2015/06/10 のログ
■ウィリー > 「かしこまるなよ、実際この成りだからな」人懐こい笑顔で気まずさを和らげて。
「んじゃ学生街のカフェなんかがいいな。行き付けだし
多少は勉強してくれんだろ」
「ははは、確かに。俺も最初は読むのも書くのも苦労した
同郷じゃないにしろ、呼びやすい名前の人間が増えるのは歓迎するよ
よろしく頼む、カーチャ」
勉強や研究を生業にするのは大変そうだな、などとぼやいてから
「ああ一応。ほい」型落ちした古めのスマートフォンの電話帳を起動。
送信モードに切り替えて、ピピッ。
■エカチェリーナ > ピッ。と受信したことを画面上で確認して、こちらもアドレスを送信した。
「カフェね、じゃあ定番の『タチバナ』かしら?」
いつも賑わっている学生通りのカフェテリアを思い出す。あそこならそこそこの値段できちんと食べられるだろう。
「これでよし、と。それじゃあ私はもうここに用はないし戻るとするわ。あなたはどうするの、ウィリー。続きの講義も聞いていく?」
見ればぼちぼちと生徒が集まり始めている、次の講義が始まる時間は近そうだ。
■ウィリー > 「そうそう、タチバナ。カフェなのに何でも出てくるんだよなあ」
うんうんと頷いて。
「おーそうか。聞いていってもいいけど…うわ、もうこんな時間か…」
腕時計の針は随分と進んでいて、警邏に回らなければならない
時刻に近づいていた。遅刻で大目玉を食らうのは避けたい。
「俺もそろそろ帰るわ。そんじゃまたなカーチャ!」
荷物を取りまとめて、勢いよく教室を後にする。
自警団員としてまじめに仕事に取り組む姿を、カーチャが目にするのは
随分先のことになりそうだ。
ご案内:「教室」からウィリーさんが去りました。
■エカチェリーナ > 「そう。気をつけてねウィリー、この島はなんだか物騒なことが多いみたいだから。」
そう言うと受け取ったノートをかばんに入れて、飛び出していくウィリーを見送る。元気、というよりやる気に満ち満ちているのか。
自分も見習うべきかな、と思いながら教室を後にする。
さて、ともかく戻ろう。そろそろ夕暮れ時だし、暑さもおさまって家路につくには良い時分だ。
ご案内:「教室」からエカチェリーナさんが去りました。
ご案内:「保健室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
■蓋盛 椎月 > (銃声。)
(もちろん保健室で事件が発生したわけではなく、
蓋盛が《イクイリブリウム》を使用しただけである。)
(今日は『常人の三倍の跳躍力を得る異能』を持つ学生が
10メートルぐらい跳んだら着地に失敗して骨を折ったのが
運び込まれてきていた。
たまに居るタイプのマヌケである。)
■蓋盛 椎月 > (保健室から怪我人がいなくなって、保険医は再びヒマになる。
……厳密には、事務作業がまだまだ残っている。
しかし仕事をやる気にならない人間にとって、
どれだけ仕事が積み上がっていても
ヒマはヒマなのだ。)
……小腹が空いたなあ。
■蓋盛 椎月 > (蓋盛先生の[略]相談室が正式に開設されてから、
相談者は例の美形即死吸血鬼しか来ていない。
たまに授業とかこの世界とかがどうでもよくなった学生が
ベッドを借りに来るぐらいだろうか?
