2015/06/08 のログ
ご案内:「禁書庫」から獅南蒼二さんが去りました。
ご案内:「図書館」に夕霧さんが現れました。
■夕霧 > トントントン、机を指で自分にしか聞こえない程度の音で叩く。
本部からの通達。校内紙号外。式典委員会からの通達。
LINE、BBSその他情報諸々。
目に通すだけ通す。
役職的には事務である。
動くも何もあったものではない。
しかも気づけば話し合いは済んでいると来た。
「……」
ふう、と息だけ吐く。
とりあえず非常連絡局は『切られた』というのだけは分かる。
そこに全てを押しつけてひとまずの終局を迎えた、という事だろう。
■夕霧 > 西園寺偲自身に取り立てての思い入れは薄い。
ただ書類を整理し、渡す。
会話もしてはいたがそれだけだ。
とはいえ。
仮にも同志であるはずの彼女がそこに至るにどういった心持であったのか。
理解も出来ず、わかる事ももはや無いのだろう。
ギッ、と椅子を軋ませる。
やる事はかわらない。
代わらず書類を整理し、この文面を読む限り、風紀委員にも情報提供という事でそう言った書類の整理も出るのだろう。
表向きは何も変わらない。
では裏はどうなのだ。
纏まらない思考は苛立ちだけを募らせる。
気づけば叩く机の音も心なし、大きくなっていた。
■夕霧 > 彼女を切ってまだ裏は―――。
思考を切る。
「あかんなぁ」
携帯を懐に戻し、書類も纏める。
判断材料が少なすぎる。
そう、彼女は結論付けた。
ならばどうするか。
判断材料を増やせばよい。
ひとまずはそう考え思いつく顔、本名を知らない補佐代理。
まずは同じ公安委員で事件に限りなく近そう、というそれだけ。
黒だとか白だとかは後回しでよい。
情報だ。
■夕霧 > 椅子から立ち上がる。
後は情報屋、当事者と聞いて回れる場所はある。
座っていた席を引き払おうとし、ふと、考える。
『何の為に何を判断しようとしているのか』
それは何よりも優先して考え、結論すべきではないのか、と。
―――。
一先ずは。
『彼女が何を考え此処までに至ったか』を知るため、としておこう。
その後に考えることが増えるのなら、それでいい。
■夕霧 > 「わからんまま、踊らされるのは癪に障りますしなぁ」
結局の所、それが一番大きいのでは。
そんな事も考えながら。
ご案内:「図書館」から夕霧さんが去りました。
ご案内:「図書館」にカエラムさんが現れました。
■カエラム > 学園内をうろうろしていると、大量の本が並べられた大部屋に辿り着いた。
こういう場所は現世の言葉で『としょかん』と呼ぶらしい。
図書館に足を踏み入れ、棚に並ぶ本の数々に目を通す。
■カエラム > 「―――おー。」
最初に目に止まったのは『うらしまたろう』と背表紙に書かれた本。
手にとってみると、亀に乗った漁師らしき人物が表紙に描かれている。
現世の技術でプリントされているようだが、このタッチは水彩画のものだ。
表紙をめくると、最初のページにも絵が載っていた。
絵の中には文字が挿入されている。
■カエラム > 「むかしむかし、あるむらに、こころのやさしいうらしまたろうというわかものがいました。
うらしまさんがうみべをとおりかかると、こどもたちがおおきなカメをつかまえていました。
そばによってみてみると、こどもたちがみんなでカメをいじめています。」
生の反応が得られないので解釈が難しいが……
なるほど、これは「うらしまたろう」と呼ばれる男が亀を助けて恩返しをされるお話なのか。
興味深く思ったカエラムは、絵本を読み進めていく。
■カエラム > 「『おかげでいのちがたすかりました。ところでうらしまさんは、りゅうぐうへいったことがありますか?
わたしがおつれしましょう。さあ、せなかへのってください』
カメはうらしまさんをせなかにのせて、うみのなかをずんずんともぐっていきました。
うみのなかにはまっさおなひかりがさしこみ、こんぶがゆらゆらとゆれ、あかやピンクのサンゴのはやしがどこまでもつづいています。
『ようこそ、うらしまさん。わたしはこのりゅうぐうのしゅじん、おとひめです。かめをたすけてくださって、ありがとうございます。
おれいに、りゅうぐうをごあんないします。どうぞ、ゆっくりしていってくださいね』
うらしまさんは、おおひろまヘあんないされました。」
■カエラム > 「りゅうぐうですごすうちに、さんねんのつきひがたってしまいました。
『おとひめさま、いままでありがとうございます。ですが、もうそろそろいえへかえらせていただきます。
わたしのかえりをまつものもおりますので……』
するとおとひめさまは、さびしそうにいいました。
『……そうですか。それはおなごりおしいです。では、おみやげにたまてばこをさしあげましょう』」
なるほど。これが昨日の出来事で言うところの真珠なのか。
しかしこの男、いくらなんでも三年は滞在し過ぎなのではないだろうか。
■カエラム > 「ちじょうにもどったうらしまさんは、まわりをみまわしてびっくり。なんだかまわりのようすがちがいます。
いえはどこにもみあたりませんし、であうひともしらないひとばかり。
『あの、すみません。うらしまのいえをしりませんか?』
ひとりのおきなにきいてみると、おきなはくびをかしげていいました。
『うらしまというひとならななひゃくねんほどまえにうみへでたきり、かえらないそうだ』」
……えっ。
■カエラム > 「かなしみにくれるうらしまさんは、ふと、もっていたたまてばこをみつめました。
うらしまさんはあけてはいけないといわれていたたまてばこをあけてしまいました。
するとなかから、まっしろのけむりがでてきました。
たまてばこからでてきたけむりはしだいにうすれていき、
そこにのこったのはぜんしんのけというけがまっしろな、おじいさんになったうらしまさんだったのです。
おしまい」
……一体どういうことなんだ。
■カエラム > 確かに自分は亀を助けたけれど、おじいさんでは……
いいや、よく考えてみれば自分は、それを通り越して死んでいる。歳を取ったと言えなくもない。
現世に下りたのだって700年以上昔の話で……そうか、なんてこった!
