2015/09/22 のログ
■蒼穹 > お、おおう…。
(露骨な溜息が聞こえた。いや、彼女からすれば小さかったのやもしれないが、己にすれば気になった。
睨むような目付き、大方気に食わないとでも言いたげなそれとは逆に丁寧語だった。
何か邪魔をしてしまったのだろうか。思わず向けられた仕草や表情にあせあせ。無意識に身を引いたやも。
もしや間違って不良女子に声をかけたのだろうかとか要らない穿鑿をしつつ。
ただ、彼女に聖徳太子めいた事をさせる気もないのか、
ラジェルが此方に喋るのを譲ってくれたようなので。)
どうも。ごめんね。
(と、一声入れてから。)
ごめんね。
ああ、ええと。二人とも、社会学の授業って取ってるかな?
(ちら、ちら、と先に声をかけた茨森と、ついでとばかりに場を同じくしたラジェルに視線を遣りながら聞いてみる。
課題を遣ったはいいが何処へ出せばいいのやらちっともわからない。
この教室棟のロビーの掲示板に掲示すると言っていたくせに職務怠慢も良い所ではないか。
なんて愚痴りながら。)
■茨森 譲莉 > 「ああ、なんとなく見てたら学園祭が近いって書いてあったので、詳細を確認していました。
……随分と目を引くデザインですよね。」
洒落たというか、中二臭いポスターに視線を戻してからそう適当に返しておく。
女子高生らしいか、と問われれば正味首を傾げざるを得ないデザインではあるにせよ、
まぁ、その筋の人間にはそれとなく好まれるデザインだろう。
アタシは書類の価値は見てくれではなくそこに含まれる情報であると思っているので、
ガワの差なんていうのは些事も些事であるし、実際このポスターは目に留まったし、
必要な情報をアタシにばっちり伝えてくれた。
それなら、良いデザインと言えるのではないだろうか。……100歩くらい譲って。
魔法使い風の彼女に横目でそう答えつつも、
アタシは肩を叩いて来たとにかく青い少女のほうに視線を戻す。
■茨森 譲莉 > 「はい。取ってますけど。」
社会学、と言われれば成程。と頷く。
元はと言えば、アタシもその情報を求めてこの掲示板の前に立ったのだ。
ご愁傷様、この青い少女も課題を終えたはいいものの何処に出していいのか分からない、
この広い校内をさまよえる亡者になってしまった、という事だろう。
「提出場所なら、ここには貼ってなかったですよ。」
職務怠慢な教師の蛮行を彼女にも通達しておくことにする。
あるいは、彼女も先にこの掲示板に一通り目を通した上で、
見当たらないからこそアタシに声をかけたのかもしれないが。
ふぅ、と小さく息をつくと、視線を魔法使い風の彼女のほうに向ける。
彼女が提出場所を知っている可能性もあるし、そもそも彼女の答えをこの青い少女も求めているのだ。
■ラジェル > 「そうだろう。今までに無い画期的な独創性が必要だとのことでな。我が手腕を振るえば集約するのも必然」
【得意げな顔をしながら己が独自に考えたキャッチフレーズ。
『活目せよ! 混濁とした園の中にてより強く眩く学祭を!』
『闇に抱かれた者とて光を欲するであろう!」
などなどは我自身も非常に気に入っていた。
まず視界に入れてもらうならばインパクトがなければなるまい。これは我の作戦である!】
「あの授業は既に取得している故受けておらん。
だが前年度に1度掲示すると云った際にも同様の事件が起こった。
授業前までに提出しろという通達だのに、仕方がないから職員室に乗り込んで課題を突きつけてやったわ!
