2016/05/03 のログ
ウィルフェミナ > 「正直でよろしい。私、ウィルフェミナ。
 一年ですわ。と言っても校章やバッジなどで
 学年はわかりますわよね?」

ウィルフェミナはヘッドホンを外すと笑顔で目の前の少女に
手を差し伸べる。ポニーテールが良く揺れる。
水色のTシャツの胸には釜玉うどんのワンポイント刺繍が
飾ってあった。

伊都波 悠薇 >  
「……いとわ、はるかです。漢字は、気にしないでください」

痛みは一瞬だったからか、まともに会話できる程度。
ちょっとひりひりするけど、問題ない。
手を差し出されたが、えっと、とちょっと困った顔。
これで手を取れるほど気さくであれば、ぼっちおぶぼっちになってない。むしろ――

(あわ、あわわわ……手つなぎ、手! 繋! いちだいいべんとっ)

なんて、胸をドキドキさせて――結局。

「ぁ、みて、ませんでした。同じ1年、だったんですね。大人びた雰囲気だったから、お姉ちゃんと一緒かそれ以上、かと」

大丈夫ですともう一度告げて、そっと立ち上がった。

『はるっちの、いくじなしっ!』

ウィルフェミナ > 「あ。後、一応食べ物は消毒中にでも買っておきますわね。
 ……ま、次からはもっとリラックスして。
 そう。人を言う文字をそっと手のひらで」

……昔から続くジンクス。彼女は息をついて一言そう言った。

「一応これでも25歳ですし。
 この常世学園ではいかなる年齢の方もオールウェルカム。
 そう伺いましたわ? 例え樹齢千年の古木のトレントでも
 構わないのですから、25歳なんて若い方。若い方ですわね?」

……最後の言葉に軽く気合いがこもる。
 確かにオールウェルカムだが、大体は15かそこらの
 自分より10歳。実年齢にして50は下の子供たちばかりである。
 いかに自分の希望とはいえ大幅に年齢が離れる子供たちとは
 そこまで会話が合わないことが多いのも実情である。

 小さいころにやってたゲームでPONGと答えたら
 なにそれー。とあっさり言われてカルチャーショックを彼女は
 感じていた。

伊都波 悠薇 > 「……が、がんばります」

苦笑しつつ、ぱんぱんっとスカートを払い。
ゆっくりと立ち上がる。それにしてもやはり、異国の姿。
とても綺麗。白銀に赤い瞳。ファンタジーなら間違いなく麗しの魔女、とかそういう系統の――

「アッハイ」

有無を言わせない、念押し。
力に負けて、頷くことにした。まぁ、25と言われても。
そんな風に全く視えない若々しい姿だと思うのだけれど

ウィルフェミナ > (まぁ、大体のアガリ症はスタジアムで叫んでいると大体直る。
 が、この子には多分まだ早いかしらね)

「オーライ。問題ないようでしたら
 そうね。口に染みないような食べ物でも食べに行きましょう?
 カレーやエスニックはなし。ですわね?」

 彼女は食事に誘う。はるかが断れば屋上ぼっち飯ついでに
 週末のゲーフラを作るだけの話である。
 ウィルフェミナは久々にこの色々な事があった世界での
 時計の針が動き出したような気がした。

 ……動きすぎて不老の針が飛んでそのまま塵芥になってもいいですわね。
 そう、思えるような場所だった。

伊都波 悠薇 > どこかに行こうとする、落ち着いた女性についていこうとし。
若干足を止める。自分は姉に比べると小食だ。
だから、ちょっと一回り大きなお弁当を持ってきたのにはわけがあって。
さてどうしようと、心のなかでライフカードを広げて――
よし、っと意気込む。負けは戦の常、最後に勝つのが重要だと意気込む。そして――

「あ、あのっ!」

思いのほか大きく声が出たので口を抑えて……そっと、ランチボックスを差し出し。

「作りすぎたので、分けて食べるとか。どうでしょう?」

消えそうな声で、恐る恐る。

『ないすがっつ! はるっちっ』

ウィルフェミナ > 「有難う。――頂きますわね」

彼女は笑顔を崩さずにその差し出されたお弁当を頂く。
思えばここに来てから自炊とは無縁になりかけていた。
海に出て魚を捕ったり、田畑に出てスパルトイに田んぼを
耕させたりするような生活とは――

「美味しい」

――ですわ。 彼女は笑顔でその味を褒める。

伊都波 悠薇 > 中身は――
自分の家で採れた野菜を使った、野菜バーグ。
ミニトマトに、山菜の炊き込みご飯。
ちょっと小さめな鶏の唐揚げに、ほうれん草のおひたしなどなど。
野菜が中心のものだ。
喜んでもらえたなら、ホット一息――

「よかった、です」

心のなかでガッツポーズ。表情も最初より柔らかくなっているように見える

ウィルフェミナ > きーんこーん そろそろ昼休みが終わりそうである。

「あ。そうそう。勉強などは上手くいっているかしら?
 それとも得意な事は――」

彼女も完全に打ち解けたのか色々と饒舌に喋る。
 ヘッドホンを手持ちのバッグに入れて、帽子をかぶり直す。

「まぁ、何か用事があったら呼んで。
 これでも、経験は相応ですし」

そう言って彼女は立ち去って行った。彼女は去り際に
連絡先を渡していった。

ご案内:「廊下」からウィルフェミナさんが去りました。
伊都波 悠薇 > 時間が立つのは早いものだ。
連絡先をもらい、去っていく彼女を見て――

「……勝利と見てもいいのかな?」

『最後に勝つのが寛容だってパパンも言ってたよっ』

「~~~~~っ」

見送ってから嬉しさのあまり身悶えして、授業に遅れそうに鳴ったのは言うまでもない

ご案内:「廊下」から伊都波 悠薇さんが去りました。