2015/06/14 のログ
ご案内:「職員室」に有澤 零砂さんが現れました。
有澤 零砂 > 「ごたごたで、長らくまだでしたが、ようやく職員室で僕の机がもらえましたね。」
最近着たばかりで、ゴタゴタが多かった実情から、
実は職員室で机がなかったらしく、ようやく割り当てられ、うれしそうに座っている。

「ゆくゆくは研究室とかもらえるんでしょうか。
流石にそれはないですか。 とにかく今はセッティングをしましょう。」
そういいながら、ノートパソコンや、書類やテキストを机に備えていく作業を始める。

有澤 零砂 > 「よいしょ、っと。」
机の下に電源を回し、手元を照らす明かりとノートパソコンの充電器に接続し、
テキストは備えの棚に置く。

「なんというか、新入社員感覚ですね。 机をもらうというのは。」
ある程度荷物を置き、椅子に座り周りを見渡しつつ、
手をものさしのように距離を図る仕草をし自分のスペースというものを実感しながら。

有澤 零砂 > 「これは…やめておきましょうか。 流石に恥ずかしい。」
最後に机に写真立てをおこうとするが、考え直してそれをしまう。

「まぁ、冷やかされてもアレですしね。」
それをしまったカバンを机の下におき、ノートパソコンを開く。

有澤 零砂 > 「さて、作業を始めましょうか。でもその前に・・・」
職員室に備え付けられたポットでお湯をいれ、紅茶を淹れる。
わかる人であれば、その葉の香りからなかなかよいものであることがわかるだろう。

「この温度で・・・大丈夫そうですね。 いい香りだ。」
そういいながらカップを淹れた紅茶を机に運び、パソコンで書類を作り始める。

有澤 零砂 > 「ふんふん~~♪」
まわりに迷惑をかけない程度の鼻歌を鳴らしながら、機嫌よく作業を始める、無線LANの設定を行うらしい。
この際しっかりと設定を行わないと、試験や課題のデータがもれたりして、面倒なことになるかもしれない。
それもあり、機嫌はよさそうだが、作業はまじめにやっているようだ。

有澤 零砂 > 「むぅ・・・」
作業をしていると、職員室の無線LANにただ乗りしているスマートフォンの回線を見つける。
つながりの強度的に職員室の外からで、ただ乗りしている生徒だろうか。

「あまり好ましいことでもありませんね、今度責任者の人にでも確認を取っておきましょう。」
そういいながら、作業を再び再開する。 カタカタと子気味のよい音が刻むように響く。

有澤 零砂 > 「おいしい。」
紅茶を一口のみ、作業を続ける。
カタカタと響くタイプ音がしばらく続いていく。

「おっと、できましたか。」
そうするうちに、無線LANでのネットワーク接続が完了する。
ちゃんとつながっているかを確認するために適当にネットにつなげることにしたらしい。

有澤 零砂 > 「しかし、事件が多いですね。」
ため息をつきながらネットで確認するのは、
教師陣に送られる情報網、事件や連絡がまわされているのだが。

「なぜこうにも、問題が起きるのか。」
異形や、はみ出しものの生徒が問題を起こしているのもわかるが、
それにしてもかなり多いのではないだろうか。

「それに、なぜ。」
ぼそりと口からこぼしながら、考え込む。
風紀委員、公安委員、確かに優秀な団体だ、他にも治安維持のための団体はいくつかあるだろうが。
なぜ学校の基盤である財団が本格的な治安維持組織を結成しないのか、という疑問にぶち当たる。

「むう。」
ここに来て自分はまだまだ日が浅い、がしかし。
ここではわからないことも多い、隠れていることも多い。

「想像以上に、深い沼かもしれませんね。」
ふたたび、紅茶を口にする。 画面をにらみつつ、だれにでも言うでもなくその言葉をこぼしながら。

有澤 零砂 > 「しかしまぁ。」
画面から目線をはずし、天井を見上げる。
そして考える。 事実そのような考えは他の教師も、生徒もしているであろう。
そして今までその事実変わってない事を見ると、あまり触って楽しいことでもないということもわかる。

「なんにせよ、授業がちゃんとできるようになるまでは。 考えるようなことでもないですか。」
じっさい、今の自分にはそこまで考える余裕はない。
確かに、人のためにできることはしたいが。 自分のできることはわかっているつもりなのだ。

「いけませんね、これじゃサボりと何も変わらない。」
少し考えて天上を見上げていただけだったが、空調で温度の下がってしまった紅茶をあおり、
そのままパソコンで作業を始める。

ご案内:「職員室」に槙壌 結雅さんが現れました。
槙壌 結雅 > (時間は、多分昼頃の出来事だろうか?効果音にして―――こんこん、がらりっ、ぴしゃんっ。扉の開閉は、二秒ちょっきりだった。神出鬼没。それが己を顕わす言葉であり、それが己である限り、己は何処にも表れる…のだが。本日は、お休みモードの様子だ。)
こほん、失礼いたしますわ。
(空調機の涼しさ独占とか、そう言うのが目当てではない。断じて。鼻孔を擽る、紅茶の香り…寧ろ、そっちが目的であった。)
…この頃、ごたごたが多くって先が思いやられますわよねぇ…。
(なんて、紅茶の主の先程の呟きを何となく拾い上げて。己もまた、多分、誰に言うでもなく、溢した。)

有澤 零砂 > 「む。」
すばやい入室に気づき、びくりとしそちらのほうを見る。
そして、部屋に入ってきた相手を確認するが、教師仲間にこのような人物がいた覚えはない、
どちらかといえば生徒だろう。

「ふむ・・・生徒の人ですか? その意見には同意しますが、今日は誰か先生に用事でしょうか。」
なんとなしに声を掛けてみる、少し考え込んでしまい疲れていたから、
気がまぎらわすためというのもあったのだろう。

槙壌 結雅 > えぇ、生徒でございますわ。
(とは言え着ている服はメイド服、胡散臭いったらありゃしないのだが。)

…ん、そうですわね。これと言って、大した用事ではないのですけれども。
強いて言うなら、"紅茶"の一杯でも嗜みながら、"世間話"でもして頂ける先生がいらっしゃらないかと御邪魔させて頂いた次第ですの。最近物騒ですしね。
やはり、不安なものですし、この憂き世を嘆きたいのです。
(これと言った、用事ではなかったのだが、その"何となし"にかけられた声に気を良くしたのか、食い付いてきて。「世間話の相手をして下さいませ。」と言葉にはせずとも、まるでそんな事を言っているような口ぶりだった。紅茶への目配せも忘れずに。)

