2015/06/09 のログ
士尺 流雲齋 > うむ…、来るとおもっとった生徒が来ぬし、火焔は遠くからでも見えていたんじゃがの。
【本当に残念そうに答えるあたり、このお爺ちゃんも歳を考えない相当な武闘派である。】
色々噂を聞くに、上泉先生などは活躍しとったらしいがのう。
まあ、犠牲が少なくてよかったと、そういう事にしておこうぞ。

照夜 > 残念そうな声色に小さく笑う。
予想通りというか、講義のイメージどおりというか、楽しそうな爺ちゃんだなと思いつつ。
「まぁ、犠牲が少ないのは良かったことですね。
……これに懲りて古典の講義に出てくるようになってくれるといいのですが」
一人の生徒の名前を見つつ呟き。

士尺 流雲齋 > いや、それは…どうじゃろ。
此度の災難、座学と関係なさそうじゃし。なにより…もし、本人に当事者の記憶がなかったら、儂ら、どうしたら良いと思う?そう考えると、大人しく座して次の祭を待っとったほうがいい気がするんじゃよ。ああ、武器の手入れをするのも一興じゃな
【からからと笑う。】

士尺 流雲齋 > はて、しかし、そうなると。
来島先生、どこへ行ったんじゃろ。
【ふと、1人の教員の姿が戻らないことに気付く。一連の件と関係があるかもしれないとみていたが、別件なのか?】

照夜 > 「……ですよね」
大きなため息。
どうやら彼女が古典の講義に出席する確率は、変わらなさそうだ。
「武器の手入れは欠かさずにやっているんですけれどもね。
……ああ、そういえば来島先生も行方不明なんでしたっけ」
面識はほとんどないが、ふむ、と首をかしげ。

士尺 流雲齋 > 彼と面識あるものから、捜索願が出されておった。儂も、関係者から頼まれたし、動かなければならぬが。…ただ、公安と風紀を除くと、人の出入り調査に割り込めるところはあったかの…?
【保健委員会からは手がかりはほとんど見つからないだろう。とすると、彼の交友関係、他に誰がいたか。】

照夜 > 「死体もない。
目撃情報もない。
となるとどこかで捕まってたりするんでしょうかね。
この島はきな臭いところが沢山ありますし」
勿論、ただの推測でしかないのだが。

「さて、と。
士尺先生、私はそろそろ職員量に戻るとします。
捜索するのは良いことなのですが、あまり無理なさらないでくださいね。
人は勿論、人ならざるものでも限界はありますので」
少し楽しそうな笑みを浮かべつつ、ぱたん、とノートパソコンを閉じ、士尺に頭を下げて職員室を出て行く。

ご案内:「職員室」から照夜さんが去りました。
士尺 流雲齋 > ああ、そうじゃの。お疲れ様じゃよ。
【こちらも会釈を返し、照夜が出ていくのを見送る。その後、小さく肩をすくめた。】
やっぱりばれてたかのう。ほんに、この学園はこちら側が多くて参るわい。

士尺 流雲齋 > さあて。どうしたもんじゃろうのう。もの探しは不得意なんじゃが。
【1人残された職員室で、後頭部を掻き、思案する。】
やれやれ、人流の探し方じゃと制限が多くてこまったもんじゃ。……まず、気は進まぬが、生死の確認からやってみようかの。

士尺 流雲齋 > 【窓を開ければ、闇の中に遠く、青垣山が見える。
懐から一枚の和紙をとりだし、折り紙のようにしばらく手で弄れば、子犬のような姿になる。マッチに火をつけ、紙の犬を燃やせば、灰が風に乗って飛んでいった。】
……ふむ、それでは行こうかの。夜が明けぬうちに、闇の道を

士尺 流雲齋 > 【職員室の鍵を閉め、杖をつきながら廊下を歩く。やがて玄関まで来ると、霧のように闇に溶けた。】
……人狼の友が欲しいのう。

ご案内:「職員室」から士尺 流雲齋さんが去りました。
ご案内:「保健室」にサイエルさんが現れました。
サイエル > 「……ぁーたたた……体いたぁ……」

昨日のウォームアップと、それにひと騒動に動いたのがまずかった。
身体が悲鳴をあげている。いや、間違いなく、筋肉痛だ。
一晩できたのはいいことなのか……それとも……

「シップ湿布ー……えーっと、ちゅうちゅうどこかいな……」

どこだったかなぁと、ガサゴソ。
今日もきっとサボるにベストな日だ。
筋肉痛の処置をしたらベッドで寝ているとしようかな、などと思いつつ。

……ん? 家でしてこいって?
やだよ、もったいない。誰も気づかない気づかない。

くすねるつもりで来た様子。だめだ、このおっさん

サイエル > 「あ~……きくぅ……」

上半身の衣服だけ少し脱いで。
シャツだけになって肩や、筋肉痛のひどいところに貼っていく。
特に腰がひどい。腰が。びきぃってなる。

「あとは、太もも、ふくらはぎぃ……」

容赦なく、贅沢にペタペタ。
そして剥がれないようにしつつ、衣服をき直し、白衣だけ
椅子の上に引っ掛けて。

「よっこらせ……」

いちいち動作に、口が出てしまうのは年をとったからかなぁ
などと思いながら、しっかりベッドメイキングされている
白い天国に潜り込む。

--あ~、極楽極楽……

目をゆっくり閉じて、その至福の時を味わいつつ

サイエル > 「……ふご……」

少しすれば、意識はまどろみ、どこかへ……
いびきはちょっとうるさい。
ふごごごっと、音を鳴らしながら。

きっと誰かが来るまで体をいたわるという建前の”サボリ”をしているだろう……

ご案内:「保健室」に湿布の香りさんが現れました。
湿布の香り > (――――~~~~。)

