2015/06/26 のログ
■おこん > うむ。 人は誰しも触れられたくない部分もあるでのう。
距離を置くか、そうでない方法は…むしろこっちから相手に仕掛けて、
相手の弱みを握るとかかのう。 狭間とな、名前は聞いたことがあるがのう…
(うーん、と唸って首をひねる。紙パック青汁のストローをかじかじしながら、
記憶の糸を手繰り寄せようとして。)
ゆるしてもらえるのか!やったー! しづき大好きじゃぞ!
(ゆるされたので両手を上げてバンザイしたい。 しづきすきすきー!
って何度も叫んで、おもいっきり媚びていくスタイル。)
しづきは名前を知っておるようじゃな…ということは、ウーム…
(彼女が良くないウワサを聞いているくらいなのだから、
おそらく無害とは無煙な生徒なのだろう。
自分の顎を一撫でして。)
■鈴成静佳 > なるほど、どちらかというと蓋盛先生がおこん先生の手綱を握ってる感じなんスね~。(二人のやりとりをニヤニヤと追いながら)
おこん先生のほうが歳をとってるハズなのに……やっぱり蓋盛先生ってすごい人なんだなぁ。
(改めて、おこん先生が蓋盛先生にどんなメにあわされたのかを想像してみる。いや、自分の想像の域を超えているのかもしれない……興味がわく)
そっか、この学園は年齢あまり関係なく学生として入れるッスもんね。その理屈なら納得ッスよ。
(納得してしまった)
でも蓋盛先生ならセーラー服も似合うんじゃないッスか? ここの制服は堅苦しいブレザーだけど、セーラー着ちゃいけないってルールもないッスからね~。
……そう、ハザマって人。アタシのトラウマを勝手に引っ張りだしてきやがって……。
ロクなやつじゃないッス。気をつけたほうがいいッスよ?
(死亡したことは静佳は知らないようだ)>蓋盛先生
弱みを握るッスかー。
あまり他人の不快に思うことはしたくないんスよねぇ。たとえ敵でも。
むしろ相手の好きなことを知って、そこを満たしていければ仲良くなれるかも、って思うんスけど。
甘いッスかねぇ……(苦い笑みを浮かべ、おこん先生を弱々しく見つめる)>おこん先生
■蓋盛 椎月 > 「あたしもおこん先生のこと大好きですよー。
こんどジャーキー奢ってあげますよ。餌皿と首輪も買いに行きましょうね」
(不気味なまでに穏やかな笑み)
「いやーこの狐がヘタレなだけだよ。あたしなんて普通さ。
そうだな~セーラー服着てヨーヨーとかチェーンとか振り回したいな~」
(へらへらと笑いながら)
「ハハ、あたしに無礼を働くような度胸のあるやつなら
むしろ会ってみたかったな。
生徒として保健室に来たなら相手になってやってもよかったが」
(静佳の忠言には、クツクツとおかしそうに笑い声を立てた)
■おこん > ウム…たしかにおぬしの言うとおりかもしれぬ。
しかしのう、世の中には相反する主張が存在するのも事実じゃよ。
相手の好きなことが、「おぬしの嫌がる顔を見ること」だったりとかのー。
そういった場合はどうにもならぬ。 お互い寄らぬ、あるいは避けるというのも、
相手に対する尊重であるとワシは考えるでな。 まあそんな顔をするな。
これでも触って気を紛らわせるがよかろう。
(元気がない相手を見ると、やおら立ち上がって近づく。
柔らかくて温かい毛皮に包まれた尻尾を、もふ、と押し付けて。)
い、いや、しづきはワシの手綱を握っておるわけでは……握っとる…
(生徒の言葉に反論しようとするけれど、マッハで反論のチャンスは打ち砕かれた。)
の、のう…しづき? そのエサ皿と首輪はどう使うんじゃ?
ワシはなにをされてどうなるんじゃ? おこん、ちょっとよくわからないんじゃけど…
あと、べつにヨーヨーとかチェーンとか、さすがに世代が違うのではなかろうかのう…
(正確に言うとわかりたくないんだけど、なのだけれどそういうわけにもいかない。
ヘタレとか言われてもぷるぷるしながら耐えるしかなかった。)
■鈴成静佳 > いやー、頼もしいッスね、蓋盛先生! 強い女ッス!
