2016/05/22 のログ
ご案内:「教室」に”マネキン”さんが現れました。
”マネキン” > 【夕暮れと言うにはまだ時間の早い、放課後の教室。
通常の教室ではないのかそれとももう帰ってしまったのか、一般の生徒はすでにこの場にはいない。
フード姿の学生が語りだしを悩んでいるのか、少し考え込みながら扉に背を向け窓の外を見ている。】

………ふむ。

ご案内:「教室」に伊都波 凛霞さんが現れました。
”マネキン” > 暇だな。
生徒といえるほどの人数もいないが、講義の真似事でもしてみるとしようか。

そうだな…科目は 違法薬物学入門 とでもしておくか。
この学園には研究区が存在すると言うその性質上、どうしても薬物が蔓延しやすい傾向がある。

【そう独り言か、もしくはすでにいる誰かに語りかけているのかといった語り口で喋り始めた。】

伊都波 凛霞 > 「ふぅ」

テキストをバッグに丁寧に片付けて、講義の復習もこれで終わり

あたりを見るともう大体の生徒は帰ってしまったようだ
窓から外を見ている、フードを被った生徒以外は

君は帰らないの?となんとなく声をかけようとすると、
その生徒が喋り始めた
なんとなしに、きょとんとした顔でそれを聞いて

”マネキン” > ああ。せっかくだ。
そこの君。聞いていってくれたまえ。

…あながち、無関係な身でもないだろう?

【そう呼びかけて、彼女を指差す。
見覚えは無い。ただどこか地味で忘れていてもおかしくない、そんな雰囲気があった。】

薬物の作用は様々だ。
酩酊、多幸感を与えるもの。
神経を刺激し覚醒作用を与えるもの。

だがあの大変容以降、その二種類に大別されるものからさらに爆発的に数が増えた。

【勝手に喋りを続けていく。
だがその視線はもう一人の生徒をはっきりととらえていた。】

伊都波 凛霞 > 「?」
なんだろう、何かの練習なのかなと首を傾げつつ腰を据える
携帯で時間を確認、まあ少しくらいなら平気だ

「(大変容、この島にいる人ならみんな知ってること、だろうけど…。
  なんだろう、薬学専攻の生徒とかなのかな……?)」

どうにも意図が掴めない、変わった子だな、と思いつつ話を聞く
ただ一つ、無関係ではないという言葉にだけ、ぴくりと反応して

”マネキン” > 【一方的に、整理するように。】

去年川添という生徒が闘技場で使用した異能を変革させる違法薬物、変革剤。

変革剤をベースに退化剤を奇跡の配分で混合した、《オーバーロード》を引き起こす暴走剤。

異能と魔術と言う新たな定義の出現によって、それらに影響を与える、しかも単一の効果ばかりではない薬物が
新たに出現したのだ。

その他にも、薬理的な作用ばかりではなくナノ技術、バイオ、異界の技術を利用した薬物も少なくない。
ああ、まあこれらは蛇足だ。とりあえず違法薬物と言うものの存在について、知っておいてほしかったということだ。

【口元が三日月上に歪んだ。
指差した手を上下に翻して、エスコートするように手のひらを向ける。
その手の上には、注射器がひとつ乗っていた。】

…伊都波、であっていたか?
落第街でとあるひどい目にあったという。

伊都波 凛霞 > 保険課に在籍する以上、それらの薬物は当然知っている
その扱いを禁止、注意喚起するのも役目の一つである

……長い長い蛇足の後に、本命がきた
…あの3人が学園からいなくなって、もう終わったことだと思っていたのに
が、予想していなかったわけじゃない
当事者ではない烏丸秀ですらも、知っていたことだ

「あはは、そういうコトもあったかもしれませんね!
 ご存知の通り、伊都波凛霞と申します・…最初から私とのお喋りが狙い?」

”マネキン” > まあそういうことだ。
ああ、勘違いはするなよ。

別にその身を汚そうなんて思ってるわけじゃない。

【ゆっくりとした動きで、開いた窓に両肘を委ねた姿勢となる。】

違法薬物には違法と言うだけあって、品質保証などどこにもない。
ましてやさきほど説明したように、その種類と作用は星の数ほどある、といまでは言われている。
この注射器にも商品名くらいはついているが、実際に中身が”それ”だとは限らない。純度もしかり。