有澤 零砂 > 「なるほど、なかなか珍しい格好をしていますね。
誰かの付き人として一緒に入学した、とかですかね。」
メイド服の生徒は、見たことがない。じっさいかなりめずらしいというか、目立つ格好である。

「なるほど、あなたにこの後の時間授業がないのなら、それもいいかもしれません。 そうですね、立ち話もなんですし椅子でも持ってきましょうか。」
まぁ、自分もこの後はあいている。 そういうのも悪くないだろう。
職員室の隅においてあるあまった椅子を持ってきて。

槙壌 結雅 > ああいえ。これは私の趣味と言ったところでございますわね。
何でしょう、誰かの付き人になりたいと言えばなりたいのでございますが、基本的にメイドとしてあるのが私と言いますか…細かいことは兎も角。
(ぺらぺらと饒舌に語った後、咳払いを入れて言葉を止めれば。)

ふむ、御理解ありがとうございますわ。えぇ、それでは…失礼して。
あ…時に、私は一介の学生、二年の槙壌《てんじょう》と申しますわ。お見知り置きを。
(ふと、持って来てくれたそれに目を遣れば、言うになく、座ってもいいのだろうと、静かに腰を下ろして。そうして、軽く名前を名乗れば、小さく頭を下げた。)

有澤 零砂 > 「ふむ、ではメイド見習い状態といったところでしょうか。
ああ、私は有澤零砂、情報工学などが専門の教師ですね。 よろしくおねがいします。」
相手が椅子に座ったことを確認し、再び移動する。

「今はセイロンしか茶葉はないのでお許しを、あとお砂糖はいりますか?」
紅茶を淹れながらたずねてくる。

槙壌 結雅 > 見習い?…んふふ。見習い…ですか。そうですか。
(あんまり見習いとか言われたくないのだろうか、真っ黒な陰りのある笑みを浮かべながらくすくすと。)
えぇ、宜しくお願いしますわ。有澤先生。
(腰を落ち着けたら、そのまま、教師に向き直りつつ。)

ああいえ、結構ですわ、拘りません。えぇ、何なら飽和するくらいに入れて下さっても構いませんわよ。
(流石にそれは、冗談だが。)

有澤 零砂 > 「おおっと、気を悪くしたなら申し訳ない。」
あまりよろしくない言葉を選んだらしい、すまなさそうに頭を下げる。

「では、まぁ一本くらいスティックをと。あー、しまったな。」
こまったようすで、淹れた紅茶をもってくる。

「あいにく、お茶菓子でも用意できればよかったんですがね、ここには来たばかりで底まで気を回す余裕がなくて。 申し訳ないです。」
そういいながら、自分も椅子に座る。

「それで槙壌さん、世間話といってもどういうジャンルがお好みですかね。
芸能などは僕はめっぽうダメですよ、一応。」
ははは、と笑いながらたずねる。

槙壌 結雅 > ん、いえいえ。お分かりいただけたら結構ですわ。
流離の…そう、放浪メイドとでも御呼びくださいませ。
(ゆるりと手を左右に振りながら、普通の微笑みを漏らしつつ。)

あら、つれませんわね。二本入れて下さっても構いませんのに。
(甘党ゆえの、結構な本気だった。)


いえいえ。大丈夫ですわ、唐突に御邪魔しましたし、ね。
そうですわね、ジャンル…。…ふむ。改まって聞かれると出てこないものですわね。
例えばこう…それにしても、最近暑いですわよね、とか?
(世間話としては、一番無難なところ。「今日は良い天気ですね」なんてノリと全く変わらない。)

有澤 零砂 > 「なるほど、放浪メイドさんですか。なかなか格好いいですね。」
笑みを浮かべ、そう答える。

「おや、それなら…どうぞ。」
そういわれれば素直に持ってきて一本追加する。

「まぁ、もし次があれば何か用意しておきましょう。 他にもお客さんが来るかもしれませんからね。
たしかに、蒸し暑い季節になってきましたね。
そろそろプールなどの夏の行事も近くなってきたということでしょう、教師も生徒も忙しくなりそうです。」
少し考えてからそう答える、その表情は忙しくなるのが少しだけいやそうな感じである。

槙壌 結雅 > はい。嬉しいですわ。…あの…先生。先生は真面目なのですわね。
(そこは突っ込むところだと思った。最近結構こんな事があるので、少々呆れた様子。)

あら、ありがとうございます。
(一礼。して、新たに注がれた砂糖が融解するなら、それを持ち上げて、啜った。)

それがいいかもしれませんわ。茶菓子は甘さ控えめだけど甘いもの、これメイドとしてのお勧めですわよ。
(指を立てて紅茶的なアドバイス。)

ああ、プール…。
そういえば、この学園ってプールってありましたっけ。
あと、夏祭りや花火なんか、目白押しですわね。
(落ち着いた口調だが、何やら楽しみにしてそうである。)

有澤 零砂 > 「まぁ、よく言われます。 実際悪くないとは思うのですがね。」
感性は人それぞれであった。

「なるほど、そういう本職の人が言うのであれば、間違いはなさそうです。 覚えておきましょう。」
納得した様子で、首を縦に振りながら。

「まぁ、一応あるはずですよ。 なければ水泳部とかが活動できなくなりますし。
はは、確かにお祭りや花火は楽しいですがハメははずしちゃいけませんよ。
自分のお仕事が増えてしまいますからね。
ですが、楽しくやることはいいことです。 学生生活は短いですから、いろいろやらなきゃ損ですからね。」
すこしだけ、何か思うところはあるらしい。

ご案内:「職員室」から有澤 零砂さんが去りました。
ご案内:「職員室」に有澤 零砂さんが現れました。
槙壌 結雅 > …ヒューモアは大切で御座いますわ。
(切実だった。)

…本職?はいまぁ、そんなものでしょうかしら。えぇ、是非に。
(きょとんとしながらも、頷いて。)

ああ、そうでしたわね、水泳部もありましたかしら。
…はぁ、あれをするなこれをするなと言いだしたら、きりがありませんわよ。
えぇ、結局楽しめたもの勝ち、でございますからね。
先生らしいお言葉ですわ。
(ふむりとしながら頷けば。紅茶を持ち上げ、啜った勢いで、そのまま飲み干し。)

