2015/07/07 のログ
片翼・茜 > 「そうですか……そう、ですよね。」2つに1つだ、問い質してスッキリするか、この感情を抱えて生きるか。後者は、自分だけならまだしも他人に迷惑をかける、実際コゼット先生に時間を取らせているし。となればもう選択肢は1つしかない。

「わかり…ました。話して真意をはっきりさせることにします。きっと遊びでしょうし、そうならこの動揺も収まるはずです。」本気だと言われたら困るが、まさかそんなことはあるまい。と思考する。考えてみれば最初からそうすればよかったのに、相談して言われるまでそうする勇気がなかったのが恥ずかしく思える。

「相談にのって頂いてありがとうございます。しょうもない話にお時間取らせてしまって申し訳ない。」深々と頭を下げる。

コゼット > (結果は何となく目に見えているが…。もうそうだった場合彼女は立ち直れるだろうか。
でもまぁ、このままそれに思い悩み、苦しんで生活するよりは良いのかも知れない。)

「…少なくとも、私なんかよりはよっぽど青春しているように見えますよ、茜先生。
なんなら、どうしても聞くのが辛いなら私もついていきますから。」
(困った時はお互い様ですよ、と微笑んで。
少なくとも、私の思い悩んでいる事よりはずっと健全だ。)

「と。…ちょっと待ってて下さいね。」

(その一言を残し、コゼットは駆け足で職員室を出る。
──程無くして戻ってきたコゼットのその手には、コゼットの苦手で、そして茜の良く飲む苦いコーヒーが握られていた。)

「はい、これでも飲んで気持ちを切り替えて下さい。」

片翼・茜 > 「青春、ですか……。まさかこの年で青春するとは……。」人生、生きてないから人死か、わからないものだ。と思案顔。

「いえ、それしか方法がないとわかれば、やれる気がしてきました。大丈夫ですよ。」そうだ、それしかないのに何を思い悩んでいたのだろう。安心させようと、頬を釣り上げて笑う。

そして相手が一度出て行けば、なんだろうと首をかしげていたが。
コーヒーとともに戻って来たのをみて、自分をわかってもらえている気がして、嬉しかった。恥ずかしいので顔には出さないけど。

「ああ、すみません。やっぱり私はこれがないと、ですね。」受け取って、一気に飲み干す。苦味と熱が口の中に広がる。
「カハァー……。」渾身の、コーヒーの香りの吐息。

コゼット > 「他人と関わる以上、何が起こってどんな思いをするかなんて判らないものですよ。
実際、茜先生がそんな事で悩むだとは思いませんでしたし。」
(やっぱり女の子だからかなーと思いつつ。自分の事は棚に上げる。)

「ふふっ、それこそ茜先生らしさですね。
…生憎私はまだそのような経験はありませんでしたが、ないなりに力になれたなら幸いです。
こうゆう事でしたら、いくらでも相談に乗りますから。」

(外は雨が降り続いているが、心は何だか晴れ晴れとしていた。)

片翼・茜 > 「そうですねぇ、人付き合いというのは本当に予測不能だ。」未だに対人関係の構築には苦手意識を持っているところがある。教師としてどうかと思うが、長年持ち続けた意識は中々抜けない。困ったように頭を掻いた。
「あの、本当にご内密にお願いしますね、私にはどうも…クールなイメージがあるようなので……。」以前生徒からクールでかっこいい扱いされていると聞いたことが在る、無表情なのを誤解されたようだが、あまり崩したくはない。

「コゼット先生のおかげで助かりました。今後も何かとお世話になるかもしれません、代わりに私にもいくらでも頼って頂いて結構ですから。」目を細め、頬を釣り上げて笑う。できるだけ明るく言ったつもりだ。

「それじゃあ、仕事に戻りますね。今日は本当にありがとうございました。」ともう一度お礼を言って頭を下げる。そして自分のデスクへと向かった。

コゼット > 「ええ。それによって良くも悪くもあります。だからこそ学校は楽しいし、生徒達もそうやって成長していくんですよね。
…我々教師も、例外ではないですけれど。」
(そう、必ずしも上手く行かない事もある。この間の事を思い出し、一瞬苦い顔をする。)

「大丈夫ですって。私だって秘密な事を相談した時に言いふらされたら顔真っ赤になって学校にこれなくなるかもしれませんし。」
(あえて敵を作りに行くような事はしない。
それに既に意外な一面は見せて貰ったし、それを自分だけが知っている、という優越感もちょっと良い。)

「ええ、お互い様ですよ。その時は宜しくお願いします。
はい、いってらっしゃい。
…それはそれ、しっかりと気持ちを切り替えて。」
(念を押しておく。クールなイメージを保って貰う為に。)

ご案内:「職員室」から片翼・茜さんが去りました。
コゼット > 「…しかし、そんな事があったなんて。」
(注意するべきだろうか?と思ったが、一々それに突っ込んでいたらキリが無いか。
本人だって、多分別にそんなつもりは無かったんだろうし。

同僚の相談事という一仕事を終えたコゼットは、紅茶を淹れ一息つく事にする。)

ご案内:「職員室」に雪城 括流さんが現れました。
ご案内:「職員室」に矛海 遼さんが現れました。
矛海 遼 > キュラキュラ、と。雨音に混ざるように車輪を回す音を響かせながら扉に近づき、ガラガラと開きながら入ってくる。

そこには腰に一振りの太刀をぶら下げながら雨合羽を羽織り、大きめのダンボールを台車に乗せた青年が立っている。
ダンボールの隙間から緑色の物体が少しはみ出ているのが解るかもしれない

雪城 括流 > 「たしか…。」

職員室にいるであろう人物を目当てに、本日は人型で手にちょっとした包みを持って中の様子を伺う。
目当てのコゼットせんせともう一人、男性がいる様子を見て…
男性が入ったのと反対の扉をちょっと開けたまま立ち止まった。

(…どうしようか。)

少し様子を伺っているようだ。

ご案内:「職員室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
コゼット > 「フー。やっぱり紅茶は良……ん?」
(雨音の聞こえる中優雅に紅茶を楽しんでいると、職員室に新たな人影が。
物音が聞こえてそちらを見て、その姿は外から来たのだというのが一目で判る位に。
…しかし、その様子は何か物騒な雰囲気を漂わせている。声かけて大丈夫だろうか。)

