2016/05/30 のログ
ご案内:「教室」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 > 学校に慣れてきたころ。
ちょうど気がゆるんだり、慣れてきて余裕とかなってたりする時期。

悠薇もまた、少し油断、ではないが浮かれていた。
連絡帳には三人の、名前。告白されて、別れて。友人になった少年とは、夜まで長くメールしている。

姉と付き合って、自分を好きといった人とは――お姉ちゃんに、メールは、今するのやめておいてあげて。かわいそうだからと言われたのでしてない。
でも、いつかたくさん連絡は取ってみたいと思う。

初めて、お弁当を一緒に食べたきれいな女の人とは――

まだ、うまく連絡が取れてない。
一度きりだったし、突然電話していいものかとかいろいろ考える。
まだ、そこまで大胆には慣れないし――

なんて悩んでたりしていたら、いつのまにやらこんな時期。

そう、気のゆるみをついた――先生たちによる喝。

――小テストである

伊都波 悠薇 >  
まぁ当然、ブーイングである。
しかし、勉強してるならできる問題ばかりだからと、すらっと流す先生がいたり。
いやいや、、これは愛の鞭なんだよとか、うれしそうに語ったりと――やっぱ先生はそれぞれだ。

ちなみに、今は――姉が去年受講していた授業。
異能開発コース……

異能の理解。
仕組みや、歴史など初歩的なものを学ぶこの授業。
受けている中で、発現する人も少なくないらしい。
きっかけになる、そんな授業なのだろう。

(でも、勉強は毎日してるし)

そう、してる。時間こそ少なくなったがしている。
ちなみに姉は、95点以下はとらなかったらしい。さすがだ

伊都波 悠薇 > そんなに難しくないと、評判のほんとに初歩の初歩の授業だ。
理解はしてる。いつものこと――でも、テスト。

はじめと、号令がかかる。
みんながそれぞれの知識を武器に、難問を打ち壊していく――

自分も頑張らなきゃ。
駆け抜ける。大丈夫と言い聞かせながら。


――ズキン。

頭が、一瞬傷んだ気がした

伊都波 悠薇 >  
――結果は。

「……――して」

つぶやきは小さい。あぁ、おわったぁとか。
みんな結果には喜んだり残念がったり。
でもたかだか小テスト。そんなに落ち込んだりはしない。

だが、伊都波悠薇は――

     帰ってきた答案を握りしめ、本当に。すべてを踏みにじられたくらいに。

落ち込んでいた

伊都波 悠薇 >  
テストは、あんまり好きじゃない。
一度なりとも、良い点数とかとったことがないからだ。
頭が悪い? 勉強ができない?
もしかしたら、そうかもしれない。でも、真面目に復習して勉強して努力はしてるのだ。
でも、点数が。でない。

――答案用紙の、点数は――10点。
丸が、二つだけ。

よく、嗤われたものだ。あの姉にして妹はこのざまかと。
期待してたのにがっかりだの。周りはたくさん馬鹿にする。
その通りだと自分も思う。彼らは正しい。別に怒りも悲しみもない。
結局のところ、自分ができなかっただけ
でも、姉は絶対笑わなかった。
むしろ、そういう人たちを怒ってくれた。そして、自分の頭を撫でてくれた。

「――はぁ……」

いつものことにしろ、深いため息をこらえずにはいられなかった

伊都波 悠薇 > なにか、頑張る方向性を間違えている?
勉強の方法が悪い? いろんな、要因は思いつく。
今までは、声をかけるとか緊張してできず、姉だけに頼ってきたけど。
今度は友人に、頼ってみようか。そう、頭のよさそうな烏丸さんとか。
それとも、思い切って先生に頼ってみるのもいいかもしれない。
職員室にでもいってみようか――

『へっこんでなんていられねぇぜ!!』

携帯ストラップからの声。いつも助けてくれる付喪神。
自分が困ったとき、どうしようと思ったとき。
いつも声をかけて元気づけてくれる。一人じゃないぞと言ってくれるもの。

「うん。前を向かなきゃね」

わざとふざけたり、いろいろ気づかいをしてくれる馬さんだ。
頼りになる。
立ち上がり、職員室に行ってみようと教材をしまって……

ご案内:「教室」に柴木 香さんが現れました。
柴木 香 > ジャーキーもぐもぐ。
小テストの結果?やる気がないならこんなものです。
最低限補修にさえ引っかからなければどうでもいい話は横に置いて。

「――わふ。」

なにやらえらくとぼとぼと歩いてるのがいる。
というかオーラがくらい。オーラが。炎の妖精さんなら熱くなれよとかいう所。
しかし知り合いでもないのに話しかけるのも、と――