御紅茶、ご馳走様でした。
…それでは、今日はこれにて、世間話、ありがとうございました。
何だかんだ言いながらも夏、楽しめると良いですわね。
(愛想よく御辞儀して、出してもらった椅子を元の持ち場へ。そうして。)
失礼しました。
(もう一度、部屋の中に向けて御辞儀して、がらんっ、ぴしゃんっ。と。退室も、きっちり2秒だった。)

有澤 零砂 > 「たしかに、実益だけ考えると必須なものでもないですが、
やはりいろいろと円滑になります。」
紅茶を口にしながら答える。

「メイドさんといえばそういうイメージがあったので、間違ってましたか?」
少し、困った様子だ。事実彼の認識では、メイドと言われればお茶会の準備等もしている印象らしい。

「はは、まぁ僕からすれば生徒の皆さんが心配だからなんですよ、
口うるさいのは多目に見てもらえると嬉しいです。
いや、学生生活が短いというのは先生というよりは。 少し前まで学生だった故の言葉ですよ、多分。」
少しだけ、感傷に浸るような表情をうかべ。

「おや、もういいんですか。
ははは、教師という立場ではどこまでかわかりませんが、まぁ僕も楽しむのも悪いことではなさそうです。」
少し嬉しそうに笑みを浮かべる、そう考えれば夏も悪くない、だろう。

「ええ、ではまた。」
そう言って、退室していくのを見送る。

ご案内:「職員室」から槙壌 結雅さんが去りました。
有澤 零砂 > 「なつ、ですか。」
カップを流しに運びながら、呟く。
学生時代は勉強ばかりでしたからね、悪くない。
短い学生時代、取り戻してみるのもまた、それはそれで楽しそうです。
呟いたその言葉は、人がまばらな職員室に吸い込まれるように消えていく。
そして、何事もなかったかのように、再び忙しない時間がその部屋と彼をを支配しなおした。

ご案内:「職員室」から有澤 零砂さんが去りました。
ご案内:「屋上」に相楽 満さんが現れました。
相楽 満 > 「んんーんー」

異能を高め、地上から屋上まで飛び上がってくる。
完璧に不法侵入。
大量の肉まんを詰めた袋を開き、一つ口に咥えながらスマホを開く。
病に対する研究の進捗の確認。
数年大きな進歩は見られないが、確認せずにはいられない。

相楽 満 > 今日も収穫は無し。
仕方が無い、一日で劇的な進歩はするまい。

「……この肉まん、うま……」

ひとまず今日の食事が美味い。
幸せなことだ。

相楽 満 > あとはどうするか。
もう遺跡に踏み込んで、遺伝子の病にすら通用する技術があるかもしれない。そんな小さな可能性に賭けるか。

「……無理だよなぁ。
 俺そんな友達居ねーし、居ても俺のために危険な目にあわせるわけにいかねーし……
 大体あるかどうかもわかんねーし」

即座に考えを改める。
困ったものだ。病とは恐ろしい。
何より、生きようという意志は恐ろしい。
数少ない友人を巻き込もうなどと、一瞬でも頭をよぎってしまうのだから。

相楽 満 > 肉まんを飲み込むように食べていく。
最近空腹になる頻度が増え、食事量が増えたのも症状の進行のせいだろう。
命を支えるために、異能が発揮する力が増えているのだろう。
おかげでエンゲル係数がまた上がった。
苦学生にはつらい、とため息。

相楽 満 > 「……バイトする?
 いやでも、絶対稼いだ額より食うよな、俺……」

以前土木工事のバイトをしてみたが、高給はとれたもののそれ以上に食事をしてしまい、結局割に合わなかった。
大体勉強とトレーニングの時間が減る。
参ったなーと呟きながら、肉まんをどんどん食っていく。

相楽 満 > 「……んあー、美味かった」

満足げに手をはたく。
十個ほどあった肉まんがものの十分ほどで胃に収まった。
腹が満たされれば、こんどは眠くなる。
くぁ、と大きくあくびをした。

相楽 満 > 「いつまで続けられっかなー、この生活」

ぼんやり呟き、もうひとつ大あくび。
肉まんの入っていた袋を綺麗に折りたたんでズボンのポケットに入れ、ふらふらと屋上のフェンスへ。
そこに引っ付き、昇り、乗り越えて屋上のふちへ。

高さへの恐怖は人間の根源的な部分に関するものだ。
たとえ落ちても大丈夫とわかっていても、心臓から腕へぞくりと恐怖が昇り、手にじっとりと汗をかく。
この暑い夜に、それは驚くほど不快だ。
だがそこを動かず、ふちから足をだらりと垂らし、下を見続けている。
見る人が見れば、自殺を考えている少年にすら見えるかもしれないが。

相楽 満 > 「はぁ……よっしゃ、帰るか」

ふら、とその屋上から身を投げ出した。

地上では異能を開放し、両手両足で周囲に衝撃を逃がしながら着地する満の姿があった。
こうして何事もなかったかのように、屋上は無人となった。

ご案内:「屋上」から相楽 満さんが去りました。
ご案内:「屋上」に久藤 嵯督さんが現れました。
久藤 嵯督 > 学内施設の把握を終えた嵯督は、屋上で昼食を取っていた。
懐の袋から常世製の兵糧丸をつまみ、口に含む。
次に七味唐辛子の詰め替えパックを開けて、それを口の中に流し込んだ。

食べ物というものはどれも、味が薄い気がする。
何を食べたっておいしいとは思えないし、毒が入っているかそうでないかは口に入れる前にわかる。
その点、痛覚に訴える辛味はわかりやすくていい。
辛味こそが、嵯督に許された唯一の娯楽なのだ。

久藤 嵯督 > (色々と詰め込み過ぎだな……この島は。
 これで乱れるなという方が、無理な話だろう)

自分が風紀委員に回されるワケだ、などと思案する。
唐辛子を食べつくして空になった詰め替えパックを、屋上の床に投げ捨てる。
来たばかりの嵯督は正式な手続きは済ませていないので、"まだ"風紀委員ではない。
よって、そのあたりの事を気にする必要はないものとしている。

久藤 嵯督 > ペットボトルの蓋を開けて、砂糖と塩を混ぜ込んだ水を喉に通す。

屋上をはじめとした高い場所は嫌いじゃない。
大抵は低い天井や高い壁に囲まれた生活をしているので、見上げた場所が"無"であることが心地いい。
真っ黒に塗りたくったカンバスに、白い絵の具で絵をかいているかのように。

久藤 嵯督 > それは気分のいいことだが、別に必要ではない。
暇があればやる、それだけのことだ。

おいおい手続きを済ませておかなければ、誰かさんにどやされるのは目に見えている。
空になったペットボトルを屋上に置いて、校舎から飛び降りる。
地面に着地した嵯督はもう、その場からは見えなくなっていた。

