2016/07/13 のログ
ご案内:「職員室」に寄月 秋輝さんが現れました。
■寄月 秋輝 >
「失礼します」
小さく礼をしながら入室。
腰には刀を携え、手の中には分厚い資料。
(……コゼット先生は)
異能を切ったまま、ゆらりと視線を巡らせる。
本日は魔術師として、教師に会いに来た。
ご案内:「職員室」にコゼットさんが現れました。
■コゼット > 一方のコゼットはどうやら自分の机で書き物をしている様子。
見ればそれは肌身離さず持っている名簿で、どうやら授業による生徒の評価をしているようである。
その表情はどちらかというと真剣、しかしどこか楽しそうにも見える。
■寄月 秋輝 >
見つけた。
実は職員室に来たのは数えるほどのため、目当ての相手がどこに居るかもわかってなかった。
つかつかと歩み寄り。
「失礼します。
四大元素魔術担当のコゼット先生、でよろしいでしょうか」
声をかける。
明らかに邪魔だろうか、とも思いつつ。
■コゼット > 「…ん」
声を掛けられれば動かしていたペンを止め、体をそちらを向ける。
身に付けている勾玉が特徴的な黒髪の少女。他とははっきりしているパーツがあれば覚える事も比較的容易いもので。
確か───
「寄月さん…だったかしら。どうかしたの?」
■寄月 秋輝 >
目をぱちくり。
まさか自分を知っているとは思わなかった。みたいな顔。
「……僕個人をご存じ、でしたか。
ああ、ええと……はい、コゼット先生に相談したいことがありまして」
手の中のかなりの分厚さの資料。
それを傾けて、表紙を見せる。
タイトルは『無属性魔術の放出、制御 及び効率化について』
「今年で学園を飛び級卒業し、来年これをもとに講義を始めようと思います。
ですがどうしても属性魔術に関して、切っても切れない関係にあるので……
いくつか先生にご教授願いたいと」
飛び級、講義を開始。
いくつかのぶっ飛んだセリフと共に、本題を尋ねてみた。
■コゼット > 「教師にとってはまず生徒を覚える事からだから。
…転校してくる生徒が多いものだから結構大変だけど、なんとか…っと」
相談。
学園生活の事から授業──元素魔術に関する事まで、生徒から聞かれる内容は様々だ。
今回はどうやら後者のようだが…
「ふむ…。無属性…となると、元素に囚われない純粋な魔力を飛ばす事か。
ある人は超能力やサイコキネシスとも言うけれど…。
貴方は成績は優秀なようだけど…この辺り、まだ全然手を付けてないって所なのかしら」
■寄月 秋輝 >
「……いきなりから教師の道に二の足を踏みそうですね」
口を真横に引き結んだ。
教えることはともかく、教師として適任かどうか自分は怪しいものだ、と。
「いえ、僕の扱う魔術体系がこれになります。
ただ、僕は先生の担当されているような属性魔術が『一切』使えません。
ですので、元素魔術とのリンクに関して仮に生徒から質問された場合、
僕では答えかねる、という状況になってしまう。
それに先手を打つために、個人的にコゼット先生の知識をお借りしたいのです」
■コゼット > 「なる、ほど…。
魔術と言っても様々な分野があるから、自分の力はこうだからと説明すればいいと思うけれど…。
いくら元素魔術が得意な生徒でも、貴方の言う"無属性の魔術"とはまた別物で…純粋に自分自身の力が求められるの。
その逆も然り。だから答えられなくても仕方がないと思う。
そもそもやり方が違うのだから。
ただ、理解を深めれば使えるようにはなるかもしれないけれど…どうかしら?
それとも、何か事情があっての一切使えない、なのかしら?」
使えない術を聞かれる事に対して、答えられないは許されない…と言うのだろうか?
飛び級をしたと言っていたが…プライドの高い生徒なのだろうか。まだ、彼の性格は判りかねる。
■寄月 秋輝 >
「……先生としては、それは不可能なままでも構わない、ということですね。
完璧な回答を用意しなければいけないわけではないんですね……安心しました」
ほ、と息を吐いた。
聞かれたら答えられなければならない、と思い込んでいたようだ。
この件は数学教師が古文について答えられない、という事態と同義であることに彼自身は気付いていないのだろう。
「あぁ、はい。事情というか体質の問題です。
先生は魔力の属性変換体質というものをご存じでしょうか?」
元居た世界でも非常に珍しい体質であった、属性変換体質について聞いてみる。
この師はそんな体質の人間に会ったことがあるだろうか。
■コゼット > 「知らない事を知らないと言うのは恥ではないわ。
知らない事を無理にでっちあげた所でそれは間違った知識にしかならないの。
…と言うより、折角先生がいるのだから私達に聞いて欲しいなって思うのだけど…」
とりあえず、目の前の不安は取り除けたようだ
「属性変換体質…、実際に見た事はないけれど名前だけは聞いた事があったような。
えーと…なんだったかしら」
どうやら聞き覚えがあるようだが、その内容については忘れてしまっているようである。
■寄月 秋輝 >
「……そうですね。
僕が教師になったとして、コゼット先生をはじめ他の先生方に聞いてはいけない、というルールはないでしょうし。
むしろその先生に聞いてこい、とでも言えばいい」
ようやく納得したようだ。
「どんなプロセスで魔術を発動しても、特定の属性に強制的に変換されてしまう体質ですね。
僕の場合は異能に引っ張られたようで、あらゆる魔術が光属性になってしまいます。
なのでこうしてみても」
魔術式を空中に展開する。
ごくごく簡単な、火の玉を出現させ、停滞させる魔術。
コゼットの目から見ても、一切狂いの無い記述だろう。