そういうやる気無いやつに説教を垂れるのは生憎と蓋盛の仕事ではないので、
適当にウノの相手でもしてもらってから追い出す。)
(がさごそと備え付けの冷蔵庫を漁ると、
お菓子やら酒やら調味料やら野菜やらが出てくる。
蓋盛や他の保険医や常連の生徒が勝手に入れていったものだ。
ちゃんと名前を書いておかないと勝手に食べられてしまうので注意。)
■蓋盛 椎月 > (そのうち、かちこちになったバゲット[いわゆるフランスパン]と、
バターやにんにくペーストなどを取り出す。)
……これ処分しとかないとな。
(バゲットを調理用バサミで雑に切って、にんにくペーストを塗る。
コンロに火をつけ、フライパンにバターや切ったバゲットを落とし、
弱火で炒める。
この女、わりと日常的に保健室で調理行為を行っている。)
■蓋盛 椎月 > (少しすると簡単なガーリックトーストが出来上がる。
食べかけで放置されたバゲットもこうすれば美味しく食べられるのだ。
あと砂糖やはちみつをまぶしてオーブンで焼くという手もあるぞ。
皿に移して、モリモリと食べ始めた……)
……ワイン欲しくなってきた。
(冷蔵庫を再度開いてみるも、そんな都合よくワインはなかった。)
■蓋盛 椎月 > (ほどなくして手抜きガーリックトーストを食べ終える。)
……。メイドさん欲しいなー。
メイドロボでもいい……。
(保健室の常駐業務というのは結構ヒマである。
先述の通り仕事はあるし、ネットに繋げもするので結構自由なのだが、
ここから出てはいけないという制約が加わると
途端に窮屈になるものである……。)
■蓋盛 椎月 > (やっぱり孤独な作業は人をダメにするな……
そんなことを考えながらフライパンと皿を洗う。
保健室でペット飼うのはアリかもしれない……)
(この後マインスイーパで自己記録を更新したりした)
ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
ご案内:「保健室」に来島宗仁さんが現れました。
■来島宗仁 > 「つっかれたぁ……」
へとへとになって椅子に座り込む宗仁。
ようやく外来患者への対応が終わり、公安に捕まって以降はじめて学校に来る事が出来た。
そして目の前には仕事の束。
泣きたくなる。
■来島宗仁 > 「仕方ねえか……」
思えばあの騒ぎが起きて以降、ロクに休んでいない。
家に居ついたさいことかいう女の子も、あれからどうしただろう。
拾って来たものの、忙しくて全然会っていなかった。
家に馴染んでくれていればいいのだが……
ご案内:「保健室」に井戸木さいこさんが現れました。
ご案内:「保健室」に雪城 涼子さんが現れました。
■井戸木さいこ > 「ごめんくださーい……」
図書館で居眠りしてからやや熱っぽい。
一応、保健室で体温計を借りようか――そう思って立ち寄ってみれば、
目の前には拾ってくれて、家に住まわせてくれた来島先生の顔。
用件も疲労も忘れ、思わず声が漏れる。
「あ……」
■雪城 涼子 > コンコン、と扉を叩く。
そういえば、島の外ではよく会っていたが、こっちに来てからは大分久々だ。
「えーっと……失礼します……で、いいのかな」
なんとなく、おずおずと部屋に入る
■来島宗仁 > 「ん……」
溜息をつきながら扉を見ると。
「おぉ、さいこ――と、涼子さん!」
あきらかに声のテンションが変わる。
この男、分かりやすいにも程がある。
■井戸木さいこ > 「うふふ。こんにちは。」
自分に次いでテンションを上げて声をかける様子を見れば、
振り向いた。銀髪で長い髪の少女が見える。
「ん……お知り合いさんなのかな。」
仲がいいのかな、と思えば、ちょっとだけ居心地のもどかしさを感じる。
出直そうかな、と思案した。
■雪城 涼子 > 「あ、えーっと……来島センセイ、来島センセイ。学校、学校」
思わず、真面目ぶってみる
■来島宗仁 > 「ん――お、おぅ」
そういえばそうだった。
慌ててこほんと咳払いして。
「さいこ、こっちは雪城涼子さん。昔俺がお世話になった人だ。
で、涼子さん、こっちがさいこ。新しい家族です」
男にとっては、自分の家に来る者は全て家族なのだろう。
自然に、そう紹介した。
「あれ、そういやさいこ、学校なんかに来てどうしたんだ?」
■雪城 涼子 > 「……結局、涼子さんのままなのねー。まあ、いっか。」
どうやら紹介を聞くかぎり、彼の身内ということらしい。
それならまあ、あまり問題にならないだろう。そう判断した。
それにしても、新しい家族か。本当に、人の良い子だなあ。
「えーっと、さいこさん? 雪城涼子です。よろしくね?」
まあともあれ、はじめましての相手だ。アイサツをせねばなるまい。
■井戸木さいこ > 「うふふ。気にしなくても良いのに、大事な人なんだね。」
二人を見れば冗談めかして、くすくす笑う。ちょっとだけ、羨望。
とは言え、深い関係に有ることを察せば、慎重にアンテナを張りつつ。
「う、うん。わたしは井戸木さいこ。最近先生になったばかりで、
来島先生の家にお世話になっているんだ。宜しくね、涼子さん。」
アイサツは大事である。ぺこりとおじぎをした。
■井戸木さいこ > 「あ、そうだった。
来島先生、わたし、この学校の先生になったんだ。」
胸の教員証を外して、微笑みと共に見せる。
「だから、得れたよ。表の立場。」
■来島宗仁 > うん、仲良くなれそうで良かった。
この男、とことん鈍感である。
二人の間の微妙な空気とか一切読めない。
「――って、なに、先生?」
先生になったばかりとの発言に、一瞬きょとんとした後
「やったじゃないかさいこ! おめでとう!」
嬉しそうにさいこの肩を叩く。
どんなに治しても、すぐに身を持ち崩して転落していく人間を、何人も見てきた。
だから、素直に嬉しい。こいつが、大手を振って歩けるようになったのだ。
■雪城 涼子 > 「え?あれ? さいこさん、先生?
