2016/06/03 のログ
ご案内:「教室」に伊都波 悠薇さんが現れました。
■伊都波 悠薇 > 鐘の音。終業の時間。
今日は授業も早上がり。お昼ごろには終わって。
最近もまた家でなかなか会えずに、すれ違いの多かったが。
今日こそはと意気込んで、授業が終わったと同時に包みをもって
姉がいる教室へ――
(……ひ、人がいっぱいいます……)
戦慄して足がすくむ。でも大胆にただ一言、姉さん!と呼べばいいだけ。
なんてできるわけはなく、こそこそと、扉の前で中を窺ったり、もじもじしたり。
すれば当然、なんだろうあれと、少し周りも異物を気にし始めて――
ご案内:「教室」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 > 「さて」
とんとん、と配られたプリントをきっちり揃えてファイルして、鞄へ
室内が慌ただしい、お昼休みだ
『凛霞ーお昼どうする?』
何人か友人が集まってくる、お弁当なのでこのまま此処で、ということでも構わないけれど、
今日は天気もいいから屋上もいいかも、なんて思っていると
「あれ?」
なんだか入り口のほうがどよめいているような
■伊都波 悠薇 >
――ちら、ちらっ
中を窺う。”目標―あね―”は未だ見えず。
『おうおう、そんなしり込みしてたらあかんやで、はるっち。ここはどーんと、この小雲雀が手本を――』
とかなんだり言ってるうちに。
『あ、ごめん』
どんっと、ぶつかられ携帯ストラップははじかれる。
『あーれー!!?』
「こ、小雲雀隊長……っ」
さて、どうしよう。いつまでここにいても邪魔だし。
でも、帰るのもあれだ。来ては見たものの、相変わらず学校では。いや、でも。
コミュ障だった
■伊都波 凛霞 > なんだろう、と目を向けていると何やらドアの覗き窓からちらちらと見える頭
本わずかしか見えないが、姉の目にはパーツが1つ目に入るだけで十分である
「ちょっとごめんねー」
明るく声をかけながらドアへと歩いていって
ガラッ
ドアが開いた
■伊都波 悠薇 >
――よしっ
意気込んで、すぅはぁと深呼吸して。
いつまでもここで戸惑ってるわけにはいかない。
いくぞいくぞっと念を込めて。扉を開けようとしたら。
開いた。進んでいる常世学園でもさすがに自動ドアではない。
つまり開けた人がいるというわけで――目の前をよく見てみれば。
「……ぁぅ」
なにやら悪いことを見つかった少女のように縮こまった
■伊都波 凛霞 > 「何してるの?悠薇」
縮こまっている我が妹に首を傾げる
周りはなんだか物珍しそうにこちらを見ていて
誰?友達?だのなんだのという言葉が聞こえてくる
「あ、みんな知らないっけ。
ふふー私の自慢の妹だよー」
そう言って悠薇の肩を捕まえると、まるで宝物を見せびらかすように、自分の前へ
へー妹いたんだー、だの、かわいー、だのという言葉が振りかかる!
■伊都波 悠薇 >
「あ、ぅ、あ……?」
前に連行されれば、何事というように姉を見て前を見て。
注目の的になれば顔を真っ赤にしてうつむく。
ぎゅうっと。包みを抱きしめながら……
どうしたらよいのかわからない様子で。
『おうおう! そんなに見ちゃはるっちに失礼だろぃ。珍しい生き物じゃねぇんだ!』
小雲雀が騒ぎつつも。
「……あ、その――お昼……」
悠薇は小さな声で、そう告げて
■伊都波 凛霞 > 「ん」
なるほど、そういうことかと合点が言った様子で
「それじゃ、お姉ちゃんと一緒にお昼食べよっか」
にっこり笑って、そう言葉をかける
場所は、この教室でも構わないだろう
あっちでいい?と、日当たりの良い窓際の机へ移動して
教室に他の生徒もちらほらといるが、特にこちらを気にしている様子もなくなった
姉妹水いらずの邪魔をする気はなさそうだった
■伊都波 悠薇 >
ばらばらと、人気が消えていけば。
はぁっと深い息を吐いて――
「……ん、大丈夫、だった?」
前髪を手で整えてから、後ろをついていく。
そしてようやく机の上に弁当箱をおいた。
二人分である
■伊都波 凛霞 > 「ん?何が?」
大丈夫だった。とは?