今期もそんな感じであの怠惰の罪を極めし者に突きつけておけば受けてくれると思うぞ」
【見た限り後輩であろう娘らへのアドバイスとしてはそんなところでよかろう。
結局提出場所は教えられていなかったということなので、先生に直談判するのが解であろうが。】
■蒼穹 > あ!ほんと?!じゃ、じゃあ―――
(彼女なら、恐らく知って居そうだと思って期待して、
次の質問を投げかけようとした矢先―――。)
…な、なんと。
(先回りされてしまった。
あの教師またやらかしたらしい。良くサボっている己でも分かるくらい職務怠慢である。
今日は久しくまともに時間に間に合って授業してたと思ったらこれだ。
掲示板は一通り見た、その上でと彼女に声をかけてみたは良かったが、結果は残念に終わった。)
あっはは、久しぶりに真面目に課題やったのになぁ…。
(四分の一に折り畳んだ授業のプリントを広げながら、
困り顔と渇いた笑いと言った表情を足し合わせた微妙な顔になった。)
あー、職員室。
あの人いないけど机の上置いといて大丈夫なのかな。
(失礼ながら、この先輩?色々中二臭い…気がする。という意見はさておく。
何とも言えない半笑いと言った、少々そんな言葉遣いがおかしそうな表情。
ともすれば、噴出しかねないような表情の上に平静を取り繕って答える。
怠惰な教師は何処までも怠惰だ。よく知っている人ならきっと、いつあの人出勤しているんだろうレベルなのかもしれない。
っていうか去年もやらかしていたという新事実が発覚。)
■茨森 譲莉 > 「こいつが作ったのか。」と思わず視線が泳ぐ。
ポスターが視界にうつり、自慢げなコスプレ少女がうつり。
数度視界の移り変わりを終えて、アタシは若干頭痛がするような思いがして頭を押さえた。
「はい、とっても独創的だと思いますよ。」
そう、口から漏れたのはきっと降伏の白旗だ。
……口ぶりからしてどうやら先輩らしい彼女の帽子の先端を仰ぎつつ、
職員室に置いておけばいいのなら、後で届けておく事にしようと内心で頷いた。
■茨森 譲莉 > 「……じゃあ、アタシは課題を届けに行ってきますね。」
目当ての情報を手に入れたのなら、この喧しいロビーに立っている理由は無い。
主に目つきの問題でカカシになりかねないのだ。アタシは。
青い髪の少女と、魔法使いのコスプレ少女(中二病)に小さく頭を下げると、鞄を持ち上げて肩にかける。
■ラジェル > 【皆で先生を評価して上層部に突きつければあの先生も多少は改善されるのではないだろうか。去年やってないし、そんなこと。】
「すまぬな。我の過去を見通す"チカラ"を以ってしても助力にならなんだ」
【肩透かしを食らって非常に残念だろうが、これもまた社会の縮図。理不尽の塊というものよ。】
「しかしだ青き乙女(蒼穹)よ。その努力は決して水泡に帰すことはない。いずれ天よりの祝福が舞い降りるであろう。
あの教の机にはいつの間にか置いたものが消えていることもある、問題はない」
【胸を張りながら先輩風をを吹かせる。後輩(仮定)に向けて得意げな顔をしながら腰に手を当てた。
なぜだか奇怪な呼び名をつけつつ、笑わないようにガンバル乙女と「行って来ます」という茨の君を見ていた。】
「おぉそうか。ならばこの大波に飲まれぬよう箱舟を用意せよ。常闇に沈むほどに波は収まろうが、与えられた試練(課題)も手放す出ないぞ」
【極めつけにびしっと指差しながら忠言したコスプレ少女(中二病)である。】
■蒼穹 > す、ストップ!行くなら私も!私もいくし!
(さっさと課題を届けようと用意を始める彼女が見えれば、これと言った理由は無い。
強いて言うなら集団的に課題が提出出来ればもし不備があっても教師のおしかりが分散されるとかその程度。
といっても、多分いないんだろうけど。一人でぽつんと出すだけ出しておくって、何となく不安感がある。
ので、旅は道連れと言った具合に。)
ごめん、何言ってるかさっぱり分からない。
…うん。最初からそう言えばいいんじゃないかな。
(どやっとした顔で語らうラジェルに些かの困り顔。前半のフレーズには?マークを浮かべて疑問そうな顔をするばかり。
後半が聞こえれば少々隠れきらぬ呆れ顔を見せて。)
ねぇ、ちょっと良い?
あの人何言ってるか…分かる?