多少順番が前後しているだけで、これは立派な預言書なのではないか!
まさかここでこのような貴書に巡り会えるとは……
生きてて良かったと切に思う。死体だけど。
■カエラム > 「……ggggg」
知恵熱で軽く暴走してしまいそうだ。
腹に巻いた鎖を引いて、ひとまずは心を落ち着かせる。
■カエラム > 「――rr.」
いい本に出会えた。
今度はもっと文字を覚えて、また遊びに来ることとしよう。
風にあたるべく、死神はその場を後にするのだった。
ご案内:「図書館」からカエラムさんが去りました。
ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
ご案内:「図書館」に立花 響さんが現れました。
■谷蜂 檻葉 > 「お疲れ様で―す……。」
今日もシフトで、いつもの様にカウンターに向かう。
鞄から腕章を出すと、軽い雑談をして座っていた生徒と交代する。
■立花 響 > 図書館の机に本を山積みにしている少女がいる。
その本の種類は統一して楽譜が載っていたり、音楽界の偉人の伝記だったりとその周りを読み漁っている。
「…これも載ってない」
そんな独り言をぶつぶつ言いながら読んでいない本から読んだ本の山へと乗せていく
■谷蜂 檻葉 > (何で私の時って大抵一人なのかな……)
恐らく、時間帯の問題だろうが。 ここから閉館付近までが檻葉の受け持ちだ。
カウンターに積まれた返却本を整理しながら今日読む本を吟味する。
(……………なにあれ。)
ふと、机の上に本を山積みに―――文字通り”山”積みしている少女に気づく。
危なっかしいので止めるように注意しようとしたが、真剣に何かを探しているようなのでそのまま、時折視線をやりながら整理を続ける。
■谷蜂 檻葉 > やがて、一通り整理を終えると一冊を残してカートに積むと、カラカラと本棚の方へと持っていく。
■立花 響 > 「やっぱりここには無いのかな…それとも別の場所にあったりとか…」
まだ読んでいない本の山の高さが響の座高程の高さになったのを見て呟く。
全て読むつもりはあるが、目当ての物は無さそう、という気持ちがどこかにあるようだ。
読んでいない本からまた一冊手に取ろうとしたとき、肩に読んだ本が当たり、ぐらぐらと揺れている。
但し響は気付いていないようだ。
■谷蜂 檻葉 > (倒れるかな……倒れるか……あー……)
もはや面白半分で何時倒れるか――個人的には持って4分――内心でトトカルチョを開催しながら返却本を棚に戻していく。
■立花 響 > 「…これもダメと。何が裏話特集なのやら……あっ」
巨匠裏話特集、というタイトルの本を読み終わり本に対して毒を吐いた後に読み終わった本の山に積もうとすると、
恐らく檻葉の予想通りだろう。間抜けの声と同時に大凡20冊程の山が響に雪崩れ込む。
特に響は運動神経が良い訳でもなく、中学時代に運動部だった訳ではない為反応が追いつかず本の山に遭難してしまう
■谷蜂 檻葉 > 時計を見る。
「……5分。 惜しかった……」
丁度、カチリと針が動いた瞬間の雪崩はある意味芸術的――古典芸能か。
押しつぶされた少女に苦笑しながらカートと一緒に近づいていく。
「あー、あー。まぁこうなるとは思ってたけど。 大丈夫ー?怪我してないかしらー。」
ひょいひょいと響にのしかかっている本を手際よくカートに載せていく。
後で、纏めて返しておけばいいだろう。
■立花 響 > 「ひ、ひぇ…ごめんなさいお手間をお掛けしました…」
本の山から抜け出し、先ほど本に対して毒を吐いたとは思えない弱気な発言。
本の復讐にあったからか自業自得ではあるのだが、人前では大人しいのだろう…きっと
「怪我は…多分大丈夫です…と、図書委員の方ですよね…?」
自分の怪我を確かめるべく自分の頭を触っているが、特に打撲等は無いようだ。
響は声を震わせながら檻葉の図書委員、という腕章を指さして問いかける
きっとこんな騒ぎを起こしたのだから怒られる、とでも思っているのだろうか
■谷蜂 檻葉 > 「はい。 ……まぁ、言いたいことは解るよね?」
ニッコリと微笑む。
まったくこんなに散らかしちゃって……などと呟きながら手際よく本を積んでいけば、響が手を出すまでもなく机の上に残った数冊を除いてカートに揃えられていく。
「別に規則で決まってるわけじゃないけど、あんまり面白い事しないようにね?」
一人本ジェンガとか、さ。 と戯けて注意する。
「それで、なにかお探し?」
■立花 響 > 「ジェンガしてたつもりはないんですよ。
そう、不慮です。不慮の事故なのです。なので何卒お怒りを沈めください…」
響にとってはその微笑みも威圧に感じるのか、慌てているような口調で弁解をしている。
檻葉が手際よく本をカートに揃えていく様子を見て、おぉ、と感声を上げて檻葉の質問について口を開く
「探しているのは…言いにくいんですけど、魔力が込められた楽譜を探してるんです。
ほら、こういう島ですからこういう場所に纏められてあるかなー…ってあはは」
口ごもりながら質問に答えていく。
良く考えてみれば図書館に楽譜があるのか、と常識人に聞けばNoだろう。
響はそんな事を考えて気まずさを誤魔化すように笑いながら机の上に散らかっている本を纏めている