ご案内:「屋上」から久藤 嵯督さんが去りました。
ご案内:「廊下」に桜井 雄二さんが現れました。
桜井 雄二 > (モップの水切りを済ませる)
(今日も廊下の掃除だ――――生活委員会の仕事というのは終わりがない)
(綺麗にすれば人の営みの中で汚れていく)

桜井 雄二 > (そして男は気合を入れる)
(裂帛の気迫こそが短時間で廊下の掃除を終わらせる唯一の解)
(以前は大声で叫びながら廊下を駆けていたがコゼット先生に注意されたので控えるようになった)
…………!!!
(奥歯を食いしばりながら廊下をモップ掛けしていく)
(走る、走る、走る)
(男は廊下を綺麗にするためだけに今、星海を切り裂く流星が如く命を燃やすのだ)

ご案内:「廊下」にウィリーさんが現れました。
ウィリー > 凄まじい勢いでモップをかけている人間がいる。
熱く暑い気合を纏っているような錯覚すら覚えるような、見事なモップがけ。

口を開けば間違いなく、裂帛の気合が飛び出るであろう形相を眺めて、

「…すげえな」
組手のタイミングを逃して、手持ち無沙汰になっていたウィリーが思わず嘆息を漏らした。

ご案内:「廊下」に蓋盛 椎月さんが現れました。
桜井 雄二 > (右足でブレーキ、急制動をかけて曲がり、再び走る)
(廊下を走り続ける青年が、男性の声を聞いて立ち止まる)
……今、『すげえな』と言ったか…………?
少し待て。(ポケットからメモ帳を取り出してぱらぱらと開く)
(それからメモ帳を開いたまま無表情に男性を真っ直ぐに見る)
君、生活委員会の仕事に興味があるのかい。
今なら体験入会も2週間ついてきて誰でも島のインフラ整備に貢献できる。
さぁ、君も生活委員会に入ろう。(と、棒読みに話しかけた)

蓋盛 椎月 > (たらたらと教室棟のトイレの点検をして回ってたら
 ものすごい顔でモップがけをしているのに出くわす)

「……いつもながらやる気充分だな~。
 ひょっとしてただのモップ掛けじゃなくて戦闘訓練の一環だったりするの?」

ウィリー > 「うえっ!?」
滅多なことでは驚かない彼だが、あの勢いで動いている人間に
小さくひとりごちた言葉を聞き取られたことにはさすがに、驚いてしまった。

とはいえ、突然始まった勧誘――しかも棒読みの--には、落ち着いて
「とりあえず落ち着いてくれ。そんで、アレだけやる気満々にモップがけしてたのに
 いざ勧誘の段となったら熱意がない感じになった理由を教えてくれ」

面白すぎて、興味本位の質問が口をついて出る。

蓋盛 椎月 > (桜井がなにやら勧誘しているのを見て
 そういえば自分も保健委員会の末席に名を連ねていたのを思い出して
 自分もウィリーに近づいて声をかける)

「あ、保健委員会もいいよ!
 めんどくさい応急処置講習を受けた後は
 意識がなくなってめっちゃ重い怪我人を炎天下の中担いで歩く仕事とかできて楽しいよ~。
 あとあたしの肩もみとかができる」
(まったくやる気のない勧誘)

桜井 雄二 > (蓋盛に気付くと無表情に頷いて)
どうも、蓋盛先生。掃除に大事な三つのKを教えてもらいましたから。
すなわち、気合、気合、気合です。
(戦闘訓練かと言われると首を左右に振って)
精神面でも肉体面でも大して戦闘の役には立ちませんよ。
ただ、短時間で仕事を丁寧に終わらせて次の仕事に行きたいだけです。

熱意がない……?(ウィリーの言葉に沈思黙考)
熱意ややる気がないわけではない。
ただ、マニュアル通りに勧誘を行うとどうしても棒読みになるだけだ。
俺は演劇部や放送部ではないからな。
………もしかして、生活委員会に入りたいわけではないのか?(大真面目にそう聞く)

蓋盛 椎月 > 「武術の老師に教えを乞うために雑巾がけさせられるシーンとかあるじゃん。
 そういうのでもないのか……。」
(3つのKにはヒエ~と肩をすくめて苦笑い。
 生活委員会には竹刀持って角刈りでジャージを着こなす熱血顧問でもいるのだろうか……?)
「生活委員会ってそんな気合入れて速やかに片付けないと
 終わらないぐらい仕事たくさんあるの?
 大変だなあ……。」

ウィリー > もう一人の勧誘も聞くだけ聞いてみる。わざわざ話しかけてきたのだから答えるべきであろうと。
「……はあ」
おそらく教師であろう彼女の、明らかに現場の声である内情を聞いている内に思わず渋い顔をしてしまった。
難しい仕事ではないし、女性の肩もみもやぶさかではないが……。

「ともかくまあ、考えさせてくれ。俺はモップの人の気合の入りようが
 気になっただけだし。生真面目になんかやるっていうのとは違う感じの、
 無心さがあったようなきがしてなあ」

桜井 雄二 > (蓋盛の言葉に無表情に自分の手を見る)
ワックスを拭いたりワックスをかけたりするだけで武術の修行になるのであれば。
生活委員会はこの島で一番の武闘派組織だと思うんです。
生活委員会は慢性的に人員不足ですからね。
花形の風紀と違ってやることが地味ですから。
……この島の『便利』と『綺麗』を守るための戦いなんですが。

(ウィリーの言葉に頷く)掃除で大事なことは気合だ。
気合さえあれば短時間で廊下の掃除を綺麗に終わらせることができる。
(手のモップを持つ部分に出来たマメを見せて)
無心にやらなければ精神を病む。生活委員会の行動範囲は島全体だからな。

ウィリー > 桜井の言に、心内でなるほどと手を打った。
異能や魔術を持つ人間にとって、適性がなければあえて目立たぬ
委員会に所属して地味な活動をする理由はない。
逆に派手な活躍をして、特別報酬でももらうほうが割に合うだろう。
だというのに、あえてこれを選ぶ。必要にされているから。
潔いとしか言いようがなかった。