湿布の香りが漂う。
確かに大量に貼った覚えはあるが、いくらなんでも鼻につく。
まるで鼻の下に直に湿布を貼られたかのような清涼感が不意に訪れる。

サイエル > 「……ほご、んご……?」

なんだかこう、スッキリするようなしないような。
深く沈んだ意識でははっきりしないが
スースーする感じはする。
こう、あの、なんか清涼剤をこう直接塗ったような
あんな感じ……
でも眠気の方が強い……いびきはまだ継続中

湿布の香り > (~~~~。)

湿布の香りがどんどん強くなる。
鼻の下に貼られたような匂いから、鼻の孔にミントをめいっぱい詰められたかのような香りへ徐々に変化していく。

魔法の識別に長けた人間が見れば、眠っている保険医の周囲に、翅の生えた小さな妖精がくすくす笑っている姿が見えるだろうか。

サイエル > 「んぐおおおお……ふご、ふぎゅううう……」

表情がだんだん曇っていく。
苦しそうに、歪みつつ、寝返り。

なんかの悪夢を見ているかのように。

見ている夢はきっと、ゆっくり温泉に浸かっていたのに、急に北極に全裸で飛ばされたみたいな、そんな感じ。

--寒い。

湿布の香り > 「――――カタンッ」

近くの薬品棚が開く音。ひとりでに開いた瓶の中身は、胃腸薬。
練り薬タイプの匂いが独特な例のラッパのマークである。

(~~~~~~~。)

混ざった。
凄まじい清涼感の中に、半端ではない刺激臭というか薬品臭というか、
一発で「あ、例のあの薬!」と判る香りがやってくる。しかも息を吸う度に強くなる。片方の鼻がキシリトールで片方の鼻がラッパのマークである。

サイエル > 「……んご!?」

景色は一変する。
北極でがくがくしながらしろくまと熱い抱擁を交わし。
なんとかしのいでいたというのに。
そのしろくまがガチムチツルツルヘッドの外国人へとかわり。
まわりはサウナのような場所。

--まままま、まずい! 掘られるっ!!

そんな危機感を抱いて、ばっと離れて失踪。

「うーんうーん……」

しかしサボリのど根性。あと一息だが
眠る。なんという執念だろう……

湿布の香り > (――――ぶわぁっ。)

何とも言えない香りの中、眠り続ける保険医の周囲に新たな『香り』が追加される。
隠しておいたウォッカの匂いと、つまみとして購入しておいた菓子類の匂いだ。

チップスやらイカやらアルコールやら湿布やら正露丸やら、だんだんすごい匂いになってきた。
今保健室の扉を開いた人間が居たなら、そのものすごい匂いの中心からうなされる声が聞こえるという奇妙な状況になるだろう。

匂いがどんどん強くなる。口の中に買ってきた食べ物と酒類と湿布と胃腸薬を全部突っ込まれたような臭気。

サイエル > 「おごえええ……えっほえっほ……なんじゃこのにお……おろろ……」

がばぁっとハネ起きた。
文字通り。
窓を開けに行って外の空気を吸う。それだけで昇天してしまいそうだった。

ちなみに夢では、そのガチムチが増殖していって、襲われたところで目が覚めた。
あぶない……

湿布の香り > (――――ふわわわわ……)

窓を開けた事で、外から新鮮な空気が流れ込む。
だがどうした事だろう。悪臭が消えたのは一呼吸か二呼吸の間のみ。
再びイカとアルコールの匂いが漂って来る。まるで目の前にあるかのような匂いの強さだ。

(――――~~~~)

不可視の妖精が鼻先に飛んでいるが、保険医には見えたかどうか。くすくすと小さな手で指の爪ほどもない大きさの顔を押さえて笑っている。

サイエル > 「……ええい、なんだってんだ……?」

不快感に顔を歪めながら。
まぁでもイカとアルコールは嫌いじゃない。
そういう気分なのだろうかと思いつつ。

その妖精の姿は、全く見えておらず。
お酒を取り出して飲み始めた

湿布の香り > (こぽこぽこぽこぽ……)

そしてお酒から漂う芳醇な香り。清涼感のある、身体の奥まで染みていくような、湿布の香り。
湿布の香りだこれ。注いだ酒から湿布の香りがする。味はちゃんと酒である。『香り』だけが明らかにおかしな事になっている。

(ふわふわふわ)

姿の見えない妖精は、今度は薬品棚の方向へ向かった。湿布の香りを保険医の周囲にだけ漂わせながら、例の胃腸薬の近くに着地。『香り』がそちらへ向かう。

サイエル > 「……うーん。今日はなんだかおかしいねぇ?」

つまりそういう気分というわけでもないらしい。
シップの貼り過ぎかな? なんか嗅覚をおかしく”された”か。
それとも摩訶不思議な出来事が起こっているのか……
とりあえず、匂いの元かもしれない胃腸薬に近づいて……

「は、ふぁ、はっくしょい!!!!」

なんだか鼻がムズ痒くなって。思いっきりくしゃみをしてしまった。

湿布の香り > (ふわり、ふわり……)

