2015/06/16 のログ
志葉恭介 > そうかね。
有能と聞こえの高い先輩からの覚え目出度くて光栄と言った所か。

【皮肉を返し、どっかと腰を掛ける。すぐさまうどんを啜りあげつつ、つと視線を上げれば彼の粘着くようなそれとかち合う】
【今日ばかりはじろりとその瞳を覗き返し、本題を切り出す】

《害来腫》とか名乗るあいつ。
一体如何する積りなのか、俺には聞く権利があると思うのだが。

『室長補佐代理』 > 「ああ、元同僚の話か」
それを聞けば、視線を珍しく男から外し、手元の課題に戻す。
そして、対面から降り注ぐ物騒な眼光を余所に、そのまま話を続ける。
「どうにもならんさ。
アイツは詰んだ。それはアイツ自身が一番よくわかっている。
故に、この話はそれで終わりだ。
君が気を揉む事は何もない」

ご案内:「食堂」に鬼道椿さんが現れました。
鬼道椿 > いつもは屋上で軽く済ませていたが気分転換に訪れた食堂で好物のきつねうどんを頼み
表情には出さないものの嬉しそうに席を探す

人はまばらだが席が空いているほどでもなかった
ふとザンバラ髪の男と目が合う

「相席いいかな?」

志葉恭介 > 【視線も合わせずにそう話を切り上げる『室長補佐代理』の態度に露骨に眉根が寄る】
【詰んだ、という言葉のニュアンス。つまる所それは】

誰もが黙認できる範囲を超えた、そうが故にこの学園組織の総意が彼奴の排除を望んだ、と?
……冗談ではない。

【そう吐き捨てるが、それを今更目の前の男にぶつける不毛が分からぬという訳ではない】
【長く息を吐き、再びうどんに手を付ける。持って行きどころの無い感情に処理を着けるかの如く】

死ぬかと思う目に遭った。納得いかん事もある。
だがまぁ、それをあんたにぶつけるのは筋が通らぬというものだったな。

『室長補佐代理』 > 新たに現れた少女を一瞥すると、じわりと微笑んでから左手で志葉の隣を指差す。
純銀の指輪が、鈍く輝いた。
「どうぞ。俺は構わない。彼も恐らくそれを望んでいる」
そういって、少女を誘ってから、志葉に向き直る。
「何が納得いかんのだね、志葉君。
ごく当たり前の結果になっただけじゃあないか。
それが何か不満でも?」

鬼道椿 > 「それでは失礼するよ」
そう言って志葉の隣に座りきつねうどんに一味を振りかけて
頂きます、と手を合わせた
つるりとうどんをすすり口元を緩ませる
うん、私好みのつゆだ。これは嬉しい

何か話し合っているようだが…一人は公安、か
最近よく見かけるが公安委員会はこの学園ではどれくらいの規模の組織なのだろうかと思考を巡らせる

志葉恭介 > ……此方は別に構いはしない。

【おあげを食い千切り咀嚼して、少女に対し無愛想に告げる】

その、当たり前の結果を迎えるまでに払った犠牲の話だ。
あんたらの上は一体何を考えている?
元ロストサインの異常者が虎の威を借り大手を振って横暴を働くのを見て見ぬ振り、いざ事が起こってから慌てて切り捨てるという過程は大勢が納得するものとは言えまいよ。

【そこまで捲し立てて、麺の無くなった丼を持ち上げ残ったつゆを啜る】
【下げられた丼に視線を落とし、渋面】

味濃いなこれ。

【うどんのつゆは関東風であった】

鬼道椿 > うどんを楽しみながら二人の会話に聞き耳を立てる
以前風紀委員から聞いた剣鬼の話題でも出ないかと思ったがどうやら別の異常者の話らしい

「私はこれ位濃い方が好みだが、出身は関西の方なんですか?」

うどんの話が出た途端思わず口を挟んでしまった

『室長補佐代理』 > ペンを一度も手放す事なく、作業を続けながら、志葉の叱責をただ聞く。
鷹揚に頷き、普段と変わらぬ微笑を浮かべ、ただ聞く。
そして、志葉がそう汁の好みに文句をつけたところで苦笑交じりに頭を振る。
「さぁな。『上』が何を考えてるかなんざ俺にはわからんさ。
分かったところで、それに必要以上に反駁する奴はそもそも『公安委員』に向かない。
つい先日『処分』された誰かのようにな。
さらにいえば、ロストサイン幹部の件は所詮はどれもこれもが単独の異常犯罪者だ。
それ以上でもそれ以下でもない。
それを取り締まるのは本来は我々ではなく、風紀の仕事だ。違うか?」
そこで初めて一瞥を返して、じっとりと笑った。
「かといってただ手を拱くつもりもないのはお互い様ではある。
だからこそ、『退魔師』がそうやって二人そろって俺に接触を持ってきたんじゃないのか?」
そう、口元だけを歪めて尋ねる。