(『綺麗』…衛生環境を疎かにするとなにがあるかわからないしな…)
少し斜め上の感想で思考を打ち切って。

「島全体ってそりゃいくらなんでも職域広すぎだろ…んで、割り当てられてる人数は?」

蓋盛 椎月 > (明らかに勧誘が逆効果となっていることを示す表情が返ってきて力なく笑う)
「フッ……なんか勧誘しなくちゃいけない気分になったから言ってみただけさ。
 むしろ入らないほうがいいと思う。
 君が健やかな学園生活を送りたいのであれば……
 でも肩もみはしてほしいから別に入らなくてもしてもいいよ」
(人増えなくていいと思っているわけではない……がそこまで器用な嘘はつけなかった。
 保健委員会のえらい人に聞かれたらめちゃくちゃ怒られそうである)

(桜井のあまりのマジレスっぷりにむしろ笑顔を浮かべて)
「あ、でも生活委員会が一番の武闘派だったらかっこよくない? 裏番長って感じでさ。
 しょっちゅう荒事起こってると警察や軍部が力を持つのはどこも同じだねぇ……。
 人員増やせないなら生徒の意識を変えていくとかしかないのかな~」
(ん~、って唇に指を当てて考える)

桜井 雄二 > (ウィリーの質問に対し、沈思黙考)
わからない。卒業する人や新たに入ってくる人もいるし、全体の数を把握しているわけではないからな。
だが今日の俺の担当範囲は第一大教室棟の廊下半分だ。
(広大な廊下、それでも一階層分が目の前に広がっている)
……これで何となく察してもらえるかと思う。
(言外に人が全然足りていないと告げた)

(蓋盛の言葉に頷き)
俺もそう思うので、生活委員会としての日々にあって誰にも負けない異能のコントロールを心がけています。
異能対策室三課でもありますからね。
(モップを持ったまま力強く)怪異も掃除してしまいますよ、綺麗にね。
生徒一人一人が廊下や教室を綺麗に使ってくれれば仕事も減るのですが。理想論ですね。

ウィリー > 「健やか、健やかかあ~…肩もみは健やかに入るんですか」
個人的欲求だろうし、そのくらいならいいだろう。
自警団なら多少は分かる。異能犯罪、魔術による被害。
とてもじゃないが、保険「委員会」の力では収拾のつかない事態も多かろう。

彼女の言外にあった、「含むところ」にはあえて触れず、話を続ける。

「…なんというか…無茶だな」
目をやると、廊下はだだっ広い。そして、ここ以外の敷地も広大だ。
義侠心めいたものが、ウィリーの中に渦巻きはじめた、が。

「異能対策課三課? なにそれ」
気になる単語であったし、初めて耳にする単語でも会った。

蓋盛 椎月 > (桜井の力強い言葉に感心したように)
「お、意識高いじゃ~ん。よっ、未来の裏番長! モンスタースイーパー!
 でもあれもこれもと頑張ってたらいつか破綻しちゃうよ。
 人間のキャパシティには限りがあるからね。
 適当に妥協してサボることも大事だよ。あたしみたいにな!」
(ドヤ顔)

「肩もみめっちゃ健やかじゃん。
 肌と肌とのふれあいは心のケアにもつながるのさ。
 美少年や美少女だったら言うことないね……」
(唇が緩む。直す。)

(異能対策課三課、という言葉に蓋盛も反応する)
「あ、あたしもそれ知りたーい。
 川添くんが立ち上げたって言うけど詳しいことは知らないのよね」

桜井 雄二 > 無茶だろう。(ウィリーの言葉に頷き)
だが人々の『便利』を守るための戦いに終わりはない。
あっ、すまない、言い間違えた。怪異対策室三課だ。
怪異と戦うための私設組織なんだ。室長は川添孝一。
俺は転移荒野に現れる黒蟻の亜人、蟻人(ギジン)の担当だ。
……あいつらを全滅させるまで、俺は怪異対策室三課のままだし、死ねない。

(蓋盛の言葉に頬を掻いて)
わかりました。手を抜けるところは手を抜きます。
それでも蓋盛先生はサボりすぎだと思いますが。
……裏番長って表番長と何が違うのでしょうね。

蓋盛 椎月 > 「さ、最近はそんなサボってないよ前年比50%ぐらいのサボり率だよ。
 なんだ最近の若者は裏番長も知らないのかね」
(人生の先輩風で白衣がバタバタと靡いた)
「一言で言えば黒幕だよ。
 パッと見は強そうにも偉そうにも見えないけど、
 表向きな番長よりも実権を握ってるような奴のことさ。
 そいつを倒すと裏裏番長が出てきて、さらにそいつを倒すと裏裏裏番長が出てきて
 連載はいつまでも終わらないんだ」
(口から出任せがどんどん出てくる)

(怪異対策の話には隔意の混じった感嘆の息を吐く)
「へえ、それじゃすっかりあいつも正義の味方ってわけだ……短い間に人は変わるねえ。
 ……全滅って可能なもんなの?」
(倒すごとに『あと◯◯匹』とかカウントが表示されるとでも言うのだろうか?
 もしもなにかしらの指標がない、というなら全島の廊下をくまなく綺麗に保つこととどっちが無茶なのか)

ウィリー > 「生憎、見ての通り俺は美少年じゃない、よくてモブ。需要と供給の不一致だな」
彫りの深い顔立ちに笑みを浮かべて椎月をからかうように言った。

「聞いたこともなかった組織だが…ああ、川添という名前ならわかる
 奴さんの噂を聞くに……その全滅だとか、死ねないという言葉は
 大げさじゃないてか
 なんにせよ大変そうだな。掃除は手伝えないが、そっちなら
 手助けできるかもわからん。どうだ」
 自分の名ウィリー・トムスンと、所属――歓楽街の自警団員――であることを告げて、怪異対策室への協力を申し出る。

桜井 雄二 > そうですか、それならサボり率は下がっているんですね。
(素直に話を聞いた)黒幕……!?
裏で実権を握っている………どんどん出てくるのか!?
(話をメモりながら興味深そうに蓋盛の話を聞く)
(凄まじい速さで騙される男の姿がそこにはあった)
ああ、川添孝一も完全な更正と贖罪を目指して日々戦っている。
……全滅が無理でも、あいつらがこちらの世界にやって来ない日が来るまで戦う。
ギジンは人類の敵だ。対話など不可能な、絶対悪なんだ。
(普段無表情な青年の顔が憎悪と嫌悪に歪んでいく)

(ウィリーに向けて薄く笑って)……そうか。
俺の名前は桜井雄二。二年だ。
怪異対策室三課への協力、感謝する。仕事は簡単だ。
会話ができず人類と敵対的な怪異と戦う………それだけだ。