不思議そうな顔を見て、不可視の妖精は満足げに笑う。
よいしょよいしょと、香りを引っ張るような仕草でラッパのマークの胃腸薬の匂いを運んできた不可視の妖精は、いよいよその刺激臭を鼻先に近付け、
そこで、盛大なくしゃみに吹き飛ばされた。

(ひゅるるるる……)

ぐるぐると目を回しながら窓の外へと飛んでいくも、生憎普通の人間には見えない妖精の姿は誰にも気付かれない。
保健室に残ったのは、湿布の香り(これは普通に貼り過ぎたせい)のみで。

ご案内:「保健室」から湿布の香りさんが去りました。
サイエル > 「んご? うう……風邪でも引いたかなぁ……?」

ずびびって鼻を擦り。
おっと、そろそろ当直は終わりだななんて時計を見て。

湿布を剥がしてゴミ箱に。戸締りをして。

「……さて、っと。んじゃ帰りますかね……」

ご案内:「保健室」からサイエルさんが去りました。
ご案内:「屋上」に蓋盛 椎月さんが現れました。
蓋盛 椎月 > (屋上のベンチに座って、もりもりとバゲットにかぶりついている……。
 購買部で買ってきたのだろうか、傍らの紙袋には他にもいろいろと食料品が。)
……あそこの購買部なんかやたらいろいろ揃ってるなあ。
この学園ってデカいせいか無駄に贅沢なとこあるよね。

蓋盛 椎月 > (バゲットをちぎっては食べ、ちぎっては食べ……
 っていうか一人で食べるには多くね? このバゲット? となっているのが今。
 植物園で会った男のような間違いを犯してしまったというのか。)
ふぇぇ……顎が疲れた。

(保険医らしい仕事しろ~と言われて、大急ぎで作った掲示物を
 適当に通りすがった生徒に少し手伝わせつつ
 教室棟の掲示板に貼り終わったのがついさっきのこと。
 手伝ってくれた生徒はなんか文面見てえっ?って二度見してたけど
 そんなにおかしいことを書いていただろうか……。)

蓋盛 椎月 > (どうもあの手の真面目な告知をするのがニガテで、
 いかんせん雑な筆致になってしまう。
 アレ見て保健室に相談しに来る連中はどれぐらいいるんだろうか。
 待ちの姿勢よりも自ら捕まえに行くのが自分らしいのでは?
 って思ったけどそっちも別に決してうまくは行ってなかった。)

(バゲットは半分ぐらいに減ったけどそこからが遠い感じ。
 誰か食っていただけないだろうか……。
 ……まあ最悪持ち帰ってあとでおやつにすればいいか。)

ご案内:「屋上」にウェインライトさんが現れました。
ウェインライト > 「ここかね! 蓋盛先生のこころとからだ相談室というのはっ!」

薔薇めいたエフェクトをまき散らし、美しき痩躯が現れる。
ロストサイン、滅んでた。
自分が身を寄せていた組織が滅んでいたことを知ったウェインライト。
相談室の掲示を見て、真っ先に駆け込んできたのだ。

ウェインライト > ……よく見ていなかった! ここは屋上だ! 震え声をあげながらメタ的な死を迎えるウェインライト。
きっと、相談室を開いているという先生が、こちらに向かったと聞いてやってきたのだ。
ほんとだよ。

蓋盛 椎月 > ううおっ。
(いきなりのエフェクトと叫びに素直にビビってバゲットを取り落としそうに)

すまない、実は今休憩中でそもそもここは保健室ではなくて……いや!
あたしと悩める子羊がいるならそこは相談室さ。
今から青空こころとからだ相談室が始まるのだ……
(だからメタ的に死ななくていいよと微笑む。)

……それで背中の見えない薔薇がとても良く似合うあなたは
いかなるお悩みで?

ウェインライト > 繊細で長い睫毛が伏せられる。
己の身を抱きしめるようにしなを作り。

「実は先生。真剣な悩みなのだが。ロストサイン、という組織をご存知だろうか」

表も裏も暴れまわったウェインライト。
隠すつもりはさらさらない。
我が道を往くのがウェインライト。
秘密結社とはどこへやら。

蓋盛 椎月 > ロストサイン……。

(いきなりこころとからだ相談室では手に負えないような名前が出てきた気がする。
 まあいい。)

知ってるよ。……つってもまあ、誰でも知ってそうなことぐらいだけど。
この学園の裏でいろいろ悪さしてた悪の組織でしょ?
二年前に正義の味方に潰されたとか……。

(チラリ、とくどいぐらいに美形の相談者の容貌を観察。
 ……そういえばこんな外見的特徴の奴が
 昔暴れてたとか、暴れてないとか。
 いやこんなアホっぽいのが構成員なわけないよな偶然だろう。ハハハ。
 なんて考えが半笑いという形で漏れていたかもしれない。)

ウェインライト > 「うむ。実は私はかのグランドマスターのもと、ロストサインのマスターとして戦っていた八人の一人……!」

陶酔するようにオペラを歌う。
流石"天災"ウェインライト。
その美声はウィーン国立歌劇場をも狙えるかもしれない。

美しきものたちとの美しき戦いの末、美しき最期を迎えた。
しかし美の探求者は死なず、ン年の時を経て蘇ったの。しかし、ああ! 恩あるグランドマスターはいなくなり、ロストサインは滅んでしまった!