「わふ?」

どこかで見た顔だ、と首を傾げた。

伊都波 悠薇 >  
「わふ?」

わんちゃん? みたいな声にきょとんっとする。
廊下に出て、声がしたほうを見てみれば。
見覚えのある人がひとり。

『うわああああ、病人に遠慮ねぇ、わんこうだ!!』

携帯ストラップが叫んだ

柴木 香 > 「あ、どーも。」

ジャーキーもぐもぐしつつ。
なんかストラップが叫んでる。前もそういえば叫んでた気がする。
いやなんというか変わってるなぁ、と耳ぴくぴく。

「はい、病室に押し掛けてお菓子食べて帰るわんこのほうです?」

否定しろよ。

伊都波 悠薇 >  
「――……ど、どーも。こんにちは」

にっこり、笑ってるつもり。でもこわばってる。
ひくひくしてる、本人は満面の笑みを浮かべてるつもりだ。
ええ、間違いなく。

『こいつ、否定しねえええええ!!? いや、別にいいんですけどね? なんかこう、罪悪感とかないんですかね? ないんですよね!? はるっち、こいつぁふてぇおんなだぜ!?』

柴木 香 > 「どーもどーも……人付き合い苦手です?」

もぐもぐ。
この間もそうだったけどちょっと――こう。
人付き合い苦手?人のこと言えない僕だけど、ちょっと見てて悲惨な気分になる。
それはもうわかりやすく口の端ひきつってるし。その笑顔は笑うというか威嚇だと思う。

「ざいあくかん?なんで?――おんな?」

おんな?はて。誰だろう。
かくり。このすとらっぷはへんなことをいう。

伊都波 悠薇 >  
「…………かはっ――」

いとわ はるか は きゅうしょに だめーじをうけた。
ひざから くずれおちた。

『えいせいへーえいせいへー!? ちっくしょうこのおんな……とぼけてやがるぜ……』

携帯ストラップから聞こえる声は紛れもなく悠薇と同じものだが――

「いえ、いいんです。小雲雀。こ、ここは、おなかをかっさばいてでもお話ししないと――100人など遠い夢っ」

『はるっち、ええこにそだったやんなぁ……』

立ち上がりつつ。
もう一度、こわばりスマイル。

「ど、どうかなさったんですか?」

柴木 香 > 「……わふ。」

なんかすごい勢いで膝から崩れ落ちた。
上にストラップ―――こひばり、というらしい。と何やら漫才まで始まった。
これは何処からツッコめばいいものか……

あ、立ち直った。
内容から察するに拒否されてはないらしい。
…たぶん。

「いや、見かけた顔がとぼとぼ歩いてたので見てただけです。
 どっちかというと何かあったのはコンビ漫才さんの方だと思うです?」

かくり。

伊都波 悠薇 >  
容赦がなかった。この、お犬様。
もはや様付けである。かわいい顔してなんとやら――
実は、中身は鬼だったりするんじゃないだろうか。
みつ首だったりとか

『あー、はるっち、けるっちとは相容れないので相手は任せた! ではあでゅー』

逃げられた。昇天したのである。
孤軍。背水の陣――
逃げ道は、もうない。

「あ、いえ。その。小テスト、どうでした?」

ならばと意を決してと、さっきまでよりも力の抜けた苦笑のようなものを浮かべて。
そう、聞いてみた

柴木 香 > 「あ。――まだ問い詰めてないのに。」

気配が一つ消えた気がする。
人を女よばわりした挙句逃げるとか許せぬ。
今度会ったらひっ捕まえて振り回そう。そうしよう。

というか、諦めたら威嚇以外の顔もできてるし、普通にしてればいいのに。

「わふ?……小テスト。普通です。
 あ――もしかしてだめだった、やつです?ジャーキー食べます?」

補習ライン+2点。それを普通というのもどうかと思うけど。
そして何やら納得したように、す、とお徳用ジャーキーの袋を差し出すのだ。

伊都波 悠薇 >  
「……あはは。まぁそんな感じです。補修確定みたいな」

見た目から、そういうのは想像できない。
真面目そうに見えるし、今までのも、頑張りすぎちゃってる感じの結果なのはわかるだろう。

でも、点数は――

「ちょっと、私には難しかったみたいで」

あ、いただきますと。今度は素の表情で。おいしそうにジャーキーをほおばった

柴木 香 > 「わふ、どうぞー。」

ジャーキー頬張るの見て、あ、やっぱり苦手なんだな、と勝手に納得して頷いてる。

「補習おめでとう。でいーです?
 うーん……難しいと思うから難しいんだと思うけど。」

だいぶんがんばった、みたい、というのはわかる。
あんまりがんばってない自分がぎりぎりでもセーフなのは世の無常?
とはいえ、ただの小テストひとつにすごいオーバーアクションで。