(最後のノアの箱舟的な言葉の意図を測り兼ねて、最初に肩を叩いたのと同じ具合に、
未だそう遠くには行ってないだろう茨森に振ってみた。多分深い意味はないのだろうけれど。)
■茨森 譲莉 > 「心配せずとも、このノアの大洪水を乗り越える箱舟は用意していますよ。」
はぁ、と思わずため息が漏れる。
小さく手を挙げて別れの意を表明すると、アタシはその神の試練だか、
大波だかなんだかよく分からない人の波に足を踏み入れようと足を踏み出す。
妙な別れの挨拶をされなかっただけマシといった所か。
ラ・ヨダソウ・スティアーナ。………まぁ、運命の導きとかがあったらまた会う事もあるだろう。
箱舟なんて無いアタシは、人の流れに流されるままに―――。
………と、いった所で肩を叩かれた。この青い髪の少女は肩を叩くのが好きなんだろうか。
実家に帰って御婆さんの肩を叩く方がアタシの肩を叩くより100倍は有意義だと思うけど。
「………いえ、これっぽっちも分かりませんね。」
実は昔持った杵で実はほぼ分かるけれど、そんなものは焼却すべき黒歴史である。
捨てきれずに実家の棚の奥深くで眠っているであろう聖遺物を頭に思い描きながら、ははは、と乾いた笑みを漏らした。
■ラジェル > 「無礼は許そう。我は寛容だからな。いつか我の言葉が伝わる日を心より願う。
ではさらばだ。この混沌たる学園の中で会うときがあれば。
――あぁそうだ! 次の学園祭のときには是非楽しんでいって貰いたいものだ! ここの学園祭は余興には最高だからな!」
【ヘンな別れの挨拶は無かった。これも大概だといわれればソレまでである。
周囲の生徒が我の一喝にどよめく中、青き乙女に切なる願いを届けつつ、我はブーツの踵を鳴らして人ごみに紛れる。
彼女たちが理解できん言葉を一層目まぐるしく言葉を重ね、我は彼女たちと反対方向へと進んでいった。】
ご案内:「ロビー」からラジェルさんが去りました。
■蒼穹 > はぁ、そう。箱舟用意して…何だっけ。
(そもそも言われた言葉さえも忘れてしまった始末だった。
大方予想通りの表情と、予想通りの答えだったので己も苦笑いする次第。
よく分からないけれど、渇いた笑いを浮かべるなら、何か思う所があるのかもしれない。己は良く知らないが。
因みに、肩を叩くのはあくまでも相手に注意を寄せる為で、好きかと言われればそんなに好きでもない。)
あ、ええと。…無礼な言動ごめん?お疲れ様ー。
(ロビーの掲示板付近から、人だかりへと紛れていく中二っぽい姿の中二っぽい少女を横目で見送った。
流石に手を振る気にはなれなかった。…あの人大丈夫なのだろうか。
独特な立居振舞はそんな人だかりの視線を良くも悪くも釘付けにしそうなもの。)
…混沌、混沌ねぇ…。
あ、そういえば、学園祭ももうすぐだっけ。
何かあるのかなぁ。
(混沌。どちらかと言えば己は混沌を作りだしている側なのだろう。見た目はこれだが。
ふと、去り際に中二っぽい少女が溢した言葉を反芻してみる。
文化祭や体育祭なんて、人間文化にはあるらしいが、学園祭とは何をするのだろう。)
■茨森 譲莉 > 「………。」
呼び止められたアタシと、特に呼び止められるでもなく立ち去る彼女。
呼び止められたからにはおいそれと立ち去るわけにもいくまいと
考えを改めて人垣の中央に戻って来ていたアタシは、さてどうしたものかと首を捻る。
学園祭は勿論楽しませて貰うつもりだから安心してほしい。
何しろ、アタシのこの学園最後の思い出になるはずなのだ。
結局、名も告げずに去って行ったその少女の背に約束しつつ、
アタシはただ途方にくれてただただ頬を掻いた。
「……とりあえず、課題、出しに行きますか?」
まるで豆腐がふやけたような笑みを浮かべつつ職員室のほうを指差して、
自分と同じように困惑した表情で彼女を見送る青い髪の少女に向けて首を傾げた。
■蒼穹 > (暫し、沈黙の期間でもあったのだろうか。
掲示板の付近、三人から二人になった後棒立ちで、小さな一息。
そうして次いで言われた彼女の言葉に頷いて。)
…そうだね。
(嵐―――具体的には、嵐の様な人物―――が去って行った。概ねそんな気分。