「………。」
(…どうしようか。)

矛海 遼 > 「………ふぅ」

雫が所々に付いた雨合羽の首から上を外すと、
一息ついて自身のデスクの近くまで台車を動かしながら、軽く礼をする

「どうも、こんばんはコゼット先生。」

蓋盛 椎月 > さきほど職員室でなされていた会話などつゆ知らず。
書類ケースを抱えてちょっとした用で職員室に向かっていると、
見覚えのある後ろ姿がもじもじしている。
どうやら今は人型らしい。

「くくる先生ー? どうしましたー?」
後ろから声をかけてみる。

雪城 括流 > 「へびぇん!?」

器用に小声で叫びつつ。
お尻を振って中の様子を伺っていたそのスカートがちょっとはねる。

「…蓋盛せんせ。驚かさないでください。
コゼットせんせに用があったんですけど、男女二人きりなので邪魔しちゃいけないかと…。」

現状説明。でも誤解です。
最近恋愛ごとにはちょっと慎重になりつつ…?

コゼット > 「……ああ。」
(その正体は矛海先生だった。雨合羽から顔が出て、声でそれがその人だと確信した。
それにしても随分色々と荷物を抱えていたが…。)

「こんばんわ。随分な荷物ですね…なんですか?それ。」
(ダンボールを指差して。何か得体のしれないものも入ってるような気がする。)

(聞き覚えのある声が廊下から聞こえるが、今は目の前の疑問へ。)

矛海 遼 > 「………ふむ、これはですね…」

先ほど、自分が入ってきたところからは別の場から何者かの声が聞こえたような気がしないでもないが、
気のせいとしておこうと考えつつ、ダンボールの蓋を開いて中身を取り出す。
その正体は―――

「七夕、近いですからね。すこし拝借してきたのですよ。」

――――竹と笹である。それも多めに。

蓋盛 椎月 > 「あいかわらずユニークな叫び声ですね……」
可愛い驚き方をするなあ、と笑う。

ちら、と中の様子を伺い。
「妙に慎ましいことを言いますね……
 ……男女って、コゼット先生と矛海先生でしょあれ。
 あの二人に限ってそんなことは。
 ……いや、そう見えない二人に限ってそういうことも……?」
あまり声量に気を使わない喋り方。
とりあえずまだ職員室には入らず、
入り口近くでくくる先生と一緒になって覗きこんでいる。

雪城 括流 > 「もとはただのちょっとした間違いだったんですけど…、もう癖になっちゃったんだ。」
恥ずかしげにちょっと頬を膨らませて。

「最近家族の恋愛に口出しすぎて…。
出来ればそう言う機会にはいまはあまり邪魔したくない気分なんだよね…。」

ちょっと落ち込んだ様子を見せながらも、
蓋盛せんせと縦になって扉の隙間から中を覗き込んでいる。

コゼット > 「おお…。そういえばそんな時期ですか。
そういえば七夕と言えば、天体観測会なんてのも告知が出ていましたね。」
(七夕と言えば短冊に書いたりするアレである。
そしてそれを飾るものと言えば竹である。
風流とはこの事を言うのだろう。)

「でもそれを態々取りに?雨の中大変でしたね…。
何か温かいものでも飲みます?矛海先生はコーヒーでしたっけ。」

(廊下の話し声までは聞こえず。あらぬ誤解に話が咲いているとは予想にもせずに。)

矛海 遼 > ……うん、やはりここは聞こえないふりをした方がいいのだろう。
恐らく。

「ええ、その告知を見て思いだしましてね。この時期は非番ですし、
取って来て職員室や昇降口に飾ろうと思いまして。
山まで一走りした次第で。………あぁ、寒さなどなら大丈夫……ですが、頂きましょう。」

異能の都合上、その手の物とは無縁だが、
善意は受け取るべきだ。以前、自身がそうしたように。

「コーヒーで無くても大丈夫ですよ。どちらかと言えば甘い方が好きなので、ミルクティーをお願いできますか?」

蓋盛 椎月 > 「それはそれは。
 家族……って言うと、氷架ちゃんかな。
 最近結構どこも色気づいた話を聞きますねえ。夏だからかな。
 ま、家族のことについてはつい過剰に心配になっちゃいますよね」
あたし家族いないんですけどねあはは、と頭を掻いて。

職員室の様子を引き続き二段重ね体勢で覗く。
「なるほど、女性に笹の葉を贈って口説いているのかな。
 『フフ、コゼット先生……きみの美しい髪がこんなに笹の葉さらさらだね……』
 『まあ矛海先生ったら……あなたのたまに見せる笑顔こそ
  のぎばにゆれるお星さまのようだわ』
 みたいな感じかな? キャッ」
ひとりで盛り上がりはじめた。

コゼット > 「それはいいですね。私も後程短冊にお願い事でも書く事にしましょう。
こうゆうのは雰囲気を楽しむものと言いますし。」

(ミルクティーが良いと言われれば、紅茶を入れる作業に取り掛かる。
普段はストレートで飲んでいるのでミルクティーはあまり飲まないが…、これはこれでいいものだ。)

「はい、どうぞ。足りなかったら追加して下さい。
──確かに今生徒は殆ど試験で精一杯ですからね。
ある意味では教師はほんの少しだけ楽が出来ますけれど、それが終わればそうも言っていられませんよ?
私も今後の予定を考えつつ、自主トレーニングをしたりとやる事は一杯ですよ。」
(一緒に余計に砂糖とミルクを置いておく。)

雪城 括流 > 「ひょーかを知ってるんだ。
そうですね、試験が終われば多少気が緩む子が出てきてもおかしくないかな。
…先生方もそして。」
もしかして、もしかしたらと思うとなかなか中には入れない。

「それはもしかして悪いことを聞いた?
もしくは、血のつながりだけが家族じゃないですよと言うべきところかな。」
ちろん、と二又の舌を出して見せて。
明らかに人間じゃない自身を意識させるように。

「そういえば七夕も恋の逸話だったね。なるほど、口説くにはぴったり…。」
蓋盛せんせの盛り上がりに乗っかりつつ、ふんふんと頷いている。

矛海 遼 > 妙な違和感は感じている物の、気にしていない。
……気にしていない、はず。

「この時期、雨が続いてはいますが、
願いを書くくらいならタダですしね。」

置かれたミルクを片手で中に入れ、砂糖を落としてからゆっくりと混ぜ始める。

「ありがとうございます。
試験期間後の予定自体はあらかじめ想定はしていますが、何時何が起きても良いように柔軟性を持たせるのは難しい事ですからね。
……と、自主トレですか?」