「ただの小テストだし、そこまで落ち込まなくてもいいと思うけど。」

何でそこまで入れ込んでるのか、イマイチわからない。
自分も一つつまんでジャーキーもぐもぐしつつ。

伊都波 悠薇 >  
「……あ、おいしいですね。どこに売ってるとか、聞いても?」

うちにもって帰りたいくらいだ。本当においしい。
肉の味が濃い……

「あはは、ありがとうございます?」

馬鹿にしてるようにも見えない。でもなんて返したらいいかわからないからの言葉と判断した。
だから、あいまいに笑うだけだった。

「――あっと……」

言いづらそう。言っていいものか、悩む。
相談――してもいいのかもしれないけど。迷惑かもしれない。
ぼっちには高い、ハードルだった

柴木 香 > 「うん?これ?商店街の――えっと、ちょっと待つ。」

ごそごそ。ポケットを何やら探る。名刺サイズの、よくファミレスなんかに置いてある小さなチラシ、チラシ、チラシ。
たくさんある中から取り出したのは、商店街にある精肉店のもの。

「あげる。ここの肉屋さんのやつ。店長が趣味で作ってる。
 表に置いてないけど言ったらだしてくれる、わふ。」

もぐもぐ。いいものは普及させないとだめなのです。
そんな矜持。

で。

「……うん、失礼かもだけど。
 威嚇から始まり漫才みせられて、今更遠慮されても困るです?」

何やら言いづらそうだけど、なんでいまさら、と首をかくん。

伊都波 悠薇 >  
「これはご丁寧に。ありがたく……」

両手で、名刺を受け取る、すごくきれいな所作だった。
へぇっとうなずいて。

「……威嚇なんてしてました? 漫才も、記憶にないんですけど」

頬を指でかいて

柴木 香 > 後で店長に宣伝しといたっていっとこう、とか思いつつ。

「……わふ。」

え、もしかして自覚がない。
それはそれで非常に重症な気がする。いろんな意味で。

「してましたです。突然膝から崩れ落ちて立ち直るとか漫才以外の何物でもないです?
 ……相方は早々に逃亡したみたいですけど。」

ジャーキーもぐもぐ。
ぴたっと黙ったストラップは、まぁ、そういう生物なんだろうなぁ、くらいの感想しか持ってない。

「で、えーと。たいじんきょうふしょー?はこの際置いといて。
 なんでそんな落ち込んでたのか。――あ、話せない話なら聞かないですけど。」

多分一番大事なところを脇に置いた。

伊都波 悠薇 >  
「……――」

『OH……』

絶句、そして少ししてから携帯ストラップからの、ため息。
昇天から帰ってきたらしい。

ちなみに携帯ストラップと、悠薇が同時にしゃべることは今のところない。

「対人恐怖症とはまたちがうというか、変に緊張してしまうというか――あ、えっとまぁ落ち込んでたのは。割と、結果がでないのが続いてまして。スランプっていうか」

ぽつりと、嘘ではないが本当でもない言葉を使って相談してみる

柴木 香 > 「あ、おかえり?たべる?」

とりあえず帰ってきたらしい。
一応ジャーキーは差し出してみるけど。

「緊張なんてしなくていいのに。――んー。」

所詮他人は他人に興味がないんだから。
他人が他人じゃなくなるようにしたいなら、委縮してる暇もない。
――とは流石に、言わないけど。

「結果、結果ー……どういう結果が欲しかったです?」

もぐもぐ。とりあえず聞く耳はある。
ぼんやりと。過剰なほどに落ち込むんだから自分とはまず、根本的に目指したところが違うんだろうなぁ、と。

伊都波 悠薇 >  
携帯ストラップは無言だった。

「あはは、小雲雀は付喪神なので、食べないんですよ」

本当かどうか怪しいものである。

「それは、その」

無理な話である。ぼっちおぶぼっち。
その名は伊達ではないのだ。

「……少しでも良くなっててほしかったなぁって」

良くなってないのだ。なにも。
一つも前に進んでない。これが、なにより――
焦りを、生む

柴木 香 > 「あ、やっぱりです?ざんねん、おいしーのに。」

もぐもぐ。代わりにストラップの分も食べよう。
そういう細かいところは気にしないのだ。

「わふー……」

なんかすごいぼっちがいるって。噂ぐらいは。
予想の斜め上の突き抜け方だと思う。これはどうしたものか。
どうにもなりません。

「よく?――よくなってません?」

前に顔を合わせたのは病室――顔を合わせたというか部員と一緒に乗り込んだだけだけど。
それはともかく。

「何をもってよく、っていうのかわからないですけど。
 入院してた人がいきなり勉強ついていくのはしんどいです。
 それよりも、きちんと学校に来れてるんだから一歩前進してると思うですけど。」