(自分の心配を一笑に付す先生には素直に信頼感を覚え、改めて手を肩に戻し、ゆっくりと揉みなおす)
ウチの故郷にそんなJKいたなぁ、長ーいスカート履いて、ガムくちゃくちゃしてて。
あれは怖かったッスよー! 意外と優しい人も多かったけど。
(その衣装・雰囲気と目の前の先生の姿を重ねる。意外とサマになってるかもしれない)>蓋盛先生
(「おぬしの嫌がる顔を見ること」。その言葉には顔をしかめる。奴の狙いは……狭間さんの好きなことはまさしくそれだった)
……そうッスね。そんな時はどうしようもないッスね。うん。
でも、きっとそれはレアケースですよね。コミュニケーションは絶対役に立つって、アタシはよく知ってるつもり。
だから、ぜひおこん先生のコミュニケーション学、受けさせてください!(お辞儀こそしないが、切実な声で)
(そして、肩揉みをする静佳にフサフサのしっぽが宛てがわれると)
……ふあぁ……♪ しっぽ、暖かくて気持ちいいッスよ……! もっと、もっと……!
蓋盛先生はこの尻尾を、9本とも、先っぽまで……う、うううううー……!(鼻息を荒くして、地団駄を踏む)>おこん先生
■蓋盛 椎月 > 「え~、おこん先生はそういう風にされるのがスキかと思って……
多分すっごく似合うと思うんですよね~」
(違います? 首を傾げてみせて)
「どんな奴だろうが、そいつが生徒であるなら教師がすることってのは変わらんさ」
(狭間に関する悩みは狐さんが色々言ってくれてるので、自分は好き勝手言う側に)
「あ、半分ぐらい冗談のつもりでいたけど
まだそういうのって実在したんだ~~。世界は広いねえ。
へっくし」
(くしゃみ。ずっとこんな格好のままクーラーを効かせていたら肌寒くなってしまった。
脱ぎ捨てていた服を再び着て普段の格好に戻る)
(尾を満喫する静佳の様子を横目に、あ、いいな~とか
思ったり思わなかったり)
■おこん > レアケースかもしれぬ、そうでないかもしれぬ。 相互理解をした上で、
お互い近づかないのが両方のためになるということもあるかもしれぬ。
もちろん、おぬしの言うように盟友になれる道もあるかもしれぬ…
それを探るためのこみゅにけーしょんじゃ。
おう、学校に書類を出しておくようにするんじゃぞ。
(生徒の瞳に光が宿ったのを見逃さなかった。 二つ返事で答えて、
よろしい、と頷き返す。)
温かいものは沈んだ気持ちを文字通り暖めてくれるでのう。 ふふふ…!
存分に楽しむが…ん……? ま、まて、今日はこの辺にしておこうかのう。
(なんか鼻息とか荒くなってきた。ちょっとコワイ。 尻尾を引っ込めて一方的に終了宣言。)
しづき、なんでそんなこと言うんじゃよ、しかも人前で…! いじわる…
(首を傾げての問いかけには「違わない…」って小さな声で答える。
もじもじと身体を揺すりながら、蓋盛先生をちらちら見て。)
■鈴成静佳 > (蓋盛先生が服を着に席を立つと、静佳は揉んでいた両手をそのまま尻尾に移してさらにその毛並みを堪能)
むぅ、さすがは保健の先生ッスね。生徒とあればどんな子でも分け隔てなし。慈悲の心……。
うう……やっぱり蓋盛先生はアタシの憧れッスよ! 師匠って呼ばせてください!
(と言いつつ敬礼のポーズ。静佳なりの敬意の示し方のようだ。しかし左手は尻尾をもふもふしたまま)>蓋盛先生
そうッスね、講義の登録を行わないと。フフッ、楽しみッスよ~。
人と人の関わりにはいろんな可能性があるッスからねぇ。良い道を選べるように、アタシも頑張りたいッス!