コゼット > 「それで願いが叶うなら苦労はしないのですけどね。」
(あまり夢は見ないようだ)

「暫くはおさらいですね。
今回成績が低かった生徒が遅れないように、しっかり指導していかないと。
ええ、そうです。私は教える側ではありますが、遣わないと衰えてしまいますからね。
自身の使う魔術に関しては自信を持って教えれる位には保っておかないと。」
(とある教師と一悶着あったが、その事には触れずに。ついでに理由も多少違うけど。)

蓋盛 椎月 > 「あんまり話したことはありませんけどね。
 まあ、有名だし華のある子だし」

二又の舌には、目を細める。
「……あ、人型でも舌は蛇なんですか。かわいいですね。
 はは。今どき家なき子なんて珍しい話じゃありませんよ。
 血のつながりなんかを置いておいても、家族と呼べるような人はいませんね」
そう口にする軽い調子には、気に病んでいる様子は見られない。

真剣に頷く様子には、さすがにちょっと呆れて苦笑。
「……ひょっとして真に受けてます?
 なんにせよ、こんな場所で男女についての重要なサムシングについて
 話さないでしょ。大丈夫、大丈夫」

眺めているのも飽きたのか、くくる先生の手をなかば強引に引いて
職員室に入ってしまう。

「ハロハロ~おふたりさ~んごきげんよー」
ごきげんに手を振ってコゼット先生と矛海先生に挨拶。

雪城 括流 > 「そういえば織姫が手習い以外の願い事は担当外だーっ、って叫んでたの聞いた覚えがあるかな…。
金回りなんかは稲荷なのでおこんせんせあたりの担当だと思うんですよね。」

おこんせんせは狐だけど稲荷じゃなさそう…。
とはいえ括流は日本の神に詳しいわけじゃないので。

「呼べるかではなく、思える人は作っておいたほうがいいよ。
家が無いのも学園では特に珍しい話ではないけど…スラムの孤児でも仲間意識はあるからね。
そうであるのとないのとでは、大きな差があるはずだ。」
くすりと微笑んで、そう諭すように。

「…えっ、でももしかしたらきっかけくらいには…ってへびぇぇぇえ!?」
引っ張られて体勢を崩しつつ、なんとかなかにはいる。
気まずそうな視線で二人を見た後、誤魔化すように軽く苦笑して見せた。

矛海 遼 > 「願いは叶えてもらう物では無く、自身で叶える物ですよ」

幼かった当時の自分があっての発言ではある。
縋る物すらなかったあの頃があっての自分であるから。

「………それと、魔術師食いの事も、ですね?」

この人は真面目だ。いや、真面目すぎる。
それ故の危うさが既に、鈍感な矛海でも感じ取れた。

「ふむ、蓋盛先生ですか。それとそちらは確か……」

ミルクと砂糖を混ぜながら視線を入ってきた者に向ける。

「雪城先生、でしたよね?」

コゼット > 「あら、蓋盛先生、括流先生。お疲れ様です。」
(…と言っても、片方は最初の一声で大体は判っていたけれど。
流石に何の話をしていたかは判らないが。きっと世間話でもしていたのだろう。
括流先生は相変わらずなんか可愛い叫び声出してる。)

「そういえば蓋盛先生。
茜先生がなにやら用事がある雰囲気でしたよ。後で見かけたら声を掛けてみたらどうでしょうか。」
(確信には触れず、用件だけ伝える。
もしかしたら茜自身まだ迷っている可能性もある。
蓋盛から声を掛ければ迷っている事に諦めもついて話すだろう。…という楽観視。)

「まぁ、そんな所です。向こうはこっちの都合なんてものは知らないでしょうしね。」
(一瞬惚けようとも思ったが、まぁ今更か。
別にそこを秘密にする事も無い。またなんか言われそうだったから、言わなかっただけで。)

雪城 括流 > 「雪城姓だと複数いるので、くくるせんせいでお願いします。
矛海せんせであってますよね。ごめんなさい、二人きりのところに…。」

服か何かが中身と思しき包みを片手に、そう申し訳なさそうに謝罪する。
謝罪して…会話の様子と内容に、やや物騒な話だと気づいた。

「魔術師喰い…。
…コゼットせんせ、何かあったんですか?」

断片的な情報だけは聞いているが、詳しいことはしらない。
不安そうな心配して見せるような表情をして見せて。

蓋盛 椎月 > 「どうも~お疲れ様~。
 七夕祭りについてでも話してたのかな?
 あたしはどんなこと短冊に書こうかな~」
無邪気に笑って、近づいて話の輪に加わろうと。

「茜先生? ふーん。そう。
 じゃあ、まあ、見かけたら、ね」
茜の名を聞いて、笑みの質がどこか淡いものへと変わる。

コゼット > (なんで謝るんだろう?と、頭の上に?マークが浮かび上がるような。
そしてその魔術師喰いについての話題を聞かれると)

「ちょっとここ最近縁があるようで…。我々魔術師の天敵とも呼べる存在ですよ。
生徒に被害が及ばないように、普段から目を光らせているのですが…。
…そういえばまた近々危険通知を出しておかないといけませんね。」
(あえて自分がやられてしまった事は口に出さない。余計に心配を掛けさせる必要もない。)

「というか、さっきいらっしゃったのですけどね…。すれ違ったかな。
…蓋盛先生の事だから、お金が欲しいとかお菓子欲しいとか書くんじゃないです?」
(ちょっと当てに行って見た。酒かもしれない。)