あー……この学園、先生多いから気が付かなかった……すみません」
非礼を詫て、頭を下げる。
礼儀は大事なのである。
「…………」
(表の立場、か。またなんだか大変そうな子を引き取ったのね。
もー、ほんとそういうのが好きよねえ)
喜ぶ来島を横目に、心のなかでやや呆れ顔。
といっても、微笑ましくもあるのだが。いずれにしてもあえて口にはしまい。
■井戸木さいこ > 肩を叩かれると、ひゃっと驚く。
「うふふ。生徒よりも、教師の方が条件は楽だからね」
「教えられる技術があれば」「ある程度の来歴には目をつむってくれる。」
調子を取り戻せば、にやりと得意げな笑みを見せる。
「一応、体育と保険のアシスタントがメイン。
それと、レンジャーやスカウト基礎概論と、サバイバル基礎…狩猟学って言った方が良いのかな。今はこれらを受け持っているよ。
後、生徒指導員の立場かな。色々大変だけど、頑張ってるよ。来島先生。」
■来島宗仁 > 「……そういえば、涼子さん生徒だもんなぁ」
なんか、もやもやする。
一人だけ年を食ってしまったような、おいてけぼりのような……
まぁ、気にしてもしょうがないのだが。
憧れのお姉さんを教える立場の先生というのは、なかなか慣れない。
「おう、無理すんなよ。少しずつ慣れていけばいいんだからな。
なんか必要な物があったら言ってくれ。うちの部屋は、好きに使っていいからな」
■井戸木さいこ > 「ううん、気にしないで欲しいな。涼子さん。年だって……」
そこまで言うものの、自分をいくつといえば良いのか、悩む事に気付けば言葉を止める。
ま、いっか。と気にしない事にした。
「……」
沈黙を見て取れば考えている事はそれとなく察せる。
失言だったかと思いつつも、今は大手を振って歩ける。
だから、気にしない事にした。
「うん。そうしちゃう。
……あ、それじゃあ体育と保健の教科書の古いのってあるかな。来島先生。
今の指導要綱とは違うかもしれないけど、一応、目を通しておきたくて。」
■雪城 涼子 > 「ふふっ」
くすり、と。来島とさいこの二人のやりとりを見て笑う。
家族、か。うん、やっぱり家族っていいものだよね、と思う。
「あはは、まあ歳は……ねえ、うん。まあ気にしないってことで、はい。
でもまあ、とりあえず……さいこ先生、とお呼びすることで。」
自分など見た目相応ではないわけなので、話題にするとややこしいことこの上ない。
スルーできるなら、ソレが一番なのである。
「って、そうだった。そー……来島先生、なんだか色々あったみたいだけど、大丈夫なの……じゃなかった、大丈夫なんです?」
そうそう。さいこが自分の目的を話したことで自分の目的も思い出した。
■来島宗仁 > 「おぉ、それならちょっと待ってろ」
体育の教科書は無いが、保険の教科書はある。
棚に無造作に放り込んであった高校の保健の教科書を2冊ばかり取り出す。
「ほら。体育の教科書は家の2Fの西側の部屋の本棚にあるはずだ」
うんうんと頷きつつ。
例の話題を振られると。
「――あぁ、まぁ、なんとか。
氷架の奴も大変だったみたいで――今度、話ときます」
苦い顔をしながら言う。
■井戸木さいこ > 「うん、改めて宜しくね。涼子さん。
うふふ、そもそも乙女に年の話はだめだよねぇ。なんて。」
つられた様子で笑みを浮かべ、冗談を口にする。
「ありがとう。参考にするね。
うんうん、子どもたちや先生の居ない間の患者の応対、説明とか大変だったんだよ?
