2017/04/13 のログ
宵町彼方 > 「んやー?」

何だかこちらを観察している。知り合いだったっけ?
ぼんやりと考えながらまぁいいやと思いなおす。
どちらにせよ、自分には誰も区別がつかないのだから
大したことではないのだろう。

「ほけんしつは、いいぞ
 ねれる、いいぞ」

投げかけられた保険医かと問い。それにこたえずに
謎の強調を返しつつ差し出された手を小首を傾げながら見つめる。

「助け起こされると襲われちゃう?
 あの時助けてやったろーみたいな?」

風評被害もいいとこである。

真淨在処 > 「んやー…?」

鸚鵡返しにボインさんの呟きを返しながら、観察というか要するにおっぱいとか見てるだけ。
中々にビックサイズだ…たわわチャレンジとか出来そうだ。
等と、至極どうでもいい事をぼんやりと考えながら我に返る。

「おーサボリスポットというやつですかな。それは良い事を聞いたなぁ」

真面目に授業を受ける気があまり無いのか、にへらー…と、楽しげな笑みのまま。
でも、肝心の保健室の場所とかまだ全然分からないという致命的問題があった。

「んーボインさんが襲ってくれるのもありかも?そもそも助けるつもりないしなぁ。
ぶつかったのはもう謝ったからオールチャラじゃん?だからこれはただの気紛れってやーつ」

紳士でも善人でも無いのだから、行動は親切心のようでただの気紛れだ。
彼女が手を伸ばすなら、立ち上がるのに手は貸すだろうし…勝手に立ち上がるなら何もしない。

「つーか、ボインさん何で片目隠してんの?ファッション?
それに、センセーも学生も外で花見とか洒落込んでんのに、単独行動?」

今度はこちらが首を傾げて。会話がいきなり飛ぶが、多分あちらは気にしないだろう。

ご案内:「廊下」に真淨在処さんが現れました。
宵町彼方 >   
「さぼりいいよ?さぼり
 成績さえよければ怒られないしぃ」

実際問題教師は渋い顔をしながら見逃してくれている。
彼女自身がその単位を受講する必要が元々ないからだ。

「襲うの?襲っちゃうよー?
 誰か知らないけど。会ったことあるぅ?」

なに吹き込んでくれてるんだろうと言わんばかりの事を
どこ吹く風といった顔でぶち込みつつ見上げる。
差し伸べられた手には無防備に手を伸ばし、立ち上がって埃を払う。

「ん―・・・・・・なんかこう落ち着くてきな?
 詳しくは覚えてなーぃ。桜餅食べたい」

会話のよく飛ぶ二人組だった。

ご案内:「廊下」に真淨在処さんが現れました。
真淨在処 > 「成績かぁ……うん、まー何とかなるだろ」

適当に呟いてヘラリと笑う。素行は悪いが学業成績は悪くない。
流石に、彼女に匹敵する頭の良さは多分無いが…。まぁ、ある意味で世渡りが上手いのだろう。
素行が悪いのだって、要するにただの気紛れで自由人だからに他ならない。

「おー襲って襲ってー割とマジで。んーあるといえばあるんじゃないかー?
けど、多分ボインさん”忘れてる”かもだしなー」

ヘラヘラと笑いつつ、あっさりと手をとった彼女を助け起こす。立ち上がった拍子におっぱいがたゆんとした気がしないでもない。

「へー両目バージョンのボインさんも見てみたいもんだねぇ。
あーー桜餅イケるよなぁ。俺、桜見るよりそっちの方がいいわぁ」

こういう所も花より団子。会話が飛んでも何故か成立する不思議。
あ、そういえばとこれまた思い出したようにぼけーっとした顔でそちらを見つめて。

「ボインさんお名前なんてーの?俺、真淨アリカっつーんだけど」

また会話が飛んでいる気がするが、唐突なのはお互い様なのだろう、多分。

宵町彼方 >   
「え?何とかならない成績とかあるの?」

単位を落とすというのは真面目にしたことが無いかもしれない。
よく覚えてないので何とも言えないけれど……気が付いたら貰っている者だと思っていたりもする。
もっともそれを言い出したのは自分という事は既に忘却の彼方。

