2015/06/07 のログ
■苗羽 寧々 > (米本来の味、そしてよく噛むことで唾液によってデンプンが分解されたところの麦芽糖の甘味、口腔内に存在する味はただそれのみである。あと水筒の麦茶)
(年頃の乙女用の小ぶりなお弁当箱に白い荒野はまだ1/3ほど残っている)
(梅干に箸を伸ばすか伸ばさざるか。その判断の難しさは外務省の官僚ですら手を投げるに違いない。なぜ外務省か。なんかすごそうだから。一般的な女子高生の感覚はそんなもんであると信じて疑わない)
(ちらりと周囲を伺う。梅干し外交あるいは白米外交の交渉相手を探している。外交カードが著しく弱いのはもう仕方がない。国庫は枯渇している。貧乏は敵だ)
■苗羽 寧々 > (交渉相手を探しながら、外交の様子を脳内でシミュレートする。その間も少しずつだがコメは食う)
(「おかずをシェアしませんか?」と行く。お弁当の中身を見られる。「おかずないじゃん!」。オワリ)
(なんと世知辛い世の中だろう。当方ボーカル。あと全部募集。ギターの梅干くんもいるんだけどな。へへ、なんだかこのお米酸っぱいや)
(酸っぱい?)
(「梅干し?あいつならもう俺がモノにしちまったよ」)
(少女漫画のおらおら系の先輩のマネなんかしてもうっかり梅干に手を付けてしまった事実は変わらないし、種ががりっていうし、は酸っぱくてご飯が進むなあ)
(あと半分くらい残ってるんだけどね、白いごはん)
■苗羽 寧々 > (ここで閃いた。お茶があるならお茶漬けにすればいいじゃない)
(しかしお茶は麦茶である。麦茶でお茶漬けはこの苗羽寧々とて未知の領域。無策で突っ込んでよいものだろうか。いやよくない。反語である)
(類似の経験からいけるか否か類推しよう。普通のお茶漬けは実際おいしい。お茶がないから代わりに水をかけて食べたことがある。水ごはんは実際、こう、そうまでするならおかゆでいいんじゃないかなっていう感じだったけどおかゆにする分のガス代が浮いた)
(少なくとも味がついているぶん水ごはんよりか圧倒的にマシではないか。そう、マシだ。お弁当に水筒の麦茶を注ぐという奇異な構図に耐えさえすれば)
(さっきから日の丸弁当片手にあちこちきょどきょどしてたし今更極まる。そうだ麦茶ご飯にしよう。水筒から麦茶を注ぐ。なるべく人が見てないタイミングを選んだのは人としての最後のプライドであった)
ご案内:「屋上」に黒谷喜一郎さんが現れました。
■黒谷喜一郎 > ……なあなあ、自分どないしたん? 何か落ち着かへんことでもあるん?
(神妙な顔で、あなたにそうやって声を掛けてきたのは、金髪に赤い瞳の男子生徒だった。)
(この男、暫く前からこの屋上に居た。普通に昼食を摂ろうとしていたのだが、日の丸弁当を片手に、挙動不審な様子の少女のことがどうにも気になって箸も進まない始末だ。)
(だからこうやって声をかけたのだけれど、幸か不幸か――いやまあ、彼女にとっては間違いなく不幸なんだろう――声を掛けたタイミングは、白いご飯に麦茶が注がれるその時である。)
■苗羽 寧々 > !?
(ザ・麦茶漬けが錬成されようとしていたまさにそのタイミングで声をかけられた)
(苦肉の策を今まさに実行せんというところをいたって真面目に心配された寧々はとても恥ずかしいので動揺した)
ちゃ、ちゃうねん
(思わず関西弁がまろびでる。ネイティブからは面罵を浴びるを免れまいという冒涜的なイントネーションは言わずもがな動揺の産物である)
(背景のじょぼじょぼ音は麦茶を傾けたまま硬直したことによるものであり白米が薄茶色に染まっていくが実際問題はない。ないよ?ないったら)
■黒谷喜一郎 > (あっ、声かけるタイミング間違えた気がする。動揺する少女の顔を見て瞬時にそう思ったが、時既に遅し。後悔先に立たず、である。)
いや絶対ちゃうやろ!? ちょッ、米! 米が! お茶!! 零れとる!!
(イントネーションに対してツッコんでいる暇は無いし、実のところこの男はそういうことはあまり気にしない性質であった。)
(それより何より、今は文字通り「お茶」漬けの弁当が問題だ。
弁当箱に手をかけ、引き寄せようと考える。
それではお茶が彼女の服に直撃する。却下。
水筒の傾きを正し、そもそもお茶が零れるのを防ぐ。
問題無い。採用。
この間、約2秒であった。)
(と思考した通りに、お茶が零れるのを防ぐべく、彼女の水筒を半ば取り上げるように持ち上げようとした。成功したとしても、米はお茶浸しになっているだろうが。)
■苗羽 寧々 > (漫画的な表現をするなら目は渦巻。そんな動揺加減が全面に現れた表情でぐるんぐるんしていたし時すでに麦茶漬け)
(そんな感じであるから水筒を取り上げられるに抵抗はない。むしろ虚を突かれたような具合である)
ふぇ、む、麦茶ドロ!?
(窮地を救ってくれようとした先輩にこの言いぐさ。むろん動揺しているからであるがお金に苦心し続けている彼女の育ちがそういう感じにさせている部分は否定できない。なにもかも貧乏が悪い)
■黒谷喜一郎 > はァ!? 誰もこんなもん盗まんわ!
(負けず劣らず混乱しているとはいえ、うら若き女子生徒の水筒を「こんなもん」呼ばわりする辺り、こちらの言い草も酷かった。)
(が、直ぐに冷静になる。麦茶漬けの元日の丸弁当を見る。水筒を見る。もう一度麦茶漬けを見て、)
……えー、この惨状は俺のせいなんかな……あ、これ返しとくわ……。
(水筒を差し出しつつ、何とも言えない表情で彼女を見ていた。)
■苗羽 寧々 > その水筒が私にとってどれだけ高価かご存じない!?
(どう考えても初対面であるしご存じないのが当たり前であるし、返されればごく素直に受け取った。残っているお茶を飲んで一息つく)
(惨状が自分のせいかと問われたのでゆっくりと首を振る)
えーっと、いちから説明すると。
①・お金がなくてもお腹がすくのでお弁当が日の丸で。(①はまるいちと発音している。②以下について同じ)
②・高度な外交戦略によって外貨すなわちおかずを獲得しようとしたけれども。
③・外交カードたる梅干をうっかりお口に入れてしまったところ、
④・お茶があるならお茶漬けにすればいいじゃない。麦茶だけど。そんな感じ。ノープロブレム(頷く)
■黒谷喜一郎 > いや先ず高いとかそういう問題でもないやん!? 俺があんたの水筒盗んだら……あーほら、あれ、あれよ、……ちょっと倫理的にアウトちゃう……?
(アウトである。気まずそうな顔をしていた。)
(一息ついて、どうも向こうも冷静になったと分かればほっとしたような表情をした、のも束の間。)
……、……ごめん、もっかい言うて?
(ノープロブレム。その結論が全く理解できなかったらしい。)
主に最後のところ。1から3は分かったよ、うん。そこは分かったんやけどな? 最後がな?
