資格はないかもしれないけれど。

「……」

ゆっくりと立ち上がるとキッチンの入り口にあるスイッチへと手を伸ばす。
誰もいないキッチンの机を一瞥し、複雑な感情の混ざった笑みを浮かべると

――パチン

スイッチの切れる音と共に静寂と暗闇が訪れ、
その中を上階へと上がっておく靴音が響き、そしてそれも消えていった。
(09/16-02:48:57)
冬桐真理 > 空になった湯飲みを置き、ふぅ、と一息つく。
時計を見れば結構な時間であることを知らせ。
よっこらせ、と立ち上がっては食器を流しへ持って行き手早く片付け。

「ご馳走様、美味しかったぞ」

普段のしかめっ面からは少し意外な、柔和な笑みで語りかけ。
いくつかとりとめもない話の後、寝室へ向かう旨を伝える。

「それじゃあ、あたしはそろそろ寝るよ。あんたはどうする?
さみしいなら添い寝でもしてやろうか?」

ククッと笑いながら二階の隅、シンプルさが目立つ客間へと消えていく――
(09/16-02:32:41)
花ヶ江 紗枝 >   
「召し上がれ。
 大したものは作れていないけれど」

柔らかい笑みを浮かべながら
箸が動く様をのんびりと眺め、
時折日本茶を口に運んで

「はい、お粗末様でした」

両手を合わす所作ににっこりと笑みを返す。
人に食事をご馳走したなんて随分久しぶりな気がする。
実は結構料理自体は好きなのだけれど
後輩の前で料理をするとしょんぼりしてしまう子が時折いるので
寮にいる時は基本控えているし、本島では料理をしようものなら
元当主がそんな……と陰口を叩かれかねない上、もう食べてくれる人は何処にもいない。
必然的に自分だけの時しか殆ど作ることはなくって……

「ええ、そうね」

短い返答に感情が籠る。
やはり人に美味しいと言ってもらえるのは楽しいもの。
美味しそうに食べてくれる相手なら猶更。
(09/16-02:22:05)
冬桐真理 > 「ああ、すまないな・・・お言葉に甘えさせてもらうよ」

セットしておいたテーブルに着き、カウンターを眺める。
程なくして、緑茶の入った湯飲みときっちり揃えられた夕飯が目の前に並べられる。

「待つ時間も楽しいものだよ。それじゃあ、いただきます」

相手が席に着くのを確認して、合掌。
湯気を上げる味噌汁を軽く吹き冷まし、一口。

「はぁ――いい腕だ。身体に染み渡るようだ」

満足げに頷きながら賞賛を。小鉢、主菜へと箸を伸ばし舌鼓を打つ。
静かながらも温かな食卓をひとしきり堪能する。

――完食。美味でございました。
両手を合わせてごちそうさまと挨拶で〆る。
緑茶で口をさっぱりさせながら心地よさそうに眼を細め。

「やはり、人と卓を囲うのはいいものだな――」

ぼんやりと、そんなことを思い呟く。
(09/16-02:11:32)