……あっ。(尻尾を引っ込められると、一瞬残念そうな表情を浮かべる。しかしすぐに回復し)
先生、ほんとにいい尻尾ですねぇ。今度また触らせてください!>おこん先生
……あっと、もう日が暮れそうッスね。タイムセールにも行かなきゃ。
それじゃ、蓋盛先生、おこん先生、これからもお世話になります。ありがとうございました!(改めて二人へお辞儀)
……先生方、くれぐれも仲良く過ごしてくださいね?
(想定以上の上下関係が築かれつつあるのを一応心配しつつ、静佳は笑顔で保健室を去っていく)
ご案内:「保健室」から鈴成静佳さんが去りました。
■蓋盛 椎月 > 「慈悲か。単に職務に忠実なだけさ。
でも師匠ってのはいい響きだしそう呼んでくれても構わんぜ」
(片肘をデスクについてニヤと笑う)
「んじゃ、またな~。
なんか困ったことがあれば頼ってくれたまえ。
今後はせいぜいこき使わせてもらうからさ」
(にこやかに笑い、去る静佳を手を振って見送る)
「……さて、そこな子狐、ちょいと来給え」
(唇を細く歪めて手招きする……)
■おこん > う、うむ…そうじゃぞ、良い道を選べるようにのう。
尻尾は後日たっぷり触らせてやるでのう。
(一瞬クールダウンした生徒を見て胸を撫で下ろす。
少なくても生徒がいれば蓋盛先生の逆襲は起こるまいと
考えていたのだが、そろそろ帰るとの言葉にぴくりと震えた。)
そ、そうかのう…ワシとしづきはとても仲がよいんじゃよ?
それこそなんというかこう…ええと…わらび餅と黒蜜のような…
うむ、また会おうぞ…
(去っていく背中に、いかないでー!って必死に念を送るけどダメだった。)
は、はいっ…!!
(びしっ。気をつけをして、呼ばれた方を向く。
ぎこちない仕草で、ゆっくりと蓋盛先生の所に近づいていって。)
■蓋盛 椎月 > (回転椅子に座った体勢で、
近寄ってきた狐さんを抱き寄せ、
顔を半ば強引に胸元に押し付ける)
「なあに、犬みたいに扱われるのがスキって言うじゃないか。
首輪や鎖なんて気の利いたものはないけど、
それっぽい振る舞い方なら知ってるだろ?
それとも教えてやろうか?」
(唇が弧を描く。見下ろす瞳が嗜虐の熱に揺れる……)
■おこん > んむ、っ…!? んうっ、ふーっ…!
(ぎゅっと顔を胸に押し付けられて、目を白黒させる。 手でぺちぺちと
蓋盛先生を叩いて、怯えと情欲が混じった視線で相手を見上げて。)
ワシは…ワシは齢数千を超える狐なのじゃぞ…
それなのに犬のまね事なぞ、できる、ものか……
(反抗的な言葉に反して、相手の言葉を聞き逃さんと狐耳はぴんと張り、
期待するように尻尾をゆらし動かす。 情欲に濡れた瞳が相手の
視線に貫かれると、それだけでぶるりと身体が震え、かすかに甘い息を漏らして。)
■蓋盛 椎月 > 「むしろ数千年生きているからこそ、だよ。
……試してみればわかるんじゃない?」
(目を細めてぽんぽんと頭を叩き、
その小さな身体を抱えて、太陽は出ているというのに
薄暗い衝立のむこうへと消えていく……)
ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
ご案内:「保健室」からおこんさんが去りました。
ご案内:「保健室」に畝傍・クリスタ・ステンデルさんが現れました。
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 打ち捨てられた祠で起こった、"這い寄る混沌"――鳴鳴とその従者・石蒜の二人と、畝傍の戦闘からしばらく後。
畝傍は鳴鳴の追撃を振り切ることには成功したものの、やがて体力の全てを使い果たし、異邦人街の路上で倒れてしまっていた。
それを保健課の生徒によって発見され、幸いにして命に関わるほどの怪我がなかったことから、ここ保健室まで搬送されていたのだ。だが――
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……うう……来るな。こっちに来るな……!わたしに……触るな……!」
畝傍は悪夢に苦しんでいた。その原因は、交戦中に狙撃銃を身代わりとして放り投げたことだ。