■苗羽 寧々 > (舐めてから換金のおつもりで!?という電流が走ったので、黒谷を見る目線がそういう趣味の人ならこれでもむしろ喜ぶんじゃないかな……嫌だな……的なさげすみのそれに変わった)
(羞恥心はどこへやら開き直っての説明であったが麦茶の鎮静作用は体感的に学会に発表可能なレベルでありそのせいだと信じて疑わない)
白米。オンリー。味気ない。(このスタイルの説明は外国人にも分かりやすいと評判であった)
お茶かける。味がつく。ハッピー。(アメリカンに肩をすくめる。「ヘイ、こんなこともわからねえのか?ジャップ」的なやつ)
■黒谷喜一郎 > 待って、待って待って、何か今めっちゃ勘違いされてる気がすんねんけど。ちょっと落ち着こ、な? ほんまな? お願いやから俺の話も聞いて?
(蔑みの目が痛い。咳払いを一つ。)
一つ、俺はあんたの水筒を盗む気は更々ない。
二つ、水筒を奪ったのは、俺がいきなり声を掛けたせいであんたが弁当にお茶を零しとると思ったから。
三つ、俺に変な趣味はない。
……オッケー? アンダスタン?
(何だこの会話。標準語と関西弁とエセ英語が飛び交う、傍から訊いたら訳の分からない会話である。)
(「白米。オンリー。味気ない」ここまではオッケーである。オッケーであるが、)
何でやねん!!
(「ハッピー」と聞き終えてから、ご丁寧に手刀の振りまで付けて、キレ味よくツッコんだ。)
いや、いやいや、何でそこでお茶かけてまうのん? お茶漬けに味がついてるのはお茶漬けの素が偉いんであって、米に麦茶かけてもそれはただのひたひたしたご飯になるだけちゃう? ちゃうのん?
(というか、だ。はたと気づく。)
……おかずはどないしたん?
(純粋な疑問であったが、)
……そんなに金無いんか……。
(お金が無い、と聞いた気がする。最後のインパクトが強くて、すっ飛んでいたが。)
■苗羽 寧々 > (ひとつ。頷く。)
(ふたつ。頷く。)
(みっつ。変な趣味はないってわざわざいっちゃう人って……)
(両手で口元を覆う「私は引きました」のサイン。渡る世間には鬼や狼がうようよいるし、実際いたし、うら若き乙女は警戒を怠らない)
(それはそれとしてネイティブな何でやねんにはちょっと感動したので「おお……」って言った)
(おかずは)ないです。
(頷く。唯一のおかずであった梅干しさんは悪い先輩にモノにされた。妄想の世界で。実際はもう食べた)
お金は天下の回りものというけれど、私のところにはひとときもとどまらない……
(遠い目。それはそれとしてご飯がふやけてしまう頃合いなので一旦食べていい?的なアイコンタクトを試みる)
■黒谷喜一郎 > (あ、あかん。引かれとる。溜息を一つ。)
……うん、もうどっちでもええよ、趣味に関してはどっちでもええわ……けど、とりあえず水筒盗む気ィは無かったことは分かったって。驚かせて堪忍な。
(ツッコミを入れた手刀をそのままに、自分の眼前へと立てて、軽く会釈をした。色々あったけれど、驚かせてしまったのは確かなことだろう、と。)
あ、どうぞどうぞ、お構いなく……。
(アイコンタクトにはそう返す。ふやけすぎたら、それこそ惨劇であろうと思う。)
(彼女が遠い目をして言ったことには、頬をぽりぽり掻きながら。)
まァ……ほら、まだ自分のところに回って来てへんだけちゃう? それにあんた、「課金戦士」さんちゃうの? こう、やりようはありそうな気ィするけど。
(そういえば、部活の助っ人だったか何だったかで彼女の姿は見たことがあるし、「課金戦士」の異名は聞き覚えがあった。軽い調子で問いかける。)
■苗羽 寧々 > わかっといたりましょ(残念なイントネーションで返答しつつ、いざお弁当に向かい合い箸を構える)
(は!と気合を吐いてから麦茶漬けと化した白米をさらさら……と喉に通す。なんかひどい違和感がある。本来一緒にあるべきでないものがひとつになった感じがする。おお麦茶、あなたはなんで麦茶なの?将来的に麦茶は服毒死するし白米は短剣で自殺する。許されざる出会いが招いた悲劇である。そんな味)
(これならお水でよかったんじゃないかな。明らかな失策である。敗北の味は苦い。この苦味は麦茶の苦味だけではない)
(敗北の味を噛みしめながら、内心のもろもろが伝わりそうな絶妙な表情を浮かべたが、少なくともうら若き乙女に許されるものではなかった。地上波では映せない)
ノー課金戦士。ノー、ノー!
(別ベクトルで同様の表情から絞り出される否定である)
私課金したことないし……課金許されない戦士だし……ね?わかるでしょ?ね?
(この時代もはや骨董品でまだ料金プラン残ってたの的な存在たるガラケーをぷらぷらさせるがそういう文脈ではない)
■黒谷喜一郎 > おおきに、助かるわ。
(肩を竦めて、ようやく笑った。)
(しかし、対する少女の表情は全く晴れない、どころか更にひどいものとなっていた。白米と麦茶はマリアージュすることなく、非業の別れを遂げたらしい。惨憺たる物語であった。)
(一瞬何か考え込むような表情をして、から行動は早かった。)
隣座るで。
(と言って、許可を待たずに、ベンチに座る彼女の隣の手に腰かける。)
(そして持っていた包みを解けば、中から出て来るのは大き目の二段弁当箱。昼食を食べに来たのだから、弁当箱が出て来るのは当然であると言えよう。
ぱかり。一段目の弁当箱の蓋を開ける。
中には、何だかやたらと野菜が多いが、おかずが詰まっていた。)
(ちらっと隣の彼女の反応を窺う。
おかずの一品か二品くらいは分けても良い、と思ったが、引かれているこの身だ。
迂闊に提案して、また印象が悪くなれば堪ったものではない。)
……あれ、人違いやった?
(が、話を聞くとどうも人違いではないらしい。どうにも「課金戦士」という異名は、本人は気に入ってないことが分かった。)
せ、せやな、おかずにも困っとるもんな……って、
(ぷらぷら、揺れるのはガラケーだ。)
がッ……ガラケーやん! えッ、ちょっと見せてくれへん? あかん?
(何か、食い付いた。別の方向で。
きらきらと子供のように目が輝いている。思わず手を伸ばしたいところを、ぐっと堪えた。)
■苗羽 寧々 > (それでも全部食べてごちそうさまを言った。食べ物は無駄にしない。無駄にすると死ぬ。倫理というより生存本能がなさしめるわざであった)
ええよ。
(冒涜的な以下略。それはそれとして堂々と真ん中に座っていた寧々はしずしずと端に寄った)
(そして隣で開帳されたのはまさしく小さいつづらであった)
(大判小判もといおかずがざくざくと入ったそれは今の寧々には刺激が強すぎる代物であった)
ちょっと待って!隣でそれは刺激が強すぎる!サングラス、今サングラス持ってないから!おかず!おかずが眩しい!
えっ見せろってえっ……!?乙女の秘密が詰まっているこれを!?
売らない舐めないパスコード破ろうとしないならおかず1品、いや2品でいいけど……!?
(しれっと値を釣り上げた。生存本能である)
■黒谷喜一郎 > (あっ、意外と食いつきが良い。うん、じゃあ分けても良いと言おうとしたところ、)
誰が舐めるかアホォ!! 変な趣味は無い言うたやろ!? 単に機械が好きなだけや!! ほら、ガラケーなんて今時もう滅多に見ィひんやん! それが目の前にあるんやったらちょっと触って見てみたくならん!?