■谷蜂 檻葉 > 「別に怒ってないから、注意してくださいな ……と。」
最後の一冊を置いて、響の横につく。
「魔力の込められた、楽譜……ねぇ。」
楽譜となれば探せば少しはこの膨大な蔵書の中にコーナーがあってもおかしくはない。
ただそれに『魔力の込められた』と注釈がつくとなるとどうだろうか。
「あるとしたら、やっぱり禁書庫なのかしらね……?」
少し考えたが、自分の知らないことは―――
「ちょっとまってて、検索してくるから。」
PCに聞いたほうが早い。
■立花 響 > 「禁書庫…?それって開けたらいけない所なのでは…」
最近この学園に編入してきた響でも文字ぐらいは分かる。
禁止されている書庫で禁書庫。
「って、検索して見つかる物なんですか!」
なるほどパーソナルコンピューター。
しかし響はPCの使い方は分からない。検索の達人であるPCの使い方はPCの達人らしい檻葉に任せる事にしよう
そんなことを考えながらPCの画面を覗き込む
■谷蜂 檻葉 > 【カートを隅に寄せると、カウンターに向かう】
「ええと、楽譜……音楽?えーと……館内……楽譜はあるか……」
多種に及ぶ検索機能を使ってカチカチと場所の検討をつけていく
(この辺が普通の楽譜で……やっぱり禁書庫に近づいた”アノ場所”らへんにも一応可能性あるのね……)
危険性が上がれば上がるほど、奥にあるのはゲーム的というより合理目的。
(取り敢えず、普通に楽譜のある場所で探そう。)
■谷蜂 檻葉 > 「印刷っと。」
ピガー と、小さな音を立ててミニ印刷機が地図を出す。
「ついてきて。こっちに楽譜はあるみたい。」
スタスタと響が最初に探した場所とはやや離れた方向へと進んでいく。
ご案内:「図書館」に渡辺慧さんが現れました。
■立花 響 > 「…何か、凄いですね。何が凄いかは全く分からないですけども」
目の前で檻葉の言う通りに操作される機械を見て凄い、としか言えないようだ。
不思議そうに印刷された紙を見ているとついてきて、と言われたのでゆっくりついていく
「…あ、そういえばこの辺は全く探してなかったです」
調べた事のない方向に進んでいく檻葉についていくと、この辺りは全く調べていないということを告白しながら
■渡辺慧 > 鼻歌交じりに、図書館へやってくる。
昨日の、宣言通り。あのシリーズを借りに来たのだ。
ふと、カウンター席を眺め。
――あや。誰もいないのか――
参ったな、という風に頭をかく。
余りシステムに詳しいわけではないが……確か、図書委員がいないと、借りれなかった、はず。多分。恐らく。
そうした後、少し、図書館内部を見渡すように眺めた。
■渡辺慧 > 「…………んー」
見当たらないのか。しょうがない、と。
再び楽しげな顔を浮かべると、適当な――手近にあって、目についた小説――本を手に取ると、カウンターに近い場所で、戻ってくるまで時間でも潰そう、と。腰かけた
■谷蜂 檻葉 > 「……もしかして、貴女機械音痴?」
きょとんとした顔で聞き返す。 ……このぐらいなら、ちょっと検索を何度かしていれば覚えそうな話だが。
取り敢えず、楽譜の場所につくと此処が目的の場所だと伝える
「まずは此処かな。一角まるまる楽譜と音楽家のアルバム敷き詰めてるみたいね。」
上の方に挟まれた分類板には 『音楽家資料』 と書かれている。
■谷蜂 檻葉 > 「あ、ちょっと待ってて。一つ忘れもの―――」
そういって、一度カウンターの方へ戻る。
■立花 響 > 「そもそも機械に触った事ないんですよ…触ったことある機械といえば携帯と歩行者専用ボタンですよ」
そんな愚痴を零しながら適当に一冊『音楽家裏事情』を手に取る
「あ、行ってらっしゃいです。」
カウンターの方に戻る檻葉を見送りながら響はその場で手にとった本を立ち読みし始める
■谷蜂 檻葉 > ―――【黒い指輪】 通称「何でも探す指輪」
名前のついていない、『どれだけ曰くつきの本だろうが図書館内にある、ありとあらゆる本を”掴みとる”』能力だけが付与された図書委員専用の魔道具。
それを取りにカウンターへ戻り―――
「あ、慧。 ちょうどいいからちょっと手伝ってもらえる?」
使えるものは親でも使うのが檻葉流だ。
偶然居合わせていた慧を呼び寄せる。
■渡辺慧 > ……………。
楽しげだった顔は、欠伸が出そうな顔へ変化していた。
――有体に言えば。つまらん。
まだ序盤だが……もしかしたら自分は我慢が足りないのかもしれない。
だが、こんなところで我慢することもないだろう、と。
あっさりと、パタン、と。その本をとじ……た時に。
「……あれ。檻葉。今日シフトだったのね」
声をかけられた。
そして、首を傾げ。
「ん。…………いや、なにを?」
■立花 響 > 「そもそも魔譜を見たこと無いのに探す、っていうのが無理があるのかな…
手がかりは開いて見れば分かる、って事を両親に言われたぐらいだけども…」
どうやら今見た本はハズレだったようだ。
独り言を呟きながら手にとっていた本を元の本棚に戻し、次の本『音楽家の譜作り』の本を手に取り再び立ち読みを再開する
■谷蜂 檻葉 > 「本探し……じゃなくて、楽譜探し?」
ちょっと疑問形に。
「ちょっと大雑把に探すから手が足りないのよ。ほら、こっち。」
暇そうだったし、良いわよね?
