2015/08/11 のログ
■蓋盛 椎月 > 「遊ぶにしろ学生の勤めを果たしてから……
なーんて。不真面目なあたしが言ったら舌を抜かれてしまうな」
首輪を外す。軽くそれに、いとおしげに口づけをして
デスクの上へ、ぽすと放った。
「首輪をしたおこん先生はたしかにかわいいけど、
そんなものであなたを縛りつづけるのはあたしの正義に反しますから」
代わりに、屈みこんでおこん先生の脇の下を抱える。
そうして身体を持ち上げて、抱き上げたままくーるくーると回った。
「ねえおこん先生。
あたしが昔罪もない人間を百人も殺して、未だ裁かれない大悪党だったりしたら、
あたしのこと、嫌いになったりします?」
まったく流れに関係ない質問を、ごく普通の気楽な調子で。
■おこん > なに、おぬしも教師じゃからのー、そんぐらい言ってもよかろう。
(机の上にぽんと置かれる首輪を見て、次にしづき先生を見る。
かっこいいこと言う先生に、おお、と声を上げた。)
今のセリフかっちょいいのう。 今ちょっと、いや、大分きゅんとしたぞ!
(ひょいと抱き上げられてご満悦の表情。くるくるしてもらいながら
投げかけられた問いに、きょとんと目を丸くして。)
なんじゃおまえ、ワシが人の過去如何で好き嫌いを決めると思ったのか?
馬鹿な事をいうのう。 よいか、ワシはしづきが大好きなんじゃぞ。
例えおぬしが千人殺そうが、国を傾けようが、
あるいはワシのことを毛皮のこーとにしたかろうが、そんなことは構わぬ。
ワシはおぬしが気に入った。それだけのことじゃぞ。
(よしよし。 持ち上げられてるから、尻尾を使ってしづき先生の頭を撫でて。)
■蓋盛 椎月 > と、た、たん!
抱き上げたまま、ダンスのステップを踏むように、踵を鳴らす。
「あは、調子のいいことを言って。
誰にだってそんなふうに言ってるんでしょう、あなたって狐は!」
笑みがぱっと花を咲かせた。
くる、とつま先を支えに一回転。きれいな円を描く。
そして、そろり、とおこん先生の身体を下ろす。
「あたしもあなたが大好きですよ」
瀟洒に跪いて、手の甲にそっとキスをした。
■おこん > バレた可能! とはいえ、ワシは気に入ったやつにしか言わんのじゃぞ、本当じゃぞー?
(んふふー、って笑顔のしづき先生にいたずらっぽい笑みを返す。
一緒にくるくるって回った後に、床に降ろしてもらって。
ゆらゆらと尻尾を動かして、彼女を見やった。)
うむ。 しづきはかわいいのう!
(手の甲にキスを受けても、悠然とした態度で受け入れる。
恥ずかしがったりはせず、むしろ誇らしげ。)
しづきー、ワシもちゅーしたい、接吻したーい。 しゃがんでくれんかのう!