志葉恭介 > 出身は東京だが、関西住まいが長くてね。
と言っても山猿のような生活だったから、地理には疎いのだけれど。

【尋ねられた出身についてそう応える。してみると彼女はうどんをだしではなくつゆと呼ぶ文化圏の人間か】
【次いだ男の話には肩を竦め、皮肉っぽい笑いで】

よく言う……風紀も公安も『適度に』睨み合うのが最も優れた次善だと考えているのだろうに。
漏れた所に我々のようなのの出番があると言うのは否定せんがね、それならそれと、最初から……

【だが、彼の常の笑みを交えて言われた言葉には首を傾げた。自身はともかくとして】

……二人?

鬼道椿 > 全部お見通しだったか、とため息をつく
「鬼道椿、最近この島に来た新参者だ。よろしく頼む」
「察しの通り私がその二人目だ」
「最も私はその・・・ロストサインと言うものには興味はない、別件の話をしていればと思って聞き耳を立てていたのだが」

『室長補佐代理』 > ニヤリと滲むような笑みを深め、静かに頷く。
「すまんな、二人とも。仕事柄、こういう『不躾』も多くなることも俺は多くてね」
そういって、ノートに書き込みを続けながら左肩だけで肩を竦める。
「まぁ興味がなくても向こうから厄介事が舞い込んでくるのがこの島の良い所だ。
そのうち調べてみるといい。して、別件の話とは何かな?」

志葉恭介 > 【ふん、と鼻息を一つ。この件に関してはそもそも八つ当たりも良いところである】
【……とは言え。己が追わずとも既に件の凶手に追手が掛かっている事が知れたのは僥倖ではあった】

……まぁ、アレを殺し切れぬのは俺の未熟だ。
狩り逃しは矜持に反するが……これ以上は学園の法治機構に任せるとする。

【話はそれで終わり、と茶を啜るが横の少女の名乗りには思わず感嘆の吐息が漏れる】
【退魔師であれば誰もが知る、スタイルを評するに酔狂とすら言える印象を、確かな実力でねじ伏せる勇名を持つ家系――】

『鬼沈(おにしずめ)』、『業魔太刀(ごうまだち)』の鬼道家の者か……!

【歴史の裏で闇を払い、門が開いて以降は表舞台に立って魔を討つ退魔の者たちの間でも賞賛を以って語られる異名を口にして】

鬼道椿 > 「不躾は私の方だ、素知らぬ顔で盗み聞きをしていたのだからな」
それもうどんを食べながら、と油揚げを箸でつまみ口に運ぶ
濃い味のつゆが口に広がり嬉しそうに口元を緩ませた
「人伝に聞いた話だが最近落第街を中心に剣鬼・・・もとい人斬りが出没しているとか」
「本職とは別だが・・・どうも気になってね。こう言うと怒られるかもしれんが剣士としての血が騒ぐ」

志葉の腰に下げたリボルバーを一瞥する
「銃器を術式に取り入れ近代化に成功したと名高い志葉家に比べればカビの生えた剣法家集団だよ」

『室長補佐代理』 > 「互いにやはり自己紹介は必要ない仲だったようだな」
苦笑交じりにそう呟いて、一度ペンを置くと、すっかり冷めた缶コーヒーを飲み干す。
「まずいな」
そう、至極当たり前のことを言ってから眉間の皺を左中指で解し、溜息をついた。
「剣鬼か。まさに、今話していた元ロストサイン幹部の1人に心当たりがある。
名を、東郷月新。
最近、路地裏での辻斬り騒ぎは奴が関わっているとは話に聞いている」

