設定自由部屋です。常世島内であるならご自由に設定を考えてロールして戴いてかまいません。
また、ここでは回想的なロールも可能です。ですので常世島の外でも構いません。しかし、あくまでメインは常世島の内部でお願いできればと思います。
その他常世島内の特殊な場所や、シチュエーションなどにご利用ください。
参加者(0):ROM(1)
Time:23:42:14 更新
ご案内:「児童養護施設『方舟』」から風花 優希さんが去りました。
ご案内:「児童養護施設『方舟』」からポーラさんが去りました。
■風花 優希 >
「あの子にとっては、そうだったみたいですしね」
だから、その賛辞と礼は受け取るべきものだ。
重ねられた手に、静かに視線を降ろす。
「ボクにも仕事?はありますからね。
それを置いて、そっちの仕事まで手を上げられなくて」
「此方こそ、愉しい時間でした。
服もたくさんいただけましたし…また、誘ってください」
そうして笑いと共に顔を上げ、今は帰路へと付くために。
別れの挨拶の為に、向き直るのだ。
■ポーラ >
「大した事をしたのよ。
だって、わたしには解決してあげられなかった事だもの。
ふふ、ゆーちゃんには、教員になる素質もあるかもしれないわね」
そう微笑みつつ、紙袋を渡しながら、そっと少年の手に手を重ねる。
「わたしの大事な子を助けてくれてありがとう。
この恩は忘れないわ。
困ったことがあったら、いつでも頼ってね」
そう伝えてから静かに手を離し。
「残念、またふられちゃったわ。
でも気が変わったらいつでも歓迎するわ」
いつものように口元を隠しながら、楽しそうに笑って。
「本当に、今日はありがとうね。
気が向いたら、また是非遊びに来て頂戴?
うちの子たちもきっと喜ぶから」
■風花 優希 >
「うわっ、こんなに貰っていいんですか?」
突発的な催しは無事に終わり、恐らくは日も陰りを見せた頃合い。
そろそろ帰路につく時間に、手渡された紙袋を抱えて目を丸めた。
「とりあえず、ありがとうございます。
ボクはそんな大したことはしてないつもりでしたけど」
それでも、一つの子供の悩みの一助となったのだ。
その礼として渡されたのなら、それは快く受け取って。
「一応ボク、図書委員だからなぁ。
お誘いは嬉しいけど、一旦持ち帰りってことにしてください」
常よりも、少しフランクな口調を残して、そう返す。
■ポーラ >
……はてさて。
お客様を招いた、少し変わった『方舟』の催しは、子供たちの笑顔に包まれて終わる。
そんな子供たちの笑顔を作ってくれた立役者の、素敵なお客様を見送るために玄関へ。
子供たちは遊びはしゃいだ後を、みんなでお片付け中だ。
「……はい、これ。
今日のお礼に、ゆーちゃんに似合いそうな着物をいくつか選んでおいたわ。
普段着と、礼服と、部屋着に、浴衣もね?」
そう言って少年に差し出す紙袋は少し大きく、薄い桐箱が何枚も入っていた。
「予想以上に素敵だったわ、ゆーちゃん。
ねえ、折角だから生活委員に入らない?
きっとお悩み相談でとーっても頼りになると思うの!」
と、とてもいいことを思いついたとばかりに言うのである。
もちろん、今日の様子を見ての、完全な思いつきなのだ。
■風花 優希 >
「わぁ…」
なるほど、そういう流れに持っていくのかと。
彼女がウィンクと共に口にした言葉に、ちょっと呆れの混ざった感嘆の声があがる。
はてさて、何処までが織り込み済みだったのだろう。
結局、誰も彼も押し切られて断る様子はなさそうで。
「他人を着飾るのは初めてなんですけど」
なんて、肩を竦めて答えるも、無茶ぶりされたからには仕方がない。
子供たちに声をかけ、衣替えの手伝いをするのだった。
■ポーラ >
「……さて、それじゃあ折角だし。
今日はちょっと面白い事をして遊びましょうか」
そう言って「先生」は少年にウィンクをして。
「男の子は女の子の衣装を着て、女の子は男の子の格好をして見ましょう?
きっと、とっても楽しいわ!」
そんな「先生」の思いつきに、子供たちは色々な反応をするものの。
最後には「ミリィ」の『おもしろそう!』って言葉に押し切られてしまうのだ。
『方舟』の可愛い末っ子の言葉にはお兄ちゃんもお姉ちゃんも勝てないのである。
「それじゃあ、女の子はわたしと一緒に、二階に行きましょうね。
こういう時の為に色々準備してたのがあるのよ」
どんな時の為なのか、まったく謎ではあったが。
どうやらこの「先生」は色々とした仕込みに余念がなかったらしい。
「男の子の方は、ゆーちゃんに任せてもいいかしら?