(冷静に考えると、女子生徒のガラケーを見せてと言うのはなかなかにアレである。今日は墓穴を掘り易い日なのかもしれない。哀れ。)
……パスコードは教えんでええから、ロック解除して、「設定」とか「機能」の辺り見せてくれへん? あ、もちろん自分が操作してくれてええよ。
言うとくけどな、別に自分の個人情報にはさらさら興味無いねん。設定とかその辺の機能を見たいんや。
(言い振りは、至極真面目であった。)
ほんで――おかず3品でどないや。
(重々しく、言った。)
■苗羽 寧々 > 料金は前払いになります!
(即答。そして3品。苗羽寧々の灰色の脳細胞がめくるめく高速で回転し、
野菜だらけのおかずの中でたんぱく質を摂れるものを1品、
不足しがちなビタミンをバランスよく補えるものを2品、
フィーリングで選び出し、麦茶でコンタミされてない自分のお弁当のふたに確保する)
まいど!
(もぐもぐと早速お口に放り込みながら、数字を見られないようにロックを解除してからかちかちと設定と機能のあたりを操作して見せる。当然ながら操作はすべて物理鍵によって行われる)
(待ち受けは大農園の番犬として働く柴犬のベストショットであったがそれはそれとして、見る人によっては懐かしみのあるUIである)
■黒谷喜一郎 > よっしゃァ!! ほれ、好きなもん取り!
(交渉成立の瞬間だった。特におかずは何を取ろうと咎める様子は無い。それだけ彼にとってガラケーの魅力は大きなものであるらしかった。)
(ロック解除の際にはきちんとそちらを見ないようにしていた。うら若き乙女への配慮である。
そして画面が見せられれば、)
おお……ほんまもんのガラケーや……、……犬好きなん?
(感嘆の声を漏らした。
タブレット端末には無い入力装置、物理鍵。響く音すら物珍しく聞こえる。)
あ、ちょォそこ見せて。その一個上ンとこ。
(と、ちょいちょい口を挟むものの、本当に機能面にしか興味が無いらしく、プライバシー的な事項に触れることは避けていた。
そうして、暫くガラケーを見せてもらい、ついでに触らせてもらったりもしてから、)
満足やわ……おおきにな、いやァこの時世にガラケー持っとる人間がおるとは……。
(些か失礼な発言に聞こえないこともないが、本人としては感銘を受けているようであった。)
■苗羽 寧々 > (丸い十字キー、真ん中に決定ボタン、それらの周囲を取り巻くショートカットボタンが4つ、10個の数字キーに*と#)
(側面には音量を上下させるボタン以外に、ライトが点くボタンだの、カメラのシャッターを切れるボタンだのがついている)
(その中身の節操のない多機能ぶりとなんか中途半端にもっさりした動作感はまさしく由緒ただしいガラケーであった。あとメニュー画面のペンギンがかわいい。そして卵焼きがおいしい)
まだ料金プランも生きてるから現役だよ。黒電話と同じくらい現役!
(実家は黒電話であったが、ガラケー以上の絶滅危惧種であることは論を待たない。なにやら感覚がずれている。それはそれとして)
(もろもろのやり取りの間に光陰矢の如く時間は経過し、昼休みはあとちょっとだしお前ら勉強しろの意を告げる予鈴が鳴った)
あっ次移動教室だった!
(ばね仕掛けのおもちゃみたいな動きでびっしと立ち上がり、わたわたとお弁当を片づけ水筒を小脇に抱えて)
おかずごちそうさまでした!
(びっと敬礼をひとつして慌ただしく駆けていった)
ご案内:「屋上」から苗羽 寧々さんが去りました。
■黒谷喜一郎 > (予鈴の音が響く。跳ね上がるように立ち上がる彼女に些か怯みつつも、)
はい、お粗末さんでした。こっちこそ、今日はおおきにな!
(と、そう言って彼女を見送ってから、はたと。)
……しもた、名乗っとらへん。
(相手はある種の有名人だから直ぐに本名くらいは分かるだろうけど、こちらは一介の生徒である。頬を掻いて、)
まァええか。
(縁があれば、またいつかどこかで会うこともあるだろう。
ぐ、と背伸び。ついでに思うのは、)
食いっぱぐれたなァ……。
(弁当を持参したのにこのザマである。ガラケーにはしゃぎ過ぎた。授業時間も迫っている。
ただそれも、まあいいかと流す。基本的に、男は呑気に構えていた。後の休み時間にでも食べれば良い、次の授業中にちょっと腹が空くだけだ。)
あー、授業めんどいな……。
(一人ごちつつも、弁当を一旦包み直して、彼も屋上から去って行った。)
ご案内:「屋上」から黒谷喜一郎さんが去りました。
ご案内:「屋上」に麻美子さんが現れました。
■麻美子 > 珍しく午前の授業に全て真面目に出た麻美子は、
ふらっと屋上にやってくると、フェンスに寄りかかる。
……もっとも、出たと言っても大体上の空だったのだが。
カフェテラスの店員の苦しそうな顔がまぶたに焼き付いて離れない。
「麻美子があそこに居なければ、
誰も巻き込まれなかったんスかね。」
ぎりっとフェンスの網目を掴んだ。
「いや、悪いのは相手ッス、
麻美子は何も悪くないッス。」
とはいえ、別段反撃しようとは思わない。
というより、思えなかった。
■麻美子 > 『なーにが、公安委員会にも味方は居る…ッスか』
その『少なくとも敵ではない』と判断する材料になった『室長補佐代理』、
その彼が所属する『公安委員会直轄第二特別教室 調査部別室』の人間が、
あんなにろくでもない事をしているのだ。
『あの男もろくでもない事を考えてるに違いないッス。』
偏見で目を曇らせるのは良くないが、
次に会うときはもう少し警戒を強めておこう。
ご案内:「屋上」に久喜棗さんが現れました。
■麻美子 > 「さて、志葉サンを探して―――。」
相手の要求をそのまま聞くつもりは毛頭無い、
心当たりがあるかどうか聞いて、
あってもなくても気をつけるように声をかけておく。
『それ以外には何も伝えるなとは言われていないッスからね』
フェンスから身体を起こして学園を歩き回ろうと思っていたが、
屋上に現れた人影に目を細めた。
■久喜棗 > (何やら独り言を呟きながらときおり険しげな表情を見せる麻美子に、少し心配になったのか近づいて話しかける)
どうした若人よ、青春の悩みか?
もしよければこの儂が話を聞いてやってもよいぞ
(と、警戒させないようににっこりと笑いながら話しかけてみる)
■麻美子 > 「若人って、そんなに年齢が違うようには見えないッスけどね。」
苦笑しつつそう返した、彼女を見れば、大きな角が目に入る。
少なくとも、人間ではないのだろう。
「お気遣いは嬉しいッスけど、やめとくッスよ。
年頃の若い女の子には人には言いにくい悩みっていうのもあるものッス。」
冗談めかして笑ってそう返す。
彼女の屈託の無い笑みがなんだか歪んで見えるのは、
きっとここ最近、ろくな目にあってないからだろう。
少し人間不信気味になってきている気がする。
■久喜棗 > (ちっちっと指を振って麻美子の言葉を遮り)
人を見かけで判断するものではないぞ、これでもお主よりはずーっと長生きしとるのだ
儂の名は久喜棗、お主ら人間が鬼と呼ぶたぐいの存在じゃよ
(軽く断られて少しシュンとし)
そ、そうか…まぁ仕方あるまい。ならば代わりにこれでもくれてやろう
あめちゃんでもなめて元気を出すのじゃ
(といってふところからひと粒の飴玉を取り出し、麻美子へと手渡す)
やはりお主らの年頃の子の悩みというと色恋かのう…
■麻美子 > 「そうなんスか!?