しかも投げた狙撃銃は、突如として畝傍に開花した未知の『炎』の力の影響で爆発四散し、恐らくは跡形も残っていない。
畝傍は狙撃銃、あるいはその形を模したものが手の届く位置にないまま長時間が経過すると、
忘れがたい過去――死の淵に瀕し、異能に目覚め、狂気に陥ったあの日のフラッシュバックに苛まれてしまう。
■畝傍・クリスタ・ステンデル > そして何より、今の畝傍を苦しめているもの。それは――
「……シーシュアン……ちがう……サヤ……ボクは……ボクは……」
石蒜――否、『サヤ』に対する悔恨の念。
あの時、畝傍は石蒜あるいはサヤのため、自身にできる限りのことをしようとした。
しかし、結局サヤとしての彼女を取り戻すこともならなければ、かつては畝傍の『トモダチ』だった石蒜としての彼女にも敵と見做されてしまう結果に終わってしまったのだ。
畝傍はふたたび、独りになっていた。
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 自分が『生きている炎』のことを、『サヤ』のことを探ろうとさえしなければ。
愚かにもあの黒い童女の手からサヤを取り戻すなどと考えなければ。こんな事にはならなかっただろうか。畝傍は悔やんでいた。
そして、保健室のベッドの上で布団に包まりながら、畝傍はしばしの間身動き一つ取れず、恐怖に怯え、哀しみに暮れていた。
だがしばらくすると、畝傍は震える右手で頭をなぞり、ヘッドギアを操作して開くであろう収納ポータルから狙撃銃のレプリカを取り出すことで精神を落ち着けようとする。
どうにかヘッドギアがあるべき場所にあることは確認できたものの、触れてもポータルは開かない。故障しているようだ。
「…………そんな」
ご案内:「保健室」に蓋盛 椎月さんが現れました。
■蓋盛 椎月 > 「邪魔するよ」
(控えめな音を立てて保健室の扉が開かれる。
怪我人が運ばれたという連絡が少し前に入っていた。
重傷ではないらしいが――一応様子は見ておくべきだろう)
(ベッドの上で悶えている少女が目に入る)
「……どうした。何か必要かね」
(丸椅子を取り、近づいて座ろうとする)
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 亜麻色の髪に蜥蜴のヘアピンをした白衣の女性が目に入る。
どうやら保険医のようだ。
「……銃が……ないんだ。ううん……ボクが投げた……だから……うう……っ」
女性に説明をしようとするが、難しい。
せめて寮内の自室にある予備のヘッドギアが手に入ればよいのだが、そのようなことで保険医の手を煩わせるわけにもいかないと考えていた。
畝傍は狂人ではあるが、そのあたりの判断は少なくとも年齢相応にはついているほうだ。
■蓋盛 椎月 > 「ふむ……、まるで戦場帰りの兵士だな」
(自身の顎に手をあて、無表情に畝傍の身体を観察する。
てひどい外傷はないように見える。
すると精神的なもの――PTSDか)
(頷いてみせる)
「銃か――わかった。少し待っていなさい」
(一度畝傍の元を離れる。
カチカチ、と錠のなる音が聴こえる。
しばらくして戻ってきた保健医の手には
上下二連式の30インチほどのショットガンがある。
おそらく保健室のどこかに、どういうわけか隠されていたのだろう。
もちろん弾丸は抜いてある)
「どういう銃がいいかは知らないが――
これでどうかな」
(再びそばの丸椅子に座り、そっと渡す)
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 畝傍は震える両腕を伸ばし、差し出されたショットガンを受け取り、抱える。
普段から携行している狙撃銃とは違うが、その感触は畝傍の精神を落ち着かせるに十分なものだった。
「…………ありがと。おかげで、なんとか」
平静を取り戻した畝傍は、女性に礼を述べ。
「おねーさんは、ここのせんせい、だっけ?」
畝傍は長らく不登校状態だったため、ほとんどの教師の顔すら知らないものの、
眼前の女性の服装から恐らくは養護教諭であろうと察し、問う。
■蓋盛 椎月 > 「どういたしまして。落ち着いたかい。何か飲み物でもいる?
