学園地区の校舎群の一つ。様々な教室や研究室などがこの建物の中に設置されている。
外観としては現代的なビルのようなもの。
※それぞれの教室などの詳しい情景などはある程度自由にしてくださって構いません。
参加者(0):ROM(1)
Time:10:15:26 更新
ご案内:「第一教室棟 食堂」から風花 優希さんが去りました。
■風花 優希 >
「形がある方が、後で手元に残りますからね」
よさは分かりますよ、とそう返し。
軽く会釈を返せば、少年もまた食器を厨房へと戻し、
食堂を跡にするのだった。
ご案内:「第一教室棟 食堂」からポーラさんが去りました。
■ポーラ >
「ふふっ、どうかしらね?」
少年の答えに楽し気に笑って、風呂敷を抱えながら立ち上がる。
「今時、古臭いでしょう?
でもこういう時、ぱっと渡せて便利なのよ。
それじゃあゆーちゃん、また会いましょうね」
そう言って、小さく手を振りながら、食堂を後にするのだった。
■風花 優希 >
そうした子供たちの良い刺激になるかもしれない。
理由の方は腑に落ちても、そのまま誘うのには少し面を喰らったら叱った。
けれども、その穏やかな微笑を見れば納得も行くものだ。
「そっちが本音だったりしませんよね?」
なので、そんな冗談を返しつつ、アラーム音に小耳を揺らす。
自分もまたふと時計を見れば、まだ時間はあるがそれなりに話し込んでいたようだった。
「いえいえ、こちらこそ。
食後はどうせ暇してましたし…ああえっと、名刺ですか、はい確かに」
ともあれ、目の前の先生はもう時間のようだ。
少年も立ち上がり、食器を戻しに行く構え。
名刺を受け取り、軽く一瞥してからひとまず懐へと仕舞うのだ。
■ポーラ >
「ふふっいいわねえ、ゆーちゃんらしさ、って言うのかしら」
少年の可愛らしさだけでない、芯のある所を見て、教員として嬉しそうな笑みを浮かべた。
「そうそう、わたしの教会……と言うよりは養護施設かしら。
ちょっと訳ありの子ばかりで、困らせちゃうかもしれないけど……」
少年の返答に、少しホッとした表情を浮かべて、穏やかに微笑むのは、どこか母性を思わせるかもしれない。
「その時は、お礼にとびきり素敵なお着物を着せてあげちゃおうかしら。
……あら、もうこんな時間なの?」
懐から小さくアラーム音が鳴って、時間を確認する。
また昼休みが終わるわけではないが、教員としては次の準備をしなければならない。
「ごめんなさい、ゆーちゃんとのお話が楽しくて、すっかり夢中になっちゃったわ。
ええと、はいこれ。
ゆーちゃんの都合のいいときに連絡頂戴?」
手元の弁当箱を綺麗に風呂敷に包みながら。
アナログな、しっかりとした和紙で作られた名刺を差し出した。
そこには『児童養護施設「方舟」院長』と書かれている。
■風花 優希 >
「あはは、ありがとうございます。
それが自分だって言えるのは、確かにですし」
そういう事にも悩むのが、性自認だとかアイデンティティーなのだから。
自分のそれもまた、悩みへの刺激になるのならばそれもまたよいことの筈だ、と。
けれども、続く言葉には少し少年も目を丸めた。
「へ? 先生のとこに、ですか?
……ええとまあ、そういう事なら構いませんけど」
その流れでそのまま、彼女の管理しているらしき教会への誘いがあるとは思わなかったのだ。
さしもの彼も、間の抜けた声が零れてしまった。
■ポーラ >
「まぁ」
そうなのね、と言うような声で手を合わせる。
そして、人差し指を顎に添えながら小首をかしげて、うぅん、と小さく唸った。
「でも、それってとても自然な事だと思うわ。
それでちゃんと自分のアイデンティティをしっかり持ってるのはとても素敵だもの」
事実、そうして『自分らしさ』を確立出来ているのなら素晴らしいものだと思うのだった。
だからこそ、少年の存在はジェンダー問題に悩む子供にはとても良い刺激になるのでは、と。
「……うん、そうだわ。
ねえユーちゃん、こんどうちに遊びに来ない?
きっと、うちの子たちにとっても、いい刺激になると思うの!
……どうかしら」
そう伺うように、訊ねてみるが。
■風花 優希 >
「まあ、しっかり男の子はしてますけども」
悪戯とかじゃないですよ、と笑いつつ。
少し、どういう言い方をするべきかの思案をして。
「女子の服とか着るのに、そこまで抵抗もないんですよ。
似合う服を着ればいいかな、くらいの感覚なので」
回りくどい言い方はせず、けれどもストレート過ぎぬ言い回しで答える。
隠すようなことでもないので、そのままに。
■ポーラ >
「あら、勿体ない」
素直にそうリアクションするが、そういう子がいるのもまた然りとわかっているのだろう。
それ以上に踏み込む事はしなかった。
「あら、悪い見本なの?