志葉恭介 > ……三代前が趣味人だったというだけの話だ。
その刀に浮くのがカビや錆だとは、話を聞いただけではとても思えんね。

【掛け値なしの賞賛であった。ともあれ、初見である事に代わりはない】

まぁ、と言っても互いに話に聞いただけというものでね。
改めて自己紹介させて貰おう。”志葉式”第十九代、志葉恭介だ。よしなに。

【脱帽して礼を一つ。剣鬼、という言葉。次いだ男の説明には首を捻る】
【……尤もその発言は少年の外見をして「お前が言うな」と言わしめるものであろうが】

……辻斬りとは。時代錯誤な……

鬼道椿 > 顔も性別も知らない鬼の名を知る
「東郷月新…」
その名を呟き何度も口の中で反芻する

剣鬼 東郷月新

業魔に向ける情念とはまた別の感覚、鉛を溶かしたような鈍い熱が胸を支配する
顔も知らぬ悪鬼に対し思いを馳せた――恋にも似た甘い殺意

刃を打ち鳴らし誰よりも深く交わりたい
言葉を交えずどれだけ語り合えるだろうか

「ほぅ…」

艶めいたため息を漏らす。齢16には不相応な色気を帯びていた

「・・・・・・・・・・・・ゴホン、まぁ名前が分かっただけでも大きな進歩だな」

謙遜を言う、その趣味人が構築した理論は大きな流れを作った
札や弓・刀を用いて単騎妖魔に立ち向かうそれこそ時代錯誤な戦い方を過去の遺物へと追いやる流れだ

銃と術の融合

組織的な戦いにおいてこれほど強力なものは無いだろう
実際に軍部でもこれを取り入れ本土の防衛の主力となっている

「遠巻きに十八代目の戦いぶりを見たことがある。」
「父が絶賛していたよ、あの稲妻を帯びた刃は素晴らしいと」

『室長補佐代理』 > 僅かに頬を染める椿をみて、男はまた殊更深く笑う。
男も多少ではあるが武道を嗜んではいる。
故に、その笑みも、その喜悦も、全く分からないわけではない。
故に……笑うのだ。少女の色を帯びた殺意を見て。
「まぁなんにせよ。必要な情報になったのなら僥倖だ。何かと『期待』はさせてもらうよ」
そう、意味深に嘯き、手元の教科書をめくり、ペンを持ち直す。
「しかし、同業者には殊更モテるようだな志葉君。
君が楽しそうにしゃべっていて何よりだ」

志葉恭介 > 【先代に関する評を聞けば、首を横に振る。十六代目が作り上げた戦技をより合理によって立つ昇華をし果たし、最早単身切り込んでの退魔を否定し、組織による蹂躙を佳しとする】
【だが己は誰よりも先陣に立ち魔を殺し尽くすその在りようは確かに帝都守護の一翼を担う退魔師に相応しいものであるのかも知れないが――】

――アレは魔人の類いだよ。
魔を狩るという機能に特化した人の形をした兵器だ。

【少しばかり物憂げに、実の父についてそう語る。が、初対面に言う話ではないと思い直し、咳払いを一つ】

ま、そんな事はどうでもいいのだけど。
物騒な事物には事欠かんが、気をつけて損ということは在るまい。
君の業前を疑う訳ではないが、本土と比して表通りが平和な分、裏はその澱が凝縮されていると言っても良いのがこの島なのだから。

【つくづく理不尽で不条理なものだ、そう話を区切り……】
【焦がれるような鬼道の娘の表情に頭を振って、『室長補佐代理』にジト目を送る】

俺だって共通の話題がある相手、況してや高名を噂に聞いた人との歓談ともなれば舞い上がる。
俺本人を彼女が如何に評するかは、今後次第であろうしね。

鬼道椿 > 「確かに路地裏に一歩踏み込めば酷いものだな、ここは」
影に渦巻く悪意、そしてそれを糧とする者たちを思い出し笑う、人も怪異もここは選りすぐりだ
「しかし心配は無用だ、むしろ気を張りすぎて風紀委員に二度も睨まれたよ」
「どうも私が気を付けると相手を刺激してしまうようだ」
「だから少し、気を抜くことを学んだよ」