「忘れてるー?んー。そんな気もする?しないかも?
 どっちでもいっか。シッテル人……みたいだしぃ」

軽く胸元に手を当てながら煽情的にすら見えるような笑みを浮かべる。
ああ、私が忘れる事を知っているならどこかで会ったことがあるのだろう。

「えー。やだ。明るいのきらい
 はんにゃとーと桜餅あれば完璧だよねぇ。未成年だけどぉ
 他の物でも食べちゃってもかまわないけどぉ?」

実に無邪気な笑顔でさらりと言い放つ。
どこまで本気なのかと問われればある意味何処までも本気。

「んぁー……名前、名前ー……忘れちゃった。
 多分カナタ……だよぉ。多分だけど。
 そっちは……ありか、ありかね?
 多分忘れちゃうだろうけどぉ…もうデフォだから
 怒んないでくれると嬉しぃなぁ?」

相変わらず名前を聞かれると数秒固まった後
適当な調子で答えを返していく。

ご案内:「廊下」に真淨在処さんが現れました。
真淨在処 > 「うわーボインさん天才とか秀才タイプー?いーよなぁ楽ちんそうで。俺もそんな頭が欲しいわーー」

素でそう切り返してくるボインさんに、マジかよー、という感じで笑っている。
「真淨在処」は別に頭が良いとかそういう訳ではない。ああ羨ましい限りだ。

「そーそーどっちでもいいじゃん、そーゆーの。…おー仕草がエロい。流石ボインさん。」

知ってるか知らないかなんて瑣末事さね、とばかりに笑い飛ばして。
”そこに居る”という認識すらされないのに比べたら何とまぁ天国だろう。天国とかどうでもいいけど。

「俺は桜餅あればそれでいーかなぁ。やだ、と言われると益々見たくなる…なーんてな。
んーーむ、他のモノねぇ?じゃあボインさんで…あーカニバ的な意味ではないですよん」

戯れのように彼女を指差して。何処までが本気かと言われれば…多分彼も何処までも本気。
ただ、続く言葉にキョトンとした顔。不思議そうに赫眼を丸くして。

「怒る…って何で?何度も新鮮な遭遇出来るって事じゃん。そんなの”大した問題じゃない”だろーよ。
まー名前とか忘れてもいーけど、声とかそーゆーので少しくらいは覚えるに足るとありがたいけどねぇ」

数秒固まった後に、カナタと名乗る少女に男はヘラヘラとそう返す。
記憶が名前どおり彼方に飛んでも、遭遇した事実は在処(ここ)にあるんだろうし。

元より、彼方(あちら)と在処(こちら)で名前?からして正反対に近い。忘却なんんて前提条件みたいでむしろ”楽しい”。

宵町彼方 >   
「うんー。私は天才だよー?
 記憶は出来ないけど記録は出来るしねぇ……?」

謙遜何それ美味しいの状態。
実際問題天才と呼ばれるだけの成果は残しているのだから嘘ではない。
周りにはかなり浮世離れした人物として通っている。
目の前にいる彼……の言葉を文字通り受け取るほど素直でもないが。

「ひねくれ者だー。オンナノコの秘密をさぐろーとか良くないんだー?
 見たところですぐ飽きそうだと思うよぉ?美人三日で飽きるっていうしぃ。
 私の場合三日持たない気がするぅ」

きょとんと首を傾げるも自身に関する記憶はあいまいなのだから仕方がない。
実際会話しているように見えて半分独り言のような状態。
その目は半分以上現を見てはいない。

「んー。すきにしていーよぉ?かにばーでもどっちでもいいしぃ。
 声ー?ん―……息の吸い方、吐き方、
 思考や隠し方とか癖……そいうのはぜーんぶ覚えてるよぉ?
 一致しないのが難点だけどぉ」

致命的なまでに記憶と記録が一致しない。
目の前の顔を、別の顔と判別できない。
もはや精神障害に近いそれを特に気にした風もなく口にする。
実際そんな事はどうでもいいのだから。

「……ふぅん。そいう考え方だとたのしそー。
 ふりょーくん人生楽しんでそーだねぇ……きっと明日もいい天気だよ?
 あ、それは関係ないかな?ブーツ蹴り投げてお天気占いしなきゃ」

怒られないならそれでいい。
忘れられること……それに違和感を覚えられない方が
自分としても都合は良いのだから。

ご案内:「廊下」に真淨在処さんが現れました。
ご案内:「廊下」に真淨在処さんが現れました。
真淨在処 > 「えーーそこは超天才くらい大盤振る舞いしておこうぜーー?
て、ゆーか記憶がアレで記録はばっちりなのか…つまり変人かぁ」