そんなに可愛らしいのに、しっかり男の子してるでしょう?
あ、それとも、なにか悪戯でもしてるのかしら!」
何か面白い事でもあるのかと、表情をぱぁっと子供のように明るくして躊躇いなく訊ねる。
■風花 優希 >
「今のところは、特別興味とかは無いですねぇ」
好奇心に満ちた顔へ返すは曖昧な苦笑。
とはいえ、ある意味では御尤もな質問である。
なにせ、容姿で言えば年頃も年頃だ。
”そういう話”は飛び交うし、興味があって然るべき年齢なのだから。
「あはは…どっちも、というのは嬉しいやら哀しいやらで…ってうん?」
ともあれ、冗談めかした笑いを返していれば、目の前の先生は何かを思い出した様子で。
「ははぁ、なるほどそういう経緯でボクを。
やっぱり、そういう子供も居るんですね。
その点ではボクは何というか、悪い見本なきもしますけど」
■ポーラ >
「あらあら、そうなのね。
実際にお話しして思ったけど、とっても魅力的な子なのに。
ゆーちゃん、そういうこと、してみたいとは思ったりしないのかしら?」
椅子から浮いた腰を再び下ろして、やはり興味津々、と言った様子で首を傾げる。
この辺りは確かに、見た目相応の女性らしい好奇心ではあるだろう。
「さっきも思ったけど、ゆーちゃんなら男の子にも女の子にもモテそうだもの……ああっ!」
なんて言ってるうちに、なにかに思い当たったのか、両手をポンと合わせながら声を上げた。
「そうだわ、ゆーちゃんに気づいたのは丁度その事だったのよ。
ほら、養護施設をしてるって話したでしょう?
そこの子が、性自認で落ち着かなかった頃があったの。
その時にゆーちゃんを見かけて、ああ、ああいう子もやっぱりいるのね――って思ったんだわ!」
そう言うと、すっきりしたような表情で嬉しそうに笑う。
幼い子供は性自認が曖昧であることも多いため、日ごろから気にかけていた事でもあり、切っ掛けとして意識していなかったのかもしれない。
■風花 優希 >
「自分から切り出したんですから、乙女の秘密ってわけじゃないんでしょう?」
くつくつと、恥ずかしげに笑う正面で、微笑を携えて少年も笑う。
「ふふふ、流石に初恋は昔話ってことですね。
でもいいじゃないですか、可愛らしい理由で微笑ましくて」
色々、気にかかる事が見え隠れする先生だが、
こうしてみるとやはり普通の女性だな、などとそう思い。
「あらま、藪蛇でしたか。
でも残念ながら、そう言うのとは縁がなくて」
その一方で、こうしたことに苦笑しか抱えせぬ辺り、
自分もこうした人の器がありながらも、何とも人馴染みのない生を過ごしていたものだなと。
そうしみじみと思いながら、肩を竦めて返すのだ。
■ポーラ >
「もう、ゆーちゃんったらそんなストレートに言わなくてもいいじゃない」
恥ずかしそうに袖口で口元を隠して、頬を染めながら笑う。
「大正解。
今思えば、可愛らしい恋心よね。
初めてお着物を着せてもらった時に、褒めてもらったから……なんて」
自分でも照れ臭いのか、もじもじと落ち着かない様子で。
「やぁね、もうっ。
子供の頃の初恋の話よ。
でも、それが忘れられないから、和装をするようになったのでしょうね。
すっかり趣味になっちゃったわ」
そう話す表情は、穏やかで、とても懐かしそうに見えるだろう。
それだけ、心に残る思い出だったのは違いなさそうだ。
「と、こ、ろ、で。
せんせーにソレを聞いたって事は、ゆーちゃんも答えてくれるのかしら?
ね、ゆーちゃんは初恋とか覚えてなぁい?
それとも……恋の真っ最中だったりとか」
にこにこと楽しそうに、まさに恋バナを楽しむ少女のような調子で、軽く身を乗り出しながら少年に声を潜めて訊ねるだろう。
■風花 優希 >
「……ああ、幼いながらの女心…ってやつですか」
少年は鈍くはない。
人の感情というものが、どうしたものなのかは知っている。
少なくとも、知識の上では。
だからこそ、そう推察するのも難しくはなかった。
自分に優しくしてくれる異性がいて、その子が和装が好きだという。
ならばその子に好かれたくて、和装になるのは自然なことだ。
「それって今でも、なんですか?」
だから、そんなことをちょっとした冗談交じりで聞いてみる。