いやー、いつまでも若いとか羨ましいッスねー!!
女の子の永遠の夢ッスよ!!」
冗談っぽくけらけらと笑ってそう言いつつ
「あ、いいんスか?ありがたく受け取るッスよー!!」
そう言うと飴玉を受け取る、『毒とか入ってないッスかね……。』
と一瞬考えるが、考えすぎだと考えて口に放り込む。
じんわりと口の中に甘さが広がった。おいしい。
少し泣きそうになったが、明らかに不自然なのでぐっと堪える。
「色恋の悩みならそりゃーもうペラペラッスよー!!
麻美子、そういう話大好きッスからー!!」
そう笑って手をひらひらとさせて否定しつつ
■久喜棗 > いつまでも若いのではなく、いつまでも成長しない、といった方が正しいがのう
最近の若いものは発育がいいのじゃな…儂ももうちと出るところが出ておる身体であればな
(残念そうな表情で麻美子の身体を羨ましそうにじっと見る)
うむ、気分が落ち込んだ時にはあまいものに限るのじゃ
(表面的には元気いっぱいになった麻美子に満足そうに頷きながら)
色恋の話でもあらぬのか…最近の子は悩みも多様なのじゃのう
■麻美子 > 「それはそれで寂しい気もするッスねー。
確かにちょーっとばっかし寂しい体形ッスね、
胸くらいは大きくなったりしないんスか?」
冗談っぽくけらけらと笑い、
ぐっとちからこぶを作るようなポーズを取る
「そうッスね、ちょっと元気出たッスよ、
ありがとうッス!!」
にへらーと笑みを零す、実際、
少し元気になった。ような気がする。
「ま、最近の子には色々あるんスよー。
平安貴族みたいにごろ寝して妄想してごろ寝してーなら
幸せだったんスけどねー。」
■久喜棗 > ならぬのう……ならぬ、ならぬのじゃ…
(目を伏せズゥンと落ち込みを見せる)
100年ほど毎日牛乳を飲んでみたこともあったが儂の身体はまったく代わり映えせぬかったよ…
まぁそもそも儂と人間では体の作りが違うゆえに牛乳は効果的でないだけかもしれぬが
のう、麻美子よ。お主は何を食って育ったのじゃ?
(麻美子の笑顔を見てなんとなく自分も嬉しくなり微笑み返しながら)
そう言うでない、貴族の者は貴族の者でしきたりやマナーなど煩わしい点も多いらしいではないか
それに妄想とごろ寝ばかりの生活などしておったら心にカビが生えてしまうぞ
ヒトの心もたまには日干しせねばならんじゃろうて(と冗談っぽく言ってみる)
■麻美子 > 「そんなに落ち込むなッスよー、
大丈夫ッス、現代人にはそういう需要もあるッス!!
それに、そもそも平安時代から言われてるッスよ!!
ちいさきものはみなかわいいッス!!!
光源氏も「おお、これはうるわしき幼女」って言ってたッス!!」
けらけらと笑いながらそんな事を言う
100年も牛乳を飲むなんてよっぽど気にしているのだろうと思いつつ。
「麻美子はそうッスねー、コレッスかね?」
手元にあった炭酸飲料をゆらゆらと揺らす。
実際飲み始めたのは中学生くらいだが。
「ま、確かに心の中に爽やかな新しい風は大切ッスけどねー
でも平安貴族のほうがのんびりと暮らしてた気がするッスよ。
知りたくない事は知らなくても平気ッスし、
知りたくない事をたまたま知る事もなかったッス。」
今はすーぐ噂になるッスからね、いい事も悪い事も、と苦笑しつつ。
■久喜棗 > 未成熟な体をあえて好むとは倒錯的じゃのう…噂に聞くろりこんという者か
しかし光源氏は…昔から思っていたことじゃが、あやつただの金を持っているイケメンの変態なのでは?
イケメンで金を持っていれば大概のことは許されるというのもわからぬではないがな(クスッと苦笑する)
(ゆらゆら揺れる炭酸飲料を興味深そうに見つめる)
炭酸で発育が良くなるなどとは聞いたことはないが、なるほどのう
まぁものは試しじゃ、あのシュワシュワが儂はどうにも苦手なのじゃがな…
そのせいで発泡酒もあまり美味しく飲めなくての
(麻美子の知りたくないことを知らずにいたい、という答えに一理あると頷き)
確かにな、今は情報過多の時代じゃ。知らなくてもいい余計なことも知ってしまうこともあろうの
■麻美子 > 「お金持っててイケメンなら、確かに多少変態でも許せちゃうかもしれないッスねー。
あれッス、ただしイケメンに限るってやつッス」
そう言ってケラケラと笑う、麻美子は変態は願い下げッスけど、
確かに石油王とかだったらさすがにちょっと心が揺れるッスね
……と付け加えつつ。
「麻美子も聞いた事ないッスけど、
こういうのは気持ちが大切ッスからね、
やってみれば何か変わるかもしれないッスよ!!
それに、聞いたこと無くても人間とは違うって言ってたッスからね。」
そういって笑うと、少し顔を曇らせる。
「ま、麻美子の悩み事もそんな情報社会の荒波ってやつに
揉まれた結果って事ッスよ。」
手をひらひらとさせて少し自嘲気味に笑うと、
寄りかかっていたフェンスから身を起こした
「じゃ、麻美子はそろそろ行くッスね。
お陰で元気が出たッスよ、どうもッス。」
■久喜棗 > そうか最近の若人は大変じゃの…若い頃から強制的に情操教育を受けさせられているようなものじゃな
情報社会に疲れた時は一度、釣りでもするといい
ニュースに乗り遅れても人間意外となるものじゃ、長年ド田舎に引きこもって暮らしていた儂がその証左でもある
…ま、儂は人間ではあらぬがな(と冗談っぽく笑う)
うむ、頑張るのだぞ若人よ。儂も陰ながらお主のことを応援しておるからな
(言って屋上を去っていく麻美子を見送った)
ご案内:「屋上」から久喜棗さんが去りました。
■麻美子 > またッスよーと手を振りながら、屋上を降りていった。
ご案内:「屋上」から麻美子さんが去りました。
ご案内:「屋上」に鈴成静佳さんが現れました。
■鈴成静佳 > (昼休み、ぽかぽか陽気の屋上。静佳の他にも昼食をとったり遊んだりする人々がまばらに見受けられる。静佳は寮から持参したお弁当箱を開け、おにぎりを頬張りつつ、読書もしようと左手でバッグから本を取り出す)
むぐむぐ……そろそろ別の魔法も習得したいッスからね……
(取り出したるは「イメージで覚える初級暗視魔術」。図書館のバーコードも貼ってある。おにぎりを触った手で図書館の蔵書に触れるのは行儀が悪いので、表紙・裏表紙を手持ち無沙汰に眺めるのみ)
……ムフフ。これを覚えれば暗闇でのアドバンテージを取れるッスよ。電気を消したなかで、あんなことやこんなことや……(下卑た笑みを浮かべながらおにぎりを咀嚼)
■鈴成静佳 > (おにぎり3個+たくあんというお粗末な昼食を終え、水筒からアイスコーヒーを啜り、ウェットティッシュで手のベタつきや海苔を拭き取る)
……よっしゃ。腹も膨れたし始めるかー!