もぐもぐ。
いつから学校に来れるようになったのかはよく知らない。
でもまぁ、普通なら病人から健常者へのランクアップは前進というのだと思う。

伊都波 悠薇 >  
「……――え?」

その発想は、まったくなかった。
テストの結果にばっかり目が行って。
そういう視点は、初めて聞いたという顔。

「――前進、してますかね?」

恐る恐る、もう一度。その言葉を聞いてみたかった

柴木 香 > 「わふ?」

きょとん。
問い返されるとは思っていなかった。

「してると思うです。」

こくこく。頷く。

「――何かやったなら、良かれ悪かれ、動きはしますです。
 それをどうとるかは、個人の取り方の問題で、僕にはあんまり強く言えないですけど。
 テストの結果なんか結局のところ補習に掛かるかどうかだけですし、それよりもっといろいろ考えた方がいいです。」

もぐもぐ。
ジャーキーをほおばるのはとまらない。

伊都波 悠薇 >  
「……そう、ですか」

なら、いいのかもしれない。ほっとした。
これなら、おいて行かれてない。
まだまだ、頑張れる。頑張ってればきっと――

「……いろいろって例えば?」

ぼっちの視野は狭い。
だから、その先が気になった。見えない先が

柴木 香 > 「わふ?色々と聞かれても。」

正直なところ、困る。
要するに考え方の問題で。
この島は異能が全てだったり、武術が全てだったり――そういう人が多いのはなんとなく思うけど。

「うーん、うーん……」

しっぽがぱたぱた。どう答えたらいいのだろうか――
なんていうか、泣きそうな顔で聞かれると、泣かせたみたいですごく困る。

「たとえば、病人から健康になった、というのはそうですし。
 たとえば、青点から赤点になった、でもいいですし。
 たとえば、おいしい肉屋さんみつけた、とかでもいーです。
 要するに、生きてて楽しければいーのです。僕の場合はですけど。楽しければ周りも多分楽しくなるですし。」

伊都波 悠薇 >  
――なるほど。じゃあ、自分は。

「……楽しいのかもしれません」

うんと、うなずいて。

「姉さんが、笑ってますから」

そこだけは、すごくきれいな顔で。告げて。

りーんごーんっと、鐘の音。

「あ……すみません、長い時間拘束してしまって」

柴木 香 > 「んー、ならいいんじゃないです?
 ……?」

かくん。
まぁ、楽しいというならいいのだろう。
多分言ったことが正確に伝わってない気はするけれど。

「いえいえ、こちらこそおかまいできませんで。
 ――あ、そうだ。これどーぞ。
 補習の役には立つと思うので。」

用済みになった小テスト範囲のプリント。
最低限覚えておけば赤点は免れるだろうなー、っていう赤ペン付き。
まとめてばさりと渡してしまう。

伊都波 悠薇 >  
「……ぇ……いいんですか」

わざわざそこまでしてもらうなんて。
どうしてだろうと首をかしげる。

「――なんだか、すみません」

謝罪しながらも。少しでもやり方がわかるならうれしい。
だから受け取った

柴木 香 > 「はいどーぞ、遠慮なく。ただのおせっかいです。
 謝る必要はないです。ほら、ともだちともだち。」

こくこく。
病室でも言ったことだけど。まぁ、律儀に果たすくらいのことはする。

「あ、でも期末までには返してくださいです。」

こくこくこくこく。
流石に期末試験前にはないと、こまる。

伊都波 悠薇 >  
「――と、ともだちってあのともだち? 友にたつとかいてのあれですか?」

『ワンモアッセッ』

テンションが高い携帯ストラップ。
もちろん返しますと悠薇の言葉は続いて――

「じゃ、じゃあ……今度メールしますね……?」

嬉しそうに、そして恥ずかしそうに頬を染めて、つぶやく。
その時さらりと髪がながれて。
左目の、泣きぼくろと。はにかんだ素顔が見えたかもしれない

ご案内:「教室」から伊都波 悠薇さんが去りました。
柴木 香 > 「わふ、補習頑張ってねー」

最後にさくりとおいうち。かるくち。
まぁ、とぼとぼではなくなったのでおっけー、多分。

「病院で見た時より――脆い?大丈夫かな、あれ。」

ジャーキーかじりつつ。
元気な割にぐらぐらしてる。そんな感じ。ふらつきすぎてこけなければいいけど。
友達なら心配はしてもいいと思う。それにしても――

「僕、男なんだけどなぁ。」

ツッコみ忘れた一番大事なこと。
まぁいいか、とカバン背負ってほてほて帰宅の途。

ご案内:「教室」から柴木 香さんが去りました。