情感に満ちた歌。過去ならば、その声だけで人を魅了したというウェインライト。

朗々と己の境遇を詩にして、

「ごはっ」

血反吐を吐いて力尽きた。

登場五分ぐらいは我慢できたかもしれない。
がんばったぞウェインライト。

生死を確認したら、多分死んでる。

蓋盛 椎月 > ブッ。

(噴き出すことしかできなかった。
 普通に構成員だって認めちゃったよ。
 秘密組織ってそんな堂々としていいもんだっけ?
 テキトーな世界だというのは重々知ってたつもりだったけど甘かった。
 あっけにとられている間にもなんかボタンで飛ばせないタイプの
 ムービーシーンが始まりだしてるし。やばい。
 ……ともかく、死んで復活するまでの間に居場所がなくなっていたというとこまでは把握。)

……いや、“ごはっ”じゃないよ!!

(お前まで噴き出さなくてもいい。それも血を。今のどこに吐血する要素があった???
 とりあえず保健室の先生の勤めを果たそうとして駆け寄る。脈拍を見る。)

……死んでる!!

(死亡確認!)

ウェインライト > 気付けば、見苦しい部分(※吐血した口、及び血だまり)はモザイクがかっている。
良い子にやさしいウェインライト。
"狂い時計"は全年齢対応だ。

保険医として生死を確認、処置を施しても無駄であろうことまでよく分かる。
享年数百歳。或いは数千歳。
美の探求者、死す。

あっけにとられるか、どこかへ連絡するか、
何か新たな動きを取ろうとした時に、

「……ふ、興奮しすぎて頭に血が登ってしんでしまったよ、先生」

などと、髪をかきあげて扉から登場した。
つい数瞬前まで死んでなければ男子生徒も女生徒も魅了できたろうに。
なお、先程まで床を濡らしていた血だまりは、綺麗さっぱり消え去っている。

蓋盛 椎月 > 何気なくリポップしてんじゃないよ!
そもそも軽々しく死にすぎだよ! いのちだいじに!!
(でたらめさに思わず目玉を飛び出させて叫ぶ。
 そういえば死んで生き返ったって言うから不死身系異能者なのね納得。
 いや納得できないよ。
 目の前の美形がこころとからだ相談室に訪れたように、
 こっちも目の前の美形相談室の門を叩きたい。)

……ごほん。
(完全にツッコミに回らされてしまった。
 落ち着こう。強引にでも話を進めなければなるまい。)
……ええと、あなたの属している組織が留守にしている間に消滅していた、と。
うーん…………滅んでしまったものはしかたありませんし。
別の生き方を探されてみるというのはいかがでしょう。
(とりあえず、無難な提案。)

ウェインライト > 「いのちは確かに大事にしなければ……!!」
先生の鋭いツッコミに感銘を受けて心肺停止。
命大事に死んでいった、速やかなる矛盾であった。

「さておき」

蘇った場面は省略していいだろう。
天丼は美徳だが、冗長でもある。

「別の生き方……なるほど。
しかし僕は違反生徒……! 学園の美しきを目指す彼らに手を出してしまっている!
ついでにいえば……うん? そもそも死んでいるから学籍も何もないのでは?」

生徒のための相談室に、生徒でないものが相談しに来る。
それは実に美しくない。
口の端から血が垂れた。

蓋盛 椎月 > あっ……
(またしても目の前で軽々しく失われていく命。
 幾度私は取り返しの付かない取りこぼしを繰り返してきたのだろうか。
 そんな無念にとらわれる。
 でもこいつに関してはティッシュペーパー並の命の大事さだしどうでもいいかな……。
 そう考えてみると、さっきからバックで咲かせている薔薇も
 ティッシュペーパーで作ったみたいに見えてくる。)


あら。意外とロストサインには拘りがないのね……。
っていうか、なんで悪の組織に加担してたの?
(素朴な問い。目の前のアホはあんまり悪いことしそうには見えないが……)

学籍に関してはまあ、取り直せばいいんじゃない?
犯した罪に関しては……どうだろう。
実際どれぐらい悪いことしたのか知らないから、なんとも言えないなあ。
……償う気持ちがあるなら、案外大丈夫な気もするけど。

ウェインライト > 「ふ……実はこの僕は最も気高く最も優美で最も華麗な吸血鬼、ウェインライト一族最強にして最期の一人……」

今度はオペラなかった。

「この僕の美しき所作についていけず、ちょっと動いただけで校舎がひとつ壊れてしまってね」

なんの意志も無く、ただ腕を振っただけで教室が崩壊する。
そのような化け物を学園で管理することなどできはしない。

「この世界の脆さを理由に僕自身を縛ることなど僕にはできない!
そういうわけで危険だなんだと襲われてしまったのだよ。ああ、美しさとは罪!」

だが、彼もまたそんな"些細"なことを気にしてなどいなかった。
善人ではあるが、この世界の倫理が通用する相手ではない。

「そこでこの僕の美しさを肯定してくれたのがグランドマスター……というわけさ」

悲しそうな瞳。
ウェインライトの最初の理解者はもはやここには居ない。
復讐だなんだと騒ぎ立てるつもりもないようだが、そこには哀愁があった。

蓋盛 椎月 > ふぅむ……。
(まさに歩く災厄と言ったところか。
 しかし現状見る限り世界についていけず
 勝手に壊れているのはこの美形であるように見える。
 死の際に力を失った……あるいは反転したということだろうか。
 仮に力が健在であったなら今自分も無事ではなかっただろう。)