(いいじゃろーっておねだり。 せっかく手の甲にキスしてくれたんだし、
自分もしたい!っておねだりして。)
■蓋盛 椎月 > 「なにしろあたしは、あなたの蓋盛椎月ですから」
目を瞑って、不敵な言葉。頬はわずかに朱に染まり。
「……これでいい?」
言われた通り、姿勢を直し、しゃがんだ体勢。両手をぶらと揺らす。
■おこん > そうじゃのう、ワシのしづきじゃからな。 そうそう、それでよいぞ。
(彼女の問に答えるが早いか、ぐっと身体を寄せる。彼女の首に抱きつくようにして、
思いっきり唇を重ねた。)
■蓋盛 椎月 > 「――――……。」
普段あいさつの代わりのように交わしているキスを。
どうしてかこの時ばかりは受け止めそこねて。
ぴたりと時間の止まったように。
石化したようにそこに佇んでいた。
おこん先生が支えとなっていなければ、
倒れて崩れて砕けてしまいそうな――そんな様子だった。
■おこん > (直ぐに唇を離してから、彼女の両肩をしっかりと抱えるように手をやり、しづき先生の目を見る。)
しづき、なんかあったんじゃな? おぬしが話したくなったらそうしてもらって構わぬ。
ワシはいつでも相談に乗るでのう。 …おぬしはなー、抱え込みすぎなんじゃぞ。
(難しいこと考えすぎなのじゃとつぶやくと、彼女に抱きつく。
背中をぽんぽんと軽く叩いて。)
■蓋盛 椎月 > 目を細めて、微かに笑む。
「悩み? さて。そんなものはありませんよ。
あたしはいつだって完璧ですから」
――人を傷つけることが生業の人間が、
人を傷つけ、傷つけられたことを苦悩にしてはいけない。
それが――挟持なのだ。
「あなたにかわいがっていただければ――
あたしは、それでいい。
あたしがほしいのは――あなたの首輪です」
■おこん > そうじゃのー、しづきはいつだって完璧じゃのう。
…んふ、しづきは、そういうところが愛らしいのじゃ。
(彼女の目を見て満足気に頷く。 どこか諦めていて、
だけどそれを認めなさそうなところが大好きだ。
本能が疼く。 彼女の言うように、首輪を……
身も心も快楽で囚えてしまうのはどうだろう。
きっとよいものができる。 彼女だってそれを望んでいる。
囁く本能が、人の褥に潜り込んで満たそうとする、狐という存在が、
自分の中で囁く。 ぷるぷると首を振って振り払う。今はまだ、その時ではない。)
首輪ならあとでいくらでも付けてやる。 依存特盛りのやつじゃぞー?
…しづき、おぬしのそういうところを、ワシは好いておる。 …むっ。
(狐耳がぴくぴくと動く。 複数の足音が保健室に迫っていた。)
■蓋盛 椎月 > ――これこそが齢千年を越える妖狐の罠ではないのか、
という疑いはずっとあった。
すべてを吸い込む夜の海。血に薫る夜の森。
それに惹かれるのと同じように、自ら足を踏み入れたのかもしれないのかと。
討伐されそこなった魔人が、自分だけのために用意されたエンドロールを求めて。
目を閉じて、すん、と鼻を鳴らした。
足音に、立ち上がる。入り口に向かって立つ。
振り返って見せた笑顔はいつもどおりのそれだ。
「彼らのことは適当にあしらっておきます。
ロッカーやベッドに隠れるなり窓から逃げるなり、ご随意に」
■おこん > うむ、助かるぞ。 んふふ、しづきは”いい子”じゃのう。
(下手くそなウインクを彼女に送り、ぱっと保健室を飛び出た。
数人の生徒の足音が続く。 さっきよりもずっと足は軽かった。
可愛らしいしづき先生に触れることで、パワーが充電できたのだ。
追跡者から逃げきるのも、時間の問題であった。)
■蓋盛 椎月 > 去っていく彼女の姿を、ほんの少しだけ名残惜しげに見送る。
「“いい子”か」
デスクの前の事務椅子に座る。
もはや顔を紅潮させたりなどはしない。
身を小さくして、きゅ、と脚を閉じる。伏し目気味に下を向いた。
そうして、先ほどまで嵌められていた首輪を手に取り、指で内側をそっとなぞった。
ご案内:「保健室」からおこんさんが去りました。
ご案内:「保健室」から蓋盛 椎月さんが去りました。
ご案内:「教室」に十六夜棗さんが現れました。
■十六夜棗 > (情報処理に使われるパソコンルームの一角でカタタタ、とキーを打つ音が鳴り響く。
黒画面に数字と英文字の羅列PCの画面に向かって集中している少女が一人)
――――もう少し速度が必要かしら。
(手で打ち込むなら、ね。と内心付け加える。)
■十六夜棗 > (情報処理教室のPC、それもゲストIDで使える機能は限られている。