ちゃんと戻って来たから深くは聞かないけれど、来島先生、無事で良かった。」
瞑目し、柔らかい声で呟いた。
■雪城 涼子 > 「そうそう、乙女の秘密ってことですよ、先生」
冗談を受けて、あはは、と笑う。
「あー……それにしても、そっかー。
家族で先生かー。うんうん。なんだか、いいな。そういうのも」
教科書の受け渡しを見つつ、思わず口にする。
仲良き事は美しき哉、なのである。
「ん……うん。まだ詳しいところは教えてもらってないんだけどね、そっちも……
でも、氷架ちゃんのために大変なことになったっていうのは聞いてる。ごめん」
少し、表情を固くし……ぺこり、と頭を下げる。
「さいこ先生も……多分、その、迷惑をかけちゃったと思うから……ごめんなさい。」
■来島宗仁 > 「ん?」
宗仁にとっては、それが自然な事だった。
かつて、大事な人を守れなかった時。
たとえ全てが失われようとも、助けたかった。
あの後悔は、二度としたくない。
だから宗仁は、少しでも助けたければ迷わず手を差し伸べる。
「あの時助けておけば」という後悔だけはしないように。
もっとも、その助けられなかった相手は目の前に居るわけだが。
「ちょ、涼子さんが謝る事は無いですよ!
悪いのは公安の連中で――!」
慌てて手を振る。
■井戸木さいこ > 「ううん、私はそれ以上に迷惑、来島先生に掛けてるから。
それにそうでなくても、この教科書で十分お釣りが来ちゃう。うふふ。」
教科書を抱きつつ、微笑んだ。
ぎゅ、と教科書を抱きしめる。
「うふふ……もうちょっと話したい事は、あるけれど……
教科書も気になるし、それに」
小さく首を振る。
「先に家で待ってるね。来島先生。」
おどけた様子で冗談めかし、ウィンク一つをしてみせる。
そのままくるりと踵を返し、その場を立ち去るだろうか。
ご案内:「保健室」から井戸木さいこさんが去りました。
■来島宗仁 > 「あ、おい」
急に去ってしまった同居人の背中を見る。
引き止める暇も無かった。
一体、どうしたんだろう?
「どうしたのかな、あいつ……?」
きょとんと見送る。
重ねて言うが。
この男、恐ろしく、鈍感である。
■雪城 涼子 > 「……」
ああ、この子は……きっと彼のことが好きなんだろうな。
うん。とても良いことだ。そう思いながら……
って
「んー……あれれ……気を利かせてくれちゃったかな、先生……
これ、むしろ私のほうがお邪魔だったんじゃないかなー……参ったなあ……」
ぽつり、と聞こえないように呟く。
■来島宗仁 > 「うーん……?」
考えるが、理由が見当たらない。
なんだろうなぁ。
特に変な事は言ってない……
待ち合わせの時間? んー、でも、あいつに俺以外の知り合い……?
「あ、スーパーの特売かな? あいつ、今日、買い物当番だっけ」
■雪城 涼子 > 「あ、ダメだこれ。」
はぁ……と、ちょっとため息。
まあしょうがないか。しかし、彼女自身もやや鈍感であることは自分でも気がついていない。
「あー、えと。そーくん。ちょっといいかな。」
まあ気を利かせてもらってしまったのだ。当面の用事を済まさなければ申し訳ないというものだろう。
■来島宗仁 > 「あ、はい、なんでしょう涼子さん?」
やっぱりこっちの方が落ち着く。
この二人の関係性を知らない教師、生徒に見られたら確実に誤解されるだろうが。
それでも、三つ子の魂百までなのだ。
■雪城 涼子 > 「今回の件の話を聞きたいのもあるんだけれど、まあ、それは後でゆっくりとして。」
おそらく、簡単な話ではないだろう。それだけはわかっている。
それなら、こんなところで聞くわけにもいかないだろう。
「まあただ、その関聯で私も色々考えていてね。
くくるんにしても、そーくんにしても、色々頑張ってくれてるのに、私自身があまり何も出来てないじゃない?
