2018/12/10 のログ
ご案内:「食堂」に伊都波 凛霞さんが現れました。
ご案内:「食堂」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
学園の食堂の一角、目立たない席に対面する二人の姉妹
学園食堂の誇るメニューではなく、お弁当づつみを二人分広げて

友人の多い姉、凛霞はあまりこうやってお昼を妹と一緒することはなかったけれど
今日はたまたま、お昼の時間があったし、一人だったから声をかけてみた

たまにはいいよね、と

今日のお弁当作り当番は姉の日
冷食に頼らず朝から手際よく色とりどりのお弁当を作りあげた姉はやはりそこでも才能を見せる
素朴ながらも美味しそうに飾られたグッドなお弁当である

伊都波 悠薇 > そして、妹はといえば。とても、とてもテンパっていた。
理由は単純。なんとあの姉に声をかけられたからだ。
妹の存在を識っている人ならまだいいが――知らない人にとっては誰あれ、状態である

視線が行かないわけもない

きょどりつつ、びくびくしつつ、何があったのかというようなパニック状態――

「ああああ、えっと……ど、どしたの、急に……今日は」

絞り出すように声を出して――お弁当を開けて。完璧なお弁当が眩しくて、うわ、まぶしなんて、つぶやいて

伊都波 凛霞 >  
「ほら、この時期になると3年生って試験が終わったら研修とかに行ったりしてさ、今日は一人だったからたまにはどうかなーって」

別に一人で食べてもいいけど、寂しいじゃない?とにっこり微笑む

姉、凛霞は比較的学園内で目立つ存在である
一方、妹は目立たない、同じ学校に妹がいる…という話をすると結構な確率で知らなかったと言われるものだ

「それに、最近あんまり悠薇と学校のお話しないし、ね。
 どう?最近は、ちゃんとやれてる?」

伊都波 悠薇 >  
「しないというか、することもない、というか」

おじおじしつつ、箸を持ち食べ始める
美味しくないわけもなく、自然と箸が進むのは仕方がない話で

「テストの点数はいまいち、上がらないけど……それでも前よりはちゃんと反映されてる、と思う」

異能の話。全く結果に繋がっていないわけじゃない。この前も、悪くはあるがテストの点数が”ついた”。計測も伸びた。

「――ち、ちなみにですがやれてるって、どういう方面でしょうか?」

まぁでもそれだけじゃない質問だとわかってはいるので、つい丁寧語で、そう聞き返した

伊都波 凛霞 >  
「そっか」

妹の頑張りは誰よりもちゃんと見てきたつもりの姉
そう聞いて安堵したような、笑みを浮かべる
少しずつでも、ちゃんと努力が実っているのなら…

「お、するどい」

形の良い卵焼きを口へと運んで、妹の丁寧語の返しにきらんっと目を光らせる

「ずばり、友達できた?」

妹がこの学園へ入学する折、立ち上げた努力目標
当然この姉は、忘れていない

伊都波 悠薇 >  
「うっ」

やっぱその話かと、急所を突かれたように心臓を抑え、弁当箱をひっくり返さないように机に倒れ込む
効果は抜群である

「…………えっと、ひ、ひとり、だけ……連絡交換し、しました」

瀕死になりながらも言葉を絞り出した

伊都波 凛霞 >  
「!? は、悠薇!?」

ものすごく痛いところを突いてしまったのか妹が死んだ
と思ったら、死んでなかった

「──…そっか、でも、良かったね」

一人だけだって構わない
友達の価値は、人数なんかで決まらない

「…ほんとに、よかった」

こんな可愛い妹に友達ができないこと自体がおかしいのだ
"天秤"の異能が働いていたあの頃、自分の周りにはたくさんの友達がいた
でも、妹の周りには…誰もいなかった
今はちゃんと、妹は伊都波悠薇という一人の女の子として、生きているのだと実感できる