と、非常に勝手に相手の感情を決めつけて慧を引っ張りだした。
「よし、猫の手も借りたし探しましょうか、『魔法の楽譜』。」
■谷蜂 檻葉 > 【かく言う檻葉は、直接本棚に手を伸ばすこと無く黒い指輪をはめた指を額に当て何かを念じるようにして棚から少し離れた位置に立っている……】
■渡辺慧 > ………………。
「……ニャア?」
鳴いた。
気を取り直すように咳払いすると。
「あぁ、はぁ、マァ……いいけど……大変そうねぇ、図書委員」
「楽譜、ねぇ……」
そういう知識はないのだけれど……ま、猫の手、か。
そして、引っ張り出された先で。
「…………って。おろ。アー…………。そうだ。あれだ。響」
見覚えのある少女がいた。
■立花 響 > 「あれ、えーと…」
名前を呼ばれて振り向くと見知った顔。確か面白い名前だったような、其れを思い出す為に頭に手を当てて記憶を探る。
そう、彼の名は―――
「渡辺ヴォルテックスさんでしたっけ?」
真面目である。響は大真面目に慧の偽名を口にする。
そもそもヴォルテックスは偽名なのか、発祥自体は響も知らない。
■谷蜂 檻葉 > 「ブフぉッ」
噴いた。 紛れも無く、唾を噴き散らかす程度に見事に噴いた。
「んふっ…ッククク……ヴォルテックス……!渡辺ヴォルテックス……!!」
【集中が切れて、また少し楽譜が遠のくが、それも忘れる程度には笑っている】
「え、なにそれ面白いんだけど…ンフッ…慧の『ケイ』ってもしかしてミドルネーム…? 渡辺=K=ヴォルテッ…フッフフフ……!!!」
かなり効いている。
■渡辺慧 > 「混ぜすぎだろ」
何度この手の訂正をすればいいのか。――いや、本当に自業自得であり、すべてノリでしかないのだが……――
額に手を当て、ため息をつく。
渡辺慧。
簡素にそう伝える。
「ま。それは、いいとして…………なにしてんの?」
いや……。そうか。
楽譜を探す、と檻葉は言っていた。
この目の前の彼女は、確か、音楽の――。
「……なるほどね、君が楽譜探してるのか」
■渡辺慧 > 「…………檻葉ぁ……」
物凄く情けない声で呼ぶ。
なんでそんなうけてんの君……、と。
「違う。俺の名前は正真正銘渡辺慧で、渡辺ヴォルテックスでも、田中ヴォルテックス太郎でも、第二村人でもなーい」
初めて聞く人からすれば、すべて――まぁ、彼女のように笑うか、微妙な反応をされるかのどれかだろうが――変に聞こえるだろう。当然だ。すべてその場でつけられた名前でしかないのだから。
「はいはい、忘れなさい、忘れて。お願いシマス」
懇願するようにそう言った。
■立花 響 > 「あれ違いましたか。」
渡辺慧と言われると、あぁ、そういえばそんな名前でしたね。と思いだしたかのように手を叩く
「いやちょっと魔法の楽譜を探しててあの人にちょっと協力して貰ってるんです」
またハズレだったのか少し不機嫌そうに本を本棚に戻し、新しい本『音楽家の赤裸々』を手に取り読み始める
「それでえっと…あの人は何をそんな笑ってるのです?」
響が巻き起こした惨事とは思っておらず、不思議そうに檻葉の方を見ている。
慧さん何かしたんです?と視線を慧の方に向けている
■谷蜂 檻葉 > 「あー……笑うわ……偽名にしてももうちょっとあるでしょ……ハぁ、最初から集中し直さないと……」
純朴に過ぎる響には、ヒラヒラと手を降り 気にしないでとだけ伝えて再び目を瞑る。
【再び、集中しなおしていく……。】
(―――やっぱり此処にはないのかな、でも魔力だけなら感じる――――)
(どこだ? 本の置いてある位置……じゃない、少し奥……?)