だから、私もね。なにか始めようと思って……
それで、保健委員会に入ろうかなーって思うんだけれど……どうかなあ?」
保健委員会といえば、顧問は目の前の人物である。
となれば、聞くのは礼儀であろう。そう思うのだ。
■来島宗仁 > 「涼子さんが? そりゃあ大歓迎ですけど――」
保健委員会は万年人手不足だ。
医者の不養生とはよく言ったもので、気張りすぎて体調を崩すものまで出ている。
加えて今は常世島中がきなくさい。
人員はいくら居ても足りないのだ。
「――いや。保健委員会顧問として、歓迎するよ、雪城涼子」
そして、この男も顧問だ。
そういう所は、きちんと筋を通さなければ。
■雪城 涼子 > 「あー……結構あっさりだったなあ。まあいいか。」
今までの流れだと、反対とかされるのではなかろうか、などと色々悩んだりしたのが
やや馬鹿らしくはあったが……まあ、それはそれでいいのだろうか。と思う。
「これで、そーくんのお手伝いとかもできるかな?
今回は大分お世話になっちゃったからねー。恩返しも兼ねて何かしないと」
なので、ついでだから本音込みで付け足した。
■来島宗仁 > 「んな事気にしなくていいんですよ、俺がしたくてしてるんですから」
こちらも本音。
この男、どこまでもお人好しなのだ。今に始まった事でもないが。
「ついでに、氷架も連れて、たまにはうちに遊びに来てくださいよ。
あいつに野菜も食わせないと……」
そういえば、毎朝家まで野菜ジュースを届ける日課も復活させないと。
■雪城 涼子 > 「いやいや、そこは少しはお礼させてよ。
貰いっぱなしじゃ具合が悪いし。
遠慮せずいって。なんでもしてあげるから」
至極まじめにいう。
「あの子、あれで結構あちこち行っちゃうから……
そうね、今度連れて行くわ。」
んー……と、考えてそう返事をする。
昨今大分トラブルを抱えて帰ってくる気がするのに、よく出歩くのだ。
しかし、それを止めるのもなんだか違う気がするので実にジレンマである。
■来島宗仁 > 「なんでも……ええ、考えときます」
ん、今なんでもするってじゃない!
変な妄想が湧き出てくる前に頭を切り替える。
これでも若い男である。
「まぁ――自主性を重んじてやりたいですね。
あいつだって、遊びたい盛りでしょうし」
本当は、危ない事をして欲しくない。
だが、それ以上に、氷架には青春を謳歌してほしいのだ。
普通の女の子のように。
ご案内:「保健室」に松渓 つばめさんが現れました。
■松渓 つばめ > ノックも無し!
一枚のメモを持って、保健室の扉を開けた。「ちわちわー、でーす、来島先生、います?」
ひらりとプリーツが踊る。まだ中々元気な時間帯だ。
■来島宗仁 > 「ちょ、ノックくらいしろ!」
慌てて振り返る。
危なかった。変な発言、聞かれてないだろうな?
「なんだ、頭の病気なら薬はないぞ」
お返しとばかりに憎まれ口を叩いておく
■雪城 涼子 > 「そうよー。昔からの付き合いもあるし、生徒と先生とかはとりあえず忘れてもいいわよ」
相手の脳裏に瞬時に湧いた想像など、気が付きもせず。
なんだか付け加えた。
「そうなのよねえ……ソコが悩ましいところなんだけれど……
あの子も年ごろだしねえ……
其の割に彼が居そうでいないのよね。それはソレで心配なんだけど……っと、あら?」
そこまでいったところで、新たに部屋に来訪者が現れた。
■松渓 つばめ > 「頭てっ!」海外で言う『あっちいけ』のジェスチャーを腕全体でするようなツッコミ。
が、中に二人いるのを見て、おや、という顔をする。
「あーいやいやスイマセン先生、せっかくのシーンに」本気で言っているのではないことは、まあ見ればわかるというところか。トコトコと二人の付近に歩いて来る。