「さてと、私はこれでお邪魔するよ。」
「聞きたいことも聞けたし。いい出会いもあった」
「また一緒にうどんでも食べましょう。志葉殿」
「そして公安委員殿。」

そう言ってお辞儀をして席を立った

ご案内:「食堂」から鬼道椿さんが去りました。
『室長補佐代理』 > 「まぁ適度な脱力は武道の基本でもあるからな。努々気を付けていけばいい。
食事については機会があればとはいっておこうか。それでは――良い仕事を」
そういって、椿を見送り、志葉に視線を戻す。
「共通の話題以外でも盛り上がれそうな子じゃないか。
先輩なんだ、しっかり面倒をみてやれよ? 志葉君」
そう、じっとりと笑う。

志葉恭介 > 【お辞儀には鷹揚に手を振る。高名なご同輩と言えどこの島に居る以上、学友である事に変わりはない】
【故に賞賛も卑下もこの場限り。次に出会った時は、極普通に言葉を交わすのだろう】

……さて。同年代の女子と軽妙洒脱に話す事程難しいものもそう在るまいよ。
彼女が求めるのなら手も引こうがね、後輩を導くのが向いているとは自分ではとても思えない。

【湯のみの茶を飲み干し、席を立つ。じきに午後の講義が始まる時間だ】

不躾な物言い大変失礼――っと、あぁ。
落第街の火事続き、ありゃどうにかならんものか。
うちの事務所まで燃えるんじゃないかと気が気じゃない。またぞろ風紀に言えと言われそうではあるがね。

【それだけを言い残し、少年は食器返却口の方へと歩き去る】

ご案内:「食堂」から志葉恭介さんが去りました。
『室長補佐代理』 > 「本来うちの任務は監視と調査なもんでね。執行を俺に求めるのはお門違いだ。
まぁでもそうだな……『調査』なら、そのうちしておこう」
 
目を細めて、そう背に嘯きながら見送る。
そして、手元の課題に目を落として、静かに呟いた。

「もっとも、こっちが片付いてからだがな」

ご案内:「食堂」から『室長補佐代理』さんが去りました。
ご案内:「保健室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
蓋盛 椎月 > 「~♪」

(洗ったワインボトルに、先日もらった薔薇を飾って棚に置く。
 なんでも枯れない薔薇であるらしい。
 処遇に悩んでいたが、ここに飾って目の保養にするのが一番だろう。)

(あの時は色々と圧倒されていたが、
 美形に花を贈られるというのは悪くないものだ。
 少しばかり口元が緩む。)

蓋盛 椎月 > (保健室というのは自分の部屋ではないが、
 ほとんど自分の城のようなものだ。
 観葉植物を飾ってみたり、レイアウトに拘ってみたり
 “それっぽさ”を演出するのは結構スキだ。)

「フンフンフーン」

(鼻歌を歌いながらパタパタと棚の埃を払う。
 デスクに万年雪のごとく積み重なり、溶けない仕事からは
 目を背けて……)

蓋盛 椎月 > (小腹が空いたので、コゼットの部屋から持ち帰った謎ジャーキーを
 もさもさと食む。彼女はどうせ喰わないらしいので問題ないだろう。)

(食べながら、花の贈り主――ウェインライトのことを思い出す。
 彼[便宜上の三人称]は自分を美しいと評した。)

(ともにワインを空けたコゼットのことを思い出す。
 保健医は天職なのではないか、と言った。)

(自分が一番次男ではあるけれど、
 それには同意しかねている。)

蓋盛 椎月 > (……優しくするなんてことは、
 誰にでもできるからだ。)

(二度、顔を合わせた相楽のことを思い出す。
 彼のようなものを救うには、
 優しさだけでは足りない。
 時間と……もっと色々なものが必要だ。
 それを齎すのは自分ではない。領分というものがある……)

ご案内:「保健室」にコゼットさんが現れました。
コゼット > 「失礼します。」
保健室の戸を開け、帽子を引っ掛けながら入る。
…今日は居るようだ。
大体はどこかをふらついているのか、もぬけの殻だから。

蓋盛 椎月 > 「よっす、コゼっちー。
 また怪我でもしたかい?」

(軽く手を挙げる。いつも通りの気安い笑みを浮かべて応答。
 デスクの椅子に座って、例のジャーキーの袋を膝に置いてムシャムシャと食べている。)

コゼット > 「まぁ、サボり目的では来ませんよね…。
実技の最中に指を切ってしまって。絆創膏でも貰えればと。」
近くに来て手のひらを見せると、指の先に赤い雫が。
以前の事に比べたらとても小さい傷だが、放置するより応急処置は必要だろうか。

