2015/10/17 のログ
ご案内:「教室」に獅南蒼二さんが現れました。
■獅南蒼二 > チャイムとともに授業が終わり、生徒たちは各々次の行動に移っていく。
次の教室へ移動する者、緊張から解き放たれて会話を弾ます者、
購買部へ食料を調達しに行く者……まだ、頭を悩ませている者。
前面のホワイトボードには初歩の“事象再現術”を構成する術式が描かれている。
カードや本に魔力を込め、事象を描き込む術式だ。
発展させればスクロールや魔導具の作成にも応用できる便利な術式である。
こうして描かれた術式を模倣するだけの簡単な課題だが、魔力操作に慣れていない生徒にとってはその限りではない。
記録的な落第者数をたたき出すのなんて、いつもの事だ。
中途で諦める者も居れば、最後まで居るだけの時間になってしまう者も居る。
■獅南蒼二 > 白衣の男はいつも、授業が終わった後、しばらくその教室に留まっている。
レポートを眺めていることもあれば、魔術書をひらくこともある。
何もしないこともあれば、突然思いついたように術式をメモ書きすることもある。
だが、悩む生徒には決して手を差し伸べることなどない。生徒からすれば冷酷極まりない教師。
だが、彼はどれほど才能に恵まれない生徒をも、決して見捨てることはしない。
“学ぶ意欲”さえあるのであれば。
■獅南蒼二 > 「……………。」
今日は提出された課題、魔力を込めて事象を描き込んだカードを眺めていた。
タロットカードやルーン文字など、魔術的なイメージを喚起するカードばかりなのは、
この授業が彼の授業としては最も初歩的な“魔術学概論”であるからだろう。
一般的に、魔術はイメージを大切にするものだと信じられており、
実際に火や風などのイメージは魔術を習得しようとする際には有効だ。
「…このカードは随分と重くなったな。」
“戦車”のカードを手に取って、肩を竦めて笑った。
事象を描き込むはずが、イメージを描き込んで物質の属性を変えてしまっている。
ご案内:「教室」に蒼穹さんが現れました。
■蒼穹 > あ、なみさん。提出物、遅れましたー。かっこわらい。
(全く無反省な態度、半笑いで、授業が終わった3分くらい後に、
“事象再現術”、曰く最もレベルが低い魔法道具の一つ、そのカードを差し出す生徒。
頭をかきながら、変に魔力が込められた、異界的なカードを、教卓に無遠慮に置き据えた。
そのカードには病的なまでに濃くした猛毒の呪縛の術式が書きこまれている事が、
彼なら手に取る様に分かるだろう。)