パチ、と目を開けるとしげしげと色んな角度から棚を見つめ始めた。
■渡辺慧 > 君のせいだ、とは……まぁ、言えない。
「彼女は……まぁ、あれだ。なんだ。気にスルな」
本のインクのにおいをかいでしまうとたまにああなるんだ、とか適当に言いそうになったが。後で怒られるな、と思い自重した。
「うっさいなー……」
なんとなくそういう気分だったんだよ、と檻葉に向け、そう漏らすと。
「……楽譜、楽譜、ね」
まさしく、猫の手、のように。適当に。――役に立つかは微妙なラインで――探すのを手伝い始めた。
■立花 響 > しかし見つからない。
魔法の楽譜と言うからには既に燃やされているか、もっと特別な場所に保存されているのか。
一般学生が出入り出来るようなこんな場所にあるはずないか…とため息をつきながらどうでもいい音楽家の赤裸々事情を知ったところで本を戻す。
クラシック系なら骨董店とかに置いてあったりとか…そんなことがありえたりするのだろうか。
もしもここに何も見つからなかったら骨董店を探しに行くのもアリかな、などと考えてながら再び本を手に取る。
題名は『音楽家の暇潰し』
■谷蜂 檻葉 > 「渡辺=ケー=ヴォルテックス。 早速だけど男手として活躍して欲しいの。」
眼鏡をクイッと上げる―――本に配慮して控えめの蛍光灯を反射して一瞬きらりと光る。完璧だ。
ついでに暫くヴォルテックスはイジらせてもらおう。
「この棚、少し動かせるかちょっと試すわ。 えっと、響ちゃんでいいのよね?ちょっとコッチ側寄って貰える? 慧君はそっち、左手側によろしく。」
■渡辺慧 > 「おいこら」
猫のような笑顔は、まるで小動物のような顔に変わっている。
楽しんでんなぁ……。
まるでドラマの配役みたいだ、なんて。
「……オーライ」
諦めた様に肩を落とすと、指示されたとおりに、その場所へ。
ここ? と確認を向ける。
■立花 響 > 「えっと、はい。響です。立花響。
本棚が動く…んですか?ちょっと信じられませんけど、とりあえずやってみましょうか…」
檻葉に誘導されるままに動いている。
きっと本棚を動かすからには結構な力がいるだろうから気合を入れる意味を込めて肩を回している
■谷蜂 檻葉 > 「オッケー。 えぇと……」
【指輪を右目側に当てて、左目で集中して棚を見つめる】
「そのまま、1,2,の3で グッと右に押し込んで。私と響ちゃんで右側を奥に押し込む。」
□↑ つまり、こう動かすわけだ。
→→↑
「いっくわよー…… 1,2,の 3!!」
【ぐっと、力を込めて押し込む。 3人の息が合えば―――】
■渡辺慧 > りょーかい、図書委員さん。
と、最初の呼び方をあえて言いながら。
「1,2の……3ッ」
掛け声に合わせるように、ぐっと力を込めて……その棚を押し込んだ。
■立花 響 > 「2の、3!ん、んん……!」
響は合図に合わせて精一杯本棚に力を込めて押す。
そもそも響は楽器を持ち運んで歩くぐらいで筋力があるか、と言われると無い方だろうか
■谷蜂 檻葉 > 最初に慧が押した方が、ズズ…とゆっくり押されていくと、ある場所で『ガコン』と何かが嵌る音がする。
そのままゆっくりと響と檻葉が押していた右側も奥へ奥へとゆっくりと進んでいき……
【60°程の角度を付けて右側の壁に収納されるように動いた本棚と背面の壁の間に隙間が生まれた】
「……行けた、みたいね?」
【丁度開いた場所にいる慧には、壁に埋め込まれるようにして小さな本棚があるのが解る】
【中にはぎっちりと、ファイル詰めにされた何かと本が入っているのが見えた】
■渡辺慧 > 「ワーオ」
感嘆の息。
「……凝ってるねぇ」
図書館に、こんな仕掛けが。
中を覗くように見回す。
「……これ、何の隠し部屋?」
■立花 響 > 「行けた…みたいですね?さ、さ、本当にあるかなー…?」
ガコン、という音を聞くとお宝を見つけたかのように胸を高鳴らせて軽い足取りで慧の方に近付いていく。
「慧さん!慧さん!どうですか、楽譜ありますか!」
図書館にいることを忘れているのか、やや大きい声で慧に問いかける。
響にとってこの島に来てからやっとの思いで見つけた手がかり。
何も無かったら落ち込むだろうし、何か手がかりがあればまた頑張る。そのぐらいに響は単純だろう
■渡辺慧 > 「オチツケ」
その勢いに苦笑。まだ見れてないよ、と。
後、声。
と、笑い乍ら、そう伝えると本棚に向き直った。
そうして、本棚に手を付け始めた。
■谷蜂 檻葉 > 「隠し部屋の仕掛けっていうより、忍者屋敷の絡繰って感じかしらね?」
丁度、『本棚で本棚に蓋をする』といった風情であるし。
しかし流石委員会だけに許された特別な魔道具。こんな仕掛けまですり抜けて見つけるとは。
「……とりあえず、取り出してみましょうよ。えーっと、どれどれ……?」
みっちり詰まっている中身に苦戦しつつも、端にある表面に埃を被ったファイルを引きずり出す。
と、そこで黒の指輪が反応を示した。
「……これ、当たりかしら?」
パラ、と捲るとどうやらファイルには切り取られたページのままの楽譜が収められているらしい。
そうなると、本は”生き残り”だろうか?