蓋盛 椎月 > 「神聖なる保健室にサボり目的で来る、だなんて!
 そんな恐ろしい話あってはたまらないよ!」
(死ぬほどわざとらしく、両手を胸の前で合わせて)

「……ってボケてる場合じゃないな。
 巻いて差し上げましょう、お嬢さん。」
(笑って手を取ると、指先用の独特な形状の絆創膏を取り出して
 きれいに貼ってやった。)

コゼット > 「貴女が言いますか。」
その背後にある大量の仕事に目を細めながら。
これはすぐには終わらないのではないだろうか…。

大人しく絆創膏を貼ってもらう間、神妙な顔で口をを開く。
「…あの。この間部屋に来た時ですけど、私何か失礼な事言ってませんでした?
後の方がちょっと、記憶が曖昧で…。」

蓋盛 椎月 > 「失礼なこと?」
(きょとんとした顔で、天井を仰いで数秒。
 ……本気で思い当たりがないことが伺える。)

「別にそんなことはないけど。
 ……むしろかわいかったよ?」
(目を細めてニッコリ)

コゼット > 「…そうですか。」
記憶にないというのは恐ろしいものだ。
何かあっても、それに最適な答えを出す事が限りなく難しくなるのだから。
そんな事はないと言われれば、少し安堵する。

「可愛いって……それはいつも言っているじゃないですか。
…なんですかその笑顔は!逆に怖いんですけど。」
どの事を言っているのかまるでわからない。そうゆう事を意識してした覚えはないから。

蓋盛 椎月 > (一般的な常識に照らし合わせると
 自分のほうがよほど失礼な行為をしていたし、
 本当に覚えていないのだな……と蓋盛は思った)

「昨日のあれは……そうだね。
 この子は丁重に、絹にそっと包んで
 お守り差し上げなければ……そう私は思ったよ」
(穏やかに微笑むばかりで、具体的なことは何一つ口に出さない)

「ああ……一応言っておくけど、
 あたしが《イクイリブリウム》で記憶を消した、
 なんてことはないから安心してね。」

コゼット > 「私は子供か何かですか。」
朝起きた時はそれは驚いた。
頭痛を抱えながら目を開けたら蓋森が寝ていたのだから。
ぐっすりと寝ていたその顔は、確かに彼女が言うように可愛かったかもしれない。
口を開けばこんな調子だが。

「そうゆう使い方をするとは思えませんけどね。
保険医の仕事ぶりを見ていると、悪用しているようにはとても見えませんし、今後も無さそうに見えます。」
ある意味では信頼していると言える。

蓋盛 椎月 > 「子供というか……」
(萌えキャラというか。)

「コゼっちは人が良すぎるんじゃない? そこがいいところなんだけどさ」
(苦笑して)
「君の知らないところでは、幼気な若者を誑かして食っては
 記憶を消して放り出しているかもしれないよ。
 ……信じるというのは容易いことかもしれないがね。
 人間というのは、関知しえぬ所では信じられないぐらい
 邪悪に振る舞うこともあるんだ」
(そして《イクイリブリウム》は『関知しえぬ所』を
 容易に造りだすことができる異能である)
(唇は吊り上がっているが、目が笑っていない)

コゼット > 「そう、言われても…。
そんな事言ったら、誰も信じられないじゃないですか。
そうゆう所は、あるかも知れませんけど…。」
思った以上に悪い人だろうか?でも、見えない所を考え予想してもそれが本当かどうかは実際に目の当たりにしなければわからない。

ワインボトルに飾られた花を見る。
「…そんな人が、あれを取っておきますかね…。思い出になりそうなものを。」
丁度花瓶代わりに欲しかっただけかも知れないけれど。

蓋盛 椎月 > (ふ、と息をついて、再び目を細める)
(少ししゃべりすぎてしまったかもしれない)
「ごもっともだ。悪いね、コゼっちを困らせてみたかっただけさ。
 からかったり説教したりするのが趣味でね。忘れてくれ。」

(ワインボトルを見て)
「ん? あれ? ちょうど花瓶が欲しかっただけだよ」
(あっさりとそう言った。)
「小ぶりな空き瓶ってかわいいだろう?
 ついつい並べて保存して悦に浸りたくなってしまうんだ。
 ……置き場所がないから、普段はすぐ捨てるんだけど」