矛海 遼 > 「解りました、ではそう呼ばせて頂きます………?
えっと、何か謝罪されるようなことをしましたか?」

全く見当がつかない、そう思いつつ一口ミルクティーを口に運ぶ。
――――美味い。やはり体を動かした後に甘い物を採るのは格別だ。

「短冊なら用意してありますよ。こんな事もあろうかと、ね。」

デスクの引き出しを引くと、綺麗に整った紙の飾りと短冊がぎっしり入っているのが見えるだろうか。
数枚取り出しながら、コゼット先生へ視線を向ける。


「…………一つ、言わせて頂きたいのですが。
少々、肩に力を入れ過ぎだと思いますよ?」

一瞬、自身の心が解らなくなる。
なぜ自分の口からこんな言葉が出たのかと、
こうも私は【他人に気に掛けるくらいに人間性があったか?】と。

雪城 括流 > 「…ナンパの邪魔をしてしまったかと。違ったんだ。
蓋盛せんせもへんなことを言うから…まったく。」

恋愛沙汰に限りいまは判断力が相当ダメになっているようで。
恥ずかしそうに頬を膨らませる。

「コゼットせんせ。……一応私も保健課なんですよ。
時々病院に出入りする機会くらいはあるんです。」
口に出さないその部分こそ、断片的に入ってきた情報だというように。
にっこりと微笑んでみせる。にっこりと。

「というわけで以前はなしていたローブが出来上がったんですが、
ちょっと追加で防御力も加えてみたよ。」

そう言って手に持った包みを…ちらっと矛海せんせのほうを見てから、解いた。
中から二重構造の裾がぎざぎざした、背中と太もも脇に大きな魔方陣のあるローブが広げられる。

蓋盛 椎月 > 「そりゃいい。金も菓子もほしいな。
 酒や美少年や美少女もいい。
 でも残念でしたー、違うよ。足りてるからね」
いたずらっぽく笑う。

「余ってたら、笹と竹あたしにもいただけません?
 せっかくだし、保健室にも飾ろうと思って」
よこせ! と矛海先生に向けて手を出す。

矛海 遼 > 「ナンパって…………」

割と堪えた。相手が初見ではあるとはいえ、そう言う性格ではないのだが……無いのだが。

「……あぁ、あらかじめ多めに採っておきましたからね。ご自由にどうぞ。
お裾分けしても5本以上は残るようにしてありますから。」

所謂、【こんな事もあろうかと】という物である。
残りを何に使うのかはこの男のみぞ知る所だが。

コゼット > 「準備が良いですね…。まさか、何気に矛海先生が一番楽しみにしているんじゃないですか?」
(笹と竹を準備する事といい、中々用意周到である。)

(──しかし
この人もあの先生と同じような事を言うのか。
それとも、誰もがそう言う位に自分は切羽詰っているように見えるのだろうか?)

「別にトレーニングをしているのは何もその為だけではありません。
ただ、何事にも後悔したくないだけで。
教える側に立ったからと言って、自身の鍛錬を怠る理由にはなりませんから。」


「ハズレですか…これだと思ったのですけど。
足りてるならまぁ…何よりです。」
(後ろの二つは聞かなかった事にする。一体何人手に掛けるというのか。)


「……ナンパだったのですか?」
(きょとんとした様子で矛海の方を見る。)

「…括流先生、それについては散々お二人に散々叱られましたので。
はい、ほんとに。…ええ。」
(肩を落としてしぼむ。
そしてローブが出来上がったと聞くと一変して)

「あ、この間言ってたものですね!?
おお、これは中々素敵ですね…。しっかり魔方陣も描かれていますね。」
(その出来には感心の一言。そして着る物ともなれば、早く試着してみたいという心が疼く。)

雪城 括流 > 「七夕といえば恋の逸話だったものですから…。ええと…すみません。」
相手の堪えた様子におほほ、と苦笑する。似合ってない。

「私から叱ったりするつもりは無いけど…。
詳しい話が聞ければ微調整も出来たからね。」

うん、と頷いてローブを渡す。
羽織って前で二箇所止めるだけのかんたんな構造であるため、服の上からでも問題なく着られるだろう。

矛海 遼 > 「祭り事は好きですから。基本的に。
それとナンパじゃないです。断じて。」

こほん、と軽く咳払いをしつつ

「理屈はわかりますし、理念もわかりますが………それにこそ、尚更腰や肩を休めて建てる計画は必要ですよ?
……私には、理由以上に貴女が焦っているように見える。」

蓋盛 椎月 > 「あっりがと~矛海ちゃん!」
矛海から笹やらを受け取ると喜んだ様子で、ぴょんと飛び跳ねた。

「みなさんは短冊に書く願い事決めましたー?」
三人に向けて。剣呑な話題には一切触れる様子を見せない。

「あ、そーだ、用事済ませないとな」
小脇に抱えていた書類ケースから、一枚のプリントを出す。
『フタモリ先生の健康だより』だ。
海開き特集と題して『倒せ! 海の四大危険生物!』という見出しが踊っている。
やたら写実性の高いサメやクラゲなどの絵。それの危険性、対処法について。
どうやら例によって印刷しに来たらしい。

矛海 遼 > 「願いですか………そうですね、健康祈願とか……」

何処かずれている。ある意味でこの男らしいが。

「矛海ちゃんて………まぁ、良いですけど。これは海の危険生物への見出しですか。
流石に頭が二つ付いたサメや下半身が蛸のサメはいなさそうですが、気を付けるに越した事はありませんしね。」

興味深そうに見出しに視線を向けつつ、ミルクティーを口に運ぶ。

コゼット > 「そうですか。…まぁ、恋の逸話というのは判らないでもないですけども。周りも心なしかそんな雰囲気は感じますし。」
(誰の事かは言わないが、それは案外近くにいる者の事なのかもしれない。)

「すみません、詳しい情報は後でお出しします。
……それはそうとして、早速着用してみてもいいですか?」
(そう言いながら、既にその真新しいローブを羽織り始める。
デザインも素敵だし、態々作ってくれたものを喜ばない訳が無い。)


「それじゃあ、それは貴方の考え過ぎですよ。
私のはあくまで向上心ですから。」
(気を使ってくれるのは有難い事だ。しかしどうも昨日の事を思い出してしまっていけない。
矛海先生には悪いが、これ以上はあまり気分の良い話にならない。適当にあしらわせて貰う。)

「うーん、願い事と言われても実はまだ迷ってまして…。
…あ、蓋森先生、それ刷れたら一枚下さいね。」
(フタモリ先生の健康だより。楽しみにしている読み物の一つだ。)

雪城 括流 > 「用事?…倒せとはまたすごいタイトルだよね。
学園の生徒ならできちゃいそうだから納得できるけど。」

確かに駆除したほうが安全なのか…などと真剣にプリントを確かめている。

「七夕の願い事は基本的に手習いだからね。厳密に言えば織姫自身の師事できる事柄限定らしいけど…そうだね。
……蓋盛せんせの看護資格取得、とか願ってみようか。」
どこかふふん、といった様子の表情でそんなことを。