(…と、意気込んで本を開く。イラスト付きの……というより、1ページにイラストとともに「光を見つける」「凝視する」「光を増やす」などといった簡素な指示が付与され、傍目には絵本のようだ。初心者向けもいいところである)
……光を見つける……ううん?(1ページ目のイラストは、夜空を見上げて星を探す少年の図)……あ、これ昼間にやっちゃいけない魔術ッスね。アハハハ……
■鈴成静佳 > こんなこともあろうかと、別の本も借りてたし! 数撃ちゃ当たるし!
(暗視魔術の本をバッグにしまい、また別の本を取り出す。「イメージで覚える初級食糧召喚魔術」。漫画絵の表紙には大量の飴玉やチーズ、肉などの図柄)
……テキトーに借りたけど魔術ってこんなこともできるんスか。覚えといて損はないかも!
(本を開くと、同じようにイラスト+イメージ内容の解説。「砂糖の味」「凝固させる」「結晶化」などといった文言で、飴を作る過程が描かれる)
……砂糖の味……固めて……もっと固めて……(眼を閉じ、イメージを膨らませる)……なんか考えてるだけで飴玉なめてる気分になるなぁ
ご案内:「屋上」に風間蒼介さんが現れました。
■鈴成静佳 > (料理部の静佳にはそこそこ理解しやすい内容。積み重ねるべきイメージを示した内容が20ページほど続くが、読み進めると突如文字だけのページが現れる。「ここまでのイメージを固めたまま、以下の文言を詠唱しましょう」と。意味不明のアルファベットの羅列だが、ご丁寧にカタカナでルビも振ってある)
……よ、よし、やってやるッス!(一度最初のページまで戻り、イメージの積層をやり直した後…)…Quisque ac metus commodo quam hendro……違う……hendrerit tempor……(たどたどしい口調で、小声で詠唱を続ける)
(30秒ほどかけて最後まで詠唱を終える。ベチャ、と音を立てて、目の前のコンクリートの床に何かが落ちる。5mlほどの水飴のようにみえる…)…アハハ、やっぱり難しいッスね
■風間蒼介 > ……おや?あれは……
(少し出遅れた昼休み、弁当箱片手にいい感じの場所を探して歩いているとクラスの見知った…というほどでもないが、顔と名前が一致する程度の知人を見つけそちらに足を向ける)
鈴成殿ではござらんか、勉強でござ……粘液の分泌でござるか?
(べちゃりと何かがすぐ傍の地面に落ちた
あれ?彼女なんかそういう系統の異邦人か妖怪でござったかなあ?なんて首をひねり)
隣いいでござるか?ダメならなんかその辺のかろうじて声が届く程度の距離取るでござるし
(一緒に昼休み過ごして噂されると恥ずかしいし…と言われないように軽く予防線を)
■鈴成静佳 > あ、こんにちわ、風間くん!(クラスメートに声を掛けられると、顔を上げてニコリとほほ笑み返答する)隣いいよー、アタシはもう食べ終わっちゃったけどね!
……ああ、コレ? いやーアタシ魔術の勉強中でさ。初心者向けの本を手当たり次第に試して見てるんだけど、こんなのでもなかなか飲み込みが悪くてさぁー……アハハ。
(手元にあるのは超初心者向けの教本。静佳の目の前に落ちた粘液が気になって、思わず上履きで踏んづけてゴシゴシと落とそうとするが、粘液は強烈な粘りをもって靴底と床の間に糸を引く)……ゲェーッ!
■風間蒼介 > あー昼休みもちょっと過ぎてるでござるしなあ。
この間の異能民俗学のレポートで引っかかって先生に呼び止められてたんでござるよ。
しからば隣を失礼。
(民俗学的見地から見る異類婚姻譚と人外嫁の可能性、というかなり気合の入ったレポートは後半小説になってるじゃねーかと難癖を付けられ呼び止められていたのだ。横暴!
弁当箱を開けば米にから揚げに卵焼きというThe男の子なラインナップが広がる、一応手作りである)
あー術式関係はなかなか難しいでござるからなあ……まずは適正というか、しっくりくる物を見つければ良いのではござらんかな?
拙者も適正を見るために数々の属性を叩き込まれたでござるよ、物理的に
(スッと遠い目をすればよみがえる里での鍛錬の日々、顔はやめときなボディボディ!という叔父上の言葉が脳裏に浮かび涙が出そうに)
で、トラップ系でも覚えようとしてるでござるか?
(ねっちょりんぐと鈴成と床をつなぐネバネバした物体を見つめ)
■鈴成静佳 > 異能民俗学ねぇ……アタシにはさっぱりだわ。
異能の歴史自体100年も経ってないってのに、それ以前からあったオカルトだの何だのに無理やり当てはめてて、内容がフワフワなんだもん。だからテキトーなレポートで乗り切っちゃった。アハハ。
(弁当箱を覗き込み)おっ、いいお弁当だねっ! 誰かに作ってもらったのかな? アタシったらまだ料理も勉強中だから普段のお弁当はオニギリばかりでさ~(風間さん自身で作ったものだとは思っていないようだ)
……あ、今の魔術は「食糧生成」とかいうやつ。飴玉を作ろうとしたんだけど、こうなっちゃった(上履きの裏を見ながら。粘液はなぜか黒ずみ、靴底の溝に入り込んでいる)……あちゃー……午後は裸足で過ごすしか無いかな……
適正かぁ。この本のシリーズで転移魔術だけはすんなりと覚えられたんだけど、ほかがさっぱり。だから今は数撃ちゃ当たるの戦法でとにかくいろいろ本を読んで見てるの!
■風間蒼介 > 拙者その辺表に出る前の歴史聞いて育ってござるし、単位の稼ぎどころと思ったでござるがなかなか難しい…
異能、魔術、化怪の存在が現実のものとあるだけで実質民俗学でござるしなあ…
いやいや拙者一人暮らしであるがゆえ自作でござるよ。
といっても夕べの残り物でござるが…いい肉が手に入ったゆえしばらく冷凍保存で食いつなぐ予定でござるよ。
(などと喋りながら箸が口元に運ばれる…スカーフを口元に巻いたまま
よほど動体視力が良い人間が見てもスカーフに近づけた瞬間食べ物が消えたとしか思えないだろう
これぞ風間神伝流食事法である)
あー……たぶん加工途中の状態で制御外れちゃったんでござろうなあ…
拙者でよければそれ、剥がせるでござるよ?
(それ、と水飴らしき物体を指差して)
転移魔術ってごっつい難易度高い術式ではござらんか…それ使えるのなら適正は高い方なんではござらんか?
(陰陽道風間流に存在する事はするが自分には全く扱えなかった高位の術式。もしかして凄いのでは?とマジマジと見てしまう)
■鈴成静佳 > 表に出る前の歴史……そういうのもあるんスね。さすがはニンジャッス!
じゃああれッスね、いろいろ詳しく知りすぎてるがゆえに先生にレポートが理解されなくて再提出食らったって感じとか? 大変ッス!
(スカーフの上から食事する異様な光景は興味深げに眺めるが、ツッコミはしない。これもまたニンジャ真実の1つなのだと勝手に納得)
ほえー……これだけのお弁当を自作ですか。肉も買うとか。風間くんは生活力あるッスね! アタシなら肉なんて買っても絶対数日で悪くしちゃうから……アハハ。やっぱり米が一番安定ッスね!