コゼット > 「…ふむ。」
からかったりするなんて、いつもの事だけど。

「私は楽しかったです。またやりたいですね。…記憶が曖昧なのは、ちょっと勿体無かったな。」
そう言えば言い忘れていた。
部分的には忘れてしまったけれど、次は自分がちゃんと見たものとして記憶に残したいと思ったから。
…つまりは、お酒を控えようという事だ。

「サイズ的には丁度いいですね。
…すぐには捨てない位には、良いものですか?これは。」

蓋盛 椎月 > 「楽しかった? そう。あたしもとても楽しかったよ。
 次はどんなお酒がいい? 自家製梅酒とかもいいかなって思ってるんだけど」
(察せていないのか、無視しているのか)

「そうだね。いいものだよ。少し名残惜しくなるぐらいには。
 あれは枯れない薔薇らしいから、しばらくは残るだろうね」
(終始笑顔を崩すことなく)
「あたしは思い出はあんまり取っておかないほうなんだ。
 荷物が多くなると、なんせ肩が凝るからね」

コゼット > 「あ、あんまり酔わないやつで…。」
言わなければ伝わらないか。お手柔らかに、とやや困った表情。

「枯れないバラですか…。今の時代魔法で保護するようなものもありますから、長く見れるのは良いですよね。
肩が凝ったら揉んであげますよ。でもまだそんな歳にはみえませんけど?」

蓋盛 椎月 > 「オッケーオッケーわかったわかった!」
(わかってなさそうな表情)
(言ったところでこうである)

「言うじゃない。別に今揉んでくれたっていいよ~。今はこってないけど。
 ……でもずっとコゼっちに揉んでもらうわけにも行かないからね。
 旅はまだまだ長く続くから。
 コゼっちが一生揉んでくれるって言うなら、話は別なんだけど」
(冗談めかして)

コゼット > (…わかってないな、これは。
水を飲むという大事な事を忘れないようにしよう。)

「別に構いませんよ?これのお礼もありますし。」
見せたのは、さっき指に巻いてもらった絆創膏。
「それって何時まで教師してますか?…ま、そうゆうのも悪くないかも知れませんけど。」
冗談には冗談で笑って返す。深い意味はないし、真にも受けないだろう。
むしろ、この位で言い合うのが丁度良いのかもしれない。

蓋盛 椎月 > 「そう? じゃあ喜んで……
 と言いたいところだが、遠慮しておこう。
 ……いつまでもこんなところで油を売らせるわけにもいかない。
 ヒマじゃあないんだろう? あたしと違ってさ」
(壁の時計をチラリと見て)

「それに礼なら、とっくに受け取っている」
(気障に微笑んで)

「どうかな。ここには根を張ってもいい気はするけど
 やっぱりどこかに旅立つかもしれないな。
 どっちも楽しそうだけど」

コゼット > (釣られて時計を見る。確かに少しのんびりしすぎたか。)
「…そうですね、戻らないと。先生も、大量のお仕事が残っていますしね。
気が向いたら、いつでも。」
何かをあげた覚えはないけれど。…この量1日で片付くのかな、これ。

「先の事なんてわからないですよ。でも当分は保健室の先生をやってるんじゃないですか?楽しんでそうですし。」
席を立つと振り返り、戸を開けて外へ。

「それじゃ。ありがとうございました。」
笑顔で軽くお辞儀して、保健室を後にする。

ご案内:「保健室」からコゼットさんが去りました。
蓋盛 椎月 > 「おう、まったねー」
(鷹揚に手を振って見送る)

蓋盛 椎月 > (一人残されて、“枯れない薔薇”に目を向ける。
 “永遠”などレトリックの上にしか存在しない概念だ。
 いつかは朽ちるいつかは果てるいつかは終わる……。)

(今の自分はすべてを忘れて投げ出しているのではないかともたまに思う)

(けれどもう少しの間、そう、当分は
 甘やかな安寧に浸っていてもいいのではないか)

蓋盛 椎月 > (……ひとまずは、この小さなサボリを中止しよう)
(ジャーキーの袋を閉じて、再びデスクに向かう)

ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
ご案内:「屋上」にジブリールさんが現れました。
ジブリール > 【何時の間にやら、と申しましょうか。夜更けにひそやかな散策を楽しみにして歩き回っていたらこんなところに出てしまいました。
 いえ、こんなところというのは失礼でしょうか。】

