2017/04/12 のログ
ご案内:「廊下」に宵町彼方さんが現れました。
宵町彼方 > 始業式も終わり、幾分か落ち着きを取り戻しつつある中、やっと島内の桜が見ごろを迎えていた。
喜びを謳うように桃色に染まった景色はまさにこの世の春。
折よく天気も晴れており、風も穏やかだ。絶好の花見日和。

この島はその多様性から大量の講義がある。
その為まだ説明やミーティングといった内容の講義も多くあり……
空いた時間に懇親会と称し、花見を饗する学生の姿も少なくはない。
木々の根元にレジャーシートを敷き、舌鼓を打つ。
中には幾人かの講師の姿さえ目に入る。

「……――」

ただ一人、小さな声で歌を口ずさみながら窓から景色を眺めながらゆっくりと廊下を歩く。
桜色に染まる木々と穏やかに降り積もる花弁はきっと
明日には褪せてしまうほんのわずかな間しか見る事の出来ない絶景。
桃色の花弁は穏やかな日差しの中、ただひらひらと静かに舞い踊っていて……

「――……」

曰く、春は出会いの季節らしい。特に学生にとっては新しく後輩や先輩ができ、
気分新たにまた一年の節目として決意を新たにする季節。

曰く、春は別れの季節らしい。慣れ親しんだ人や場所を離れ、
変わっていく時間を見つめ、見送る季節。
そのどちらにも、桜の花は相応しい物だろうと思う。

「花は根に鳥は古巣に帰るなり 春のとまりを知る人ぞなき……なんてねぇ」

その儚さを、瞬きを、なんと例えるべきだろう

ご案内:「廊下」に真淨在処さんが現れました。
真淨在処 > どんな学園にも問題児――と、いうものが一人や二人は必ず存在する。
例えば、喧嘩騒ぎを起こしたり、例えば、違法な事に手を染めたり。
そんな問題児の一人――真っ赤な髪の毛と赤い瞳を持つ青年はブーたれていた。

「ちぇ~…ちょっと火炎放射器もどきのパフォーマンスしただけなのにさぁ」

4月に入学してから、既に10回を超える呼び出しを食らい、教師自身から睨まれている【期待(してはいけない類)の新入生】。
正直、学園の施設だって全然把握してないし、花見をするにも知り合いがだーれも居ない。
なので、花見日和だというのに一人廊下を歩いている…さっきまで説教されていたのもあるが。

何気なく、赫眼を窓の外に向ける――ヒラヒラと舞い落ちる花弁、好天、そして――…

「…やっぱスタイル抜群の子が多いわここ……流石じゃね?」

等と呟きながら前方不注意を決め込んでいる。向い側からゆっくり歩いてくる人物にも気付いてない。
完全なる前方不注意――「真淨在処」はそういう人間だ。

宵町彼方 > 桜に考えを巡らせながらよたよたと危なっかしげに歩く。
前方不注意を咎められることは結構多い。
そもそも現を見ていない事の方が多く前方どころかいつも全方向不注意を体現したような存在。
となると……

「るららー……ぁ?」

とんっと軽い体が前方から歩いて来ていた生徒にまともにぶつかる。
相手もどうやら前方を見ていなかったようで双方減速もすることなく真正面からぶつかる。
そうなれば小さな方が吹き飛ばされるのは明白で……

「わー……吃驚したー……」

そのままペタンと座り込んでのんびりと相手を見上げる。
赤い髪、大き目の体、弧を描く口元……

「んやー……?
 ……不良?」

いきなりバッサリと決めつけながら首を傾げた。
何だか違和感を感じる。
なんと言うべきだろうか。普段区別が出来ないからこそ
それとは別の何か……そういったものでこの相手を知っているような気もする。が

真淨在処 > 「…あー、あの子とかおっぱい特にデケぇなぁ…っとぉ?」

煩悩全開、花より団子。窓の外の桜…の如き美少女学生達を眺めながら歩いていれば。
互いに前方不注意、注意力散漫が重なり真正面からまともに誰かと激突した。
こちらはちょっとよろけただけで直ぐに持ち直すが――…。

「おーー悪い悪い。…って、あらま。たてセタ白衣のボインさんとはこれまた…」

…大いにアリだな!!と、顎に手を当てて繁々とこちらもマイペースに観察。
紳士なら助け起こしたりもするだろう。だが、その前に相手の姿に目が行くのが先だ。

「不良…んー多分それ?まぁどうでもいいけど。そっちは白衣だけど保険医なボインさん?」

ジーーッと、互いに見つめあう形。…初対面?ではないけれど。それはそれ。
遭遇したのは「あちら」で「真淨在処」はこのボインさんとは”初対面”。

例え、気付かれようとそうでなくても…それは些細な事だ。もっと大事な事が他にある。

「…あ、忘れてた。ほい、お手をどーぞ?」

そう、ボインさんを助け起こす事だ。にへらーと、締りの無い笑顔で右手を差し出す。