んー、転移魔術ってそんなに難易度たかい術式だったの?
(と喋りつつ、不意に静佳の身体全体がブゥン…と揺らめく。次の瞬間には、風間さんの左にいたはずの静佳が右にいる)
…っと、こんな感じでさ。初級の本をちょっと読むだけで覚えちゃった。イメージの力ってすごいよね! 他の本はイメージを固めてもちっともうまく行かないんだけど……。
あ、この飴剥がせる? 汚いから食べ終わってからでいいよ!(本を読むのはやめ、風間さんの特殊な食事風景をニコニコと眺めている)
■風間蒼介 > 実家の書庫調べたら途中から竹簡になってござったからなあ…
まあ割りと古い方に属するはずでござるよ
う……いや、まあ…ほら、あれでござるよ…アメリカ人が英語のテスト受けたらブロークンな感じで文法問題引っかかるとか…
拙者の不手際でござってこの学園の教師はびっくりするくらいハイレベルでござる…よ?
(時代が下るにつれて異形だった人外嫁がどんどん耳と尻尾を残した美女になるあたりの考察など流石に女子の前では口に出来ないと冷や汗を浮かべ)
買った?いやいや狩ったんでござるよ、ハンティング。
山でなかなかでかいイノシシと遭遇して、こう、サクっと。
まあくさみが強いんで生姜とニンニクと酒に漬けてたら、これから揚げ行けるんじゃないかと…お一ついかがでござる?
(ほい、とさしだして。
イノシシのから揚げは生姜とニンニクとしょうゆの味付けがぴりりとして
かみ締めれば独特のクセがあるものの、しっかりとした歯ごたえの後に旨味が染み出し、ご飯が進む)
それはもう、拙者の場合は陰陽式ゆえ、空間だけでなく複雑な要因を……うぉう!?
(急に転移を見せられれば思わず飛び上がり、どしんと尻を打つ)
いやいやいや、初級の教本で普通はそこまで使いこなせないでござるよ
ほとんどタメなしで転移してござったよ?
転移…というよりも空間干渉系…?それにしては把握から干渉への時間が短すぎるでござるな…掛け値なしの天才か別の要因か…
(忍者にとって未知とは脅威である。
生存を第一とする諜報忍務においては足元をすくわれかねない詳細不能の能力ほど恐ろしい物はない
ゆえに変なスイッチが入って異性の体をじろじろと眺めるような無作法入った無礼を働いていることには気付いておらず)
■鈴成静佳 > へぇ、この島ってイノシシとか居るんスね。狩りとか……ホントに風間くんはニンジャッスね!
あ、唐揚げくれるの? ありがとう! いただきます!(差し出された唐揚げに直接ぱくっと食いつく。味は濃いが、その奥に確かにイノシシ肉の独特の風味を感じる)
……む、美味しいこれ! すごく手が込んでる感じ! ウチの実家の田舎でもたまに食べてたけど、ここまでしっかり味付けされたことはなかったッスよ! まさに直伝のタレってとこッスかね!
アタシの転移魔術はなんというか、自分の「異能」との相性が良かったっていうかー。
(右手を掲げると、その肘の先からが不自然な速度でブーンと振動をはじめ、輪郭がぼやけるのが見える)
こういうふうに身体を振動させるだけの能力。さっき「空間干渉」とか言ってたけど、本に書いてあるのも「空間を揺らす」とか「近づける」とかいうイメージの話で、だからしっくり来たっていうか。そんな感じ。
アタシって理屈より勘で考えるほうが向いてるっぽいし、だから全然天才とかそんなことはないッスよ~!
(自分の能力については屈託なく話す。身体を舐めるように見つめてくる視線にはまったくたじろぐ様子を見せない)……お、アタシの身体でなにか気になるとこでもあるッスか~?
■風間蒼介 > 未開拓地区とか色々あるでござるからなあ。
拙者仕送りで暮らしてる身ゆえあの辺でちょくちょく狩ってるんでござるよ
サバイバル知識は叩き込まれてるでござるからなあ…生肉でも食べられるような濃いタレとか
まあ仕事の時にニンニク生姜の匂いさせるわけにはいかんのでそれは真っ当な手作りでござるが
そんなに褒められると照れるでござるよ
(いやぁ、と頭をかきながらくねくねと体を揺らす。見ようによってはちょっと気持ち悪いだろう)
ふむふむ、振動…なんでござるかねえ?
伝わるものという特性があるでござるし、その辺りが補助になっているとか…
波というかなんというか…
いやいや、教えを守り再現するのも大事でござるが、そういった感覚で自分に向いた物を見つけるのも凄い事でござるよ?
そうでござるな、なかなか魅力的なおみ足を……ほあぁぁぁぁ!?誘導尋問!?誘導尋問でござるか!?
拙者のわずかな意識の隙間を突くとは…いや決してやましい気持ちで見ていたわけではなく!
(やばいでござる虫を見るような目で見られた挙句に次の日にはクラスの女子に広まって机と机の距離が微妙に離れて陸の孤島が爆誕してしまうでござる!
と空になった弁当箱を膝の上において両手をぶんぶん振って必死の弁明を)
■鈴成静佳 > いやぁ、この島ってスラムとかもそうッスけど、未開発の地区はすっごいキケンって聞くし、アタシは行くのも遠慮したいッスね。
頼もしいボディガードでもいれば別だけどね!(意味深な視線を風間さんに投げかけながら)
うーん、波かぁ。確かに振動は波だし、転移のときのイメージにも「空間を波打たせる」ことで距離を狂わせるってのがあるからね。
でも「なんでうまく行ったか」を考えようとしても頭が付いて行かなくてねぇ。気にしないようにしてる。とりあえずうまく行ってるから使ってるけど、いつか痛い目にあったりするのかなー。
現時点で結構失敗率も高いけどね~。いろいろ脱げちゃったりするの。なるべく男子の前では失敗したくないッスね、アハハ~!
…んー? 別にアタシは誘導尋問なんてしてないッスよ? いいじゃん、誰がどこを見てたって。アタシは気にしないッスよ?
でもアタシの脚なんて太いだけだしー(スカートから覗く自分のふとももをペチペチと叩く。確かにやや肉付きがよいか)。これからみんな夏服になっていくし、もっと綺麗な脚をいくらでも見られるッスよ?
青春なんスから、少しぐらいは「やましい気持ち」も持ったほうがいいッスよ、ニンジャくん?(スカーフの頬をつんと突く)
■風間蒼介 > まあ確かに拙者が狩ったイノシシも見上げる高さで両手で抱えられそうな牙持ってござったしなあ…
ボディガード…でござるか、そういった危ない地区に用事でも?
(女子の意味深な視線というのはどうも物理的圧力をともなうらしく、わずかにたじろぎながら問い返して)
まあ拙者も先生に言われた事でござるが、こういうので大事なのはイメージでござるしなあ…
頭で理解できないなら体で覚えるのが一番ではござらんかな?その辺は感覚で使えてるんでござろう?
慢心せずに少しずつ出来る事を探っていけば良いと思うでござ…ぬ…ぬげっ!?
(自分も幼い頃に経験した事だし…と語っていると青少年というか性少年にはいささか刺激の強い単語にびしーん!とスカーフが跳ね上がって
視線が向かいそうになるのを抑えようとして横目チラ見になってしまったりカクカクと膝が震えたりと)
い、いや、やっぱり失礼というか無礼というか…い、色々ござろう!?
