2015/07/11 のログ
ご案内:「保健室」に来島宗仁さんが現れました。
ご案内:「保健室」に雪城 氷架さんが現れました。
■雪城 氷架 > 「兄貴、いる…?」
ひょこ、と保健室に顔を出す氷架
心なしか、元気がない表情である
■来島宗仁 > 「ん、氷架か、どうした?」
校門のアルラウネの為の肥料を研究中。
様々な土を並べてうんうん唸ってた所だ。
さっと机の上の土を片付ける。
■雪城 氷架 > 「勤務中悪いけど、少し聞きたいことあって…」
テスト期間も終わり、少しずつ夏休みムードになってくる校内
それでも教員のやることは変わらない
「忙しいなら、出直すけど」
■来島宗仁 > 「遠慮するなんて、お前らしくないぞ」
そもそも来島の授業はテストがない。
課題はかなり前に出してあり、もう全員分提出されている。
しかも人数はかなり少ないとくれば。
当然、他の教師よりも楽なのである。
■雪城 氷架 > 「だよな…」
はぁ、と大きな溜息
ここのところまったく活気が出ない
心配事が全く解決しないからだ
自分らしくないと言われれば本当にそうだと思える
「同じ保健課だしもしかしたら兄貴なら知ってるかと思って…、
括流、最近どこへ帰ってるか知らないか?…私の部屋にずっと戻ってこないんだよ……」
悲しげに項垂れる
■来島宗仁 > 「は、帰って来ない?」
珍しい事もあったもんだ。
あの括流が、氷架の所に帰ってないなんて。
まさか、何か事故に……ってことはない。
今日も職員会議に居た。
という事は。
「なんだ、括流と喧嘩でもしたのか?」
■雪城 氷架 > 「もう数日だよ。
学校探しても見つかんないし…多分、私のこと避けてるんだ」
その言葉を吐き出すとほんの少し泣きそうになる
ぐっとそれを堪えて……
テスト期間後でなければ、講義の時間を狙うこともできたのだが
「……そんなところ、仲直りしようにも会えもしないんじゃ…」
■来島宗仁 > ふむ。これは相当だ。
氷架は、メンタル面に弱い所がある。あんな光景を見たんじゃしょうがないが……
その分、括流や自分に依存してしまってる部分があるのかもしれない。
「何か、喧嘩するような事、あったのか?」
■雪城 氷架 > 「そういえば兄貴に言ってなかったっけ…」
よいしょ、とその辺にある椅子にかける
「私、彼氏できたんだよ。
なんかそれに関して思うところがあったみたいでさ」
兄貴と呼び慕う来島教諭
子供の頃からの兄貴分、ではあるが…最近婚約も済ませ、昔ほどべたべたではなくなった故、
今日が初の報告となろう
■来島宗仁 > 「……彼氏?」
あの氷架が。
夏にパンツとブラだけの格好でソファーに寝っ転がりながらエロゲーしてた、あの氷架が。彼氏。
「……二次元か? それともエア彼氏?」
思わず聞き返した。
■雪城 氷架 > 「冗談で言ってるわけじゃなくて本当にできたんだよ!」
来島先生の乗る椅子のケツを蹴っ飛ばす氷架
足癖がよろしくない
…顔は赤いけどこんなことでも少しだけ元気が出たようにも見える
■来島宗仁 > 「うご!?」
体勢を崩しかけて慌てて座りなおす。
そうか、彼氏か。本当に。
……成長したなぁ。
「わ、わりぃわりぃ。
んで、彼氏が出来たから思うところがあったぁ?」
■雪城 氷架 > 「そうなんだよ」
来島へのツッコミの効果があったのか、いつもの雰囲気が戻ってくる
「最初はさ、好きなヤツができたかもしれないって相談したんだ。
思えばその時から、妙に疑ってかかるというか、慎重なこと言うよなって思ったんだけど。
それはただ単に私の心配してくれてるからだと思ったんだけどさ、その後も私の彼氏を問い詰めてみたりとかしてて、何かおかしかったんだ」
■来島宗仁 > 「あー……」
なるほどなぁ。
慎重。心配。うん、分かる気がする。
しかし、直接問い詰めてる、とまでなると。
「――氷架、その彼氏に、お前の過去の事話したか?」
■雪城 氷架 > 「……話したよ、割と急な進展だったって私も相手も認めてるし、
まだお互いのことをよく知り合ってく段階だからさ。
当然、過去のことだって話してある。
…だから、お母さんが死んでるってことも、知ってる。こっちはお母さんから直接聞いたみたいだけどさ」
ぎゅ、と胸元のリボンを握りしめる
大丈夫、大丈夫だ。あの光景さえ思い出さなければ大丈夫
事実は事実として、認識できていることだ、だから大丈夫
ふぅ、と大きく息をつく
「零っていうんだけどさ、そいつも。
そんな過去背負ってる私を受け入れてくれたよ」
ふわりと笑った
■来島宗仁 > 「――そうか」
こくんと頷く。
理由が、分かった。あまりに急な事が原因か。
「理由が分かったよ。
……俺も、さいこが居なきゃ、括流と同じように考えたかもしらんな」
自分とさいこの出会いも唐突で、婚約まで行くのも短時間ですっ飛ばした。
――てか、俺の時はむしろけしかけたくせに、あいつは。
■雪城 氷架 > 「私が心配だって理由なら、そんなのお門違いだ。
急だったとは言っても、私は私の気持ちに嘘はついてない。
そりゃ私はまだ子供かもしれないし、一時の気の迷いとの区別がつかないと思うかもしれないけど…
そんなのきっと、誰だって最初は通る道だ」
うん、と大きく頷きながら熱弁する
「でもそれが私を徹底的に避ける理由になるかどうかっていうのがわからないんだよな…」
そしてうなだれる
■来島宗仁 > 「あぁ、俺も今なら分かるよ。
人間ってのはな、誰かを突然好きになったり、一緒に居たいって思うものなんだ。時間は関係ない」
そう、来島もそれを体験した。
居なくなってから、本当に分かる事もある。
「だけどな、氷架。それは体験してみなきゃ分からん事だ。
ましてや括流は、恋とかよく分からんだろうし……」
括流にも誰か良い人が居ればいいんだが。
……人間よりかは蛇の方が、なのか?