しかし、実際に空中に生まれたのは赤い光の玉だった。
「全て光になってしまうんです。
なので僕では無属性の術しか扱えません。
属性魔術も知識はある程度納めましたが、実践が出来ないので教えられない、というわけです」
■コゼット >
「そうそう。
どの先生方も頼りになる人ばかりだから、そこは遠慮なく聞いて頂戴ね」
そして、目の前でその体質について説明すればああ、と思い出し。
確か自分が教師になる前──学生で居た頃にそんな項を見かけたような。
周りにそのような体質を持つ人間が居なかった為、それを今まで見る事は無かったが…
「……ううん、そうゆう事だったのね。
確かにこれでは元素魔術は使えない…、しかしその変換先が光だなんてまたそれも珍しいわね。
体質…親譲りなのか環境か…。でも、元素魔術を使おうとしない限りはそれ程ハンデになりうるものでもなさそうかしら。
それに、強制的にそうなってしまうのなら、いっそそれを極めてみるのもいいでしょうね──貴方の習得している無属性魔術にしても」
■寄月 秋輝 >
「異能も光の操作ですからね。
便利ながら、案外珍しい能力のようでした」
ぱっと光を消してみせた。
魔術授業の資料を作るだけあって、技術は十分のようだ。
「実は僕、異邦人でして……
元居た世界ではこの無属性魔術が基本でしたから。
これをこのまま極めながら、授業もこれを伝える形にしていこうと思っています」
資料をぽんぽんと叩いてみせた。
そしてそれをぱらりとめくる。
「……あとは、無属性魔術で可能な効率化の限界点ですね。
僕は魔術式をしっかり理解出来ていますが、これも属性魔術に通じるかどうか。
軽く見てもらってもよろしいですか?」
効率化の項目を開いてみせた。
恐ろしいことに何十ページくらい。
■コゼット >
「私も似たようなものだから、何処から来たかはこの際気にしない事にして。
世界が変われば基本とする術式も変わるし、そもそも"魔術"と呼ばない事もある。
ここでは大きく魔術としているけれど…まぁ近いものなのは幸いかしら」
ここまでの資料を作る辺り、随分と熱心な生徒だという事が伺える。
知を貪欲に求めればそれだけ力が身に付くのが魔術師。そうゆう点でも、素質があるという事なのだろう。
「ええ、是非見せて?
私から見て改善出来る点が見つかるかもしれないし、そうでないなら大したものね」
■寄月 秋輝 >
「その通りですね……
僕の扱う魔術も、元の世界では『魔法』と呼ばれていました。
大別して魔術、という扱いなのでしょうね」
この師が近い考えを持ってくれていることが幸いだった。
おかげで多くの面倒な内容が省ける。
「お願いします。
いえ、これで完璧でない方が都合が良いです。
研究する先があり、停滞出来ないという使命感があった方が、真剣に打ち込めますからね」
■コゼット >
「完璧であるならそれを応用した更に上を目指せばいい。
限界というのは結局自分自身が決めるもので、そうでない限りは先に延ばせるもの…だと思うから。
…と言ってもそればかりに力を注ぐのもそれはその人次第なのだけど。学ぶ事は他のも沢山あるから」
それこそ探していてはきりが無いが、それら無限にある魔術の中から選び出して自分のものにしていく。
求める事を止めない限り、魔術師に限界は存在しない。
■寄月 秋輝 >
「……まだまだ先は遠いですね。
完璧な魔術はもちろん、日常に転用出来る一般魔術も」
くす、と小さく笑った。
研究も実践も、また実戦も足りない。
教師となっても、勉強は続くだろう。
「ではその資料はお預けしますね。
データは残してありますが、それが原版なので、来月あたりにはお返しいただけると助かります。
相談に乗っていただけて助かりました、ありがとうございます」
資料をコゼットの机の上に置いたまま、ぺこりと礼をした。
■コゼット >
「ええ、目を通しておくわ。でも、そんなに時間は掛からない…と思う。
見た感じ結構な量だけど、私こうゆうのを読むのは好きな方だから。
また相談が必要なら遠慮無くね。生徒の悩みを解決してあげるのが教師なんだから」
分厚い資料ではあるが、その中にどんなものが記されているか実に興味がある。
少し目を通したがとても良く出来ているし、この分だと見えない部分にも期待が持てるだろう。
礼をされれば、にこりと微笑んで頷いた。
■寄月 秋輝 >
「さすがというかなんというか……
これでも一年分くらいの講義で扱う資料にしたつもりだったのですが、コゼット先生にはそうそうかかりませんか」
元となる知識を多く持ち合わせた人に読まれれば、そうはかからないのだろう。
さておき、興味を持たれたのは非常にありがたい。
本職の興味を持たせられるのならば、生徒に教える立場になっても有効に扱えるのだろう。
「では失礼します。
資料はまた僕を見つけたときに呼んでいただければ、こちらまで取りに来ますので、ゆっくり目を通してください」
コゼットの笑顔に少しだけ心を溶かしながら、もう一度微笑んで頭を下げた。
十分な収穫が得られたと満足げだった。
■コゼット >
「はい、また。
大事に預からせて貰うわね」
コゼットからしてみれば読む物が増えたと内心喜んでいるのだが、それを寄月は知る由も無いだろう。
扉に向かう彼の姿を見送り、早速頭の方のページから軽く目を通す。
──なるほど、これだけはっきりと内容が通じる書き方、流石と言った所か。
これは、静かな場所でゆっくりと読んだ方が良さそうだ。
邪魔にならない様一旦机の隅に置くと、元の名簿へと再び手を付ける。
その工程には、彼への評価も加わっていた。
ご案内:「職員室」から寄月 秋輝さんが去りました。
ご案内:「職員室」からコゼットさんが去りました。