「――すん」

【鼻腔を擽る花の匂いがした。ここには初めてきたけれど、庭園も兼ねている場所らしい。白杖をつきながら散歩を愉しんでいる。】

ジブリール > 【杖を突きながら鼻歌なぞ歌ってみる。今日放送部が流していたうろおぼえの曲をなんとなく再生してみる。】

「―――♪」

【口元を笑みで歪ませて、さも『愉しそうに』している。それでも足は踏み外さず、異物があればそれを避ける。屋上の一角、庭をゆっくりと歩いていた。】

ご案内:「屋上」に間黒 黒助さんが現れました。
間黒 黒助 > 夜陰。
諜者のうごく時間だった。
遠くからばたばたと何かがはためく音がして、黒い外套を羽織った者が三人、ほぼ目の前に降り立った。
ずいぶん遠くから翔んできたのにも関わらず、布が地面に落ちたかのような静やかさである。

「…………」

彼らはいずれも誂えたような同じいでたちをしていた。
それらがじっと、ジブリールのほうを見ている。

ジブリール > 【カツ―――】
【風の向きが変わりました。自然に吹いたものにしてはまぁ、とてもとても違和感を覚えるものでしたが。
 ご丁寧に遠くから飛んできた気配は知れず。止まり木なのか、出向いた方々か所以は知りませんけれど。】

「まぁ、黒い色が見えますわ。3つも」

【そんなのんきなことを呟いて、周囲を見渡していた。彼ら、また彼をぼぉんやりとしか捉えることはできない。】

間黒 黒助 > (目撃されたぞ)(落ち着け。校舎内だ)(目を不自由しているらしい)

影たちは短く何事かを話し合った。
ひとり、光るような白い肌をした少年が何か呟くと、のこりの二人は遠くへと翔んでいった。

(この場はごまかす。予定を遵守)

「花が好きなのですか?」

少年は、なにも脈絡のないことをジブリールに尋ねた。ふたりが翔んだ風で、紫陽花の花弁が舞っている。

ジブリール > 【2つ飛び立つ音が聞こえた。けれどそれに意識を介する理由は無い。なぜなら見えぬものを追いかけたところで無駄だからだ。】
【影たちのひそやかな話し合いは理解に及ばず、それでも一人がこちらにいらっしゃるなら歓迎しましょう。】

「――ふふっ」

【色素の薄い唇を震わせて嗤っておりました。紫陽花が舞い散る。娘の目には、紫と青が揺れているように見えました。】

「えぇ、特にこの時期に咲く花は。わたくし、雨のにおいもスキでしてよ」

【それに応じて、娘もこの話に乗った。「あなたはいかが?」逆にそう問うてみましょう。】

間黒 黒助 > 少年がジブリールの貌に目を向ける。見えていないからなのか、見えていてなのか、いささかも狼狽した様子はなく。
庭園のなかの風姿は一枚の絵画のようにおさまりがよい。

「雨に、匂いがありますか? 雨は、匂いを消すものだと思っておりました」

「花……花とは儚いものです。ふた目と見てもらうために、美しく形を作り、自らの種子も、己の力で運ぶことができない」

ぶちりと、花壇の中から一束を抜く。

「そして、一切の力に抗えない」

ジブリール > 【悠然と佇みますこの娘は、突然屋上に現れた殿方の御声に、異質――というよりは、少しノスタルジックな様相であろうと構わないというよう。
 ただそこにあるかのよう、静かに黒き青年を受け入れておりました。】