ただ、今やることと言えばやっぱり課題提出なのだろう。
最初に向けられた睨み顔みたいな顔から、ふんわりとした笑みを浮かべる彼女は結構ギャップがあった。
そこそこに人間目から見たら可愛らしいのやも。
まぁそれはさておいて。指差された方向を横目にて一瞥。
それから。)
ん、じゃあいこっか。
…っていうかあの職員室で合ってるよね。
(何処の職員室に誰がいる等、サボりがちな己にはよく分からない。
彼女が躊躇いなく指差したのだから大方間違いはなかろうと思うけれど、一応の確認。)
■茨森 譲莉 > 「正直な所、分からないですね。」
職員室の場所といえば少なくともこの第3教室棟ならば、
このアタシの指が不遜にも指差しているその先にあるだろうが、
何しろこの学校に来たばかりだ、どの先生がどの教室棟の職員室に居るかなど知るわけも無い。
嵐のように過ぎ去った人物が肝心な情報を置いて行き忘れている事実に気が付いて眉を顰めつつ思考を巡らせる。
この教室棟の職員室にかの教員の机があればそれで万々歳全て解決だが、
そこに本当にあるかどうかは今この場では確かめる術はない。
この人の波に揉まれるように職員室まで行き、それで無駄足だったとなればその怒りと落胆は如何ほどか。
ふう、と憎々しげに掲示板に視線を戻すと、ふとアタシの視線に引っかかるものがある。
………この掲示板の上のほうの紙、二段重ねになってないか?
真新しく掲示されたのであろう掲示物は、片一方の掲示物を押しのけるように鎮座している。
剥がして下にある掲示物を確認すれば、或いは、そこに目当ての掲示物があるのではなかろうか。
しかし、アタシの背丈ではどうにも手を伸ばせどその紙を引きはがすには足りそうにない。
「あそこの紙、二枚重ねになってるじゃないですか。
もしかしたらですけど、あの下に、提出場所が書かれた紙があるかもしれません。」
アタシの指は提出場所かどうか分からない職員室を指差すのをやめ、
今度はやや高めの位置にあるその紙を指差した。
■蒼穹 > …ありゃ。
(第三教室棟のロビーに提出場所を提示するのだから、第三教室棟に職員室はあろうけれど。
そもそも一個の教室棟にいくつもいくつも教室があり、職員室も保健室もあるマンモスを越えたゴジラの様な学校。
確率だけで考えるなら、彼女が指差した教室が我々の目的地である可能性は限りなくゼロに近い。
位置的に考えれば10%位はありそうだけれど…記憶が不確かなら、分からないに違いなかろう。
これはまた困った。)
でもまあ、一応、確認しとこうかな。
(当然、そんなゴジラ学校なので、どの職員室に誰がいるか、どの教科を担当しているかは、
入らなくても外側から窓に貼られた座席表で確認できるようになってはいる。
彼女が指差した先は、きっとこのロビーの最寄りの職員室だったのだろう。
ちょっと行ってくるよと言い残して、少々人間離れしたスピードで駆ける。
人波の合間を縫って職員室、それから戻ってくる。その往復に1分もかからなかったろう。)
…違うみたい。
(残念ながら、と言うべきか。窓に貼られた紙に目的の教師の名前はなく。徒労に終わってしまった。)
…あ、ほんとだ。良く気付いたね。
ってか何であんなところに重ねて貼るかなあ…。
(また戻って来て彼女の横に。
紙の後ろに別の色の紙がハミ出ているのが見える。
学園祭の告知と思しき黄色い紙の後ろに、地味そのものな藁半紙の色。
それっぽい。…それっぽいが…見えない。呆れたように掲示板を見上げた。)
■茨森 譲莉 > 例によって、異能だろうか。
超スピードで往復する青い少女を見て、そんな事を考える。
アタシならここから職員室まで往復20分くらいかと試算する。
遅刻とかしなそうでとても羨ましい。
……そもそも確認しに行ってくれという意味合いで指差したわけではないのだが、
どうにも、この学校の生徒は他人に過剰に親切らしい。
あるいは、自分の力に自信があるからこそ、それを披露する機会に貪欲なのかもしれないが、
それは、恐らく異能も何も持たないアタシの穿った、嫉妬に満ちた見方だろう。
思わず小さく漏れる舌打ちにはっと口を押えて頭を下げると、