そのまま、ファイルを響に差し出す。
■渡辺慧 > 「はぁん。確かに。埋められたら出てこれなさそうね」
そん時は檻葉、よろしゅう。
片手をビシリ、とあげ、適当にそういうと。
アタリ、という声に振り向く。
「ん……あったー?」
尚、慧の手元にあるのはまるで音楽とはほど遠い本だった。
――盆栽の歴史――
とか書かれているのは恐らく気のせいだろう。少し興味深そうに読み込んでいたのも多分気のせいだろう。
気のせいだろう。
■立花 響 > 檻葉からファイルを受け取り、そのまま開く。
中にはそのまま楽譜が載せられている訳だが、普通の楽譜とは違う部分はある。
微かに青く光っている。
「青く光る楽譜なんて聞いたことないのでアタリ。この楽譜は月光、ですね。」
青く光る楽譜の題名を読み上げる。
確かに言われた通り見れば分かる楽譜である。
ファイルを次々開いていき、やがてファイルを閉じる。
「ボロボロだけど辛うじて読めるし、光っているし、まだ詠唱は出来そう…」
そんな独り言をぶつぶつと呟く
■立花 響 > 「…何見つけてるんですかそれ。いや微妙に気にはなりますけども」
慧が持っている盆栽の歴史という本を見てため息。
目的の品は見つけられた訳でもあるからどうでもいいといえばどうでもいい訳だが、
そもそも盆栽に歴史があるとすればクラシック以前の自体なのではなかろうか
「目当てといえば目当ての物は見つかりましたよ…とりあえず、この本棚戻します?」
ファイルを大事そうに抱えながら動かした本棚を指さす
■谷蜂 檻葉 > 「よし、探した甲斐があって良かったわ!」
響の言葉に、満足気に頷く。 時間をかけて手伝って良かったと素直に思える結果でよかった。
そのまま本棚を戻すか? と聞かれると
「あ、ちょっと待って。他に何かあるかチェックするわ。」
この本棚にはどれも「識別証」がついていない。 後々なにか此処にある本があれば二度手間になる。
■谷蜂 檻葉 > 【指輪を付けたまま、隠し本棚の本を一冊ずつ取り出して確認していく……。】
■渡辺慧 > 「おっと」
悪戯がばれた子供のように、猫みたいに笑って本棚に返す。
「いやいやこれがな中々……」
……何気に。以前気まぐれで始めた盆栽という趣味があるような。ないような。
「……ま、よかった」
まさに自分の手は、猫の手、だったわけだが。
それでもよかった、と思える結果だった。
■立花 響 > 「図書委員さんは良く働きますね…中々出来る事じゃないです」
檻葉の真面目な背中を見て感心している。
響も真面目といえば真面目だが、授業を抜け出す時は抜け出し、時計塔に行ったりカフェテラスに行ったりする
……やはり真面目じゃないかもしれない
「この魔譜が本当に使えるか、後で試してみないとですね。月光と言うぐらいですから可愛い魔法でしょうけども」
ファイルを大事そうに抱え、欲しかった物が手に入った子供のように微笑む。
■谷蜂 檻葉 > 【そう時間をかけずに一通り取り出して確認を終える。】
「……よし、待っててくれてありがとう。……じゃあ戻しましょう? 結構ガッチリ留めてあったみたいだし慧君が居て助かったわ。」
眉間を軽くもみほぐして立ち上がる。
「あ、『寺T』揃えてあるから戻りついでに持って行きましょうか。」
■谷蜂 檻葉 > 【ふと本棚の裏であった壁に目を向けると、『閉』と表面に書かれた小さなゴムのボタンがついている。】
【檻葉は気づいていない。 響か慧。好きな方が押しても―――押さなくても良い。】
■渡辺慧 > ひらひら。
片手を振る。
「おつかれさま。……ま、暇だしな」
お肩でも揉みましょうか? 冗談めかした。
「あ、さーんきゅ。そのために来たんだった」
慧はそのボタンの存在に、気づいていないようだ。
■立花 響 > 「…?何これ。『閉』?」
ボタンを見つけて口と同時に手が動く。トランペットを吹いていると良くある事である。
つまり響は見つけたと同時にそのボタンを…押す
特に悪意もない。どちらかというと興味を持った一押しである
■谷蜂 檻葉 > 響が押したボタンは音もなく、グイッと小さく沈み込む。
【ガコン】
「へ? うわ、わわわっ。」
【ゆっくりと、押し開けた時より更にゆっくりと巻き戻るように本棚が戻っていく。】
慌てて檻葉が挟まれまいと本棚の隙間から抜けだすと、重い音と共に本棚は最初の通り壁際に鎮座した。
「あーびっくりした……時限式だったのかしら?」
響が壁のボタンを押したことには気づかなかったようだ。
「……ま、手間が省けてよかったわ。 戻りましょう?」
■立花 響 > 「ひえぇっ!?」
動き出す本棚に驚きバランスを崩しそうになりながら動く本棚から離れる。
つい押してしまったがきっと悪い事ではない。
全て私の指と興味がが悪いけど、私は悪くない。完璧!