伊都波 悠薇 >  
「――うん」

まぁ、友達が増えたことには変わりない。
まだ一桁という事実が、とてもとてもとてもとても、哀しいことではあるけれども

「年上の人なんだけど……あんま同学年にはできないのがその、難しいところでして……」

ゴニョゴニョ言いながら、ねそべって弁当の中身をツンツン

起き上がる気力がわきません

伊都波 凛霞 >  
「うーん…」

思えばこの手の悩みをちゃんと妹から聞いたことはなかった
この時期になると、きっともうある程度はグループなんかが出来てしまっているのかもしれない
そうなると一度輪から外れた生徒は、なかなかそこに入れないものなのだ

「思い切ってイメージチェンジしてみるとかどうかな」

たまには大胆な変身かも必要かもしれないよ、と
綺麗に作られたタコさんウィンナーを頬張る

伊都波 悠薇 >  
「……へ?」

イメージチェンジ?

「――……………………むり!?」

がばっと起き上がった

「金髪に染めて、なんだってごらぁ、やんのかおらぁって鳴るのも無理だし、髪をバッサリ切ってボーイッシュとか、それあ、わりといけるくちとかいってごにょごにょされるほうこうにいくのもダメだし、とととととととととととにかく、そんな恐れ多くて、リスキーなのは、ハードルが高すぎますよっ」