改めて掲示板の頂きに鎮座する掲示物に視線を向けた。
実際に試すと無様な事になる事間違いなしであるとは思いつつも、
壁に張り付くようにして手を伸ばす。予想通り、つま先立ちでもあと少し届かない。
「アタシの身長じゃ届かないんですけど、届きませんか?」
ぷるぷると震えていた足を地につけると振り返る。
平均よりやや高め、といった所のアタシの身長から見ると、やや見下ろす形となるこの少女。
その少女がアタシが届かない場所に届くわけがないのだが、
その常識を覆しうるのがこの学園の異能だとか魔術だとかそういった力だ。
先に異能めいた力の片鱗を見せている彼女に僅かばかりに期待をかけるというのも、
別段、不自然な事ではないと思う。
■蒼穹 > (何をしたかと言えば、何をしたわけでもない。
異能でも魔術でもない、強いて言うなら特殊能力に属しようか。
身体能力が人間ではない、それは、強化や異能ではなくって、
チーターが恐ろしく早く走るのと同じ様な事だった。
見た目はこれだが、人間ではない。
といっても、互い良く知らない故、彼女から見れば人間が何かしら特異的な行動をとった、という風にしか見えなかったのだろうが。)
…ん。
(ちょっぴり、何かしら睨みつける様なものや、苛立ちに似たものを感じた、そんな気がした。
ともあれ、悪意がないのは、すぐにそれを抑えて謝罪の様な仕草をしてくれたが故に分かるのだけれど。
…何でだろうか、時折身に覚えのない事で刺々しさが彼女から感じられる。
暫く、彼女の様子をじーっと見遣っていたけれど…、結局不問にして。そのまま視線を掲示板へと。)
んー…。
(やはりというか、もう少しなのに、届かない。
平均的な男子生徒だったらギリギリ届いていただろうか。)
…あー、届かないかな。多分キミの方が背、高いしね。
何なら下から持ち上げよっか?なーんて。
(提出期限は今日中だけれど、まだ余裕はある。
故に、何処か幼い悪戯っ子の様な笑みと共に、そんな冗談を投げかける。
因みにやろうと思ったらいくらでも手を届かせる手段はある。ただ跳躍するだけでも良いし、
ちょいと重力を魔術で弄るでも良い。超常的な手段に頼らなくとも、普通にすぐそこから足場の箱を持って来ても良い。)
■茨森 譲莉 > 「それでしたら、それでお願いします。」
えらく現実的な手段での解決になりそうだと小さく安堵の息をつく。
近場から足場になりそうなものを持ってきてもいいだろうが、いかんせん、ここはロビーだ。
備え付けの椅子は踏みつけた米粒のように床にへばり付いて離れそうにないし、
それ以外にも足場になりそうなものは見る限りでは見当たらない。
異能やらなんやら超常の力に頼らないのならば、どちらかがどちらかを持ち上げるなり、乗せるなりだ。
生憎「お箸しか持てませんの」とまでは行かないにせよ非力なアタシでは、
この少女に向けて「重ッ」などと年頃の女子には失礼極まりない暴言を吐いてしまう可能性があるし、
彼女がアタシを持ち上げてくれるならばそれは渡りに船だ。
お言葉に甘えて持ち上げて貰おう。「重ッ」って言われるのは一応覚悟の上で。
掲示板の前でネット下でブロックを狙うバレー選手のような姿勢で待機すると、
自分の足が地を離れ、宙を舞う瞬間を待った。
■蒼穹 > …おう?
(己にしてはちょっと意外な答えだったが、彼女にとってはそれが普通な答えだったのだろうか。
返ってきた言葉に暫し不思議そうに声を漏らしたが、それに留めた。
冗談のつもりだったのだが。存外そういうのが通じないタイプなのだろうか。
目付きとは違って敬語だし、もしや真面目な人なのかもしれない。)
んじゃ、ちょっと。ええと…どの辺持ったら良いのかな。
(彼女を挟んで掲示板から此方側に立つ。多分こっちが持ち上げるので良い…んだよね?
そろそろーっと、彼女の腰元へと手を添えて。
この辺で大丈夫?と一応の確認をしておく。)
よっ、と。
(軽々と持ち上げた。よろける様子もない。これもまた人外の力だが、ここではさておく。
あまり大きく持ち上げる必要もないだろうし、最小限度、重なった紙に手が届く程度。気持ち足が浮くくらいに。
ちょっと足りないかも?)