ウィリー > メモを必死に取り、勢い良く騙される桜井の姿を苦笑しながら見る。
無心さ、真剣さ。その底にあるのは、もしかして純粋さなのではないだろうか。
会ってしばしもしない相手だが、信用における人間のように思えた。
(こういうタイプの人間って危なくもあるんだけどな)
だから、からかうのはやめてあげて先生。

「要は意思疎通の取れない相手を制圧しろってこったな。
 なんかどこ担当とかあるんだろうが、よくわからんしよろしく頼む」
手を差し伸べる。握手を求めるポーズ。

蓋盛 椎月 > (ウィリーの言葉に、気障な笑みで応じて)
「美しい少年と書いて美少年さ。
 心が美しければ誰だって美少年となりうるのだよ。
 どう? 今から保健室のベッドで肩とか肩以外の部分を揉み合ったりしてかない?」
(カジュアルに風紀を乱していく反面教師の姿があった)

(あ、一切の冗談通じないタイプだ)
(今までよく無事で生きてこれたな……と蓋盛は思った)
「そうそう、んで最終的には裏e+11番長みたいな感じになる。
 ……まあつまりは悪の根絶は非常に難しいってことだね。」
(さっき裏番長になれとか唆していたのは都合よく忘れておく)

(憎悪に歪む表情を見て、またいくらか訊きたいことも生まれたが、
 それはまた別の機会にしておこう)
「……なんというか肩のこりそうな生き方だな。川添くんもキミも。
 今度肩もみしたげるよ。」
(やわらかく笑う)

桜井 雄二 > (ウィリーと握手を交わす)
…俺がギジン担当なのは俺が特別そう申請しているからだ。
怪異対策室三課は基本的にどんな種族とも戦うし、どんな異邦人も保護する。
(手を離して)ウィリー・トムスン。
自警団員とは頼もしい仲間が増えたな。これからよろしく頼む。

そうか……裏番長とはそんなに数が多いものなのか…
悪とは浜の真砂のようにいくらでも出てくるものなんですね。
(小首を傾げて自分の肩に手を置く)……? ええ。
肩を揉んでくれるのであれば、喜んで。次の機会にでも。

ウィリー > 「いいですよ、保健室以外の場所でなら」
楽しげに笑った。校内で背徳的なプレイに興じるつもりはないし、
もちろん校外でもその予定はないのだが。

「大した戦力にはなれないかもしれないが…おっと」
ビープ音。警らの時間であった。
桜井に連絡先を預けて、廊下を後にする。

「それじゃ、肩もみと掃除は気が向いたらやるんでよろしく」

ご案内:「廊下」からウィリーさんが去りました。
蓋盛 椎月 > 「背負ってる荷物が多いと肩はこるもんさ、どうしてもね。
 (伸びをして)あたしもそろそろ仕事するフリに戻るかねえ。
 んじゃまったねー。」
(軽く手を降って、ウィリーと桜井に別れを告げ、
 廊下の向こうへと消えていく)

ご案内:「廊下」から蓋盛 椎月さんが去りました。
桜井 雄二 > ああ、また会おうウィリー・トムスン。
(去っていく彼を見送った後、握手をした手を見る)
……握手か、悪くないものだな。

それではまた会いましょう、蓋盛先生。
(こちらも軽く手を振り返しながら見送り)
……背負っている荷物、か……兄さん………
(自分はまだこの荷物を降ろすわけにはいかない)
(―――――復讐という背負い物を)

さて、それじゃ再開するか。
(再び気合を入れて廊下の掃除を始めた)

ご案内:「廊下」から桜井 雄二さんが去りました。
ご案内:「ロビー」に名取美子さんが現れました。
名取美子 >  (欠伸をしながら歩いてくる少女。時折、空咳をしては体をさすっている。)

 (自販機の前へ来ると、ポケットに手を入れて絶望の表情。)
あ…しまった。お財布、部屋だ…。

 (とほほ、と涙目になると、すぐ近くのソファに腰かける。また、空咳を2、3回。疲れた様子で溜め息をつく。背凭れに寄りかかり、ぼうっと虚空を見つめた。)

…部屋に戻るの辛いですね。ちょっと休んでからにします…。喉、乾いたな…。

ご案内:「ロビー」に黒谷 知来さんが現れました。
黒谷 知来 > 「…………ふぁぁ……」

大あくびをしながら歩いてくる少女、約一名。
空っぽになったミネラルウォーターのペットボトルを
ゴミ箱に向かって投げる。

ペットボトル用のゴミ箱の口は小さい。
が、投げたペットボトルは見事にその中に吸い込まれていった。

名取美子 >  (大きな欠伸と、ペットボトルが綺麗にインした軽い音を耳が捉えた。)

…ん?あれ、人なんて私以外にいたんですね…。どれだけぼーっとしてるんでしょうか、私。
 (と、心の中でぼやいたつもりが、普通に口に出している。また空咳を2、3回。ふと、視界の端に来訪者の姿を捉えた。今は行動がいつもより鈍いので、しばらくぼーっと観察しているだろう。)

黒谷 知来 > 「……あ゛」

そして少女は気づく。
ペットボトル用のゴミ箱だと思っていたそれが
アルミ缶用のゴミ箱だったことに。

見なかったことにするという選択肢もあるが、
なんとなく分別はきちんとしたいタイプだった。

ため息をついてゴミ箱に向かうと、蓋をはずして
ペットボトル用のゴミ箱に自分が捨てたボトルを……

と、思いきや他にも勘違いした人がいたらしく、
缶とボトルがごちゃ混ぜになって詰め込まれている。

なんとなく気になって分別を始めた。
まだ美子さんの視線には気づいていない。

名取美子 >  (がさごそと何やら少女がゴミ箱に手を突っ込んでいる。一体何をしているのだろう…。)

あの…お掃除の係の方ですか?
 (そんなわけがなかろう。しかし妙に天然な彼女は体調不良も相まって、地味な服装の少女を学校の委員会関連の人間だと思い込んだ。思考が鈍っているようだ!)