(悲しそうな眼差しに、つられたかのように自分も目を伏せる。)

……なるほど。キミを受け入れてくれたのがたまたま悪の首魁であったと。
それは罪深いめぐり合わせだったね。……しかし彼はもういない。

……まだここで(死にながら)生きていくつもりなんでしょう。
グランドマスターしかキミを認めてくれない、とは限らない。
誰も傷つけることかなわなくなった今のキミなら、
そんな人を探すことももう少しやりやすいんじゃあないかな。
学びたいと思う気持ちがあるなら、誰だって受け入れるところだよ、
この学園は。……たぶんね。

ウェインライト > 蓋盛の言葉に、おお、と感銘を受ける。
素晴らしい言葉だ。実に美しい。

「なにやら含みを感じたが、君の言葉には感動を覚えるよ!
美しい言葉だ! 僕は孤高の美だが、それはいわば鈴蘭のように咲き誇る華の美!」

勝手に感動していた。
愉快な気分で鼻歌を歌いながら。蓋盛へと歩み寄る。

「ミス蓋盛! 君の言葉は、我が美の語録にしかと刻んだ!
光栄に思ってくれたまえ! 今は何も持たざる我が身だが……」

胸の薔薇を手に取ると。蓋盛に対して差し出した。

「これを贈ろう。枯れることなき一輪の薔薇。永劫を生きるもの。
感謝の印だ、取っておきたまえ」

蓋盛 椎月 > ありがたく授かりましょう、高貴で誇り高いヴァンパイア殿。
(瀟洒に一礼して、薔薇を受け取る。)

いざとなればまたあたしを頼るがいいさ、ウェインライト。
過去にいかな罪を犯したといえ、キミは生徒であたしは教師だ。
教師の義務とは生徒を守り導くことなのだからね。
(薔薇を口元に、気障ったらしくウィンク。
 一陣の風が吹いて白衣がたなびいた。)

ウェインライト > 「なるほど。その生き様は確かに美しい。
教師の義務が生徒を守ち導くことであるならば……。
いずれの時に危機が降りかかった時、明けの明星に向かって我が名を呼ぶがいい。
美の探求者たるこの僕が! 万難を排すことを誓おうではないか!」

高らかに/朗々と/威風でもって。
ウェインライトは宣誓した。
新たな生、新たな場所。その最初の歓迎を祝して。

「さて、ならばいくとしよう。さらばだミス蓋盛」

背を向けて。明日へと踏み出す。
美しく生きる道を探求するために。

蓋盛 椎月 > (『いや、スペランカー以上の死にやすさを誇るキミに
  そう言われてもまったく頼りにしたいとは思わないな……』
 とはさすがに言えなかったので、その心意気だけを評して
 親指を立てて返事とする。)

おう、壮健でな。
より良い未来を選んでいけ!
(歯を剥いて笑い、その背を見送ろう)

ウェインライト > 吹き抜ける風。
閉まる扉。その向こうから、鈍い音が響いた。
ゴギリ、と鈍い音。
風は止み、屋上は静寂に包まれた……。

ご案内:「屋上」からウェインライトさんが去りました。
蓋盛 椎月 > (ゴギリ?)
(……その音の正体を考えるのは……やめとこう。)
(ポケットからライターと煙草を取り出して一服。
 こころとからだ相談室の正式な相談者第一号から
 とんでもない大物が飛び込んできた気がする……。)

大人の責務……ね。かっこいいこと言うじゃないか。
……昔言って欲しかったことを自分で言っているだけだろうに。
(自嘲して。)

蓋盛 椎月 > (ロストサイン残党が今も活動しているという噂は聞く……。
 彼らと再び会ったらあの美形吸血鬼はいったいどうするのだろうか。
 ……まあ、その時はその時だろう。)
かつての組織……か。
(指先だけで、前髪を留める蜥蜴のヘアピンに触れる。)
(特に何かを思い出すことはなかった。)

……さて、休憩終わるかな。
こんなに早く第一号が来たんだ、
ひょっとしたらもう保健室に大量の悩める子羊が押しかけてるかもしれん。
(自分もまた出口に向かい、屋上を後に。)

蓋盛 椎月 > (……あ、バゲットどうしよ、結局。)
ご案内:「屋上」から蓋盛 椎月さんが去りました。
ご案内:「屋上」にリーセ・グリエさんが現れました。
リーセ・グリエ > (……)

心地よい風だ。
こんなにも気持ちが良いとどうにかなってしまいそうだ。
魔王様と落ち合おうと約束し、
こうして待つ瞬間はどんなに心を高鳴らせるのか。
ああ、そうだ、今の私なら――

「アァァイキャァァァンフラァァァァイ!!」

リーセ・グリエ > そう、心は羽のようにかるく、
体も軽い、こんな気分は初めて、
私は颯爽と屋上の手すりに足をかけ――両手を広げる。
嗚呼!
いい!実にいい!

「私が飛べない事なんて些細な事!」

ご案内:「屋上」に魔王バラルさんが現れました。
魔王バラル > 「蹴るわよ。いや本当に。」
 
 リーセの背中に、足を伸ばす。

リーセ・グリエ > 「はっはっは、おたわむれを。
 我が敬愛する魔王様。
 死にはしませんが非常に痛いのでございますよ?
 あ、でも、魔王様に蹴られる痛みがあれば、
 それだけで御飯10合は――」

顔をあからめてくねくねし始めた。

魔王バラル >   
 
       踏みつけた。

   

リーセ・グリエ > 「アーーーッ!?」

魔王様に足蹴にされた背中に走る快感!
すばらしい!
実に、実に素晴らしい!
踏みつけられて胴に手すりがあたって激痛が走るが、
魔王様に踏みつけられているがゆえと思うとたまらない!