■茨森 譲莉 > ふわり、自分の足が地面から浮くのを感じると、
あまり長く持ち上げさせるわけにもいくまいと素早く手を伸ばす。
上に被さるようにへばり付いているそれを引きはがすと、
睨みつけるように裏に入り込んでいたその藁半紙を確認する。
どうやら目当てのそれであったらしい情報を手に入れると、
アタシは自分を持ち上げる青い少女に向けて降ろすようにと合図を送った。
■蒼穹 > (その合図が来るまで、あまり時間はかからなかった。
見上げれば、ちゃんと後ろに隠れた紙を確認している様子。
人を持ち上げているからといって、別段余裕がないわけでもない。)
ん、おっけ。
(ゆっくりと、然程高く持ち上げたわけでもないけれど、緩やかに地面に足を付ける様な感じで下した。
間もなく掴んでいた手を離す。
剥がしてしまったけれど、掲示物…あれ、剥がしちゃって良かったのだろうかと一抹の不安。
だが今は、提出の方が大事だろう。最も、自分はあまり課題に真面目ではないけれど。
今日は折角やってきたのだから。)
場所は分かった?
(颯爽横に並んで、結局求めていた情報はあったのか、と。)
■茨森 譲莉 > 引きはがした提出物を開いているスペースに憎しみを込めて磔の刑にしつつ、
アタシは彼女の言を肯定するべく首を縦に振った。
「はい。提出場所は、確認できましたから、行きましょう。」
脅威の握力によって握り潰されるわけでもなく、必死に持ち上げたわけでもない様子に
どうやらこの青い少女に人ならざる力がある事を確信しつつ。
持ち上げられた事で皺になっていた制服を伸ばすように手で軽く払った。
他に特におかしいところが無いかを確認して、ゆっくりと鞄に歩み寄ると
地面に置かれて力なく横たわっていたソレを引っ掴んで肩にかけ、ポケットに手を突っ込む。
激流の中に浮かぶ孤島のようなこの場所から移動するための準備を全て整えたアタシは、
この鞄の中に眠る課題にピリオドを打つべく、藁半紙に書かれていた場所へ足を向けて歩き出した。
―――僅かに、アタシの視線が青い髪の毛先を捕える。
この青い髪の少女が異能者であるのか、はたまた、異邦人であるのか。
いずれにせよ、超常の力を持っているのは間違いの無い事ではあったとしても、
今は別に気にすることはなかろうと、アタシは肩を竦めた。
ご案内:「ロビー」から茨森 譲莉さんが去りました。
■蒼穹 > ん、了解。じゃあ私はついて行こうか、場所は敢えて聞かないでおこうかな。
(ブスリと、そんな音と一緒に提出場所が改めて分かりやすくなった。
この掲示板を掲示したのは誰なのか。生活委員会だろうか、一つ文句を言いたい気分。)
…って、早いね?!
(先程あれだけ突っ走っておきながら、慌てる様に一足先に歩き出した彼女の後ろへと。
人間が駆け足で走ったら大凡このくらいだろうと言えるスピードで追い縋って。
はてさて、何処へ向かうのだろう。
提出用のトレーが置かれた場所だろうか、或いは職員室だろうか。
いずれにしても、あの掲示板と怠惰教師には随分翻弄されてしまった。
そんな、少し珍しい様な、そうでもない様な。学生としての、日常の一コマ。)
ご案内:「ロビー」から蒼穹さんが去りました。
ご案内:「教室」に不凋花 ひぐれさんが現れました。
■不凋花 ひぐれ > この教室には誰もいない。誰もいないのが当然、と言っても差し支えない。
外見、内装は普通の学級と変わらず窓の外からは明るい光が差し込んでいる。
薄暗くなる時間ともなれば、濡れた月からの光で満たされ目の奥にまで届く光が自己主張をする。
瞼を落としながら、黒板に課題として出された五科目の基礎的な問題を解いて行く。
書き写すノートにややはみ出したりずれ込むのは仕様のないこと。
「……」
手が痛くなってふるると振った。『楽な態勢で書けるシャーペン』などというらしいお高いもので記しても、疲れるものは疲れるのだ。
■不凋花 ひぐれ > 手を何度かぐーぱーと運動しながら軽く伸びをした。
「あとは――」