「はい、こう見えないといろいろなものに匂いがあることが分かります」

【娘は包帯に指を当てて、そう、と這わす。】

「よくお日様のにおいがする、というでしょう。それが仮令ムシの死骸であったとしても――においはにおい。様々な形でそれらは付随します」

【娘は淡々と述べて、手近にある紫陽花の花に指先を這わした。くすぐるように、悪戯な指先を。】

「それでも花は人に愛でられる。花は人間が気付かないところで頑張っている、縁の下の力持ちですわ。抗えなくても、そこにしっかりと根を張って立っている。」

間黒 黒助 > 「見えないのですね」
「花が好きと申されるので、色も形もわかるものかと思いました」

少年が手を開くと、はらはらと千切り取った花束が舞い散った。

「日の匂い、というのも私は感じたことがありません。虫の死骸うんぬんという風説には、ちょっと個人的な疑問もありますが」

「花は姿と形で、人に愛でられ、生存を保証されている。それも強さだと、おっしゃるのですね。理解できます」

少年は一人合点した理屈を述べる。

「貴方はどうなのでしょうか、花のような仁」

ジブリール > 「――見えずとも見えていますよ」
【"今"こうして眼を覆い隠していようと。花びらの形から想像もできる。】

「勿論あなたのことも。黒色の方」

【紫陽花に触れた指先をそっと離した。】

「そうですわ。人から寵愛を受けて生かされている状態も"強さ"ですが、見えぬところで努力をしている良い子達でもあると思いますわ」

【万人様々。白杖を両の手でしっかりと持って、声のする方向へ、黒いお方へと近づく。】

「――この花たちと同じです。私は生かされてはおります。一人では何も出来ない花ですわ。でも」

【目の前にたどり着くことが出来たなら、そこで歩みを止めましょう。】

「よもやその花には棘や毒があるかもしれませんわ」

間黒 黒助 > (…………)

一歩ずつ近寄ってくるジブリールを、じっと見つめている。危険は感じられない。
それはそうだろう。この場で危険をもたらすとしたら、彼のほうだ。

「黒色の方とは、ずいぶんざっくばらんな呼称をされました。まァ、名乗れもしないのですが」

学帽の鍔に手をかけて、目元を隠した。目の前にまでくると、あまり身長差もない。

「風です。風が花弁を撫でていったとお考え下さい」

元より、何もするつもりはなかった。言外に脅せば、萎縮して記憶から遠ざけようとするかと思った。
目の前の令嬢は、想定していた以上の奥深さを見せた。となれば、懇願するほかに手はない。

ジブリール > 【無論、娘は殺気を隠す等々、そんな芸当が出来る力も無い。もとより自身の力など殆ど持ち合わせていない。】

「名乗ってくださらないのですか」

【少し残念そうに肩を竦める。口があると思われる場所を、包帯に隠された瞳で注視する。
 何も見なかったと――】

「柔らかくて、お優しい風もあったものですね。もう春は過ぎましたのに。春風なら悪戯のひとつほど、していただいても良いものでしょうけど」

【戯言を述べた。懇願に対しては、ある種の同意であろう。黒色の"春風"に対しての、ささやかな要求。9割面白みを期待してのご反応。】

間黒 黒助 > 「風ですからね」

それが名前だとでも言うようだった。
包帯のなかに隠された瞳は、しっかりとこちらを見据えているかのようである。何も見えずとも、見える。その言葉を確かめるように。

「春の風は人に魔を刺すようなところがありますが、私はその類ではありませんので」

少年は終始、無表情だった。ひとつの懸念に確認が取れると、もう用がないと言うかのように、ツツと歩き出した。

「では、夜の散歩を楽しまれますように」

ばっ、とゆるやかな風が巻き起こり、少年の影は、天空にみるみるうちに小さくなっていった。

――見えぬところで努力している花たち。その強さ。飛翔している最中、その言葉を何度か反芻した。

ご案内:「屋上」から間黒 黒助さんが去りました。
ジブリール > 【戯言にも淡々と返した反応は――大方予想通り。何かをしに来たらしいようで、娘に手を出さず動いたのは、はてさて。】

「……お邪魔だったでしょうか」

【口元に手を当てて、そんな風に一言。風は意図した悪戯などなく。歩き出した風の向きと、緩やかな風に衣と髪が緩やかに跳ねる。
 悪戯に対して期待してたわけでもなく、何もせず、何も目的を果たさず、そちらへ歩むなら、そうして消えた後に。】

「黒い風さん、さようなら」

【闇夜の彼方に消えた"風"さんに一礼をする。そんなもの見えているはずが無いのに。
 ――見えずとも見えている。自分が言った言葉。そうかもしれないけど。何にせよ娘の言葉は憶測の域をどうしても抜けないのです。】

「ではお言葉に甘えて、もう少し愉しみましょう」

【数度舞い散って、散り散りとなった花びら。点在する"色"を上手に避けて、娘はもうしばし散歩を愉しむことにした。】

ご案内:「屋上」からジブリールさんが去りました。