コゼットせんせの着用する様子に頷きながら。

「うん、サイズは自動調整をここに組み込んでいるので大丈夫なはずだ。
夏に蒸し暑いと言う欠点はここの魔方陣から湿気を逃して、光と風を通す形で解決したけどどうかな。
…欠点は中の服も透けてしまうことだけどね。」

どこまで透けるかはお任せだが…。
ちゃんと括流が魔方陣に触れてみせればそこに布がある感触はある。
雨の日でも湿気を逃す構造のため、過ごしやすいだろう。

矛海 遼 > 「向上心『だけ』で乗り越えられると思わない事だ―――――偶には、私が病院で言った言葉を思い出してくださいね?」

静かに、言霊を一つ返す。何処か冷たさを感じるかもしれない。
今は自身に出来ることはそれしかないと、そう考えた上での発言である。
【三度目】は無い、そう釘を刺すように。

「このローブ………なるほど、そう言う物ですか。」

少々齧った程度ではあるが、こういった物への知識は多少はある。
何より裁縫は得意分野と言うより、教えている授業だ。
構造の意図などは見るだけでわかる。素材などについてはからっきしではあるが。

「………えっ、透ける?」

コゼット > 「うーん、じゃあ私は生徒が元気に過ごせるようにって書こうかな…。」
(教師らしい無難な願い事である。

そしてローブを着用して嬉しそうにしているコゼットがその一言で思わず固まる)

「……透ける?え?やだなぁ括流先生、まさかそんな。」

(凄い勢いでチェックし始めた)

蓋盛 椎月 > 「前にも刷ったんだけど数が足りなくなっちゃってね~」
等と言いながら印刷機をガタコンガタコンと働かせる。

「はい、どーぞ」
コゼット先生以外にも欲しがる人がいたら健康だよりを渡す。
倒せ! という題字だがテキストの内容はそこまで過激ではなく、
・みたらにげろ
・さわるな
の二点に集約されている。
ちなみにやたらクオリティの高い絵(しっかりと描かれすぎて紙面から浮いている)は
ヒマしている美術部部員に描かせたらしい。

看護資格取得、という言葉にはぐわわと頭を抱えた。
やはりイヤらしい。

「手習い限定……ですか。確かにそういう話もありますけど、
 神がかり的効用には期待してないんですよねあたしは。
 要はそれにかこつけて、決意表明がしたい、ってだけで」

透ける、と聞いて。
「え? 透ける? 衣替えで透ける魔女っ子衣装に??? コゼっちが?」
急に食いつき始めた。

雪城 括流 > 「…神がかりというか、実際にこの学園ならいるしね。
スパルタ授業くらいはしてくれるかもしれないよ。」

お茶を啜りそうな様子でそうたんたんと蓋盛せんせに現実を。


魔方陣部分のため背中…はコゼットせんせ自身では鏡がないと見えないかもしれない。
ふともも側面のあたりがスカートを越えて露になっている…?下着まで透けているかは良く分からない。

「…ちょっと細かく指定していくうちに適当になっちゃって。
周囲の赤外線と紫外線をカットして可視光線だけ通して、湿気は一方的な通行に限定して素材の強度を上げて…なんて組み込んでいるとうっかりしたんだ。
…変に覗き込まれない限り大丈夫だし、穴が開いているわけじゃないんだよ。」

そうえーとね、といった様子で解説を。
通してみると相手が裸に見える分、よけいにたちが…?
着用していなければ効果を発揮しないので、眼鏡代わりには出来ません。

コゼット > 「あ、ありがとうございます。」
(これまた嬉しそうにコラムを読む。
なるほど、サメは怖いらしい。…知ってる。
水中での魔術行使なんて考えた事無かったな…そういえば。)

(矛海の言葉には返さず、目を逸らす。
判っているのだ、そんな事は。
でも、自分が今のままで良い理由にはならないから。)


「うわっ、ちょっとほんとに透けて…、括流先生!なんで!?適当ってなんで!?
素敵なデザインかと思ったら透けるって!これ凄い恥ずかしいんですけど!?」
(穴に手を当てるが、確かに穴は開いていない。…物理的には。
しかし奥は見える。両方の穴を隠すように手で押さえる。隠れきっているかは判らないが、必死だ。)

「み、み…見ないで!」
(コゼットは動揺している!)

矛海 遼 > 「どうして適当だなんてそんな………」

本音である。何故透けるような……

自身の言った言葉は心に留めて貰えただろうか?
などと思いつつ、健康便りを目隠しがわりにし、自らの視界を遮る。

蓋盛 椎月 > 「いるけど、きっとあたしの求めるような《神様》じゃないでしょうね、いずれも」
くくる先生にはそう返す。

「ほお~へえ~なるほどな~ふ~~~ん大胆だな~~~
 夏のアバンチュール仕様って感じかあ~~」
全く遠慮無く近寄っていろいろな角度から眺めた。
必死に隠しているなら多分変なものは見えなかったと思う。
多分。


「矛海先生。コゼっちは大丈夫ですよ」
妙に自信満々にそう告げる。
あるいはそうであってほしいと思っているだけなのかもしれないけど。
「コゼっちにはちゃーんと、
 常世学園で暮らすコツを、最初に教えてあげましたから」
大丈夫だよ、ね? とコゼット先生に向けて、微笑む。

短冊のひとつを手にして、そのへんにあるサインペンで願い事を書く。
『あたしのすきなひとがみんなながく元気でいられますように』
それを矛海先生からいただいた笹のひとつに結わえ付ける。

「それじゃーまたー」
用は済んだ、とばかりに、笹やら書類やらを抱えて職員室を後にする。

ご案内:「職員室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
雪城 括流 > 「防御用の陣を組み込むほうに労力を注いで完成を急いだ分、いいかと思ってしまったんだ。
…ダメかな。ついでにこのあたりが防御陣で、危機に対応して物理障壁を生成するようになっているよ。」

細かく裾にある菱形の模様のうちいくつかをつまんで見せて、そう説明する。
危険な目にあったコゼットせんせのことを心配して…という様子だが、現実はかわらない。透けている。