■雪城 涼子 > 「あら、怪我でもしたのかしら? 大丈夫?」
なんだか賑やかな子ね。元気そうだし、何処かで怪我でもしたのかな、などと思いながら、ちょっと心配して来訪者の少女に聞く。
■来島宗仁 > 「よし、用件を10秒以内に言うか、生活指導に通報されるか、どっちか選べ」
ぞんざいに言いながら呆れたような目で見る。
この男の本質は、このぞんざいさである。
身内と、ごく親しい人間と、薬以外にはこの扱いだ。
もっとも、生徒にはそれでも多少なりとも親愛の情は向けるのだが。
■松渓 つばめ > 「用件、ああ用件用件。」
二人でいることに話題を向けそうになった。ちょっと起こられたかな?でも内心感謝。
指をクルクルと回しながら白状。
「それがですね、さっきメッセで来島先生が学校に来てるって聞いて。
なんていうのかなー、多少心配してたもんだから確認したくなって」
嘘じゃあない。西園寺事件とタイミングが一致していて、何か不吉なものを感じた、というだけだけれど。
「大変だったんですよー、先生から薬草もらおうと思ったらいないんだもの。
自分で取りに行ったら帰りに電車まで止まっちゃって」
でも、本当に無事でよかった。告げる。学校からこれ以上『いなくなってしまった』人が出るのは切ない。
「っていうわけで、先生ここにある薬草すこし分けてもらえませんかー?」
調子よく、メモを差し出したりする。
書いてあるのは遺跡付近にあるようなもの、ちょっと使い方間違えるとシビレる代物など数種。
専門家なら荒野の辺りまで取りに行ったのが伺えるラインナップ。
■来島宗仁 > 「ん? あー……いいけど、お前、取り扱い気をつけろよ」
そこまで危険ではないとはいえ、劇物には違いない。
棚から瓶を出しながら、使い方を書いたメモを貼り、女生徒に渡す。
「おぉ、心配かけたな。
もう大丈夫だ、ぴんぴんしてっからな」
でもお前も危ない場所には近づくなよ、落第街とかな。
気軽に声をかけながら。
■雪城 涼子 > 「んー……そーくんってば、やっぱり先生なんだなあ……」
すごい勢いでまくし立てる少女を見つつ、微笑ましく思う。
ちょっと冗談めかせてはいるが、なんだかんだとこの少女も彼を頼っているのだろう。
「それにしてもたくさんねえ。薬を扱うときは、色々覚えなきゃかしら」
そう、ひとりごちた。
■松渓 つばめ > 棚をさぐっているのを見ると、興味深そうに覗きこみ、見つけたものを言葉にしたりしている。
そして小瓶を受け取ると「謝謝、謝謝~」と何かのコメディのようにお礼。
年上・目上・格上に素直になれないお年頃。
「あー。落第街はホント危険ですよね、この前もThe・キレる若者!って感じな風紀委員の先輩にひっぱたかれましたよ」
実際の現場は学生通りだが、混同混同。
「そういえば先生が無事なのわかったのは良かったけど、あの先輩は――……そーくん?」
くひっと変な笑い声が出た。猫の手を口に当ててしまう。来島教諭と少し年上に見える女学生を交互にみやり。
■来島宗仁 > 相手が礼儀がなってなくても気にしない。
自分もぞんざいに扱っているから。
目上への礼儀は、まぁ、これから自然に覚えるだろう。
若い頃は多少やんちゃでも大目に見るべき、というのが彼の心情だ。
「今はみんなぴりぴりしてっからなぁ――ってお前行ってんじゃねーか!」
しょーがねーなーと言いつつも。
そーくん、との発言を聞かれると。
(……ヤベ)
■雪城 涼子 > 「ん、ちょっと別のことを思い出して独り言しちゃった。聞こえちゃったかしら?」
しまったなー、と思いつつも表情を変えることなく、誤魔化してみる。
通じればいいけれど、さて、通じなかった場合はどうしたものかなー、などと思案する。
■松渓 つばめ > 「えー、もしかして冗談抜きで――」
不純異性交遊!!