大変ですね、こんな時間まで…。

黒谷 知来 > 「……ふぁっ!?」

突然声をかけられてびびる。そのまま缶のゴミ箱に顔を突っ込んだ。

「え、あ、いえ……なんか、間違ったゴミ箱に捨てちゃって、
そしたら、みんな間違えてるみたいだから……」

ちょっとしどろもどろになりつつ説明を試みた。

名取美子 > あっ、ごめんなさい。大丈夫ですか?
 (ふらふらしてはいるが、取り敢えず罪悪感は感じたので駆け寄ってみる。風邪を引いている自覚があるので、触れるところまでは近付かない。)

 (と、同時に委員会の印も何も付けていないごく普通の少女だと言うことに気づく。)
お掃除の人じゃない…!ご、ごめんなさい、なんかすごい変なこと言いましたね私…。
でも、偉いですね。自分のだけじゃなく他のものもなんて…。
 (ふと、ゴミ箱の中身に視線を注ぐ。そのマナーの悪い事態に思わず目を丸くする。)

…なんですかこれ。こんなにいっぱいあるんですか。
 (溜め息一つ。そして、よし、と一言呟くと。)

私も手伝いますよ。こんなにいっぱい、一人じゃ大変でしょうから。
 (マスクの上から覗く瞳は柔らかく笑っていることだろう。)

黒谷 知来 > 「え、あ……ありがとうございます。」

素直にお礼を言って分別を始める。
ふと、マスクに目が行った。

「……あの、体調悪いんですか?それなら、無理しないほうが……」

名取美子 >  (早速ゴミ箱に手を突っ込んで缶を何本か取り出しながら。)

体調?ああ、本調子ではないんですけど…。
 (言いながら出そうになった咳をなんとか堪える。そのせいで少し詰まったようなおかしな喋り方に聞こえるだろう。)

心配するほどの事じゃないんですよ。ちょっと疲れてるだけです。

黒谷 知来 > 「……ん、んー……」

あんまり大丈夫そうには見えない、と思ったものの、
厚意を無駄にするのもそれはそれで悪いと思ってしまい、
休んだほうがいい、という言葉を飲み込んだ。

「えと……何か、できることがあれば、言ってください、ね?
手伝ってもらってるお礼、というか……」

代わりに見返りの提案でもしておく。
懐が暖かいわけではないが、多少のお返しをする程度の余裕はある。

名取美子 > 空き缶はこれくらいでしょうか…。あ、びんも入っちゃってる。どうしてこんな簡単なことをしてくれないんでしょうね?
 (などと問いかけつつ、うっかりお礼という言葉を聞き逃しそうになる。)

お礼なんてそんな…。
 (と、言いかけてから喉の乾きを思い出す。しかし、まさか会ったばかりの少女に奢って貰うような真似は出来ない。うーん、としばし考えていると、我慢した分勢いよく咳き込んでしまう。)

黒谷 知来 > 「わわっ……」

とりあえず背中をさすってみる。
やっぱり体調がよくないのだろうか、と考えつつ。

「あの、残りはわたしやるので……
えと、休んでたほうがいい、と、思います……。
あと、お水飲んだり、お薬飲んだり……。」

わたわたしながらとりあえずできそうなことを並べてみる。
といっても一般的な意見ばかりだが。

名取美子 > うう…なんだか言い出しておきながら情けないですね。ありがとうございます。
(背中をさする手の温もりはありがたい。これ以上隠すのも流石に無理があると判断した。)

実はですね、飲み物をうっかり切らしてしまいまして…。それで自販機で何か買おうと寮から出てきたのですが、またまたうっかりお財布忘れてしまいまして…途方にくれてたのです。

黒谷 知来 > 「飲み物……」

自販機を見て一瞬だけ瞳に暗いものが宿る。
が、すぐに財布を取り出し、100円玉を2枚取り出して
美子さんに握らせた。

「気にしないでください。無理して倒れたりしたら……ですし。
えと、おつりはいらないので……好きなもの買ってください。」

名取美子 > あ、ごめんなさい…。
 (なんだか奢ってくださいとでも言ったかのような流れになってしまった。思わず謝罪が先に口をついてでる。)

そんな、お釣りくらいは流石にお渡しさせてください。あと、困っているのは全部私のせいですから、また今度是非お返しさせてください。
お名前、よければ教えてもらえますか?私は名取美子といいます。…あと、好きなお菓子とか料理とか、教えていただけると。

黒谷 知来 > 「名取 美子さん、ですね。えと、ぼ……わたしは、黒谷 知来(クロダニ チコ)っていいます。
えと……よろしく、です。
好きなお菓子、は……チョコレート、かな……」

考えながら返事を返す。お釣りについては
そのまま押し付ければ受け取ってくれるだろうか。

名取美子 > 黒谷さん、ですね。分かりました。では、また明日…はまだ無理かもしれませんが、またお暇な時にロビーにいらしてください。私、料理に関する異能を持っているので、チョコレートを作ってお渡しします。

 (そう言って微笑む。日時を決めて約束しようかとも思ったが、人格がいつ変わるか分からない以上、相手を混乱させてしまうと判断して、やめた。)

…じゃあ、ちょっとお言葉に甘えちゃいますね。
 (自販機で比較的安い値のミネラルウォーターを買う。)
ありがとうございます、黒谷さん。黒谷さんも、お体には気を付けて。私は頑張って寮に戻ります。お休みなさい。
 (また柔らかく微笑む瞳が覗くだろう。心なしか、先程よりも顔色がよくなっているように見えるかもしれない。)

 (しっかりとした足取りでゆっくりと歩く背中は、自販機が吐き出したつり銭に気付かないふりをして帰っていくだろう。)

黒谷 知来 > 「ん、おつかれさま、でした……
お大事にしてくださいね?」

そうして分別作業に戻る。
後で自販機に残されたお釣りに気づいて、
少し考えた後にポケットに入れたようだ。

ご案内:「ロビー」から名取美子さんが去りました。
ご案内:「ロビー」から黒谷 知来さんが去りました。
ご案内:「教室」におこんさんが現れました。
おこん > …つまり、真なるこみゅにけーしょんとは、相互理解することじゃ。
仲良くなることが目的ではない。 相手の目的や真意を汲み取り、
こちらの真意と組み合わせることじゃ。 わかるかの?
(教卓に座り、足を組んで、生徒たちを見やりながら滔々と話し続ける。
 己の妖力によって動かしている白墨は、黒板に重要な項目をリストアップしていく。
 そう、授業中だ。 己が担当するコミュニケーション学の基礎を説いている、その真っ最中である。)

ご案内:「教室」に川添 孝一さんが現れました。
川添 孝一 > (以前におこん先生からコミュニケーション学における喧嘩の勝ち方―――と、本人は受け取っているものを習い)
(それから彼はコミュニケーション学にだけは熱心に通うようになっていた)
(もっとも、今は不良をやめているため他の授業の出席率も悪くないのだが)
(真面目に板書を書き写していく)