「ちゃんとファイルはある…と、ありがとうございます檻葉さんって呼ばれましたよね。
お陰で目当てのものが見つかりました」
礼儀良く檻葉に礼をする。
響にとって礼を言うということは礼もする、という一連の動作なのだろう
■渡辺慧 > 「ん、閉、って…………おっ、う、ぉ、オォ?」
オー……。あれか、トラップか。……いや。
と、のんびり考えながら、取り残されないように一番最後に抜け出した。
少しだけ響の方を見て、猫のような笑いを浮かべると。
「……うん、忍者屋敷、かな」
戻ろっか。
■谷蜂 檻葉 > 「ん、いえいえ業務の一環ですからね。 これからも本探しならジェンガする前に図書委員に遠慮無く聞いてちょうだい。」
いい仕事したわぁ。と腰に手を当てて満足気に。
「あぁ、それとその楽譜は貸出手続きになるから学生証貸してもらえる? ついでに慧も。持ってきてるわよね?」
■立花 響 > 「あはは…本探す時はまた頼らせて貰います。
と、学生証ですね。はい、どうぞ」
財布から学生証を取り出し、檻葉に手渡す。
学生証には名前や誕生日等の個人情報が載っている。
ただ他の人と違う点は響の学生証の発行日は5日前の6/3という点ぐらいだろうか。
「忍者屋敷って…この学園に忍者なんているんです?
それとも慧さんが忍者ですか?…こう、『ヴォルテックス衆』みたいな」
今度は確信犯の名前弄り。
慧が忍者ならそんな衆の名前をつけそう、というチョイスである
■渡辺慧 > 「うぃ。持ってきてる」
……前と同じように、ポケットから無造作に引っ張り出した。
それを彼女に手渡しながら。
シシシ。忍者という言葉に笑いながら。
「この学校なら忍者ぐらいいてもおかしくはなさそうだけどね。……俺は忍者じゃあないが」
外国籍の忍者なの? 黒船来航?
なんて、適当に呟いた。
■谷蜂 檻葉 > 【二人を先に行かせ、別の本棚から寺Tを取り出してカウンターへ戻る】
先に一般書籍に属する『寺Tシリーズ』……
・天驚!寺生まれのTの手記、樹海編
・天驚!寺生まれのTの手記、大霊峰編
・天驚!寺生まれのTの手記、幽霊宿場編
を手早く貸出に設定する。
ついで、無印のファイルに特別貸出用のシールを貼り付け、同じように貸出設定を行う。
「カードリーダー通して…っと。 これでオッケー」
■谷蜂 檻葉 > 「あ、慧君。5巻は私借りてるから。 読む時は言ってね。」
そう言って、それぞれを二人に手渡した。
「それじゃ、またのご利用お待ちしております。 ……ここで読んでいてもいいけどね。」
■立花 響 > 「でも盆栽趣味の忍者っていそうですよね。
いっそ慧さん今から忍者になったらどうです?公園のベンチで寝れるぐらいならどこでも寝れそうですし」
くすくすと笑いながら先ほど慧が見つけていた盆栽の歴史を思い出している。
そのまま冗談の口調を続けている
ファイルを受け取って笑顔でありがとうございます、と礼を言いながら。
「それでは色々お世話になりました…慧さんは殆ど力仕事でしたけども、今度時間が会ったらお茶ぐらいはご馳走しますよ。
それではお疲れ様でした」
もう一度二人に礼をして軽い足取りで図書館を後にする。
ご案内:「図書館」から立花 響さんが去りました。
■渡辺慧 > 「ありがとー」
さっと受け取りながら。
「あー……4巻ってこれ?」
幽霊宿場編を手に取って掲げる。
ある意味、これが一番気になってはいる。……最後の楽しみにとっておくべきか。
「あれ。読み直し? りょかいよ。じゃ、その時はまたここに……っと、いや」
抵抗なければ、連絡先教えておこうか?