伊都波 凛霞 >  
「そ、そこまでしろとは言わないけど」

妹の剣幕にちょっと苦笑する
否応なく、周りから視線を集めた

「でも髪型や、学校では制服だけど普段着の感じを変えたりとか、
 見た目を変えると結構気分も変わったりするよ、お化粧なんかもいいかも」

そう言いつつ笑みを向ける

「悠薇も髪長いんだし色んな髪型出来る筈だしね」

ポニーテールでお揃いにしてみる?なんて言いつつ、楽しげな姉だった

伊都波 悠薇 >  
「……っはっ」

視線に気づいたのか、しおしおになって座り、うつむき湯気を頭の上からだしながら、すいましぇんとつぶやいた

「……ま、前髪いじらないていど、なら?」

なんか楽しそうなので妥協案を提出してみた

伊都波 凛霞 >  
前髪で顔が見えないのが一番の問題だと思うんだけど…とは言わない
これに関して妹が頑ななのはよく知っているのだ

「じゃあ、やっぱり神の纏め方かな」

編み込んであるおさげもかわいいけど
がらっと気分を変えてみるにはアップなんかもいいかもしれない

「今夜、実験してみよっか」

クスっと笑ってそう提案する
部屋で、自分ひとりしか見ていないなら妹も気持ち的には楽だろう …多分

伊都波 悠薇 >  
「……うん」

なんだかんだで、姉とそうやって戯れるのは好きだ
”アレ”と”コレ”がなくなってからも、そこに変わりはない

「前髪は、だめだからね」

釘を差して気を改め、弁当をもぐもぐと食べ始めた

伊都波 凛霞 >  
「ずっと気になってたんだけど、そこだけはこだわるよね。…恥ずかしいから?」

自信ももぐもぐとお弁当を平らげつつ、改めて聞いてみる

本当に恥ずかしがっているだけなのか、どうか…
それだけでそこまで頑なになるものなのかな、と気になったのだ

伊都波 悠薇 >  
「恥ずかしいからっ」

うがーっと、妹にしては珍しく

「素顔を晒すのも、その――恥ずかしいし、視線感じるのもバレるのも、あれだし……ごにょにょ」

ぶつぶつと続けて

伊都波 凛霞 >  
「…お化粧とか伊達メガネとかいかがでしょう」

うがーってなってる妹になぜか丁寧語で返す
そういう理由ならこういう方面のアプローチもありかもしれない

「簡単なメイク、教えよっか?」

女の子のお化粧なんかは変身願望の一つだ
妹も17、元々色白なのですっぴんでも正直可愛いのだが
少しくらいはそういうのを覚えてみるのも良いかもしれない

伊都波 悠薇 >  
「……何故に丁寧語?」

怪しいと目を細めて

「――いいよ。まだ、高校生だもん」

メイクとか、そんな男性にその――


顔が真っ赤になった

伊都波 凛霞 >  
「いやぁなんとなく」

さっき悠薇だって丁寧語になったじゃん、と笑って

「覚えておいても損はないと思うけど───…なんで赤くなってんの?」

食べ終えたお弁当箱にお箸を戻して、包みなおしていると、なんか妹の顔が真っ赤だった

伊都波 悠薇 >  
「痛いところをつかれたらだれだってそうなるよ……なるものなのっ」

むーっとむくれつつ

「な、なんでもありゃしやせんえ?」

ぽっぽっと湯気出しつつ。もぉそれはもぉ、お化粧を教えるなんだりで、ぽわわーんな妄想なんて、してませんとも

伊都波 凛霞 >  
あ、むくれてる、かわいいなーなんて思いつつ顔には出さない

「…ほんとかなあ。
 最近わかったんだけど、悠薇がそうなるのって、いかがわしいこと考えてる時なんだよねー」

食後のお茶をいただきながら、目線は真っ赤になってる妹の顔を直視

「お化粧以外も、教えて欲しい…とか?」

伊都波 悠薇 >  
「いいいい、いかがわしいことなんてかんがえてましぇん!!?」

わたわたわた――しゅっしゅぽっぽー

「……以外って、なにさ」

しどろもどろになりつつ

伊都波 凛霞 >  
「まだ高校生、なんて言うから」

くすっと笑って、眼を細めて

「高校生だって、男の子と違って女の子は十分大人だよ?
 お化粧も、下着の選び方だって変わってくるんだもん。
 お姉ちゃんは悠薇よりも少しだけお姉ちゃんだからね、知りたいことがあるなら教えてあげれるよ」

具体的に何がどう、ってわけじゃないけど。と付け加えて

伊都波 悠薇 >  
「だって、実際まだ、高校生だし?」

ふーっと深呼吸。ひっひっふー……

「……――ぬーっ」

さて、とても余裕そうな姉である。どうにか、この姉の度肝を抜くことができないかと、考える

「本当に?」

教えてあげられるという言葉に、再確認

伊都波 凛霞 >  
「悠薇にウソはつかないよ」

再び、にっこり笑う

「もちろん、お姉ちゃん教えてあげられる範囲に限られるけどね」

知らないこと、できないことまで教えることはできない
知っている、出来ることの限りは、妹に教えてあげる気でいた

伊都波 悠薇 >  
「言質としていただきました」

あとで考えておこう。姉の度肝を抜くことができること――

「夜に姉さんの部屋行くね」

ごちそうさまでしたと手を合わせて。
さて――そろそろ昼休みも終わりだ

「……覚悟していらっしゃいましっ」

伊都波 凛霞 >  
「ん」

笑顔のままに頷いて
そろそろ時間かー、とお弁当包みを片付けて…

「さて、午後も頑張ろっかー」

立ち上がり、んーっと背伸びをして、バッグを担ぐ
午後の講義は確かーっと予定を頭の中で整理しつつ…


「うん …ん? 覚悟?」

何が…? と思わず妹に対して小首を傾げて見てしまった

伊都波 悠薇 >  
「えっと、午後の時間は……」

なんて同じように確認しながら

「……どしたの、姉さん。なにか顔についてる?」

同じように首を傾げて――

伊都波 凛霞 >  
「い、いやぁ…なんでもない……」

なんか妹らしからぬ言葉が聞こえた気がしたけど気の所為だったらしい

その後お互いに食堂で手を振り別れ…午後の学園生活をそれぞれ送るのでした

ご案内:「食堂」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「食堂」から伊都波 悠薇さんが去りました。