2017/01/05 のログ
ご案内:「屋上」に三谷 彰さんが現れました。
三谷 彰 >  夕方ごろ。特に意味も無くこうして屋上に来てしまった。三が日も終わって本来であれば今日にこっちに戻ってきて……といった感じなのだろうが。彼は自宅へ戻っていないためずっと島にいたのである。
 帰れないわけではなく帰りにくいのである。

「はぁ、また機会逃がしたなぁ」

 フェンスにもたれかかりながらうな垂れる風紀委員。構図だけ見るとあまり良いとはいえないかもしれない。
 1年のときにも帰っていないのでこれでほぼ2年は家族の顔を見ていないことになる。ホームシックというのも変な話だがたまには帰りたいと思ってしまうことも無いわけではない。が、結局帰るに帰れずこうして今年もタイミングを逃がしたまま通常の生活に戻ってしまったのである。

ご案内:「屋上」に咲月 美弥さんが現れました。
咲月 美弥 > 「ふぅ、また人が増えてきた……わねぇ」

溜息をつきながら屋上の扉を開ける人影が一つ。
冬は日が落ちるのが早い。逢魔が時もこの時期は星を眺めるには十分な暗さになる。
年も明けてあの独特な高揚感とざわめきを纏った空気は嫌いではないけれど……

「元気すぎて少し当てられるというか……疲れちゃうのよねぇ
 んーぅ、逆かしら?」

そんな独り言をいいながらゆっくりと扉を潜り抜け

「……あら」

そこにいたもう一人の人影に気が付き足を止める。
特徴的な制服にどこか争い事の香りがする彼は……

「風紀委員に出くわすなんて不運?
 それとも幸運かしら?」

表面上はのんびりと装いながら笑みを浮かべてつぶやいた。

三谷 彰 > 「んあ?」

 なにか声がしてふとそっちへ振り向く。そこに居た人物を見て思わずゲッといった顔を浮かべてしまう。
 別に彼女が怖いだとかそういった意味ではなく単純に少しナーバスになっていた所を見られて恥ずかしいだとかその程度の話である。
 そうして体勢を直した後に聞かれる問いに少しだけ考えるように上を見上げて。
 
「あぁ……どっちなんだろうな。変なことをしてたなら不運かもしれないしなんか困ってんなら幸運だし。そうじゃないなら特にどっちでもないだろ」

 当たり前といわれれば当たり前の返答に結局落ち着くのだった。

「俺が言えた義理じゃないがこんな時間に屋上へ何しにきたんだ? まぁたまにこの辺でボケっとしてる奴いるしその類か?」

 俺もその一人だしよ、と少しだけ笑いを浮かべ答える。
 その表情などからは風紀委員の一部が持っているような威圧感といったものはほとんど感じられないだろう。 

咲月 美弥 > 「存在自体が変なことそのものなんていうものもいるでしょ?
 魔法や異能を突き詰めすぎて帰ってこられなくなっちゃった人とか。
 案外近くにいるかもしれない。……なんてね?」

くすくすと笑いながら扉を閉じゆっくりとそれにもたれる。
本来風紀委員からすれば見つけ次第即拘束されるような存在である自覚はある。
何せ無差別に周囲に影響を与えるのだから制御されていない異能者と
ほとんど変わりがないのが彼女の在り方。
事実追い掛け回された経験は一度や二度ではない。
そのたびに逃げ切ったり迎撃したりしたからこそここにいるのだけれど。

「こんな時間だからこそ。
 こんな時間だもの。すべてが一瞬静まって
 世界が移り変わるからこそ全てが鎮まる時間
 まさに逢魔が時……魔と会う時間でしょ?」

謎めいた笑みを浮かべてじっと見つめてみる。
我ながらわかりにくいというか正直相手によっては面倒な問答
ただ意識していないと抑えるのが厳しいという思いもあったからこそ
気を紛らわせるために少しずらした回答をしてみる。

「加えて年明けのこの静かなざわめき……それにあてられて変なものも出てきちゃうかもしれないわよ?」

ある意味挑発に近い言葉をニコニコとしながら言葉の階に載せてみる。

三谷 彰 > 「なんだそりゃ、あんたがそうなのか?」

 帰ってこられなくなった。というのが少しだけ引っかかるが特に引っかかるのはそれだけであった。
 少しだけそれから間を空け。

「……まぁ、別に存在が変な奴でもそれだけで何かすることはねぇよ。そいつが悪人なら話は別だけどな」

 能力の事を知らないからこそ言えるといってしまえばそれまでだが実際それが周りに影響を及ぼすとわかってもそれを制御できるように手伝うだけの話。事実前に上手く制御ができないと打ち明けられた生徒に訓練の約束をしたところだ。
 中には捕らえてしまえという風紀委員も居るのかもしれないが。

「変なものが出てきたら挨拶してやばいなら抑えるだけさ。別にそのくらいの力はあるんだしよ」

 挑発には乗らないぜ? と言う意図を込め少しだけニっと笑う。

「まぁ、できれば変なのは出てきてほしくは無いけどなぁ。ここで戦闘なんてなったら色々と面倒だし」

 ふと視線を外に向ける。まだサッカーや野球といった部活は最後の練習をしており人が全くいないわけでもない。もしそんな事になれば避難をさせなければならないのである。

咲月 美弥 > 「……さーてね?
 秘密♡ 女の子の事を一気に知ろうなんて駄目よ?
 ちゃんと手順を踏まないと」

一瞬だけ寂しそうな表情を走らせ、それを誤魔化すかのように言葉を連ねる。
そうしながらゆっくりと風下に移動し眼下のグラウンドを眺める。
こんな寒さのなか平穏を過ごす姿というのはなんだかとても羨ましいと同時に温かい気持ちになる。

「ふふ。私は悪い子なのは否定しないけどね」

それから目を離し振り向いて、少しだけ悪戯気に微笑みながらスカートを少しだけつまみ一礼。
もともと短めのそれを見えない程度のぎりぎりで押さえているところやその表情から慣れた印象を与えるかもしれない。

「優しいのね。風紀委員ってもっと好戦的なイメージだったけれど」

そのまま手を放し、フェンスに体重を預けゆっくりと座り込む。
その目は面白げながらもどこか不安げに様子をうかがうような色を帯びていて
口調以上に心配をしていることが伝わるかもしれない。

三谷 彰 > 「?」

 一瞬見せた寂しそうな表情を見て少し顔を傾げるがその後の行動を見てバっと目をそらす。
 軽く頬をかきながら。目線はそちらに向けず。

「あーあー、目のやり場に困るからそういうの止めろ」

 風紀委員で武闘派の彼だがこんなのでも思春期真っ盛り。ましてや彼はそういったことに耐性は一切無く素直に動きなどで気恥ずかしいのを見せてしまう。
 手を離したのを確認するとふぅと一息付く。

「たしかにそういう奴もいるしな、否定はしない。けど全員が全員そうだとは限らないぜ?」

 チラリと見るとどこか不安そうな表情。たぶんそういった好戦的な奴に何かされたのだろうななどと考え安心させる意味も込めゆっくり目に話す。
 
「俺はそもそも不真面目な奴だからなぁ……色々と参考にはならないかもしれないが」

 といい少しだけ笑う。
 色々とゆるく時折同じ風紀委員に怒られる彼は実際参考になるかといわれたらならない。