「も、もっと、もっとお願いします!
 あ、でも、
 ちょっと胴体が非常に痛いのでおろして貰えると嬉しいです!
 魔王様!」

魔王バラル > 「嫌よ……」

 げんなりした様子でため息一つ。
 押し付け踏みつけた足を離すだろう。

「もうちょっと品を持つべきだわ、品を。」

リーセ・グリエ > 「げふぅ……無念……」

そういいながら、素直に手すりからおりて直立不動で立つ。

「――品などというものは、
 魔王様がもっておればいいのです、
 私は一介の執事に過ぎませんから。」

魔王バラル > 「いやね、格好いい事言って誤魔化しているつもりみたいだけどね?
 従者なら余計主に失礼のないように品を持って振る舞う必要があると思わない?」

 片手で頭を抱える。再びため息。
 一息付けば、調子を戻して向き直る。

「……まあいいわ。茶番は一旦やめにするわ。次に進みましょ。」 

リーセ・グリエ > 「かしこまりまして、魔王様。
 とりあえず御報告から。」

コホン、と咳払い。

「入学に関する手続きその他、
 当座の資金入手の為の貨幣の換金、
 この地の地形情報の記憶。
 いずれもつつがなく終了いたしました。
 これで、地形変化がおきたとしても、
 【いしのなかにいる】という事は起きないでしょう。」

魔王バラル > 「荒事と変態性以外は有能よね。」

 肩を竦め、再三の溜息。

「ま、ご苦労様。とりあえずそれだけ出来れば十分よ。」

リーセ・グリエ > 「お褒めにあずかり光栄至極。
 ついでにこの学園の学生や教師に関する話ですが、
 まぁ……一言でいうなれば。」

リーセ・グリエ > 「女子のレベル高くてどうしようかと!」
リーセ・グリエ > 大声で叫んだ。恥も外聞も無く叫んだ。
それほどまでに――
言いたかったのだ。

魔王バラル >  
 
 
   リーセへ向けて容赦のない、
   綺麗なフォームの飛び膝蹴りが放たれる。
 
 
「……あんまり変態じみた事してると、知らない人扱いするわよ。おこわよ。」

リーセ・グリエ > 「がふっ!」

膝が顔面に入る。
ああ――と恍惚な表情を浮かべ、
吹き飛ばされて地面に倒れるも、
すぐに起き上がりこぼしのように立ち上がった。

「申し訳ありません。
 ですが欲望を抑え切れませんでした。
 大丈夫です、下着ドロをしたり、
 視姦をするなどという行為は行っておりませんゆえ。
 魔王様の胸を触りたくはありますが、
 コホン。
 ともあれ、玉石混合、
 誰が強くて誰が弱いかは実際に試してみないと分かりそうもありませんね。
 下手をすると、
 否――下手をしなくとも魔王様より強きものもいるでしょうし。」

ご案内:「屋上」にクラスカさんが現れました。
クラスカ > なんかうるさい……。
(委員会の仕事が休みの日くらいは屋上で昼寝をしてもいい、そういう自由もある)
(誰も来ないだろう場所で休暇を満喫していると女性らしき叫び声が聞こえて、目を覚ましてしまった)

(まだ半分寝ぼけた瞳を擦りながら、隠れてこっそり会話の内容を伺うことにした)

魔王バラル > 「全く、威厳とか風格とか、これでも大事にしてるのよ。
 ……ま、そりゃ今の私より強いのだって居るでしょう。だけど"強いだけなら"いくらでもやりようはあるわ。
 上手くやれば歩だって王将を詰ませられる。108円のコモンカードで5000円の激レアカードを仕留められる。それが勝負と言うものよ。」

 何度目かも分からない溜息を付いた。

「それにしても、こんな威厳もへったくれもない姿は、誰にも見せられないわね――」

クラスカ > (えー、「魔王」って言ってる……)

(短い会話だったが、片方の男性か女性か不明瞭な長身の人物が従者で、年若そうな少女を「魔王様」と敬愛しているらしいことは理解できた)
(できれば「魔王」が渾名か組織の役職か何かだと、憂いがなくて大変ありがたい)

(学園の生徒なら全く問題ないんだけどな)

リーセ・グリエ > 「はっはっは。大丈夫でございますよ、
 魔王様の麗しい姿はそれだけで威厳は十分でございますとも。
 寧ろ見られていて欲しいとすら思いますし、
 見られていたら逆に好都合ではありませんか?
 それこそ、油断という奇貨が得られようというもの。
 まぁ、さておき――
 強いというのはその歩で王を、
 コモンでレアをしとめる輩も存在するかもしれないという事。
 なれば……
 これからすることは必然、決まっていると思われますが?」

笑ってそう言う。なお、隠れている人物には気づいていない模様。

クラスカ > (コモン。レア)
(馴染みはない単語だが、知識を総動員するに、札束で頬を叩き合うブルジョワの遊び―)
(「トレーディングカードゲーム」という文化に存在する種別と知っている)
(やはり魔王と呼ばれている少女は、本物の魔王ではなくただのカードゲームを遊ぶサークルの仲間なのでは?)
(魔王というのは、サークル内のいわゆる姫のような扱いを茶化して魔王と呼ばれているのだろう)