RPGのラスボスが使ってくる必殺技みたいな熟語が頭に浮かんだ。
「あ、アタシ応援するから大丈夫ですよ、何なら誰かにバレないようにもしますしっ」
ホントホント。
生ぬるい汗をかきながら熱弁した。ここで口を封じられてはたまらない。
これぞ学園の闇ッ
「参ったなあ、ついでにお茶にでも呼ばれようかと思ってたんですけど、あはあは」
笑顔が張り付いている。
■来島宗仁 > 「ちげーよ、何勘違いしてんだ!」
まったく、厄日だ。
どー説明したもんだか。
――素直に言うしかないか。
「りょ――雪城んとことは、家がすぐ近くだったんだよ。
だから、昔から付き合いがあんの。
常世島引っ越してきたのも一緒だしな」
家族みたいなもんだよと付け足す。
もっとも、彼の『家族』はなかなか大所帯なのだが。
なお、彼女が「幼馴染のお姉さん」だった事は伏せる。
説明が死ぬほど面倒だし。
■雪城 涼子 > 「……」
あ。これ、一番厄介な誤解だ。
こういう子はきっと口が軽い。きっとおそらく間違いなく。
誤解されても自分はまあ、なんとかするとしても、流石に教員の方はまずかろう。
おや、そーくんが先に言ったね。とすると、私は……様子を見るかな。
「そうそう。幼なじみってやつ。」
最悪、もう一個のカードを切ればいいだろうか。
アレは、ここでは使わないけれど一応持ってるはず……用意しておこう。
■松渓 つばめ > 「幼なじみ」
言葉の間とか色々ツッコもうと思えばできるかもしれないけれど。
もしかしたら、不純じゃあないレベルにまで到達してるのかもしれないけど。
「なんだ――アタシ実はとんでもない事聞いちゃってこの場でうずめられるのかと」
そういった人の秘密を『その人の目の前で』握ることほど恐ろしいものはない。
胸を撫で下ろすその態度に嘘は無かった。深く息をつくと、引きつった笑いがほどけた。
「んじゃあ、良かったですね、えっと――雪城、さん。来島せんせーが帰ってきて」
■来島宗仁 > 「お前が俺をどう思ってるかはよーく分かった」
人を違法部活生か公安みたく言いやがって。
ぶつくさ言いながら瓶を仕舞う。
女生徒にあげた分を記録した。
■雪城 涼子 > 「うん、ありがとう。それは本当に良かったと思う。
死んじゃってたりしたらどうしよう、とか色々考えちゃったよ……
死ぬには、まだまだ早いと思うから、ね……」
最後は少しだけ遠い目。
「あはは、あんまり他人行儀っぽくなくてもいいよ。
多分学年的には一緒じゃないかな。私も来たばっかりだしね?」
元気な割になんだかぎこちない少女の言い様に、思わず笑う。
■松渓 つばめ > 「ヤーン来島先生、内申だけは堪忍して~なんでもしますから~ん」
前々世紀のぶりっこで空気をかき混ぜておく。いやマジすいませんした。
でも。涼子の言葉の雰囲気に、やっぱり何か一つ間違ってたら、などと埒もないことが浮かんだりするのは。
「ホントホント。良かったですよ先生。幼なじみ悲しませたら万死ですよ十三階段」
ねえ、と顔を見合わせてみたりして笑う。
「んじゃ、アタシはお先しますね。先生薬草ありがとうございます、お達者でっ」
くるっと回って。陸軍式敬礼。余計な一言を付け加えることも忘れない。
■来島宗仁 > 「アホな事言ってないでとっとと行け! 学生は勉学の時間だろーが!」
まったくと言いながらも、声は多少、優しい。
学生と益体もない話をするのは好きだ。
こういう平穏な日常、それを氷架にも過ごして欲しい。
――心の底から、そう思うから。
「怪我だけはすんじゃねーぞ!」
女生徒の背に向かい叫ぶ。
治すのは俺なんだからなめんどくせぇと、心の中で付け足した。
■雪城 涼子 > 「あはは、面白い子だなー。また会えるかな?