おこん > 彼我の利害がぶつかることもある。
例えば、腹ぺこのワシがおるとしよう。妖力が尽きて、
今にも誰かを襲わねば倒れてしまう…そんなワシの
目の前に、偶然にもおぬしがおる!さあどうする!
(びしっ。最前列の男子生徒を指差す。
 狼狽えた様子の男子生徒…しかし、決意を決めたとばかりに
 グッと拳を握りしめた。 「逃げます!!」教室にシャウトが響く。)

ウム…覚えておけよ…。
今の話でいうなら、ワシが腹が減っておるのか、
ただ趣味なのか、あるいは発情しているからなのか、
それによって対応の仕方が変わってくるはずじゃろう。
つまり、正しい対応を導き出すための導こそが、
こみゅにけーしょんで生み出される結果なのじゃ。
(ざわつく生徒たち。「今の例題は正しかったのか?」
 「おこん先生はどのみち襲うのでは?」
 「辱めを受ける前に舌を噛むべきでは?」 等の活発な議論が湧き上がる。)

川添 孝一 > (川添孝一は青い顔をしている)
(自分も辱めを受ける前に舌を噛むべきでは?と思った)

(彼は童貞であった――――初体験に幻想を持っている、どこにでもいる、ありふれた童貞であった)

(いもしない彼女の部屋で『今日、親いないんだ』パターンを妄想しつつ、頬杖をついて思索に耽った)

おこん > よいかおぬしら…ワシはのー、定期的に交わらぬと死んでしまうんじゃぞ。
野良犬に噛まれたようなもん…といったら怒られるな、ウーム……
献血に行ったようなもんだと思って…
(怯えすくむピュアな男子生徒たちを説得しようとしたところで、
 そこまでだとばかりにチャイムが鳴り響く。 一瞬憎々しげに
 スピーカーを睨みつけるも、ぱんと手を打って。)

というところで、今日の授業は終わりじゃぞ。疑問や話があれば、
聞くでのう。 問題ないものは次の授業に向かうのじゃ。
(ぞろぞろと教室を出ていく生徒たち。 残った生徒の中に、
 見知った顔の…喧嘩で天下をとったると言わんばかりの
 男子生徒を見つけて、声をかける。)

おお、川添。 どうじゃ、わからぬところとか無いかの?
(できるだけやさしく問いかける。 自分のことはともかく、
 授業はわかりやすくがスタイルだ。)

川添 孝一 > ああ、俺も今日泊まるつもりで来たから。
(先生の質問にすごくイイ笑顔で妄想の中の台詞を言ってしまう)
……忘れてほしいっす。(顔を真っ赤にしながらそう付け加えて)
いや、難しいところがちょっとあって……
コミュニケーション学ってスピーチ・コミュニケーションとか修辞学とか色々名前ついてるんすよね。
でも、結局全部コミュニケーション学なんすよね?
覚えるの大変だなぁって思って……なんか暗記の良い方法教えてくださいよ、先生。

ご案内:「教室」に稲葉聡美さんが現れました。
稲葉聡美 > (人が少なくなっていく教室の隅で熱心に板書を写している黒髪の少女。先日、橿原眞人とともにおこんの授業に加わった稲葉聡美である)

「しんいをくみとりー、しんいとくみあわせるー……と。最後の質問は……どう答えたらよかったのかなっす……」

(幼稚園児に毛が生えた程度の性知識の持ち主である彼女には、教室の男子生徒が青くなっている訳を知る由もない)

おこん > おお、そうかそうか、泊まるつもりか。 それならワシも一晩……
そうじゃの、教室で言うことではないからのう。忘れるとしよう。
(なんかスゴイ勢いで一晩を共にしようって言われたので、
 さすがにうなずかざるを得なかった。 でも忘れろって言われたので、
 そっと胸の中にしまっておく。 教師には優しさがある。)

ふむ、そうじゃの。 すぴーちもそうであるし、修辞学なんぞは…まあ近いといえば近いかの。
もっといえば諜報活動やなぞもこみゅにけーしょんじゃな。
暗記か…おぬしの場合は、そうじゃなあ…
(覚えるのが大変と言われると、自分の顎を撫でて視線を宙へ。
 彼は物覚えが悪いわけではない。自分の中にしっくりくる当て嵌め方が
 できれば、ズバッと覚えられるタイプであることを認識する。)

ほれ、あれと同じじゃ。ぱんちする…ぼくしんぐ!
まっすぐに相手を打ち据えるのがすぴーち…
修辞学は…ほれ、立ち回りじゃ、すてっぷじゃ。
立ち回りが出来ぬものはただただ打たれるだけよ。
…この言い方で分かるものかのう。
(自分でもちょっと心配げ。 不安げな調子で問いかける。)

川添 孝一 > (稲葉聡美を横目に助けを求める)
(川添孝一は以前、稲葉聡美と甘味処で相席したこともある仲だ)
(いや待て――――今の失言を彼女に聞かれているのが一番まずい気がした)
(とりあえずリカバーだ、失言の撤回だ)

……はい、忘れてくださいス……感謝します……!!
(真っ赤になってワハハハと笑って誤魔化した)
(童貞の妄想は控えめに――――それが教訓だ)

諜報までコミュニケーションに入るんすか……そらー覚えるの大変だ。
なるほど! スピーチ・コミュニケーションがストレートで!
修辞学がステップか! そんなだったら覚えるの簡単すよ!
(うんうんと頷いて)コミュニケーション学……また一つ学んじまったなァ。
(頭は悪くないが低intという矛盾を孕む彼の脳みそにまた一つ言葉が刻まれたのだった)

おこん > おお、稲葉も悩んでおるのー。 まあ先ほどの例えは気にせずともよい。
大事なのは、相手と自分のすべきことを理解するということじゃぞ。
おにぎりに例えても良いぞ。おにぎりはひとつ。
おぬしと川添どちらかが食べる…
この時、川添の腹が減っているかを確かめるのは大事じゃろ?
(彼女は明るくてとてもマジメなのだが、よく考えすぎてしまうところもある。
 そうだ、と頭のなかの豆電球をONにして。 我ながらいい例えができた。)

稲葉聡美 > (ひと通りの作業を終えて、まばらになった教室に視線を移す――)
(――教室に残る二人の人影、片方は言うまでもなくおこん先生、もう一人は甘味処で会った川添か。)

「あっ、かわぞえ先輩もおこん先生の授業にきてたっすかー!」

(ぴょんぴょん跳ねながら二人の近くにやってくる。)

「何の話っす?なんか『とまるつもり』とか……ん?」

(言いかけたがおこんの問いがかぶさり、思考がそれる。)