謙遜をしないで言い切る相手も相手だが、堂々と変人呼ばわりする男も男。
もっとも、浮世離れしてよーが忘れられようが気にしないしどうでもいい。

「えーーただ願望を素直に暴露してるだけじゃん、心外ですぜボインさん。
とー言うわけで、飽きるか飽きないか試してみようさー」

ただの馬鹿か底なしの前向きさ、としか捉えられないような言葉だ。
裏表があるといえあるし、無いといえば無い。それも男には些細な事だから。

だから、名前の通りにどっか遠くを眺めてるような視線と独り言じみたそれも気にしない。
こちらもこちらで、遠くなど見ていない。ソコしか見てないから。

「…と、ゆーかボインさんもといカナちゃんってマグロとかじゃねーよな?
流石に無反応とかだと俺ちょっと泣いちゃうんだけどー。
…あー成る程ねぇ。て、ゆーかそりゃ一致する方が意外と難しいんじゃねぇかなぁ」

例えば、自分は赤毛と赫眼で目立つ方だが、同じような色合いの者だって居るだろう。
「あちら」は多少は記憶もされている可能性はあるが、「真淨在処」にそこまでの特徴があるかと言われたら…無いなぁ。

「楽しい…のかねぇ?そもそも楽しいっていう基準がよー分からんけど。
あーまぁ、カナちゃんと話してるのは多分楽しい…んじゃねぇかな。
えーー俺、曇りとかの方が好きなんだけど。あの明るくもないし雨も降らないどっちつかずが好きなんだよなぁ」

中途半端な日和見。どっちかに天秤が傾くのとかそういうのより。真ん中でフラフラしてる方が好きだ。

――「あちら」の「私」は違和感を既に覚えているけれど、「こちら」の「俺」はそういうのは”無い”。

ご案内:「廊下」に真淨在処さんが現れました。
宵町彼方 > 「え、じゃぁ超テンサイってことにしとくぅ。
 変人?変人……多分そんな感じ?よくわかんないけどぉ」

きょとんと首を傾げながら相手を見上げる。
必要最低限の行動が保証されるなら呼び名は正直どうでもいい。
基本的には奇人変人の類で扱われていることも間違いないのだから。

「んーぁ……面倒なのきらーぃ。
 やんなくても結果見えてるもん」

投げかけられる言葉に初めてその瞳が焦点を結ぶ。
そうしてただ黙ってじっとしていれば天使みたいなのにと
何度も嘆息された笑みを浮かべた。
もっともその瞳の奥には昏い暗いどろりとしたものが流れていて……

「セクハラかなぁ?試してみるぅ?
 無反応だったらほらぁ、それは腕が悪いんだよぉ。
 がんばーれ男の子?
 少なくとも"ボク"は純潔な体してるはずだからぁ、
 マグローとか言われてもわかんなーぃ。ってかーんじかなぁ?
 実際どうかは知らないけどねぇ」

笑顔で言い切った。
嘘は言っていないのだから質が悪い。

「楽しんでるよーに見えるよぉ?
 まぁボクは超天才とはいえただのがくせーだしぃ
 テキトーかもしれないけどねぇ?」

ケラケラと笑いながら首元の髪を指に絡め遊ばせる。
彼女の中では初対面の相手だけれど……その事すらもどうでもよかった。

「へぇー?そっかぁ
 そこに道があるといいねぇ?
 ああ、ないと判ってるから笑ってるんだ。そんなものだよね。
 ならボクが言う事なんて無いよねぇ。だってこんなにも桜は綺麗なんだもの」

ともすれば世迷言のような発言をしながら眼を細める。
それはきっと相手の中だけにしかない類の回答。

ご案内:「廊下」に真淨在処さんが現れました。
真淨在処 > 「うーむ、むしろ超天災じゃねー?カナちゃん裏で色々やってそー」

それは多分根拠も推測も何にも無さそうなただの戯言であろう。
実際の所、変人と口にしたがボインさんが変人だと実際思っているかどうかも怪しい。
それはまぁ、互いにどうでもいい事という結果に直結するのだろうけれど。

「えーーつまり俺がボロ雑巾で負けとか?めんどーなの嫌いなのは同感だけども。
そもそも、結果なんて見えていようがいまいが、些細な事で案外変わるもんだぜー」

その瞳が焦点を結んで…ただ、ヘラヘラとした赫眼で見返している。
ドロリとしたものが流れていれば、それこそヘラヘラ笑顔を楽しそうに緩めていた。
ああ、つまりこれが楽しいって事なんだろう。その底無しの暗さを楽しいと感じる時点で――…。