その意味がよくわからなかったのか思わず聞き返す
「にしてもどうしたの急に、
居残りで皆の流れ乗り遅れちゃってー、とかじゃないよね」
チャイムからまださほども経っていないし、そんなことはなさそうだ
■伊都波 悠薇 >
「……お昼、他のひとと一緒したりとか」
押しかけて迷惑でなかったとか、そんなところ。
ゆっくり座りながら、お弁当を開けていく。
今日は母と一緒に作ったお弁当だ。野菜中心だが
ちょっとお肉多め。鶏のから揚げが自信作である。
――少し焦げてしまったが。
「あんまりあれからお話しできてなかったから」
姉の口から、ちゃんと。今なら聞けるかなと思ったんだ――
そう、視線が物語っていた
■伊都波 凛霞 > 「別に、今日一緒に食べなくったって明日一緒に食べればいいし」
小さいコト気にしないのー、っと笑って
お弁当箱の中身にちょっと目を奪われる
この手作り風味、母の手製にしては唐揚げが少し焦げている
ので、悠薇が手伝ったんだなーと内心気づいた、けどそれは口には出さず…
「お話?いいけど、なんでわざわざ学校?
もしかして、父様達にあんまり聞かれたくない話?」
■伊都波 悠薇 >
ちょっと大きめの弁当箱のふたをお皿に、おかずを取り分けて。
はいっと渡す。野菜とお肉のバランスは考えてある――が、お肉の比率がちょっと多い
「……学校の姉さんのこと、よく知らなかったから」
家で十分だと思っていた。でも、それだけじゃ、ダメだった。
姉のことを理解してるつもりだった。でも足りなかったから。
なら、学校でも。もっと、よく見ていないと。
そう、友人の男性で――姉を支えてくれた男性の言葉にあったから。
もともと学校では姉にべったりということはしないようにしていた。自分がいては邪魔だろうから――
でも、そういうことならとあえて学校で接するという努力をしてみたのだ。
まぁ、家族に聞かれたくない話も少しはあるが――それはついでだ。
「姉さんは、学校どう? 楽しい? 元通りに、なった?」
■伊都波 凛霞 > 「……そうだね」
妹の言葉はもっともだ
あんなことがなければ、ずっと隠していたかったのだから
「…知られたら、悠薇に幻滅されちゃうんじゃないかって、怖かったんだよ」
苦笑しながら、取り分けられたおかずに箸を伸ばす
「今はもうなんともないよ。
烏丸くんともあれ以来はもう何もないし…心配かけちゃってごめんね」
■伊都波 悠薇 > 幻滅という言葉を聞けば――自分も食べようとしていた手を止めて。
「ううん。心配はしてなかったけど……姉さん、だから」
筍とシイタケ。それに少しの鶏肉が入った煮物は味が染みてて絶品だ。
これは母が作ったものである。ほうれん草の白和え。
こっちは悠薇の得意料理――まぁ、混ぜるだけだったりする。
きんぴらは、少し手伝いながらまとめは母。
そして鶏のから揚げは――大体は母。でも焦げてるのは、自分のもの。
さて、反応は……?
「……姉さんは、私がそうだったら幻滅、する?」
烏丸とは何もないといわれても。あの人が悪いようには見えない。
どうも姉は敵視しているようだけれど。
「……姉さん、烏丸さんのこと嫌い?」
苦笑しつつ
■伊都波 凛霞 > 「そっか」
心配していなかった、というのはもしかしたら強がりなのかもしれない
それとも、そう思いたいのかもしれない
意地悪をするなら、心配して欲しかったな、と言葉を返すのだが
おかずを口に運べば、子供の頃から慣れ親しんだ安心する味
「ん、美味しい。もしかして悠薇もお手伝いした?」
笑顔で、そう問いかけて…続く言葉への返答には少しだけ、その笑顔が曇った
「……しない、力ずくでも私のところに引き戻すもん」
言葉はしっかり力強く紡いで、まっすぐに妹の目を見る
「嫌いかな、よくわかんない。
でもあの人も、可哀想な人なのかもしれないね」
■伊都波 悠薇 >
「――ちょっとだけ。姉さんに比べたら全然だけど」
おいしいと言われれば、少しうれしそうに。頬を緩めて、自分も口に運ぶ。
唐揚げは焦げがちょっと苦かったが、まだ妥協点。
致命的失敗はしていなかったようで、安心して――
「なら、私も幻滅しないよ。力づくで引き戻すとはいえないけど……ずっと見てる。後ろには絶対にいるよ」
そういうもんでしょと、言うように。
そんなことで、何かが変わるほどの関係じゃない。
姉と、妹。それはずっと変わらないのだ。
「――よくわかんないんだ。かわいそう?」
首をかしげながら、白和えを口に運ぶ
■伊都波 凛霞 > 「十分合格ラインだよ、悠薇」
そう言って、美味しそうに焦げのある唐揚げを頬張って
「…後ろでいいんだ?」
ぽつり、そう口をついて出る
色んな物を孕んだ一言…本来ならば言うのも、勇気が要る一言だが
「うん…あの人は、好きなものを壊さずにいれない人みたいだから」