2016/09/17 のログ
八百万 頼 >  
わからんで。
あるかも知らん。

(にいぃ、と狐のような笑みを浮かべながら。
 彼女が反省するのならば、そんなシャレにもならない嘘も吐く。)

残らず、な。
総簡単なモンでもないで。
アレは人の残留思念を喰って数を増やして更に喰う。
そうやって鼠算式に増えていくもんや。
気に障る言うか。
子供やなと思ってんのは、ホントやで?

(最後の言葉はにぃと笑って。
 狐のような、猫に似た笑顔。)

風紀委員言うのは無茶してナンボのお仕事や。
ソレを止めたい言うんやったら、それ相応の立場になることやな。
本心やと思うのは自由やし、嘘やと思うのも自由や。
どっちと取るのがみんなにとって一番ええんか、よーく考えて選び。

(あくまで自身の本心は明かさない。
 自身の行いを間違いと思うのも正しいと思うも彼女自身だ。
 自身の言葉の真偽で決めるようなモノではないのだから。)

言ったやろ、無茶してナンボや、て。
そう言うのが嫌やったら、そもそもそうさせる行動をせんとけばええんよ。

水月エニィ >  
「私があの場に居なければ、弾劾されることもなかったのかしら。
 ……やっぱりこの世は善意だけでは回ってくれないわね。」

 ぼうっと零す。あれほどやっても結果は悪し。
 戦わないで見てみぬ振りをすればこのように云われる事はないのだろう。
 多くを救えど、価値観に殉じれど絶対はなく、反発はある。

「そう簡単なものではない。私は分かった上で言っているわよ。
 陰陽師でも神主でも聖職者でもない貴方より、そして負け犬でない貴方より、
 ほんの少しだけあのようなものに携わり、ほんの少しだけあのような中に身を置いていた。
 だからこそ言うのよ。……それとも、子供の嘘だ妄想だと言い分を認めないかしら。」

 自嘲めいた苦笑を浮かべる。
 大人でもないし力もない。あるのは絵空事のような激情と反骨心と向上心。

 絵空に描かれるような平和な世界や優しい世界を掲げて我を通そうとすれば、
 どうしたって現実的な秩序からは幼稚に映る。今はそれが分からなくもない。
 ……だからと言って、捨てきれるものではない。

「風紀委員以上に満身創痍の病人と自白があるから、医者が先に立つ。脱走は風紀を乱す事じゃないかしら。
 ……風紀委員だっていくらでもいる。彼が出張る必要はない。そもそも風紀委員なら応援を呼ぶし、病院から出てこない。」

「そう言っても平行線かしらね。
 彼も貴方も、とても強いのでしょうね。……私は弱さを捨てきれないわ。
 そうやって弾劾されるものをたくさん知っているし、炙られたものだって学んでいる。
 ……と言っても混沌は嫌いよ。力こそ正義なんて大っ嫌い。……大人になれと言うのでしょうね。」
  
 

八百万 頼 >  
起こったことを悔やんで嘆くか、次はもっと上手くやるか。
――さて、エニィちゃんはどっちを選ぶ?

(いたのだからしょうがない。
 起こったことはしょうがない。
 ならばそれを踏まえてどうするか、と。
 狐のように笑い、問う。)

せや、世界はそんな簡単に出来てへん。
だからあとはこっちの仕事や。
人も資材も技術も頭脳も、こっちの方が上や。
――子供は、邪魔や。

(薄く、中身の無い笑いを浮かべながら。
 邪魔をするなと、告げた。)

せや、だからあの子も下手打ったちゅうことや。
もっと早うに対処できてれば、もうチョイやりやすかったんやけどなぁ。

水月エニィ >  
「勿論、もっとうまくやるわ。
 ――だけど貴方に根も葉もない嘘で言い掛かり付けられた分ぐらいは言わせて頂戴よ。
 それを真実に出来るのは強者の特権ですもの。皮肉だって零したくなるわ。」

 見上げて、溜息。邪魔だと言われれば視線を戻す。

「だけどあれらへの見地は貴方達に劣るつもりはない。勝ち馬の塊なのだから、その位認めて頂戴。
 ……ええ、邪魔でしょうね。けれど現実的な秩序からすれば、貴方だって同じ学生の子供じゃない。
 
 所属だって言っていない。
 本来ならば、権力を一方的に振りかざして私を邪魔だと排斥する事は出来ない筈よ。」

 何かを隠している事は良く分かっているが、
 彼が何者であるかは秘匿されている。
 だからこそ、ああは言ったが彼に自身を一方的に縛る力は無い。
 故に、立場を笠に着た言葉には反抗を示した。