「湿気を逃すときに中の衣服を透過する設定を加えたんだけど…光のほうにもえいきょうしてしまったからね。」
透けるのは仕方なかったと言うように言い訳を。

「……蓋盛せんせには求める神がいるんだ?
あ、うんまたね。あの願い事…。」
蓋盛せんせを見送って。少し考えてしまうように…すぐに残る二人に意識を戻すが。

矛海 遼 > 「心配にし過ぎと言う言葉は無い、とだけ。」

言葉を返しながら蓋盛先生を見送る。
そう思いたいとは、考えてはいるのだが。
最も、何故こうも心配しているのかは自身が一番わかっていないのだ。

「………流石に抵抗があると思いますよ。それを着るのは流石に。」

コゼット > 「わぁぁ!見ないでって言って…!
括流先生!なんとかならないんですか!ってそうゆう所は性能高いんですね!?」
(蓋盛が近寄って色々な角度から見る度にコゼットも立ち位置を変えて。
そんなに見られるのが嫌なら脱げばいい話だが、防御に徹するのが精一杯。)

「…ええ、食堂で言われた事はちゃんと覚えていますよ。
だから困ったらちゃんと聞いたりもしています。」
(職員室の誰かの机の影から頭だけ出して言う。)

「……括流先生、これ、流石に外じゃ着れないですよ…。
だって、よく見ると下着も見えてないですよ、これ…。
なんとかならないんですか?もうちょっと調整したりとか…。」
(とてもじゃないが、このままではいくら高性能でも人前では着れない。)

雪城 括流 > 「背中くらいならちょっと過激なドレスくらいだし大丈夫かと思ったけど。
魔方陣学は一定の制約があるからちょっと弄るだけでも全体を再計算しないといけないんだよね…。」

万能性はあるが、そういった融通が聞きにくいのが欠点だというように。
うーん、と悩ましげな表情で首を捻る。

「……とりあえず冬場用に考えていた対策はあるよ。
上からかけた布なんかは透過しないんだ。あんまり分厚いものをかけると湿気や風が通らなくなって着心地に影響するけどね。」

上からコートを羽織ったり、追加の布地を足したりできるようにちょっとした工夫はつけてあるようで。
ただし、まだ用意されてないというように手を振ってみせる。

矛海 遼 > 「…ちょっと過激で済むなら良いのですがね。
しかし、なるほど。上からなら………」

何か羽織れるもの、それを想像して手元に一枚のマントを転移させ、
机の影に隠れるコゼット先生に向けて投げ渡す。
視界をちゃんと隠しながら。

コゼット > 「そんなぁ…。」
(大変な労力なのだろうが、いやしかし流石にこれは。)

「布を当てれば解決なんですね!
それが判れば十分です!なんとかしま……あ、でも布を縫い付けたら魔方陣以外の効力も失われて…?」
(素人があまり付け加えるのは良くないかもしれない。
転移され、渡されたマントをキャッチするとすかさずソレを羽織る。
そして羽織って安心した所でようやく大事な事に気が付く。)

「…って、あ。そうか!」
(そしてここでやっとローブを脱げば良いという事に気が付く。
脱いだ。透けない。安心!)

矛海 遼 > 「脱ごうにも脱げない状態だった様なので………とりあえず、もう大丈夫ですかね?」

律儀に顔を隠したまま待機している。
内心【どうしてこうなった】とは思っている。

雪城 括流 > 脱げば着用者指定で効果を発揮している魔方陣も発動を停止し、布に描かれた姿に戻る。
その見た目は透けるなどとわからない、普通のものだ。

「危険なところでは着てほしいけど、普段までは強要できないね。
陣を直接弄らなければ大丈夫だけど生地自体も強化してあるから…直接縫い付けるのは難しいかもしれない。
でもこのあたりに括るところやボタンをつけてあるから大丈夫だよ。夏場ならそうだね…メッシュ生地なんかを使えたらいいけど。」

魔方陣の部分の周囲にいくつかボタンなどがついているのを指差して。
単純な解決法だができたあとからメッシュ生地を調達して裁縫、となるとやはり時間がかかるので省略されてしまったのだ。

コゼット > 「うう…。」
(流石に括流が自分を辱めるだけでこれを作ったとは思えない。
魔術師喰い等の魔物に対してだったら気にならないかもしれないが…やはりどうしても他人の目が気になる。
強く直して貰いたいと思うが、それにもまた手間を掛けてしまう。しかし恥ずかしいからと言って折角作ってもらったものが着れないなんて…
と、無限ループに陥っている。)

(…が、とりあえずローブは脱いだので一先ずの問題は解決した。
机の影から出てきてマントも矛海に返却する。)

「うーん……。危険な所…ですか。
落第街で着たら逆に危険を呼びそうですよね…。」

矛海 遼 > 「落第街で歩いていたら間違いなく、狙われるでしょうね……格好としても目立ちますし。」

ローブを横目に見つつマントを受け取り、再び転移させる。

「メッシュ生地で、ですか………それならば私が作ってきましょうか?」

雪城 括流 > 「落第街でも防御には自信あるよ。…といっても、絡まれたら意味ないか。
異邦人街も近いから変な格好の人も多いし、目立たないかとも思ったんだけど。」

帽子とローブ…自体はそこまで目立たないだろうし、娼婦もいるのだからそこまで危険ではないはず…と悩ましげに。
ただ最近は妙に襲われることも多いようだから括流の予測とは誤差があるのだろう。

「…あるならお願いしたいですね。
流石に一から陣を描くと大変ですから。手で出来ることは手でしたほうがやっぱり楽だね。」

ここに括りつけられるように、デザインはお任せで…というようにいくらか説明をしながら、矛海せんせにお願いする。
括流自身でやる場合魔術で何とかする可能性を示唆するような言葉を述べつつ。

矛海 遼 > 「ここ最近はある程度落ち着いたとはいえ、絡まれやすい所に変わりはありませんから。
生地の方は任されましたよ。」

デザインも含めて、と付け足しながら短冊に何かを書いている。

コゼット > 「すみません、無理言ってしまって。」
(恥ずかしいとはいえ、このまま着れないのはやはり惜しい。
この一点を除いたらデザインは気に入っているし、効果も高そうだし。)

「それにほら…同僚や生徒と並ぶ事もありそうじゃないですか?
なんて言われるか…その…判りませんし。」
(ずい、と着ていたローブをとりあえず括流に返却する。
とりあえずはメッシュ生地さえあれば、透ける問題は解決出来るらしい。)