外のネットワークに接続する事は今は出来ないから、やれる事と言えば、プログラムを作成して、保存せずに出来栄えを確認するだけ。)
(無言で打ち込み続けて、更に10分以上が経過している。
何らかのAIの情報を塗り替える、そんなプログラムの作成。
脳内の完成式と出来上がっている式を見比べて、修正をかけていく)
■十六夜棗 > (完成式にできるだけ近づけるように修正を終えて、実際のAIを想像する。
そう、想像するだけ。独学の理論だけでは、限界と言うものがある。
何事も、理論だけでは、研究は進まない。進める為には実際のデータはやっぱり必要なのだから。)
――でも――
(そう、でも。
誰かに頼むなんてとんでもない。
秘匿し、ずっと精錬を重ねてきた魔術を伝えるなんて――
できっこない。――考えるだけで、何も出来ない。
ただの夢。書き上げたプログラムも実際には保存も起動もしない。…ただ、消すだけ。
表情を暗く落として、痕跡を消す。そして、PCの電源も、落とす。)
■十六夜棗 > (…結局、目を盗んで忍ぶか、我慢して考えるだけで何もできないままか。
勇気は、出ないまま。だけど――――椅子を戻して、立ち上がって。)
夢想って叶うのかしらね――?人は…無理でも…
(――人間は無理でも、ネットワーク上のAI、アンドロイドやロボットなら…ひょっとしたら。
言葉の続きを喉の奥に引っ込めて、教室を後に。)
ご案内:「教室」から十六夜棗さんが去りました。
ご案内:「保健室」に蒼穹さんが現れました。
ご案内:「保健室」に鈴成静佳さんが現れました。
■蒼穹 > (先日―――といっても、それは結構最近の出来事。
端的に言えば…「焼かれた。」最早これ以上会ったことを的確に示す言葉は無いかもしれない。
時刻は大体お昼頃。窓からは今日もこれでもかと日光が注いで部屋に数本の光の筋。
カーテンはしまっていない模様。
取り敢えず、怪我したことは怪我したので、一応診察がてらお話しできればいいな、と。
そう思って、生活保険で気の知れている御友達の所へと尋ねたのだが…。)
やっほ。こんにちは。お久しぶりだね。
お邪魔するよー…?
(半開きの扉から部屋の様子を伺う様にして。
それから少しきょろきょろすれば部屋の中へと踏み入る。
因みに現状、表面上は怪我もない風には見えるのだが…実際はどうやらと言ったところ。
局所的に大火傷するなんて初めてだったので、雑談がてらと緩んだ気持ちでやってきた。)
■鈴成静佳 > (今日も今日とて保健室の番をする静佳さん。夏休みだから来客は少ないはず……だが)
(それに夕方からは歓楽街で『お仕事』のシフトも入っている。高校生の夏休みとはかくも多忙なものなのか)
♪~~
(とりあえず、人がいればよい。手に負えないけが人病人が来れば電話一本で、生活委員会の棟舎から専門の先生が駆けつけてくれる手はずである)
(そんなわけで、養護教諭用の椅子にまたがり、スマホで暇潰し中)
(……と、部屋に入ってくる人影)
……おっ、蒼穹ちゃん! こんにちわ!
どーしたの? 涼みに来た?
(スマホから目を離し、座ったままにこやかに迎える)
■蒼穹 > (現在の部屋の主の彼女は…うん、取り敢えず何もしていなさそうだし雑談に興じてもくれそうだろうと確認。)
ああいや。ちょっと都合がね。
確かに部屋は涼しいだろうけど、わざわざ夏休みにまで保健室に来て涼みはしないかなっ。
ってまぁ…夏休みだし?浮かれちゃって怪我したっていうか。
大したことないんだけど。火傷ってどうしたらいいかなーって。そんな感じ。
(事は事実よりかなり小さく述べた。あまりそちらは重要ではない。
色々積もりたい話もあるけれど、この間も心配というか、無茶はするなと彼女に言われたばかりだし。
傷つき、傷つくのも好きじゃないと聞いたし。こともなげに事情を説明。
それから手を振りつつそそくさと彼女が座った椅子の方へと向かった。)
■鈴成静佳 > あれま、火傷? この前言ってた花火ッスか? あれほど無茶するなって言ったのに、全くー。
(教諭用の椅子に腰掛けたまま、机の横から丸椅子を取り出して前に置き、座るよう手で促す)
見せて見せて。重度のやつじゃなければ、薬塗っておけば大丈夫だと思うから。
そういえば最近、公園でめちゃくちゃでかい爆発音が聞こえたって噂があったッスね。
銃声じゃないかって説もあるけど、まさかそんなねー、夜とはいえ公園でそんな物騒なもの撃つ奴いるはずないし?