「だからさ。
その零って奴よりも、自分の方がずっと長い時間氷架の側に居るのに、急に出てきて氷架の側を取られたらさ。
そりゃぁ、何かしたんじゃないかって、勘繰っちまうよ」
■雪城 氷架 > 「どうなんだろうな…恋愛経験あるのかって前に聞いた時はぼかされたけど……」
括流は自分のことについてあえて語らないことも多い
そこを氷架が窺い知ることはできないが……
もしかしたら、知った上での心配だったのか、あるいは
「側を取られるって……括流は括流、零は零だよ。
どっちも大事でどっちも代えられない。
……ていうか、それじゃまるで…」
括流が、嫉妬しているというようにもとれる
■来島宗仁 > 「そうだよ。あいつの嫉妬だ」
あるいは、自分でも気付いていないのかもしれない。
氷架の事が心配で。
氷架の為にと思い。
たとえ氷架に嫌われてでも、氷架の為に彼氏を「何とかしようとする」なら。
「何をどう言い繕おうと、あいつは嫉妬してる。
……あ、悪い意味で言ってるんじゃないぞ。むしろ少しも嫉妬しなかったら、逆に冷たいんじゃないかって思うくらいだ」
ふぅ、と息を吐く。
思わず煙草に手を伸ばし――火を点けて咥える。
学校の中だが、構うものか。煙草でもないとやってられん。
「俺達はさ、一番辛い時に、一緒に身を寄せ合って生きてきただろ。
それを、何か急に来た奴が『氷架の過去の事も受け入れ、背負っていきます』なんて言えばよ。そりゃ俺だって正直、カチンとは来るぞ?
お前に何が分かるんだ、ってな」
こういう事は、年を食ってるほど起こりやすい。
それだけ、自分の積み重ねたものに自信があるからだ。
■雪城 氷架 > 「でも、そんなの……」
いや
そう考えれば、括流の態度にも全部納得がいってしまう
「………。
括流は括流、大事な家族だ。
兄貴だってそう、私は本当の兄妹みたいに思ってる。
私に他に大事な人間ができたって、そこは絶対変わらないのに…」
■来島宗仁 > 「氷架。今回の事は、お前のせいじゃない。
そして、お前に出来る事もほとんどないよ。
――これは、むしろ括流の問題だ。あいつが、乗り越えなくちゃいけない事なんだ」
そう。事は氷架の問題のように見えて、実はそうではない。
括流が考え、そして決着をつけなくちゃならん事だ。
「だからな、氷架。もし括流が帰って来たら、何も言わずに迎えてやってくれ」
■雪城 氷架 > 「………」
黙って兄貴分の、来島先生の言葉を聞いていたが…
黙って言うことに従うタイプではない、きっとそれはこの教諭も知るところであろう
「いやだ、探して迎えに行く。
なぁ兄貴、職員寮に括流の部屋とかってないのか?
もうあちこち探したけど、思い当たるのそこしか残ってないんだ」
■来島宗仁 > 来島は溜息を吐いた。
――そうだな。昔から言って聞く奴じゃぁなかった。
そして自分も、氷架にはとことん甘いのだ。
「……俺は忠告したからな」
ノートの切れ端に、さらさらと部屋番号を書き。
ポケットから、職員寮の一室の鍵を取り出す。
「これ、括流に返すの忘れてたんだわ。
お前から返しといてくれ」
■雪城 氷架 > 「さんきゅ、兄貴。
やっぱいざって時に頼りになるのは兄貴だな」
椅子から立ち上がって肩を揉んでやろう、ぐりぐり
「ん、まぁ多分括流、なんかの手段で私のこと感知して避けてるんだよ。
会えたらちゃんと返すけど。その前に何か上手いことそういうの妨害する方法とか知らないか?」
こう、魔術による探知を妨害する魔術…のスクロールとか。ありそうなものだ。
氷架は魔術に関してはちんぷんかんぷんである
■来島宗仁 > 「いっつつ! もうちょっと労わってくれ!」
と言いつつも。
どうやら本体の調子に戻ったようで、何よりだ。
……あとは、括流が素直になってくれればいいのだが。
「そこまでは面倒見切れん。他の魔術師か誰かに当たってくれ。
俺の専門は、治す事だからなぁ」
来島も、薬草関係以外はちんぷんかんぷんである