あ、そうそう。涼子、でいいよー。」
敬礼をしている少女に、ひらひら、とのんびり手を振ってみせる。
元気な子はそれだけで面白い。
多分、そういうのはちょっと自分とは違うジャンルだ。
■松渓 つばめ > あ、そうそう「つばめ、ね。松渓つばめ。よろしく涼子ちゃん」
キラッ。
振り向くような感じで手をふって、扉を閉めた。
で、メッセに流しておく。『来島のヤツ元気そうだった』て。
ご案内:「保健室」から松渓 つばめさんが去りました。
■雪城 涼子 > 「あー、面白い子だったなー。
と。さっきはごめん。ちょっと気が緩んでた。
自分で学校とか言っておいて世話ないわよねえ」
つばめが去っていったのを確認し……来島の方に向き直って、謝罪する。
■来島宗仁 > 「ん、あぁ、気にする事ないですよ」
何とかなりましたし、と笑う。
さて――気は進まないが。
そろそろ、この溜まった仕事を片付けないと。
■雪城 涼子 > 「さて、とー……そろそろ、仕事始めないとだよね。
なんか邪魔しちゃった感じで、ごめんね。
せめてお茶でも淹れてから退散するね……って、そもそも、お茶とかあるの、この部屋?」
なんだか物色を始める。
■来島宗仁 > 「お茶――やべ、買い足さないと」
そう、買い物もまったくしていなかった。
やれやれ、やる事は多そうだ。
■雪城 涼子 > 「だいぶ開けてたんだよね……
なんか、これひょっとして一度お掃除とかした方がいい……?」
んー……?と、色々眺めて唸る。
元主婦としては気になることがあるらしい。
■来島宗仁 > 「あー……他の保険医も居るんで、掃除とかはまぁ、大丈夫だと思うんですが」
私物の管理は保険医それぞれで行っている。
そこらへんは買い足さないと。
「ちょっと買い物に行くとしますか」
そう言って立ち上がる。
書類の山は、あとだ、あと
■雪城 涼子 > 「ついて……いくと、それこそちょっとアレかな……
まあ保健委員のお手伝い、なんて名目ならいいのかしら。」
んー、と。先ほどの失敗があったからか、ちょっと慎重に考えていた。
「あはは。いっそ、大きな買い物とかは今度おめかしして私ってわからないくらいにして一緒に行ってみる?
一応、大人っぽい方の私服とかも持ってきてるし」
まじめに考えたのだろうが、なにかズレた提案をしていた。
■来島宗仁 > 「――なるほど、おめかしして一緒に、ですか」
折角、買い物とはいえ一緒に出かけられるのだ。
機会を逃すわけにはいかない。
男は欲望に正直なのだ。
「いいですね。買い物だけじゃ味気ないですし、食事と映画でもつけて……」
あれ、これデートじゃね?
そう思った時には、既に口に出した後である。
■雪城 涼子 > 「流石に学生だとあんまり出来ないけれど、割と真面目にやればかなり変わるのよね。
ひょーかちゃんとかでも、パッと見だとわからないかも」
積み重ねたものが違うのよ、などと無駄に偉そうであった。
「ん、ああ。それも楽しそうね。そういえば最近映画とかも見てないしなあ。
別にそれでもいいよー」
おそらくは、来島の脳裏に走った思考など思い当たりもせず、割とあっさりOKする。
■来島宗仁 > 「じゃ、じゃあ今度の休みにでも……」
落ち着け。俺だっていい年だ。
デートのひとつやふたつくらい何だ。
確かに涼子さんとはまともにデートとかした事ないけど!
かなりぎこちなくなりながらも、なんとかデートの約束を取り付けようとする。
■雪城 涼子 > 「うん、いいよ。そーくんの方が忙しいと思うから日にちとかはそっちにあわせる。
そうなると、細かいこともそーくんにおまかせの方がいい? 忙しいのに仕事増やしちゃうかもだけど……」
一緒にお出かけなんて、久しぶりだなあ、などと割とのんびり考えながら。
そういえば、いつもは大体氷架ちゃんと一緒だったかな?
■来島宗仁 > 「ん、じゃあ、決まったらお知らせしますよ」
心の中でガッツポーズ。
今の我なら天をもつかめるぞ!
で、表はそんな表情見せずに、そそくさと書類を広げはじめる。
だめだ、まだ笑うな……!
■雪城 涼子 > 「うん、よろしくね。
じゃあ、そろそろおじゃまにならないように行くねー」
ひらひらと手を振って、出ていこうとして……
「ああ、そうだ。そーくん。
お家かえったら、さいこちゃんとゆっくりお話してあげてね。
あの子、多分気を使ってくれたと思うから」
最後に、ちょっと引っかかってたことを伝える。
■来島宗仁 > 「はい、また……」
と、浮かれていて忘れていたが。
そうだ、さいこ。何か様子がおかしかった。
「はぁ、分かりました」
気を使った?
何にだ……?
■雪城 涼子 > 「家族なら、ちゃんと大切にね。
変に遠慮させちゃダメよ?
うん、それじゃ、またね」
改めて、手をふって保健室を後にした。
■来島宗仁 > 同じく手を振り、見送る。
「――さてと」
そして来島は、書類の束と格闘をはじめた
ご案内:「保健室」から雪城 涼子さんが去りました。
ご案内:「保健室」から来島宗仁さんが去りました。