もしかして、それも蒼穹ちゃんの仕業だったり? フフフッ。
(冗談めかして言う。同じ寮の見知った友人が、あろうことか教師に肩を撃ちぬかれて入院していることなど知らず……)
あーあ、アタシまだ今年花火で遊んでないな~。やりたいなー。
■蒼穹 > んー。ああいや、花火は何だかんだまだなんだよね。
結局やるかやらないかも決まらずじまいだから。…えーっと。
(促されるままにすとんと丸椅子に腰を下ろすのだが。
別に服を上げて肌を晒すことに抵抗があるわけではない。
さて、重度のやつじゃなければと言うのだがこの間負った大火傷は果たして…いや重度に決まっている。
しかしそれを自分の魔術で傷口を塞いだと言ったら何だか話がややこしくなりそうで。
困ったように停滞した。)
んー?そうなんだ。…あれ、何か聞き覚えがある様な。
いやでも分かんないよー?世間は物騒なんだからさー。割と鉄砲弾くらい飛び交ってるんじゃないかな。
あはは、残念だけど、それは無いね。その日は別のところにいたからアリバイってのがあるんだよね。
(一応こちらは事の被害者となった人物は知っている。近いうちにお見舞いにいければとかも思っているのだが中々機会がない。
それと、その騒音の犯人であろう人物が風紀委員で何やらかんやら言われていたような、そんな記憶があった。
元々不真面目系風紀委員なので記憶があった。それだけだけれど。)
ありゃ、あれからまだ花火やってないの?私もだけど。
どうよ、今度暇があったら、やってみる?
■鈴成静佳 > やってみたいッスねー、花火。できれば火傷しないくらいに賑やかにね!
(ニコニコと微笑みながら目を細め、その風景を空想する。何だかんだで静佳も火遊びは大好きだ)
ここんとこ島の中が物騒になってるってのは、アタシも知ってるッスよ。
(真顔に戻り、やや目を伏せて口を尖らせながら)
その……風紀委員の棟舎が、なんか襲われたって話もあるじゃない? 幸い死者はいなかったって話だけどさ。
そのあとの爆発音の噂だからさ、正直、ちょっとは不安になるよ。
治安が悪いとか、危険だとかっていう話は、もう少し遠い場所の話だと思ってたけど……意外とそんなことはないんだなって。
……あ、当然、風紀や公安を信用してないってわけじゃないッスよ!?
(目の前に居るのは、いくらサボりがちとはいえ風紀委員の一員だ。首を振りながら自己弁護する)
……で、火傷はどこッスか? 見せられる場所?
(丸椅子に座った蒼穹さんを、腰をかがめて覗きこむ)
■蒼穹 > 打ち上げ花火とかー、花火大会見に行くのもいいんじゃないかなっ。
ダイナミックなやつを、こう…ドーン!と、ね。火傷は本当勘弁だね。
さて、有志で花火集めてやるのも楽しそうだし。
(両手を広げながら大きさをアピールしつつ。うんうん、と頷きながら己も花火が夜空に打ち上がる景色を思い浮かべる。
大きな音、綺麗な光。見飽きない景色なんだろう。恐らくは。)
(それから、彼女がいつになく真剣な表情に戻ったのを察しては、己も一息呑んで。)
ああ…襲撃の件だね。
あれはロクでもないんだけどさ。たった二人にやられちゃうと流石に笑えないよね、とは思うんだよ。
んでまぁ、更に笑えない事を付け足すとその内一人が知り合いだったって言うね…世間は狭いよ。
でも、死者が出なかっただけ儲けものじゃないかな。
そんな器用な事私には出来なさそうだし。
…ああー…うん。爆発音の真相…あれは…あんまり良いものじゃなかったんだって。
(たぶん彼女は知らないみたいだし。知らせたところであまり面白い話でもないだろう。
己は風紀委員故何があったかの情報は風紀委員のBBSを開けばすぐに見せられるのだけれど。)
最近は物騒…でもそれを言いだしたらって話かな。
(ところで、と、何か思い返したように一旦間を置いて。)