いや太いだなんてとんでもないでござるよ健康的な脚というのはやはりそれだけで視線誘導がっせぇい!
(思わず語りそうになった自分の腹に肘を打ち込んで強制停止させるとぜぇぜぇと肩で息をして)
うぐ…拙者風紀委員に目つけられるレベルでやましい気持ち持ってるでござるが持たれる側の気持ちというのも…
あう…
(頬をつつかれるとじわりと頬から耳先が熱く…)
あー、飴!飴剥がすでござるよ!弁当食べ終わったでござるし!
(すぱーん!と膝を叩いて強引な話題変換を)
■鈴成静佳 > 別に、いまは特に危険地帯に用事はないよ。秘密のデートスポットでもあるなら教えて欲しいけどね。風間くんと行くかどうかは別としてね!
まぁでも痛い目つらい目に合うのは好きじゃないし、できれば治安の良いとこで気楽に暮らしてたいッスね~。
うん、まぁ、セクハラはともかく色目を使われるだけでも嫌な気分をするって子はけっこう居るね。アタシは違うけどね。
でも別に、やましい気持ちってのを持つこと自体は何も悪くないでしょ? そういうこと。風紀委員に気持ちの問題まで突っ込まれる謂れはないッスよ!
……あー、でもニンジャか。ニンジャはやっぱり精神面も鍛えるッスか? 座禅とか? そしたらアタシ余計なことしたッスね~。
お、じゃあ靴のほう、お願いしていいかな? よいしょっと…
(ベンチに下ろしたお尻をずらして距離をとり、飴がついたほうの脚をベンチに乗せ、風間さんの方へ向ける。靴底を扱おうとするとスカートの中身が見えるかもしれない……わざとだ)
■風間蒼介 > そうでござるなあ…デートスポットになるかどうか実戦経験がないので何とも言えぬでござるが
農業区で自然農法やってる地区の山なんかは川が綺麗でござったし水遊びには良さげでござるなあ
あとは危険地帯になるなら海底遺跡地区にある斜塔の上なんかは夜は絶景でござろうな…
あとは青垣山に行けば一面彼岸花の…あ、これは不向きでござるな
(自分と行くかどうか別と言われればがっかりするどころかとこかほっとしたようにいつものペースに戻って)
そうそう、拙者そんなつもり無いでござるのにじろじろ見てたとか言われたりするし怖いでござるよ…
まあそうでござるがね、拙者の場合…ええっと、色々あるんでござるよ
(18禁の物資を非合法に流通させる金脈会なる秘密組織であれこれと…している事は内緒でござる
風紀には疑われているだけで尻尾は掴まれていないけど)
いや、まあ戦地なんかだと張り詰めっぱなしでござるが日常ではゆるゆるしてないと神経もたんでござるからな
さすがに昼休みにはそんな事してござらんよ
(ははは、と笑い飛ばしながら手を振り、靴を受け取ろう…として視界の端に映る……
いや、ダメでござる!そんな本人が色目平気と言ったとしてもおパンティはステージが一個上がるでござるし!
と目が泳ぎ、しかし完全に逸らし…きれ!と横を向く)
せ、拙者に任せるでござるよ。なあにこの程度の飴など風間の歴史に比べれば木っ端のようなもにょで…
(おぼつかない手つきでハンカチを手に載せて竹筒の水筒を取り出して濡らして…
いかん、患部を見るためには逸らした視線を見る必要が…!)
■鈴成静佳 > へぇ、実戦経験なしかぁ……(言葉の端を拾い、クスッと微笑む。注意深く見ていれば舌なめずりの瞬間も捉えられたかもしれない)
ふむふむ、農業区に青垣山に海底遺跡。農業区あたりは治安もよさそうッスね。料理部の買い出しに行くことはあったけどそっちまでは行ったことないなぁ。
教えてくれてありがとね!
ニンジャは確かに珍しいからねー、物珍しく見られたり、最悪スパイや覗き屋扱いされても仕方ないのかもね……(創作物の中でのみニンジャの存在を知ってたので、このへんも忌憚なく言い放つ)。
いろいろあるかぁ……。忍ぶのが仕事とはいえ、あんまり風紀委員を困らせるようなことはしちゃダメだよ? フフッ。
んー、何を焦ってるのかな?(赤面しつつも自らの靴を綺麗にしてくれている風間さんを、ニコニコと笑顔で見下ろす……悪戯心に歪むのを必死に隠しながら)
(ウブな男子の心を充分に弄れたことに満足したか、まるでいま気付いたかのように慌ててスカートを抑え、中を隠す)おっと…! アハハ、ごめんねぇ、アタシあんまりスカート履き慣れてなくってさ。普段はズボンかジャージばかりだからね。アタシの注意不足だから、風間くんは気にしないで、ね?
……ん、靴底綺麗になったかな。これで午後もこの上履きで過ごせそう。ありがとね、風間くん!
■風間蒼介 > い、いや…机上演習では結構…いや、なんでもござら…ぬ?
(もごもごと恥ずかしげにしていると、ゾックゥと背中に寒気が走り、きょろきょろと周囲を見回して)
どこも農業区も隅っこの方になれば交通インフラしっかりしてないでござるし行くのは大変でござるがね。
まあ都会からも離れてるでござるし海も空もどこも綺麗ゆえ海岸線付近にいけばどこもそれなりに良い雰囲気と思うでござるよ。
う…たしかに拙者隠密でスパイでござるしその辺否定出来んでござるからなあ……
まあ他人を害するような使い方はしてないし大丈夫でござるよ
(法は若干犯してるけど自己責任自己責任と言い訳を自分に言い聞かせ)
き、気付いてたら注意するでござるよ?拙者見てないでござるから…ちょっとしか
(嘘をつくのも…と控えめな表現で付け加えて…)
まあちょっとベタ付くのが残ってるかも知れないでござるが、地面にこすり付けて砂でも付けて置けば大丈夫なはずでござるゆえ
(こほんと咳払いすると動揺を抑えて、折りたたんだハンケチをポッケにしまいこんで)
■鈴成静佳 > んふふ、風間くんったらかわいい♪(歯を見せて笑い) なんならアタシで実践演習してみる? なぁんてね、冗談。
実戦経験を積みたかったら、異性にオドオドせずにもう少し堂々としてたほうがいいかもね。あと……おしゃれかな。さすがにそのニンジャっぽい衣装はやめたほうがいいかも。休日くらいはね。
常時ニンジャ、常時任務とか、そういうのはいい子見つけた後でやったほうがいいッスよ。学生なんスから。うんうん!
(自らの召喚した飴で汚れた脚の裏を見て)綺麗になってる。ありがとう、助かったよ風間くん! 頼れる!
アタシのスカートなんか見ても得になんないッスからね、変なもの見せちゃってごめんね。フフッ。
(初々しい反応の風間さんを見て、相対的にオトナになった気分で優越感に浸る静佳)
さ、そろそろ午後の授業が始まるころだね。教室いこっか!(立ち上がり、脚をぐっと踏みしめてベタつきがないのを確かめる)
■風間蒼介 > かっ…かわっ!?
うぐ…戦場で相見えたならボンテージバインバインでも気にせず済む自信があるでござるが……
おしゃ!?うぐ…しかし拙者学ランとジャージと忍び装束除けば寝巻きくらいしか……というかこれ霊糸で編んだ立派な防具でござって……
うう……必要でござるかなあ…お洒落…
(別に彼女が熱烈に欲しいかと聞かれればヘドバンする勢いで頷くがなんとハードルの高い事か…!)