「えーーむしろお持ち帰り…は、無理かなぁ。じゃー保健室にゴー!でもいーけど。
おー処女さんなのかぁ。…処女ボイン。良い響きだねぇ」

うんうん、と頷いている。実際マグロだったり逆にこっちが食われてもそれはそれだ。
楽しいと感じられれば、まぁそれでいいんじゃねぇかなぁ、という能天気。

「そー見えるんならそうなんだろうなぁ。楽しい、ねぇ?」

笑っているし軽薄だしスケベだけど、楽しんでいるかはやっぱりよく分からない。
疑問符を笑顔で浮かべながらも、

「道?そーんなの俺にある訳ねーじゃんよカナちゃん。…えー何かコメントくらいありがたいのくれよー…」

と、言いつつ窓の外を一度見る。桜の花弁がヒラヒラ、ヒラヒラと。

「『春霞 たなびく山の 桜花 見れどもあかぬ 君にもあるかな』…と」

呟いてから、視線をカナちゃんに戻してヘラリとまた笑う。

ご案内:「廊下」に真淨在処さんが現れました。
宵町彼方 >   
「えー?ひどぉぃ
 これでも成績優秀品行方正って言われてるんだよぉ?
 ちょーっと物忘れが激しくて個性的と思われてるけどぉ」

間違いなくサボり魔が言う事ではないけれど。
軽口を真に受けたような表情を作って見せて数秒後にケラケラと笑う。
その瞳の焦点はまたぼやけ、夢うつつな表情のまま
春の日差しのようにのんびりと言葉を紡ぐ。

「オトコノコはそーいうのすきだよねぇ?
 しょーぶとかそういう感じ?ぞれともそういう感じになるのが趣味なの?
 ぼろぞーきん好きなの?変わった趣味だねぇ……」

いつの間にやら決定事項にしつつ瞳を覗き込んで。
嗚呼、嗤っている瞳だ。

「一応淑女なんだよぉ?それ相手にセクハラ三昧ってどーなんだろーね?
 まぁ気にしないしぃ、好きにしていーよぉ?けどぉ……」

何処かで見たことのあるような、何度も見たような
光っているようで濁った眼を覗き込みながら囁く。

「望んで迷子なのかなぁ?
 それともそこを見たくないからそうやって笑ってるの?
 駄目だよぉ。"ジェスター"は周りを笑わさないとだめなんだからぁ。」

口の端が吊り上がる。
三日月のような表情はどこか仮面のような無機質さを湛えるも、
続く一句で一瞬きょとんとする。

「んー。会ったことあったんだねぇ。
 それにしても、それプロポーズに近い一句って知ってるぅ?」

まるで感染したかのように軽薄な笑みを浮かべた。

ご案内:「廊下」に真淨在処さんが現れました。
真淨在処 > 「物忘れが激しいどころじゃねーじゃんさぁ。記憶できねーんだから」

等と笑って指摘するが、こちらもサボリ魔で同類に近いので同じく人の事は言えない。
再びボヤけていく焦点。それをただ笑って嗤って眺めている。
夢現…夢の中か、それとも別の何かを見ているのか。分からないいし分かっても意味が無い事だろう。

「えーー俺弱いから勝負嫌いだって。むしろ高みの見物の方がいいなぁ。
あと、そんな趣味ねーし。ただのおっぱい好きですよお嬢さん」

勝負嫌い、というのは案外本当なのか「うへぇ」と嫌そうな顔をしている。
実際、強い弱いで機械的に分類するなら「真淨在処」は弱い。
瞳はしかし、また直ぐに笑って嗤ってるだろうけれど。

「いやーー淑女とかそーゆーの、一皮剥いたら結局何が潜んでるのか分かったもんじゃねーしなぁ。
…って、ゆーか”道化師”じゃねーもん俺。ただの不良だぜー多分。」

笑顔は崩れない、無機質な仮面めいた表情も、三日月のチェシャ猫じみた吊り上る口元も。
彼女の底無しとはまた別の底無し。笑って嗤って哂っている。

「それに、迷子なんてもう通り越しちまって、むしろその勢いで放浪してる感じ?
―――ああ、違うな多分……なんだろう、忘れちまった。まぁいいや」

何かを考え思っていた気がするが、まぁそれはそれだ。
プロポーズに近い俳句と聞いてほぅほぅと頷く仕草。絶対知らなかったように見える。

「うーむ、確かにカナちゃんに初対面でプロポーズと考えると我ながら滑稽だな。
しかもカナちゃん忘れるの確定だし。何という道化…おージェスターにはなってんのか」

宵町彼方 >   
「あははー。その分新鮮だって誰かが言ってたよぉ?
 誰だっけ?覚えてないやぁ。最近だった気がするけどぉ……
 まぁいいよね。うん」

目の前のダレカが言った言葉を既に忘れてしまっている彼女は
ただ此方を眺めて笑っている相手を眺めながら柔らかい笑みを浮かべる。
それは一見とても人懐こそうな雰囲気を纏いつつも
何処か深い所で近づくことを断固として拒否するような……そんな笑み。
窓際に腰かけながら髪を手遊び、ぼーっとした表情を見せる。