雪城 括流 > 「えっと…?」

返却されるようすに首をかしげて。

「もし必要なら新しいものは別に作るから、返さなくても大丈夫だよ。
もしくは矛海せんせに預けたほうがいいかな。」

陣を弄る場合大掛かりになるので、結局このローブはこのままらしい。
受け取るかどうか迷いつつ、矛海せんせのほうを尋ねるように見る。

「並ぶのは…多少のことで驚くような教師や生徒ではないと思うし、それにほら、
もっと覚えられやすくなると思うよ。」

舌をいたずらっぽく出して、ぐっと握りこぶしを。

矛海 遼 > 「必要ならばしばらく預かりますよ。
出来る限り、早めに渡せるようにしますね。」

こう言った物は腕の見せ所だ。
気分が高揚するという物。

「善し、後はこれを括っておくとしよう。」

短冊に紐を通して笹に括りつけて窓際に置き、
ローブを取りに戻ってくる。

コゼット > (目をばちくりさせて、今度はスーっと矛海の方へ差し出す。)

「や、そうゆう問題ではなくてですね……。
覚えられる事なら帽子だけで間に合ってます!これ着てたら痴女とか変態って言われるじゃないですか…それはちょっと。」
(目で切実さを訴える。
自分の理想としている教師像から離れ──というか普通に人間として恥ずかしい。)

「…そういえばローブの事で一杯で短冊にまだ何も書いてないのでした。
うーん…これは帰宅してからゆっくり考えようかな。」
(短冊を一枚拝借する。宿題である。)

矛海 遼 > 「しばらくはこの教室に置いておきますから、ごゆっくりどうぞ。
まだまだ飾り付けも済んでいませんしね。」

楽しむならば面白半分では無く面白全部で、
矛海遼とはそう言う主義の男だ。
相変わらずの無表情だが。

そのままローブを受け取り、転移魔術を行い自身の住処へと送る。
「確かに預かりました。」

雪城 括流 > 「ローブをなんとか渡せたので私はこれで立ち去るよ。
短冊は…どうかな。あまりこう習いたいことと言うのも…。」

言葉の途中で何かを思いついて、言葉を途切れさせる。

「コゼットせんせなら言われることもないと…でも矛海せんせは困っていたようだしそういう問題はあるかな。
…そういえばサイズは自動調整なので、矛海せんせでもきてみることもできますよ。」

真面目な様子でそう答えて、ふと思いついた…と爆弾をぽい。
もし着たら露出加減は同じことになりますね。

「もし具合を試してみるときにはどうぞ。
ではあとはお願いしますね。」

矛海せんせにお任せして、入ってきた扉から廊下へと。
軽く手を振って扉を閉めた。

ご案内:「職員室」から雪城 括流さんが去りました。
矛海 遼 > 「いや、着ませんよ?流石に」

括流先生を見送ると共に言葉を漏らす。
そもそも、コゼット先生に宛てて作られた物だ。着るわけにはいかない。
サイズが合うとはいえ、まず見た目からして似合わないだろうし。

「さて、後はこれを………」

一本の竹を立てると、腰に下げた刀の柄に手を添える。

コゼット > 「……。」
(括流先生、これ楽しんでるよね?)

「でも、括流先生。私の為にありがとうございました。これ、大事にしますね。」
(…透けるのを何とかしたら。後ろ姿を見送り、それに向かってお辞儀をする。)

「じゃあ矛海先生、改めてお願いします。
…私としては、別に着てみる事は構いませんが…。ほら、寸法とかもあるでしょうし…。」
(自動調整とはさっき言っていたが。
──紅茶を飲み干し、よし、と意気込んで)

「私はちょっと試験場の様子をこっそり見てくる事にします。
もしかしたら試験を受ける生徒の姿が見れるかもしれませんし。」

(何時もの姿で帽子を被り直すと、職員室の扉を開けて外へ。
外はまだ雨が降っているが、多少弱くなってきたような気がした。)

ご案内:「職員室」からコゼットさんが去りました。
矛海 遼 > 「自動で調整されるのならば寸法も何もないとは思うのですが。
……えぇ、お気をつけて。」

扉を開き、外へ出て行くコゼット先生を見送ると共に

「―――――――――」

音すら追いつかない神速抜刀による居合。
右手に振り切った刀を納刀すると共に、立てられた竹は綺麗に切断される。

「……では、私もそろそろ行くとしましょう。」

切断され、細かくなった竹をダンボールに入れると雨合羽のフードを被り、
再び台車に手を乗せて職員室を後にする。

部屋に残された竹には、
【誰かが無茶をしようとする時、力に為れますように】
と書かれた短冊が靡いていた。

ご案内:「職員室」から矛海 遼さんが去りました。
ご案内:「屋上」にヘルベチカさんが現れました。
ヘルベチカ > 屋上の扉が開いた。
ぎぃ、と音をたてて、枠から離れて。重そうに、ゆっくりと。
塗料の乾いた、鼻の奥に触る匂い。風に巻かれてふわり漂う。
屋上へ出てきた少年。右手に提げた白いコンビニ袋。
茫洋とした視線が、屋上を左右に撫でる。
誰もいない。どのベンチの上も空いている。
柵に近い、街並みの見えるベンチまで歩いて。
よいしょ、と小さく呟いて腰かけた。
ビニル袋を己の右横へ置く。かさり、と乾いた音。

ヘルベチカ > ほぅ、と一息吐いて。ぼぅ、と街並みを眺めてから。
隣置いたビニル袋へと、右手を差し入れた。
左手で片方の取っ手を持って、支えて。
引き抜いた右手の中。丸い形のおむすび。
ビニルの中、海苔に包まれた合間、見える米は茶色い。
丸の中央、和風ツナマヨ、と書かれたシール。
握ったおむすびを傾けて見る。目に入った赤い三角マーク。
逆の手、人差し指が、かりかりと、包装されたおむすびの表面をひっかいた。

ヘルベチカ > 二、三度ひっかいた後。指先でつまむ、ビニルの先端。
ぴぃっ、と音をたてて、包装が裂ける。表面半周。
裏面に入ったところで、手を止めた。
両の手で、裂けた包装、左右を持って。
左手側のビニルを剥いだ。蓋が開いたように、露になる左側。
右手のビニルはそのまま。持ち手のように残っている。
そこで、少年は思い出したように。
「いただきます」
おむすびを右手に持ったまま、掌、左右の付け根を合わせて一言。