…これは、受け売りだけど。
死は身近にあるんだって。こうした夏休みって休日を平凡に過ごしてさ。
それで、ふいに御友達や家族なんかと出かけた先に理不尽な殺戮はいくらでも息を潜めてる。
他人事だと思っちゃいけない、一方的な虐殺は、例え表向きが平和でも物騒でも、必ず起きている…だったかな。
(カンニングペーパーでも読むかのような滑らかさで、無表情で言葉を述べて。)
まぁ…だからって言って治安維持サボる理由にはならないだろうけど。
あはは、分かってる分かってる。でも、信用が落ちても当然だろうと私も思うから、大丈夫だって。
(あまり、風紀委員という組織への思い入れやプライドなんて意識はない。それが故に気にしないでとばかり手を左右に。)
ん、見せられるよ。まぁ…右腹部の下の方なんだけどさ。この辺り。…ううん。
(しどろもどろと言った風に、件の場所に手を当てて擦って見せる。
やっぱり見せようか見せまいか迷っている。傍目から見れば火傷しているようには見えないし、
状況がかなりこじれてしまった以上何と説明すればいいのだろうか。
まさか「火傷に効く飲み薬ください」なんて言ってそんな薬が―――)
ねぇ、所でさ。…火傷に効く飲み薬って、ない、かな…?あはは…。
(―――確認してみる価値はありそうだ。多分ないだろうけど。)
■鈴成静佳 > ドッカーンな打ち上げ花火は個人じゃ上げられないッスからねー、島で主催されてないと見れないだろうね。
あのスイカ割りとかもやってた式典委員会なら絶対何回かやってくれると思うんスけどねー。
市販の花火も、打ち上げ花火も、それぞれいいとこがあるんスから。両方やるのが一番!
(少なくともどっちか片方をやらずには、夏は終われない)
……んー、火傷に効く、飲み薬?
(火傷は見た目で概ね重度はわかるし、それによって処置の仕方は大きく異る。まぁたいていの場合は消毒が先決だが)
(患部を見せない蒼穹さんには若干やきもきしつつ)
そうッスねー、感染症や化膿を防ぐ必要があるから、抗生物質が必要かな。当然、保健室にそんなものはないから、保険病院に行ってもらうことになるけどね。
(さて、蒼穹さんの言う「実情」。蒼穹さんも真面目な顔で話すので、静佳も耳を傾ける)
(その表情はどんどん浮かなくなっていく)
……むぅ……。なんか、コトは思った以上に深刻な感じッスね。
知り合いが犯人だとか、公園の件も花火じゃなかったとか……。こんなに身近に危険があるなんて、正直思いたくはないッスよ。
(……しばし思案に暮れ、そして、顔を伏せたまま)
……いや、そうッスね。身近に危険がないなんて、思い込みというか、単なる楽観視だったんスよね。
少なくとも、大人になるまでは、周りの誰かが守ってくれる。この島に来てからも、しばらくはそう思ってた。
……その治安を守ってるひとの大半も未成年者なのにね。矛盾した話だとは思ってたけど……無視してたところはある。
でも、現にアタシのルームメイトだって、3人のうち2人は、その……酷い目に、遭ってる。
(『炎の巨人事件』の氷架さん、風紀として悪漢に立ち向かい敗北した芙蓉さん……)
それにアタシだって、ほら、前見せた瞬間移動。アレはずっと訓練し続けて、回避や逃走に使えるように磨き上げてる。きっとそれも、この島が「怖い」って思ってたから。
……それでも。この島は「安全」で。少なくとも学園地区や学生街は。
風紀や公安が守ってて、何不自由なく、明るい学生生活を送れる。そう思い込まないと、やっていけないから。
……アタシ、ネガティブ思考は性に合わないんスよねー。アハハー。
(顔を上げ、苦々しい笑みを顔に貼り付けながら、頭を掻く)
……だから、なにがあってもアタシ、風紀や公安のことは信用し続けるよ。あ、どちらかというと風紀のほうをね。
蒼穹ちゃんのことも、ね。フフッ。