と、少し小首を傾げながら尋ねた。
■渡辺慧 > 「響は俺のことをなんだと思ってるのか一度……ハァ」
やっぱり――自業自得なのである。――
「さんきゅ。なら…………会えたらまたカフェテラスでもな」
偶然で会えたなら。と付け加えて。
最後におつかれさま。と手を振った
■谷蜂 檻葉 > (響に軽く手を振りながら見送ってから)
「そう、それ。」
神妙な顔で頷く。
「うん、今度更にスピンオフ……外伝、かな?が出るって噂なのよ。 それで読み直し。」
なかなか筋の入ったファンである。
そしてハチャメチャな『半分ノンフィクション』である。
「そうね、連絡先交換しておきましょうか。」
はいこれ。 と、懐から携帯電話を取り出してアドレスページを見せる。
■渡辺慧 > 「うん……楽しみ、楽しみ……」
神妙にうなずき返す。
言い聞かせるように、呟くと。
「へぇ。……俺は、最後まで読んでからだな」
それにはいつまでかかるか……いや。多分、想像以上に速く読み終わってしまいそうだ。……当然のように、スピンオフまで読む事を決めている。それほどまで、あの1巻に魅了されてしまったのだ。
「ん」
ポケットから携帯を取り出す。
そのページを覗き込みながら片手で操作して――しばらくすると、彼女の携帯に、メッセージ――電話番号、アドレスが載せられた――が届く。
「よっし……と。届いた?」
■谷蜂 檻葉 > \チャッチャラッチャーッ チャチャッ【ピッ】/
「……うん、来た。 それじゃあ読む時は教えてね。 まぁ、暇な時にメール来たら返すし。」
中々ファンシーな着信音。
最近やっているアニメのテーマソングだ。 深夜帯の。
【ピッ】【ピッ】
画面をささっとタップして登録する。
「……ンフっ」
『 渡辺=ケイ=ヴォルテックス さんを登録しますか?』
>>[確認] [キャンセル] ピッ
■渡辺慧 > 「あら。なかなか可愛らしい音」
そっちも暇ならメールしてくれてもいいぞー。眠くなければ返す。
なんて。相変わらず適当なことを言って。
「……ちょっと。……ちょっと。なにその笑い」
明らかにおかしいタイミングで起こった笑い。その原因のために――まぁ、ある程度想定できるのだが。――胡乱げに携帯を覗き込もうとする。
■谷蜂 檻葉 > 「最近の流行よ、りゅーこー。」
「慧くんなら早朝か、夜か、昼過ぎ以外ならたいてい返って来そうね?」
わりと直球な暇人だろうという疑問。
ちゃんと授業を受けているのだろうかと思うほどには、彼は適当人間に見える。
「別っにぃ?忘れないようにしっかり名前を登録しただけよ。」
クスクスと笑いながら操作して携帯をスリープにさせる。
ただ、慧にもバッチリ見えた。
『渡辺=ケイ=ヴォルテックスさんを登録しました!』
■渡辺慧 > 「そんな……まさか俺が流行遅れとでも……!?」
静かに大げさに驚く、という器用なことをしている。
勿論ひどくワザとらしい。
「なんか、凄く裏の意味を感じる」
感じ乍らも、ある程度分かりながら。
否定も、肯定もせず、シシシ、と笑った。
「……くっそぉ、また俺をいじる人間が増えてしまった……」
そんなにノリで名前を言った俺は悪かったのだろうか……――まぁ、悪かったんだろう――激しい自問自答に襲われるが。
ミドルネームじゃねーよ……と、呟いた後。
「ん。……じゃ。そろそろ行くね」
また、檻葉。
そう言うと、背中を向け乍ら。片手を振った
ご案内:「図書館」から渡辺慧さんが去りました。
■谷蜂 檻葉 > 「はい、またね慧くん。」
今日も一日を無事に、つつながなく終えられた。
「ふぅ。」
では、〆の準備をしてしまおう。 響の取り出した本もまだ戻してはいない。
■谷蜂 檻葉 > 【暗くなった図書館にカートがカラカラと動く音と、本を戻す静かな音だけが響く。】
■谷蜂 檻葉 > 「よし、さーてそれじゃ寮に戻りましょうかね……。」
パチン、と。 暗い図書館は更に暗くなって、無人となった……。
ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「図書館」に『室長補佐代理』さんが現れました。
■『室長補佐代理』 > 概ねの一件も片付き、徐々に徐々に日常へと人々は戻っていく。
それは公安委員会所属のこの男ですら例外ではない。
相変わらず黒のざんばら髪を振り乱し、決していいとは言えない人相に不気味な笑みを張り付けてはいるが、それでも日常は日常である。
■『室長補佐代理』 > テーブルの上に大きな本を広げて、読書を続ける。
右手はポケットに突っこんだままで、使う手は左手のみだ。
銀の指輪が時折光を浴びて輝く。
■『室長補佐代理』 > 読書に集中しているらしく、頁をめくる紙擦りの音だけが響く。
片手を使わないためか、時折文鎮をしおり変わりに本の上において開きっぱなしにしては、何やらノートにメモをとる。
■『室長補佐代理』 > だが、だいたいのメインはやはり読書で、それほどメモがとられることはない。
静かに、頁がめくられる音だけが響く。
ご案内:「図書館」に麻美子さんが現れました。
■麻美子 > カフェテラスも満員、屋上に行く気分でも無かったので、
図書館にやって来た麻美子は、本を読む彼に気がつくと露骨に顔をしかめた。
『……うーわ、めんどくさいのが居るッス』
とはいえ、かの事件も収束した以上、
彼に特に用も無い、恐らく、
彼もそうだろうと踏んで、彼の目の前を横切る。
別に魔導書に用があるわけではない、
単純に、恋愛小説でも読んで時間を潰そうと思っていただけだ。
■『室長補佐代理』 > しかし、少女のそんな思惑を……まるで狙って裏切るかのように、男は声をかけた。
「おう、ブン屋じゃねぇか。なんだ? プライベートで俺に会えてうれしそうだな」
わざとらしく、顰める顔に対してニヤニヤ笑いを合わせ、椅子を引いて隣の席を勧める。
「暇そうだな。少し手伝えよ。バイト代にあとで飲み物でも奢ってやるから」
■麻美子 > 「ッチ」
小さく舌打ちする。
「居たんスね、気がつかなかったッス。」
顔をしかめたのを見られたのは男の口ぶりで分かってはいたが、あえてそう答える。
たとえ嫌味でも『超嬉しいッス』などと言えば、彼の思う壺だろうと思ったからだ。
……とはいえ、話しかけられた以上は仕方ない、
はぁと息をついて彼の横に座る。
「仕方ないッスね、手伝ってやるッスよ。
ジュースは2本ッスからね。」
ジュースは奢らせるが。