当然、その副作用を並みの病院で解析するのは、不可能に近いだろう。
一度でも大量投与された経験があれば、だが。

…さて、忠告だ。
そろそろどこか、身体に不調を覚えたことは無いか?
まだはっきりとした症状が出る頃合ではないが、違和感程度はそろそろ気付くはずだ。

【先ほど見せた注射器を懐にしまう。】

伊都波 凛霞 > 「………」

あの時は、途中で記憶と意識が飛ばされていて、よく覚えていない
気がついたら秋輝によって救出されていて…

覚えているのは、最初の経口摂取
それと、保護されてからいくつか見つかった、注射痕

禁断症状らしき禁断症状は、割とすぐに現れた、と思う
しかしそれを、強靭な精神によって乗り切ったのだ
だから、

「ご心配どうも!」
ぺこっと深く頭を冴えて

「今のところ特になんともないみたいだねーあはは・
 私って生まれつき結構カラダが頑丈で~」

”マネキン” > そうか。
忠告…いや。どちらかというと販促といったほうが正しかったか。

だがもし、一度だけ症状が出るのなら烏丸と言う男を頼るといい。
一回分だけなら何とかなる、かもしれんぞ。

【手元から写真を取り出して、見せる。】

あとはそうだな。
もし知らない間に誰かに、身近な人間に飲まされていたりすれば。

禁断症状が出ることは無いはずだが、
薬の影響は少しずつ蓄積することになるだろう。

伊都波 凛霞 > 差し出された写真を、片手で押し戻すようにして静止する

「烏丸クンのことなら知ってます、よーく」

あの男子生徒もまったく顔が広いものである
一体どれだけのネットワークをもっているのやら…

「…はは、それはない、と思うよ、うん」

身近にそんなものを自分に飲ませる人間なんて、いない
はずだ

”マネキン” > …そうか。
ああ、あの男をよく知っているのか。

そうだな、こちらの立場ではどう言ったものか。
いや、余計な口出しはやめておこう。複雑な男だ。

【口元を再び愉悦の形に歪めた、と思われる。】

そうか。
心配なければ構わないが。

一応、もしそう言う薬を扱う人間が居れば、見分けかたを教えておこう。
まず自信がない。もしくは過度の慢心をする。
他者と話すのが苦手、もしくは他者と機構的に接する。
妄想癖を持つことも多いか。突然対応や価値観が変化する、なんてのもあるな。

ああ、直接確かめるなどとは愚考だぞ?
注意深く疑い深く…確かめることだ。

【窓に預けていた体重を戻し、しっかりと立つ。
話したいことは概ねおわったようだ。】

伊都波 凛霞 > 見分け方、で紡がれた言葉の中に、どれも当てはまる人物像が浮かぶ
……が、振り切る
そんなことはまずありはしないのだから
それに、もうあの子は自分で自分を守っていかなければならない

「ご忠告どうもありがとうでした!
 …で、そろそろ名前とか教えてくれると呼びやすいな、薬学に造詣の深い男子生徒クン」

”マネキン” > 【距離をとって扉に向かう。
扉を開いて境目に手をかけ、廊下にフードの顔を突き出した状態で止まった。】

”マネキン”と、そう呼ばれている。
何か必要なものがあれば、スラムに来るといい。

ガラクタからいろんな薬まで、様々なものを扱っている。

では、また会おう。

【それだけ名乗ってさっさと立ち去る様子を見せた。
今回は顔合わせと、確かめに来ただけということのようだ。】

伊都波 凛霞 > 「ま、マネキン…?」
その名乗りにさすがに困惑するが、続いた言葉で納得

「(落第街の住人か───)」

なら、あの夜の話を知っていてもおかしくはないし…
もしかしたら、あの場で薬をやっていた生徒たちとも関わりがあったのかもしれない…

「はーい、またー……できれば学校で会おうね、うん…」

ひらひらと手を振って、見送る
ふはー、となんだか疲れたような溜息
この学校、色んなやつがいすぎである

”マネキン” > (――第20151212実験、経過観察。
現在のところ対象に異常は見られず。精神に若干の偏向あり。
適正の有無は現在のところ、”不明”。)

【歩きながら端末に結果を記載していく。
すでにその足は教室を出て廊下へと至っている。】

…また学校で、か。

【フードの奥で口元が歪んだように思われた。】

伊都波 凛霞 > 「変わった子だったなぁ」
落第街の名が出ればそれなりに納得ではあるのだけれど

よいしょ、とバッグを担いで…

「………」

烏丸くんに連絡をとってみようか、と一瞬考えた、が

「そこまでするほどのことでもないか」

うん、とひとりごちて、教室を後にした

ご案内:「教室」から”マネキン”さんが去りました。
ご案内:「教室」から伊都波 凛霞さんが去りました。