……保健室にこんなん隠してるのは内緒にしておいてね」
(笑顔を作り、指を立てて内緒のジェスチャー)
「そう。生徒の心身の健康を守る養護教諭、蓋盛先生だよ。
……きみは畝傍さん、でよかったかな? よろしく」
(銃を常に持ち歩き、保健病院でカウンセリングを受けている
畝傍という生徒がいる――というのは、知識としては知っていた)
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 「のみもの……ボク、オレンジジュースがいい。ある?」
先程までの苦しみようはどこへやら、蓋盛と名乗った養護教諭に笑顔で話す。
畝傍の精神は肉体に輪をかけて幼い。飲み物の好みもやや子供っぽい部分がある。
「フタモリせんせー……おぼえた。そう、ボクはウネビ。よろしくね、せんせー」
蓋盛の自己紹介に応じ、畝傍も自身がそうであると名乗る。
■蓋盛 椎月 > 「はーい。了解」
(席を立ち、二人分のオレンジジュースをコップに注いで
トレイで運んで戻ってくる)
「その散弾銃はかわりがどうにかなるまでは持ってていいから。
あたしが持っててもどうせ使わないだろうし。
……鉄火場に持っていかれるとちょっと困るけど」
(自分のコップの縁をなぞる)
「銃がスキかい? もしくは撃つのが」
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 代わりが見つかるまでは散弾銃を持っていてよいとのことなので、ありがたく受け取っておくことにした。
「ありがと、せんせ。コレ、だいじにする」
畝傍はトレイの上のコップの片方を手に取り、オレンジジュースを一杯。
「……ぷはー」
美味しい。飲んだ後、蓋盛の問いに答える。
「ボクは……むかしボクのいた国で、銃を持って戦ってたから。いまはここでマモノを撃ってるけど、むかしはヒトを撃ってた。撃って当たればキモチよくなるけど……スキとかそういうのじゃなくて、ボクには……ソレしかないから」
先程まで明るかった表情は、またしてもやや暗くなった。
■蓋盛 椎月 > 「おう、壊すなよ。ちゃんと元のママ返すように」
(畝傍の答えには、口を笑みの形にしたまま目を伏せる)
「そうか。少しもったいないな。
ずっと共にいることになるなら、スキになれたほうが
楽しくはあると思うけど」
(無理にスキになる必要もないしな、と付け加え)
「……ほんとうに、きみに他にはなにもないの?
スキになれそうなものはさ」
(穏やかな表情。ベッドのシーツに、軽く手を置く)
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 「スキになれそうな、もの……」
考えたこともなかった。祖国で身体強化実験の被験体となり、狙撃手として活動しだしてから、畝傍は銃と共にあった。
銃は自身の一部であり、自身もまた銃を撃つために存在していた。
故に、それ以外のことなど、これまでの畝傍の眼中にはなかった。
畝傍の世界を広げてくれるかもしれなかった『トモダチ』は、今はもう敵となってしまっている。
「…………ボクの」
畝傍は黙り込んだ。蓋盛への印象が悪くなったわけではない。
ただ、うまく言葉を紡ぎだすことができなかった。
■蓋盛 椎月 > (口ごもった様子を見て、目を細め)
「無理に口に出そうとしなくてもいい。
……まだあるんだろう、それが、きみにも。
大事にしたほうがいいよ。
せっかく悲しんだり楽しんだりできるんだ。
そうしたほうが、生きる難易度は低くなる」
「少し説教じみてしまったな。
おかわりはいるかい?」
(再び冷蔵庫に向かって、
オレンジジュースのボトルを持ってきた)
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 「……うん、そうする」
顔を上げ、蓋盛のほうを向いて、畝傍は自らにも言い聞かせるように述べた。
「おかわり、あるの?ちょうだい」
笑顔に戻り、蓋盛にジュースのおかわりをねだる。
■蓋盛 椎月 > 「きみは素直だな。いい子だ」
(楽しげな様子で、コップになみなみとジュースを注ぐ)
「もう大丈夫そうだね。
……あたしはちょいとエラい人に呼ばれてるんで一旦失礼するよ。
体調がよくなっても、何かあったらまた来てね。
話し相手ぐらいにならなれるから」
(席を立つ。
笑顔でひらひらと手を振って、保健室をあとにする)
ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
■畝傍・クリスタ・ステンデル > 「ばいばい、せんせー」
蓋盛に手を振り、見送る。その後、ジュースを飲み干した畝傍は、
蓋盛から受け取った散弾銃をしっかりと抱え。
「……ボクも、いかなきゃ」
畝傍は、自分ひとりの力でサヤを救うことは不可能と悟っていた。
ならば。せめてサヤを知る彼らに、そしてサヤを追う風紀委員に。
伝えなければ。自らが見たものを。サヤの背後に潜む悪意の正体を。
畝傍は散弾銃を左手で抱え、右手で端末を起動、操作しつつ、早足で保健室を後にする。
端末の画面には、風紀委員への情報提供フォームが表示されていた――
ご案内:「保健室」から畝傍・クリスタ・ステンデルさんが去りました。
ご案内:「教室」に槙壌 結雅さんが現れました。
■槙壌 結雅 > (所は、教室。)
(始まった、試験対策。)
(絶望だけが横たわる長い長い数週間。そこに、勝利の女神がほほ笑むことは無い。それが、神出鬼没の己であっても、だ。)
(―――決して、微笑むことは無い。)
―――っっ!!