(何となく勝手に納得する)

魔王バラル > 「そう、そこまで自信があるなら言ってみなさい。
 言っとくけど、変態的なボケはしないで頂戴。
 もししたら、屋上から叩き蹴るわよ。
 分かったらしないで頂戴。絶対にしないで頂戴。」

 隠れている人物にはまだ気付いていないのか、気を払う様子はない。

リーセ・グリエ > 「押すなよ!?
 絶対押すなよ!?
 って奴でございますね。
 ならば期待通り――いや、冗談ですよ。
 御命令に背くわけ無いじゃないですか。」

目を逸らしたあたり本気でやろうとしてた。

「簡単な事ですよ。
 学院に折角入ったのですから、
 学生として我々らしく存分に時を楽しめば宜しいのです。
 学生同士の手合わせ、
 学生の行動、
 全てがこちらに情報を与えてくれるでしょう。
 そして――無論、仕掛ける事も当然。
 手合わせなど良くある事ですし、
 学生が学生らしくない場所にいればトラブルなどやってきます。
 そして、魔王様のお力で、
 相手が弱ければ捨て置き、
 強ければ対策を練り、
 使えるならば取り込むなり利用すればいい。
 ――使える人材は存外多そうだと思いませんか?」

クラスカ > (ということはあの二人は両方雲の上の人か)
(そういえば、アリストロメリアのように、生家から入学を勧められ入学した生徒もいるはずだ)
(異邦人の受け入れ土壌になっている以上、常世学園への入学の基準はなかったはずだから、暇を持て余した王侯貴族が戯れに島を訪れたのだろうか)
(ザルというか自由というか、改めて常世財団の懐に感服する)

クラスカ > (二人の会話をここまで聞き届け、芽生えたのは危機感ではなく)

(まさか常世島をトレーディングカードゲームで統一しようとしていらっしゃる?)

(という勘違い甚だしい発想だった)

魔王バラル > 「ふぅん。惜しいわね。
 ――"常世島に布告を打つタイミング"。それが抜けているわ。
 バカンスに来て終わり。其れで終わらすには、遊び足りないもの。」

 腕を組み、考える素振り。

「それと、"使える"だけが取り込む基準じゃないもの……?」

 ふいに、周囲を見渡す。
 まだクラスカの存在には気付いていないが、気配を感じ取ったらしい。

リーセ・グリエ > 「まぁ、
 使える以外の人材に関して取り込むか否か、
 その辺りに関しては私差し出がましい事などいえませんよ。
 布告を打つタイミングなど決まっているではありませんか。
 遅かれ早かれ――
 確実に絶好なタイミングなどやってくるに決まっております。
 魔王様はもしかして御自重をなされるおつもりですか?」

それこそ、ありえない。
そう嗤う。

魔王バラル > 「"やってくるもの"ではなく、"作るもの"よ。
 ……ま、それを踏まえて言っているのでしょうけれど。」

 一度周囲を見渡し終えれば、リーセへ向き直り。

「ところで貴方、また雨の日に捨て猫でも拾ってきたり、したかしら?」

クラスカ > (バラルが眼を光らせ始めたところを見ると、どうやら気配に気づいて隠れている誰か―今の場合は自分、を探しているようだった)
(ここでやあやあ話は聞かせてもらったと出て行くのも間抜けだが、後から見つかって吊るし上げを食らったり)
(権力で常世湾にコンクリート詰めにされるよりはマシだろうか)

(思案に暮れて目線を落とせば、足元に置かれてあった空の缶を蹴飛ばしてしまったことに気づく)
あっ。

(屋上に、乾いた軽めの金属音が木霊する―)

リーセ・グリエ > 「ま、
 いい場所は何箇所かピックアップ済みですので、
 後は魔王様の威厳と力の見せ所というものです。
 しかし、猫ですか。」

はて、と首をかしげて
金属音と声を聞いて。

「どうやら大きな猫のようですが、
 雌以外の猫に私が興味があるとおありですか?」

魔王バラル > 「雄もいいものよ。幼さが残ってる若いのとか、特に。」

 響く金属音。転がる空き缶。それを拾い。

「……あっちに誰かいるみたいね。いつの間に来たのかしら?」

クラスカ > (実は最初から、と余計な口を叩きそうになるのを堪えて、仕方なく重い腰を上げた)

こんにちはー。
(物陰から姿を現し、外からの来訪者二人に笑顔で手を振る)
(できるだけ警戒心を持たれない雰囲気作りを心掛けるため、泳ぎがちな視線で「僕は無害ですよ」と訴えかけながら)

リーセ・グリエ > 「ほほう、幼さが残っているのであれば、
 ヒップラインとかたまりませんね。
 さておいて――
 まぁ、恐らくは私が叫んだ辺りでしょう。
 聞かれた所で困る事など何もありませんが。」