いや…その……鈴成殿は自分で言うよりも…女らしいと思うでござるよ?
(視線を逸らしながら人差し指同士をちょんちょん突き合わせて…)
っと、そんな時間でござったか…昼休み挟むと気が抜けるでござるなあ…
(弁当箱を忍者収納術で懐に納めると立ち上がり、大きく伸びをして気持ちを切り替えて)
■鈴成静佳 > いやー、アタシも田舎にいたころは女っぷりに自信あったんスけどね。学園に来てから……その……上には上がいまくることを知ってね……アハハ。
戦場での風間くんは凛々しいんスね。一度見てみたいかも。いやー、やっぱり一度ボディガード頼んで危険地帯行ってみたりしちゃおうかなー。なんちゃって!
(談話しながら、屋上を後にした)
ご案内:「屋上」から鈴成静佳さんが去りました。
■風間蒼介 > そこは他人と比べるような物でも無いのではござらぬかなあ…
まあ拙者もイケメン見ればしめやかに爆発四散しろとは思うでござるが
あ、いかん思わず自分と比べたら凹んで来たでござるよ…こんな風に何の益もないでござるよこれマジで…
どうでござるかねえ……まあ命かかってる状況でボケかまして死んだら恥ずかしくて化けて出る事すら出来んでござるからなあ…
(などと言葉を交わしあいながら屋上を後に)
ご案内:「屋上」から風間蒼介さんが去りました。
ご案内:「教室」にウィリーさんが現れました。
■ウィリー > 『ええ…まず、異能と言うものは多岐に渡ります
その能力の性質は有用なものから、危険なものまで
異なる能力と言う表現は、正に正鵠を射ておりますな』
『その発動には、一説には脳の未使用領域を活性化させ、
通常では「起きえない」現象を世界に発現させるものだとか
もしくは、遠隔地にある大型の演算機の補助を得て発動させるものだとか
果てには生まれつきの「力」――これは異能とは若干違うものですが――が異能であるという言説もあるわけです』
年老いた教員の眠たくなる講義に、うつらうつらしながら
単位のためにノートをとる。どうにか起きていられるのは、
この講義が「異能がどういうものなのか?」
その理由の基礎概論だったからである。
■ウィリー > 『身体機能に作用する異能に関しては、また別の説明が必要になりますな
これは、肉体の自壊を防ぐためのリミッターを解除するとともに、
崩壊が進行する肉体を再生する、そういった均衡を用いて
いるとも言われております。』
『単純強化の場合は、今説明したとおりの流れが一般的でしょう。
他者の感覚を調整したり、精神感応系の異能に関しては
非常に判断が難しい。自分の身体だけならいざ知らず、
他人に異能で干渉することは、大きな負担を強いられることは間違いないでしょう』
『ただし、先ほど言った様なバックアップ――大型の演算装置による補助
を得れば彼らの能力は一般的な異能に比べて遥かに大きな
影響力を持つことに』
終業の鐘が折悪しく、というべきか教員の言葉を切って
教室に響いた。
『続きは来週の講義にしておこう、ウィリー・トムスン。
居眠りしていては身につくものも身につきませんぞ』
■ウィリー > 教室を出た教員の背を見送って、ノートを閉じる。
「く、くっそねみい…あの爺さんの説明わかりやすいのに
声がスゲー眠たくなるのどうにかなんねーのかよ…」
ぐったり。かわいい女の子の臆にうずもれたいくらいのぐったり。
ご案内:「教室」に日乃杜 梢さんが現れました。
■ウィリー > 「おあ? どうした、授業は終わったばっかだぞ」
朱の髪の少女に視線を投げて、教科書の類を頓ける。
(結構かわいいな…)
■日乃杜 梢 > (生徒が入れ替わる間隙。人の波が落ち着いてきたところを見計らって、すい、と滑り込む)
(と、すぐに声を掛けられたことに気づき、少しだけ狼狽した)
あ、いえ…次の授業に出席するものですから。
(早めに準備を、と告げる少女)
■ウィリー > 昔は自分もあのくらい真面目だったな、などと思う。
今じゃ時間ギリギリで授業の内容は右から左。
「そうか、ちっと時間には早いし…暇なら話でもしないか?」
わかりやすいナンパ…なのだが、本人としては普通に話を振っているだけ。
人見知りには辛いかもしれない。
■日乃杜 梢 > (提案に、一度壁に掛けられた時計を見上げる)
(確かに、前の授業が終わったばかりで時間は早い。次の授業は、魔術の扱い―陰陽術を扱う自分にとっては得手の部類だ)
(予習の必要は、実はそんなにない…)
…ええ、私でよければ。
(控えめに、頷いた。ウィリーのほうへと歩み寄る)
■ウィリー > (同じく時計を見る。今日は珍しく時間もある、魔術の単位も拾っておくかと)
「話が早くていーや。俺はウィリー・トムスン
丁度異能の授業をうつらうつら聞いてたへっぽこ学生
んで、今は歓楽街の自警団もやってる」
「で、そっちの可憐な君はなんていうのかな」
■日乃杜 梢 > …正直な方、なんですね?
(うつらうつら、のことを指して、くすりと笑う。年相応、というよりは幼げかもしれない、微笑)
(ウィリーから2つ程離れた席を選び、腰かけつつ、自分も名を告げ返す)
ウィリーさん、ですね。私は梢、日乃杜 梢と申します。
入学してそんなに経っていない、一年生ですので…よろしくお願いいたします。
(ぺこり、と頭を下げつつ、頭の中に地図を広げる。歓楽街は、たしかスラムや落第街とは隣り合っていたはずだ)
(自警団というのであれば、それなりに情勢にも詳しいのでは…?)
■ウィリー > 「嘘をつくのに向かない性分なんだ」
良くも悪くも、ひねたところのないいい奴。それをなんとか
悪びれた感じで隠そうとしているのが彼である。
「日乃杜梢…梢ちゃんでいいか? 名字で呼ぶのはどうにも
堅苦しい感じがしてな。あと俺も一年だから、かしこまらないでくれ」
「? 何か聞きたそうな顔してっけど、どうかしたかい」
■日乃杜 梢 > (そういうことを口で言ってしまうのだから、本当に嘘を吐くのは向かないのだろう。今度は内心で、小さく笑う)
ああ、同級だったんですね。よかった、まだ同級の方の知人も少なくて。
呼びやすければ、それでかまいません…私は、ウィリーさんとお呼びいいたしますね。
(問われ、反射の思考で、考えていたことを口にしようとするのを、瞬間でとどめた)
(代わりに言葉にするのは、咄嗟に浮かんだ別の質問だ)
いえ、その。…確か、さっきまでの授業は、異能の関係でしたよね。
ウィリーさんは、異能をお持ちなのですか?
■日乃杜 梢 > ―あら…
(気づけば、結構な人数が教室に集っていた。ドアが開く音が響けば、教師が足を踏み入れてくるのが見えた)
すみません、そろそろ授業が始まるようですね…。
また機会があれば―
(小さく頭を下げ、前へ向きなおる。授業開始のベルが響いたのは、その直後のことだった)
ご案内:「教室」から日乃杜 梢さんが去りました。
■ウィリー > 珍しく授業を聞こうと思ったのは、この少女との出会いもあったかもしれない。
実際のところはどうだかしれないが、人と触れ合うたびに、
何かを得ようとする欲求がこみ上げてくるのは確かだった。
ご案内:「教室」からウィリーさんが去りました。