(並べた教科書を叩きつけたくなる気分。)
べ、べんぜん…っ!!
(その強敵の名は「化学」そして、―――「亀の甲羅《ベンゼン》」。)
■槙壌 結雅 > (ここで、ベンゼンについてのお浚いをしておこう。)
How to benzene でございますわね。
(ベンゼンとは、何か。それは化学の作りだした強大な悪魔であり、同時に神秘である。)
(一糸乱れることのない正六角形。悪魔の数字と言われる6の倍数のみを認めるその神秘性。同一平面上に存在するすべての元素。)
(例え、異能だ魔術だといっても化学は健在、健在なのだ。)
さて、この物質なのですが。
(何とこの物質、わざわざCやHと書かずとも六角形の中に三本線を書き入れた図形で略して顕わすことが許されているらしい。)
■槙壌 結雅 > では、実際に書いてみましょうか。
(机の上に叩き付けるようにノートを置いて、ばさりと広げる。普通、正六角形を完全に書くことなどできないからだいたいで良い。また、この図形を一行にまとめるのは厳しい。故に、二行以上使って描くと良い。ノートをケチって潰れてしまうと、話にならないのだ。)
~♪
(適当な六角形を掻いたら、その中に3本線を入れる。これでベンゼンの出来上がりだ。ほら、段々と亀の甲羅に、見えてくるだろう?…と、誰に問うでもなく心中でぼそり。因みに、3本線を入れる代わりに○を書いても良い。理由は後述。)
■槙壌 結雅 > (しかし、ベンゼン"自体"はこれで終わりである。これの何が厄介なのか?これだけではないか?と言われるだろうが、ベンゼンの神髄は他にある。)
(このベンゼンと言う物質に、今までの化学の常識的な名前付けは通用しない。その上で有機化学の厄介さを含み、六角形特有の置換体まで存在するし、そこから変化もする驚異的な物質である。)
…例えば。
(「ベンゼンスルホン酸」ベンゼンの一つの水素がスルホ基と置換されたらそんな名前になるらしい。)
(さて、さっきから己は何を馬鹿みたいにベンゼンについて語っているのであろうか。)
だるいですわ。
(惰性になると、勉強も捗らない。)
■槙壌 結雅 > あああああっっ!!
(ペンを放りだした。「パラフェニルアゾフェノール」という物質を知っているだろうか。御存知、ベンゼンが二つ入ってるやつである。理不尽も良い所だ。反応などすっ飛ばして丸暗記に走った彼女は狂おしく声を漏らすのだった。)
―――御菓子でも買ってきましょう。少しばかり、御紅茶を飲みながら…。
(遂に、やる気が失せたらしい。ぐだぐだやるよりはマシと言う事を悟ってか、さっさとその教室を後にする。尚、叫んだこの場所は自習室であるが故に大分と変視されているのだが、それを気にしないのがメイド服の彼女の気質である。)
ご案内:「教室」から槙壌 結雅さんが去りました。