 ……何だかんだ吠えて噛み付けどこの秩序の中では負け犬に甘んじている。 
 裏を返せば、誰もが彼女を磔る事を赦されるような魔女ではなく、明瞭な違反は犯していない。
 今の所はだが、それ故に彼個人の言葉として子供は邪魔だと言われる謂れはないし、
 秩序の上では一方的な権利もない筈――その様に思えば、少しだけ足掻くように噛み付いた。

  

八百万 頼 >  
なら、ええ。
――口から先に生まれて来たからなぁ、ボクの性や。

(へらへらと笑いながら、のらり、くらり。
 ポケットを手に突っ込んだまま、全てを流していく。)

せやったら、風紀委員に協力でも要請すればええ。
喜んで受け入れてくれると思うで。
――生憎ボクは虚構の塊や。
ほら、こーんなにも嘘ばっかり吐いてる。

(動くのならば、せめて足並みを揃えろ、と。
 学生の子供、と言う言葉にはにいぃ、と今まで見せたどの笑顔よりも気味の悪い笑顔を向けて。
 ゆらりと。
 自身の身体の輪郭が、少し曖昧に見えるだろう。)

水月エニィ >  
「嘘を誠にできる貴方は羨ましいわね。
 ……私も貴方の様な大嘘付きにでも成れれば、負け犬でもまだ楽だったのかしら。
 いえ、それを考えるのは詮無き事ね。」

 首を振って立ち上がる。
 曖昧な輪郭はそういう異能か権能なのだろうと、大して意に介さない。

「風紀委員に二度手間を掛ける気はないわよ。
 既にあれだけの人が動いて、嘘で武装できる貴方の様なものが動く程の大事。
 通報や協力を要請するまでもなく、慈悲や無慈悲で想いは散る事でしょう。」

 要請には横に首を振る。もう誰かがやっている筈だと認識している。
 当然彼らのやり方を縛れる程の力だってない。そこは違えない。
 気に入らないが、自分に強要しないのならば差異として仕方がないと思える。
 ……だからこそ寄月自身にやってほしかった事でもあった。

(……絶対安静とか、隠しておいて頂戴よ。
 それならばやり口は仕方ないと諦められる。そうやって私が助けられるだけで終わったのに。
 そう思うのは、我儘かしらね。……救われたかったわよ。私だって。
 でも、救うなら私を通す他ないわよ。)
 
「だから、これから動くとすればその法の手の届かない所ね。」
   

八百万 頼 >  
嘘を真になんか出来へんよ。
ボクに出来るのは嘘を吐く事だけや。
ほなら、大人しくしとり。
――つっても、言う事聞いてくれへんのやろなぁ。

(困ったように眉尻を下げる。
 彼女が風紀委員と足並みを揃えないと言うのであれば、監視対象だ。)

しゃあないな。

(諦めたようにそう言って、ポケットから手を出す。
 そのまま彼女から離れたところで右手を挙げ、)

――情報欲しかったら、いつでもおいで。

(彼女の肩を叩いた。
 さっきまでいたところには誰も居らず、一瞬で移動している。
 誰であろうと移動の過程の認識は出来ない筈の、速度に頼らない移動。
 振り向いた時には既に屋上のどこにも自身の姿は無く、ただ階段を下りていく音だけが聞こえているだろう。)

ご案内:「屋上」から八百万 頼さんが去りました。
水月エニィ > 「だったら説教なんてしないでしょう。
 夜道で後ろから刺せばそれで終わる話じゃない。」

 振り向いた先には誰もいない。
 ……少々の意表こそ覚えるものの、彼の口ぶりや立ち回りから能力への察しは付けつつある。
 居ない所を把握できる、一瞬で移動を行う。

 条件や制約は兎も角として時間や空間を超越できるもののやり口だ。
 それをどうやっているか、までは分かる筈もないが。

「何処に行けって言うのよ。
 ……ま、おいでと言う以上調べて分かる程度なのでしょうね。」

 何処までも馬鹿にされたような気もする一方、
 嘘は交えどへらへらした態度を貫かずに説教や忠言を言い放っていた風に覚える。
 内心で見下さずそうする辺りから強い矜持はあると察しこそ付けられる。

(……少しだけ落第街を回って、帰りましょうか。
 ここまで大ごとになっているとは思わなったけれど、それだけに安全かしら。)
 
 階段を下り学園を出て落第街へと足を運ぶ。
 ……名目上としては学園の秩序が関与しない場所。
 
 善意だけで回らない無常な秩序も好まないが、暴力の支配する混沌はもっと好まない。
 だから何だと言う話でもあるし、今はどうでもいい話で重要な事じゃない。
 名目上委員の届かない地に手を入れる意で、そこへ向かう。
 

ご案内:「屋上」から水月エニィさんが去りました。