何か耳を済ませるように意識を集中させる。そうして書き記す。また手を止めて間を空けてから、また書き記す。
それを幾度か繰り返してからシャーペンを机の上に転がした。
出された課題はこれで終わりである。
「ふー……」
書付だと覚えが悪いのだけど――文字をしっかり書く意味も込めている。
覚えるのは別の方法でも良いとして、書き方ばかりはこの場でしっかりと修めておかないといけない。
五科目。あとでまた先生に内容を聞いてくるか。そんな風に考えながらノートを閉じた。
ご案内:「教室」に平岡ユキヱさんが現れました。
■平岡ユキヱ > こつこつと廊下に響く足音。
月が差し込む程に暗い時刻であれば、自身の毛先を行燈代わりに道を照らして教室の前で止まり、
失礼と入る。青い平生の風紀制服に、竹刀袋。通常モードの平岡ユキヱである。
「ずいぶん勤勉ね? 悪いけど、夜間ゆえ巡回に来たわ。
…最近は特に物騒だかんねー」
確か同じクラスメイトだったか。所属する学級の特殊性ゆえ、
相手の仔細は知らぬが確かそうだと曖昧なままひとりごちる。
■不凋花 ひぐれ > ぴくん、と顎が持ち上がる。瞼を動かさぬまま、廊下のほうへと視線が行く。
そうして遅れてやってきた女性との姿――もとよりその姿は見えんのだけど、聞き覚えがあった。
「一応、基礎くらいであれば単位は早めに修めておきたいので」
物騒なんですか。そんな風にのんきに問いかけながら、首肯した。
「たちばなの人でしたか。見回りお疲れさまです」
■平岡ユキヱ > 「改めて名乗っておこう。一年の平岡ユキヱだ。よろしくどうぞ!
この学級には来たばっかでねー…。一応、名乗るようにしてんのよ」
わはは、と呑気に笑いながら。
相手の動きに、ああ視力がと思い出すように。小さく言葉を漏らして。
「そりゃいい事ね。先んずればなんとやら、よ。早く学べるなら、それに越した事はない」
真面目な感じかなー、とか相手の印象を感じながら、物騒なのかと尋ねられれば、
うむ、と乙女らしからぬ返しで。
「人攫いに、自称英霊…色々ね。
教室にまで不逞の輩が来た事件はまだ知らないけれど、
私たちのような学級に属するものを特に好む輩がいないとも限らない」
なにかあれば風紀か公安に相談するよーに! とえへんと答えた。
■不凋花 ひぐれ > 「同じく1年の不凋花ひぐれです。私もまだ来たばかりなので……よろしくお願いします」
そう、確かとてもしっかりしている人だった。外見が見えていたらさぞそのギャップに息を呑んだかもしれない。
品行方正かはさておき、この学級に所属している以上何かしら抱えているものもあるのだろうが。
それにしてもフランクで、社交性のある人だと思う。
「まあ物騒ですね。このような場所でも乱れはあるのですか」
それに英霊とは。どういった方なのだろうか。とはいえこちらまで被害が及んでいないとはいえ、外を歩けば危険があるということだ。
学生街まで歩くのも大変になったものだ。
「風紀か公安……」
何ぞ、考えるように頭を数度揺らしてから「はい、分かりました」と静を保って答えた。
■平岡ユキヱ > 「むしろこんな場所だからね…。異能だ魔術だのが犯罪に利用されるなんて、
この島が一番多いんじゃない?」
つまり地球上で一番危ない島というわけだ! しかし心配ご無用、と笑う。
…が、少し逡巡するような相手の間に、はてなを首をかしげる。
「…何かマズった? ユキヱさん、これでも風紀だからさー。
何かわかんないところとか…不安とか不満があれば答えるわよ?」
こいよクラスメイト! と気軽にシリアスになりそうな話題を平然とブチ込むのが、
このユキヱという乙女の生きざまであった。
■不凋花 ひぐれ > 「問題児の多い島とだけ聞き及んでいましたが、なら自衛手段は持つにこしたことはありませんね」
机の横に立てかけた刀を抱えて見せながら口元を緩ませた。白木拵えのそれはそちらの木刀のように見えて、その実真剣ではあるのだけど。
殴るものか斬るものか、この場合それくらいの違いしかない。
「……いえ、そういうわけではありません。