たとえ、聞かれていても、
与太話として片付けられる可能性が高いだろう。
そうでなかったとしてもすぐに相手が動くとは思えない。
組織とはそういうものだ。

魔王バラル > 「そう。まあいいわ、リーセ。」

 リーセから視線を外す。
 くすり。いわゆる"妖艶な笑み"を見せ、クラスカへと近寄るか。

「ええ、こんにちは。
 ……どうしてそんなに目線を泳がせているのかしら?」

リーセ・グリエ > 「……OH、これは……中々いいライン?」

こんにちは、と現れたのをみて、
お尻の辺りに目がいっているが多分気のせいじゃない。

クラスカ > (バラルとリーセの前に立てば、周囲に漂う異質な魔力の流れを感じ取る)
(半分頭が眠っていたのと話を聞くだけに集中していたために気付けなかったことが不覚と言わざるを得ない)
(人間とは異なった巨大で禍々しい奔流は、あるいは異世界の―)

すいませんお話を立ち聞きしちゃって。
あ、僕はお邪魔みたいなので帰らせてもらいますね。どうぞ続けて。

(悪い予感は大体当たる)
(できるだけ目を合わせないようにぺこぺこ頭を下げて、立ち去ろうと試みるが)

魔王バラル > 「へぇ、中々良い顔してるじゃない。"憶えたわ。"
 ……ふふ、しょうがない子ね。名前だけ教えてお行きなさい。」

 去ろうとするクラスカを見れば、一つ、凛とした声を響かせるだろう。
 魔法の類が乗っかっている訳ではないが、よく通る声だ。

リーセ・グリエ > 憶えたわ。の言葉に、
きっちりとクラスカの全身を捉え、
記憶する――
余すことなくこのものを記憶しろ、
そういう命令なのだろうと判断して

クラスカ > (小動物に似た佇まいとは異なった、自己を異常に主張する紅色のカーディガン)
(薄い銀色の頭髪。切り分けられていない野暮ったい前髪から覗く深いブルーの瞳)
(おそらくは潜在的に内包している魔力まで)
(自分の全てが、人間としての記号に置き換えられて値踏みをされている)
(「こんなに枯れた魔術師でも、お眼鏡には叶うのかな?」 軽く内心で自嘲しながら)

名乗るほどのものではありませんが。
クラスカ。生活委員会に所属しています。

またお会いすることがあれば、どうぞよしなに。
『魔王様』。

(最後には腰を曲げ、足を揃えた恭しい礼をして、屋上の引き戸を開く)

クラスカ > ―ああ、名前を聞くのを忘れてたな。

(扉の内側で、そう呟いた)

ご案内:「屋上」からクラスカさんが去りました。
リーセ・グリエ > 「――実に面白い人間ですね。
 魔王様。」

――そんなクラスカへのリーセの評価は、
この一言に集約した。

魔王バラル > 「そう、クラスカって言うのね。良い名前。
 ――私は魔王バ――って、ちょ、ちょっとっ、
 名前ぐらい聞いて行きなさいよ、もう。」

 名乗りに合わせて、異質な魔力を増幅させたものの、相手はいない。
 ――何てことはない。ただのカッコつけ、驚かしだ。
 相手から見て、どう映るかは別の話だが。

(異能者では無く、魔法使いね。
 スペックは普通そうだけど、頭は回りそうね。
 ――独自の魔法を持ち、それに頼る優れすぎた魔術師は異能者と変わらないけれど。
 そうでない魔術師は、"何を使うか考える"から手強く、遊び甲斐があるのよね。
 そう言う意味でも、彼は覚えるに値しそうだわ。)

魔王バラル >  
「そうね。
 スペックだけで言えばそんなに強くはないかもしれないけれど、
 あれはきっと"コモンでレアを刺せるタイプ"よ。」

 彼の事を思い返せば、にぃ、と笑う。

「ああ言うのは、良いわね。」

リーセ・グリエ > 「実に良いですね。
 ええ、手においておけば実に。
 敵としても面白くもありますが。
 しかし、私はそれよりも――
 私達がなんであるかを理解した上で、
 私達の前であれだけの事をいえた彼の度量にも感服いたしました。」

ヒップラインもの一言は飲みこんだ。
飲み込んだのだ。

「さて――そうですね。
 花火をあげるとすれば――
 速くて……」

指で2の形を作る。

魔王バラル > 「ただ……」

 気のせいかしら、と呟く。
 読みきれなかった何かが、あったような。

「……一応、参考にはしておきましょう。
 徹底して操作しない限り、状況次第で変わるもの、その手のタイミングは。」

リーセ・グリエ > 「ええ、悪魔でも目安ですよ魔王様。
 状況は流動的に。
 されど迅速に、
 なれど慎重に。
 ともすれば、このくらいという目安でございますとも。」

優雅に礼をする。
性格と荒事以外は割と有能なのだ、
性格と荒事以外は。

「では、魔王様、これからどうなされますか?
 私はその、ダンボールにデコレートする予定でございますが。」

魔王バラル > 「適当にぶらつくわ。
 それじゃあまた、何れ。」

 くるりと踵を返し、扉へと向かう。

「あ、あとハムスターの群れが齧ってたわよ、ダンボール。」

ご案内:「屋上」から魔王バラルさんが去りました。
リーセ・グリエ > 「な、なんですと……」

愕然とした表情を浮かべる。
あれは私の家なのだ、
ハムスターにかじられるなど……

「雌のハムスターがいるといいですね。」

ほっこりとした顔をして自分の家へと転移する。
もうこの執事駄目かもしれない。

ご案内:「屋上」からリーセ・グリエさんが去りました。
ご案内:「ロビー」に万車堂さささんが現れました。
万車堂ささ > 掲示板の前で爪先立ちになり、両手を高く伸ばして一枚のビラを貼る