「出会って早々セクハラしてるんだからぁ、
 みょーに説得力あるねぇ?言う割には奥手なのかな?かな?
 ふりょーのびがく?ゆーひの下殴り合う友情みたいなぁ?
 心は拳に宿るんだぜ!ってあれだね?よくわかんないね!」

マイペースが二人、会話をしているようで何処かかみ合っていない……
そんな言葉の切りあいを続けながら窓の外へと目を向けて。
いつの間にか日差しは弱まり、雲が空を覆いつつあった。

「あー……よかったねぇ。花散らしが降りそうだよぉ。
 そぅそぅ……桜のはなって散っちゃうと茶色い染みになるけど
 そうなっても飽きないのかなぁ?昔の歌人に聞いてみたいよねぇ」

空模様を確認し室内へと振り向く。
その顔に浮かんでいるのは無感情で穏やかな笑みだけ。

「花の時間は終わりだって。
 時間切れ―なのかなぁ?告白されても忘れちゃうしねぇ
 次あるかわかんないけど、またはながさいてるといーねぇ」

軽い音を立てて窓枠から廊下へと再び降り立つ。
悪戯な笑みを浮かべるとくるりと一回転。
花のように広がる衣服と白衣、そしてつま先が円を描く。
そうして再び向き直ると裾をつまみ一礼して見せた。
それはさながら歌劇の登場人物のような振る舞い。

「じゃーねぇ。次会ったとき、きっと忘れてると思うけどぉ」

そのまま踵を返すと肩越しに振り返り小さく手を振る。
そうしたあと、振り返らずにのんびりと廊下を離れていって。

真淨在処 > 「んー誰が言ってたんだろーなぁ?」

ヘラヘラとした笑顔は変わらずに。お互い笑みを浮かべながらも谷底のような溝があるようで。
何処か、暗い奥底で壁があるような。まぁ、それはそれ。

(別に乗り越えるのは俺の勝手だしなぁ。何が出ても自己責任っつー事でさ)

そもそも、道化師が拒否された程度で”笑い”を止める訳が無いのだから。
窓際に腰掛ける相手を眺め、もう一度窓の外の桜吹雪を眺めて。

「んーーそういう暑苦しいのはノーサンキューかなぁ。俺はおっぱいの方がいーですわぁ」

ある意味でブレていないのか、ヘラヘラとした笑みのまま肩をすくめてみせる仕草。
言葉の切りあい…だが、男は切り合いをしてるつもりもなく。
ただ、またあのドロリとした暗ーい何かを見たいと思っていた。
無感情な笑顔は見ても楽しくないだろう。だってそれはつまり笑ってない…空っぽよりドロドロしている方が面白いではないか。
フと、彼女の言葉に窓の外を眺めていれば。花ちらしっつーのかぁ、と無知?丸出しでへぇーーと、頷いていた。

「んーーそもそも別に俳句とか情景にピンとこねーしなぁ。
散ってる時点でそもそも桜は死んでるようなもんだし…。
ああ、つまり死体が腐ってるみたいなもんじゃね?茶色くなるのって」

ヘラヘラと、無感情な笑顔に軽薄な笑顔を返しつつの、そんな戯言じみたお言葉。
告白…告白ねぇ?そういうのも正直ピンと来ない。どのみち相手は忘れるのだし。

「そーだなぁ。「あちら」に会ったらよろしく。途中で寝こけたりしないよーにするんだぞー」

と、こちらもこちらでそれこそ道化師の様に一礼して。その姿が見えなくなるまでヘラヘラと見送って。

「んーーー…成る程。……あ、エロい事し損ねてしまったぜ…あちゃあ」

ペシッと己の額を叩いて。まさに道化師。それから、よっこらせと気だるそうに歩き出して。

「…なーんで、ああいうドロドロしたの表に出さないんだろうねぇ。そういうのが見たいんだけど」

等と呟いて、欠伸を噛み殺しながら彼の姿もやがて消えていくだろう。

ご案内:「廊下」から宵町彼方さんが去りました。
ご案内:「廊下」から真淨在処さんが去りました。