2015/07/18 のログ
嶋野陽子 > 「お大事に」と先輩に声をかける陽子。
(あと、ソファーは壊さないように大事に使います)
と心の中で誓う陽子だった。

保健委員になってさえも、保健室での初治療よりも
先に対怪異のデビューを果たしてしまった事を思い
出して苦笑しつつも、保健室の後片付けと、治療報
告書の作成・提出を済ませ、保健室を出る。

ご案内:「保健室」から嶋野陽子さんが去りました。
ご案内:「職員室」にリグナツァさんが現れました。
リグナツァ > 言葉を発することもなく、自分の机へと戻る気力さえ無く。
ソファに崩れ落ちている青年は、ただ片手をまぶたの上にかざしただけで深く深く寝息を立てていた。

いつものように付き従っている白い大型犬もどことなく元気が無い。
主人を咎めるわけでもなく、じっと見ながら舌を垂らしている。
今日一度でもリグナツァに用事のあった教員であれば、
アルヴァーンが来訪を察知した時点でリグナツァの膝に手…前足を置き、リグナツァを起こしていたのを見ていたはずだ。

こうも疲れ果てている原因はいくつか有ったが、
大きな原因は召喚術に加えて軍学についても講義を持つことになったためである。

リグナツァ > リグナツァは帝国から派遣され、学園の教育顧問を名乗っている。
早い話が侵略行為である。
軍事力は後ほどやってくるために、リグナツァ自身は直接行動は何ら行っていないが、外交的に言えば彼がここにいるだけでも十全に意味は有る。

そこへ。この学園へ。
現職の軍人がやって来て、軍事教練を行う、らしい。
しかも、佐官。

海岸で休日を満喫して戻ったリグナツァは教員会議で知らされた事実に言葉も出なかったが、
短い期間とは言え教員を務めた以上、この学園の採用方針は既に知っている。
つまり、教えられることが有る者であればその政治的背景も何もかもを置いて採用される、ということだ。自分がそうであるように。

その晩のリグナツァに選択肢はいくつか有った。
例えば自らの身に何かを起こし…つまり帝国の遠征軍を即座に呼び出すための"悲惨な事件"を引き起こすことも出来た。
逆に、その相手を害しに行くことも出来た。
幾度か門を開いた。コーヒーカップを幾度か空にした。
そうして夜明け前になって実に適当な講義要項を記入してから、自らも軍学の講義申請を教員会議に提出した。

結果的に衝突を先延ばしにするだけの選択肢を採ったのである。
理由はリグナツァにも知れぬ。教員会議で採択が行われるまでの期間を利用して、
これまで教えたこともないような科目のために寝ずに勉強を行っているのが何故だかわからぬ。
いずれ遠征軍が訪れれば否応なく吹き荒れるだろう戦火が少し早まるだけにすぎないし、
自らは栄達に手が届くだけだというのに。

青年はこんこんと寝ている。
自らを拾ってくれた師の夢を見ている。

ご案内:「職員室」からリグナツァさんが去りました。