わたしの部屋を使っていいから、みんなを可愛くしてあげてちょうだい」
そう言って、お客様にさらっと無茶振りをするのであった。
■風花 優希 >
とうとう口にした、男の子の『わがまま』。
それを聞けばニッコリ笑い、静かに頷く。
視線だけをポーラへ向けて、視線でこれでよかったのか?と微かに問う。
恐らくは、これでよかったのだろうけれど、確かめるように。
「どういたしまして」
再び賑やかさの増した施設の中で、少年は彼にそう返す。
特別な何かをしたわけでは無い。
ただそう、少年としては思った事を伝えただけの事。
それだけでも、何かのきっかけとなったのならば、それ以上の事は無いのだから。
■ポーラ >
『…………』
じっと、「お兄さん」の目を見つめて、少しの間押し黙る。
『その、ぼく……』
一度言い淀んで、やはり何度も躊躇う様子は見せるけれど。
『……やって、みたい』
と、ようやく、本心からやってみたい事を口にするのだった。
(……あらあら。
本当にゆーちゃんったら、凄い子ねえ。
生活委員にスカウトしたくなっちゃう)
そんな少年に向かってやっと、自分のしたい事を口に出来た「しの」を見て、自然と笑みが浮かぶ。
「ね、ミリィ。
シノが女の子の服着たら、とっても似合うと思わない?」
『ほえ、シノちゃんが?
んー……』
膝の上の女の子は少しだけ考えてから、迷いない笑顔を浮かべる。
『うんっ、とってもかわいーとおもう!』
「ええ、そうよね、先生もとーっても可愛いとおもうわ!」
そう、二人が言い始めると、周囲の子供たちも、にわかにざわめきだし。
『んー、たしかに似合うかもなー。
つーか、好きならやればいーじゃん』
『シノちゃん、髪もきれーだし、きっと似合うよねー?』
『まーでも、その兄ちゃんにはかなわねーかもなー!』
などなど、口々に無遠慮な、だけれど素直な言葉が飛び交う。
そこには、「しの」の気持ちを否定するような言葉はどこにもなく。
少なくとも、この『方舟』の仲間は前向きに受け入れる事だろう。
「ふふっよかったわね、シノ。
素敵なお兄さんに会えてよかったわね」
『……うん』
恥ずかしそうに「しの」は頷いて。
『その、おにいさん、ありがとう……』
小さな声で、恥ずかしそうにお礼を言うのだ。
■風花 優希 >
「ボクは似合うと思うよ」
率直に、言葉を飾らずそう告げる。
彼のほんとうの本当に、恐れていた事、思っていた言葉はそれなのだろう。
ならば、それには率直でそのままの言葉を。
何も飾らぬそのままの感想を、述べるのが筋だろうと、そう考えて。
■ポーラ >
『見た目……』
そう言われて、少しだけ黙り込んでしまう。
けれど、少ししてから、また話はじめた。
『あの、ね。
ぼく、可愛い服、すき、だし。
その、女の子みたいになりたい、って、おもった。
でも、ずっと、それはヘンな事だ、って』
少しだけ身を乗り出して、「しの」は本当にしたかった事を言葉にして。
『やっても、いいのかな……。
ヘンじゃ、ないかな……?
にあう、かな……』
と、とても綺麗で可愛い「お兄さん」に本当の気持ちを打ち明けた。
■風花 優希 >
「キミのその見た目が、だけどね」
勿体ない、というその言葉に小さく頷く。
「折角、可愛い服が似合いそうなんだから、着飾ってもいいんじゃないかな。
ボクはそう思うけどね」
純粋に伝えたいのは、そうした部分。
何故に、どうして、というのはきっと彼には十全には伝わらない。
だからこそ、それさえ伝わるのなら十分だった。
■ポーラ >
『え、っと……』
後半の言葉は、「しの」には少し難しかったのだろう。
一生懸命にかみ砕いて理解しようとしているのだろうが、眉を顰めて難しそうな顔になってしまう。
『……その、じゃあ』
それでも、なにかは伝わったのかもしれない。
顔を上げて、少年をじっとみる。
『ぼくはその、もったいない、の?』
おそるおそる、不安と期待混じりの声が小さく零れた。
■風花 優希 >
「勿体ないというか、なんだろうなぁ」
頬をポリポリと掻いて、ちょっとだけ考えこむように。
何と伝えればいいものかと、言葉を選んで。
「持ってるものは、ちゃんと使ってもらって、初めて浮かばれると思うんだ」
そうどこか、曖昧にも思える言葉を答える。
産まれ持ったものがあるのならば、そうした何かを持っているのならば、
それを”使う”ことが、それそのものの意味になるのだと。