ご案内:「屋上」に黒谷 知来さんが現れました。
黒谷 知来 > 「……あのー……。」

後ろから近づき、食事の邪魔にならないようにそっと声をかけてみる。

ツナマヨのおにぎりを見て、魚が好きなのだろうか、と
大して意味のない思考を巡らせながら。

ヘルベチカ > 齧りついた。
もっくもっく、と咀嚼する。
一口目、まだツナには至らない。
口の中に広がる、タレのついた甘辛い米の味。
うまい。
完成されている。
ツナが加わると死んでしまうかもしれない。
楽しみ。
嚥下したところで、声を掛けられた。
「んえ」
え、と言おうとしたのだろうが、飲み込む喉の動きと合わさって変な声。
振り返る。誰も居なかったと思ったのだが、見えた姿に。
「あ、あー、あー、あー」
見覚えがあったが、すぐに思い出せず。
まばたきの頻度が多くなる。
はた、と。まばたきを止めて。
「金貸したやつ」

黒谷 知来 > 「はい。えと、はい。……えっと。
この前、お金をお借りしてましたので……。」

おずおずと、紙封筒を差し出す。
中には一万円札が1枚と、千円札が1枚。

借りたぶんだけ返せばいい、という気持ちと
それだけでは申し訳ない、という気持ちが
合わさった結果。
とりあえず、多少の利子でもつけて返そうと思ったのであった。

「そ、それじゃあ……えっと、ありがとう、ございました。」

ぺこり、と頭を下げる。
特に何もなければそのまま立ち去ろうとするだろうか。

ヘルベチカ > 「貸した貸した。バタバタしててすっかり忘れてたわ」
手の中、おむすびの、片側だけ剥いだ包装を元に戻す。
カバーを掛けたように、すっぽりと再包装されるおむすび。
ビニール袋の中へと放り込んで、差し出された紙封筒を受け取った。
「あいよ。返してもらいました。名前メモった紙、無くしたな多分……」
言いながら、封筒の中身を改めて。
ん、と声を上げて、眉を寄せた。
去ろうとする相手へと、千円札をひらひらと振って。
「待て待て。多いぞ。えぇと、名前なんだっけ」

黒谷 知来 > 「え、あ、はい。知来です。黒谷 知来。
月末の厳しいときに借りるだけというのも、ちょっと……
と、思ったので……はい。
えっと、多い分はお礼です。」

ぺこぺこと頭を下げながら答える。
バイトの給料日が月末だと考えると
(少なくとも自分がそう、というだけで相手もそうとは限らないが)
月末はかなり金銭的に厳しくなる気がする。

そのタイミングでお金を借りると向こうの生活も厳しくなるのでは?
と、考えた結果借りるだけというのが申し訳なくなったというか。

頭の中では言いたいことがぐるぐる回っているが、
思うように口には出てこない。
相手の理解力に期待して未整理の言葉を投げつける。

ヘルベチカ > 「あぁ、そうそう、そうだ、黒谷だ。思い出した。同じ二年の」
ゆるゆると頷いて、自分を指さして。
「猫乃神ヘルベチカだけど、覚えてた?っていうか、よくわかったなここ、って聞こうと思ったけど、ずっと封筒ポケットに入れてた系?」
1万円札を、制服のポケットへと無造作に突っ込んで。
千円札は、封筒の中に再び収めた。そして、封筒を相手へと差し出して。
「お礼とか別にいいよ。お互い様だし。俺が財布落としたら金、貸してよ」
ん。と声を出しながら、相手へ向けて封筒を揺らす。
「なんかこれで金もらったら、俺が猫耳の妖しい金貸しみたいじゃん。
 あっ。なんかそれすっごいキャラ付けになる気もするけど、属性過積載だからないな……
 後落第街とかでなんか問題に巻き込まれたりとかしそうだしやだやだ」
そんなどうでもいい事を言いながら、封筒を相手へ向けてゆらゆらと揺らす。
「だから持って帰っていいよ。落とした財布、戻ってきたのか?戻ってきてないなら、苦しいだろ。戻ってきてても苦しいだろ。俺たち学生だし」

黒谷 知来 > 「あ、はい。覚えてました。
えっと、本当はもっと早く返しに来たかったんですけど
どこにいるか分からなくて探してたら遅くなって、えっと。
財布自体は、6月の終わりくらいに戻ってきてて、えと、あの、
えっと……あ、ありがとうございます。」

思いついたままに言葉を発するヘルベチカさんの言葉
全部に返事をしようとして、途中から混乱し始める。
そのまま、封筒を受け取った。

「えっと、じゃあ……お金ないときは、言ってください、ね?
そのときは、お貸ししますから……。」

ヘルベチカ > 己のつらつらと並べ立てた言葉に、相手が目を白黒とさせているのを見れば、笑って。
「あー、悪い悪い。そっか。見つかったなら良かった」
ベンチの背へと寄りかかりながら、身を相手へと向ける。
「中身ちゃんと入ってたか?抜かれてなかった?財布落とすと、ガワだけ帰ってくるとかよくあるだろ」
相手が封筒を受け取ったのを見れば、うむうむ、と頷いてから。
「あぁ。その時は遠慮無く、三千円くらい貸してくれって言うよ。
 名前忘れないようにしないとな。黒谷、黒谷」
二、三回、相手の名前を口にする。

黒谷 知来 > 「はい、大丈夫でした。
親切な人が預けてくれてたみたいで。
えっと、ありがとうございました。」

財布をなくしてから月末まで。
おそらくお金を貸してもらえなかったら
本当に食べるものが無くなっていただろう、と思う。
感謝の気持ちをこめて、再び頭を下げた。

ヘルベチカ > 頭を下げた相手からは見えないだろうが、ひらひらと少年は右手を振って。
「いいよいいよ。ところでちゃんとメシ食ってる?」
あの時の、飢えた状態の相手を思い出しているのだろう。
表情には笑みが浮かんでいる。
「まさかあの流れのままでダイエットに突入したりしてないだろうな?
 やめとけよ。飯食わないのは身体壊すし、別に痩せなくても大丈夫だろ」
勝手な言葉で、うんうんと頷いて。