ただ――委員会に所属するというのは面白いことかと思いまして。端的に言えば委員会活動に興味があります」
刀をしっかりと抱えながら、かばんに筆入れとノートを収納する。
「ユキヱさんはどのような理由で風紀に入られたのでしょう」
■平岡ユキヱ > 「なになに…! 不凋花、あんた武を嗜んじゃう感じー?」
なら大丈夫。と安心したように。ニッと笑う。
「自衛は必要よ。まあ、なるべく風紀や公安で何とかするべきなんだけど…。
手が足りない以上、自前でなんとかできる人が増えてくれるのは有り難いかなー」
アハハ、と発生する事案に対して後手に回ることが多い現状を、憂うかのように苦笑いして頭を掻く。
不凋花から委員会の話を訪ねられれば、おっ、と嬉しそうに顔がほころぶが、すぐに真顔になり。
「成さねばならぬ事を成すために」
以上だ。と見えてはいないかもしれないが、雰囲気や声色で伝わることもあろう。
心に真剣を秘めた、平岡ユキヱは何ら迷いなくそう答えた。
「大変だけど…そうね。遣り甲斐がある、充実しているし、面白みはあると思うな!」
■不凋花 ひぐれ > 「はい、"少々"嗜んでおります」
本当は道場の娘だとか、嗜むレベルを超えているとか、色々あるけど、この限りはそういうことにしておく。
「外の警察機構に似た雰囲気を感じますね。しかして、常時張り詰めていろというのも同じ学生に対しては酷ですから」
苦笑いとその言葉に賛同するよう小さく首肯した。
そのため、というわけではないが、武術を嗜むのも、異能の力を振るうのも、力があるからこその特権。
己の実を守るためなら振るわずして如何なもの。
「成さねば成らぬ……」
やや曖昧。だけど彼女の口調は先ほどよりもはっきりとしたものだった。伝えようとするものこそがそれであり、それのみなのだと。
彼女は一切の"ゆるさ"を捨て、刃のように鋭くなった。そんな感覚。
どんなことを成そうとしているのだろう。ぶしつけでなければ聞いてみたかった。
しかし、彼女が以上だというからにはそれ以上問うことも許されんのだろうか。少々己の中で問答した。
「……そう、ですか。それならば俄然興味がわいてきました。
本当に、ここ最近はお忙しいのでしょうが」
学園祭とやらも近い。しかし警備も必要。学生としての義務をこなさなければならないことは沢山あるのだ。
■平岡ユキヱ > 「…当たり前のことを、しようとしているだけよ?」
それは正義の貫徹であったり、弱者の保護であったり。
「語らいたくば、またじっくりたっぷりねっとり聞かせてやろーじゃない! わはは!」
不凋花の傍の席に腰かけ、豪快に笑っている。
はてな、気持ちユキヱの毛先の青白い光が収まってきているか。
「そりゃ"結構"。なかなか頼りがいがありそうだ」
武力よし、本人のやる気、あり。そして目の前には人手不足にあえぐ
風紀委員。つまり。
「はっはっはー。忙しくなるだろうねー。人手足りないなー! かーっ、つれーわー!
あー! 誰か手伝ってくれたらなー! 委員会に興味あって武術もできる人とかいないかなー!」
あー、いそがしくてつれーわー! とチラッ、チラッと
不凋花に言葉と視線がちょいちょいいく。
■不凋花 ひぐれ > ――自分にはイマイチ分かりかれぬ感情だ。
ただ、その意図は理解できる。
「また別のご機会に」
ぴしゃりと云いながら、何ぞ異変が起こってもそれが何なのかを認識することも叶わない。
けれどそれが異能であるなら、傍に近づくだけでゆるゆる収まり、仕舞いにはろうそくの炎ががふと消えたようになるだろうが。
「…………あぁ」
チラッチラされているのはこちらに刺さる視線で何となく分かった。というかこちらしか向ける相手がいない。
これは「ノリ」というやつだろうか。一番苦手なタイプだ。でも、まぁ。
「……先生方に相談してみます」
一応、目が悪い上に"よろしくない"異能持ち。連携行動が厳しい上に目視による意思疎通の可否。
諸々を考慮して許可が下りるならということでどうか、と首をかしげながら伝えた。