2015/06/09 のログ
■『室長補佐代理』 > 「ちゃんとやってくれりゃあついでにケーキも奢ってやるよ。早速だが、この本のページを俺がいったらめくってくれないか」
そういって、先ほどから自分がめくっていた本を見せる。
ごく普通の資料集だった。異国語ではあるが。
「それと、こっちも知らん単語が出た時に頼む」
鞄から取り出すのは辞書だ。当然ながら、異国語の辞書であった。
「どっちもページを捲ってくれるだけでいい。左手だけだと手間でな」
■麻美子 > 「ケーキを奢ってくれるのは嬉しいッスけど、
ジュースと違って『室長補佐代理』サンと一緒に食べる事になるッスよね。」
苦笑しつつそう返す、次に会う約束なんて取り付けられても困る。
なんだかんだで縁はあるものの、現実問題として彼が麻美子は苦手だった。それはもう、凄く。
「素直に両手を使えばいいじゃないッスか。」
そう悪態をつきつつも、資料集のページを捲り始める。
「あと、辞書はいらないッスよ、
麻美子、この本は多分読めるッスから。」
ふふんと笑いつつそう言った、
実際、この程度の異国語くらいなら読める。
理数系は苦手だが、語学は得意だ。
■『室長補佐代理』 > 「それが何か問題でもあるのか?」
すっとぼけるように、口端を歪めながら呟くが、右手の話題になると少し眉根が下がる。
「右手はあんまり使えねぇんだよ。昔、色々あってな。お陰で日頃から不便してる」
そういって、ポケットに突っこんだままの右手を一瞥してから、嘆息する。
しかし、辞書不要の旨を伝えられると、感心したように眉根を吊り上げ、ほう、と今度は先ほどとは違う意味で息を漏らす。
「大した博学じゃねぇか。そういうことなら、バイト代は弾んでやるぜ。翻訳にはそれ相応の報酬がいるだろう」
そう、少し上機嫌な感じでいって、頁をめくる指示を出す。
文字の読める麻美子にはわかるが、これまた別に物騒なものではない。
普通の世界史の資料集だ。
欧州史である。
■麻美子 > 「……いや、ないッスけど。」
苦笑しつつ頬を掻く、ここで『いや麻美子お前の事嫌いッスから』
と、答えられれば楽なのだが、そこまで言って傷つけるのも可愛そうだ。
何しろ、一方的に苦手というだけで、別段何かされたというわけではない。少なくとも、こいつには。
「そうッスか、悪いことを聞いたッスね。」
そう言うとばつが悪そうに髪の毛を弄る。
「そういう事なら、ま、仕方ないッスから麻美子が手伝ってやるッスよ。
ありがたくおもうんスね!!」
にっこりと笑うとページを捲る。
「いやいいッスよー、知らない仲じゃないッスから。
最初約束した通り、ジュース2本とケーキで手打ちッス。」
『報酬を増やす』ついでに、会う用事を増やされたら困るし。
ちらりと、読んでいる本のページに目を落とした
「というかこれ、普通の欧州史じゃないッスか。
普通に読める本を読めばいいんじゃないッスか?」
そう言うと、一般の本棚を指差す。
こういった一般的な本は、あらゆる言語で書かれたものが
この図書館には収蔵されているはずだ。
ご案内:「図書館」に白崎玲刃さんが現れました。
■『室長補佐代理』 > 「かまわねぇよ。知らなきゃそう思うのが普通だ。報酬だってそう遠慮するなよ。お前のためでもあるんだぜ」
そういって、右手の話は流しつつ、少女にページを捲ることをまた頼む。
内容は本当に普通の欧州史だった。
「翻訳まで含めての課題でな。まるきり他の資料から引用すると教授にバレる。そして、生憎と俺にはそれがどこからどこまでの範囲の資料なのかわからん。読めねぇからな」
少女には普通に読めるのだろうが、男からすると完全に異国の言葉で書かれた本だ。
内容を要約して似たような内容の母国語の他の本を手に取るなど、できようはずもない。
「似たような奴があるならそっちを教えてくれてもいいが、どっちにしろページは捲ってもらうぞ。見ての通りの片手だからな」
■白崎玲刃 > よし、ここらで、混成補助魔術の魔術書の復元を……っと
……ふむ?
【図書館へと入って来た、全身に多少の裂傷と火傷のある人影が居た。玲刃である。玲刃は、以前の住宅街での戦闘で塵となってしまった混成補助魔術の魔術書の復元をしようとノートを持って、図書館へとやってきていたのである。そして、めぼしい魔道書を何冊見つくろいテーブルへとやって来た。すると、テーブルには以前公園で知り合った、麻美子と、黒のざんばら髪を持つ長身の如何にも怪しい男が会話しているのを見かけ、何をしているのだろうかと思い。眉を顰め首を傾げた。】
■麻美子 > 「『室長補佐代理』サン、普通に授業受けてたんスね、麻美子としてはそっちのほうが驚きッス。
……課題を提出するなら名前書くッスよね?『室長補佐代理』ってかいて提出してるんスか?」
『提出する時にこっそりと見れば、もしかしたらこいつの名前が分かるかもッス』
そんな事を考えつつ、またページを捲った。
「ま、それならいいッスよ、このまま読むのを手伝うッス。
なんなら翻訳も手伝ってやるッスよ。」
ふぅと息をついた。
事件の最中は正直得体の知れない不気味さしか無かったけど、
こうして学校の課題をやっている(しかも苦労している)のを見ると、少しだけど親近感が湧いた。
なんとなく緊張感もほぐれたような気がする。
■麻美子 > ふと、図書館の中に現れた人影を見る。
見覚えのある人影。……といっても、表向きには公園で話しただけだ。
にへらーっと笑って手を振ると、翻訳の手伝いに戻る。
■『室長補佐代理』 > 「あたりめぇだろ。俺だって生徒だぜ。ここのところ、例の件のごたごたのせいで課題がたまりまくってんだ」
鞄を一瞥して溜息をつく。他にも課題はまだまだあるらしい。
「名前の方は空欄だよ。学籍番号だけで誰かわかるしな。まぁでも、今回の件でブン屋の情報収集能力に疑いはもってねぇ。本気で調べられたら多分かくせねぇな。気になるなら好きにしていいぞ」
そう、またニヤニヤと笑いながら言って、翻訳してもらった文章をノートに書く。
綺麗な字ではあるが、どこかぎこちない。本来、左手は利き手ではないのだろう。
しかし、右手が使えないのなら、左手で書くしかないのだ。
「ま、とにかく語学堪能の後輩がいてありがたい限りだ。そのまま頼むぜ」
白崎のほうにも一瞥を送るが、ブン屋こと麻美子の様子を見ると、手を振るのみ。
恐らく、話しかけるのも都合が悪いのだろう。
そういう事ならと今は調子をあわせ、男も一瞥を送るだけで済ませて、また課題に戻った。
■白崎玲刃 > 【麻美子が手を振り返すのを見て、玲刃も手を振ると、はたと気が付いたように、麻美子へと近づいてゆき。声をかけた。】
俺と音音が付き合っていたの何故知っていた…?
【校内紙号外に書かれていた、内容を思い出ながら麻美子に問うた。
誰にも言っていない筈なのにととても不思議そうに首を傾げながらである。】
ふむ…。
【手を振る『室長補佐代理』を見て、手を振り返す。そして、課題をしている様子を見て大変そうだなと無関心に一瞥する。しかし、玲刃は知らない、この男こそが、本来玲刃が調べていた公安委員であるという事を。】
■麻美子 > 「いやぁ、正直生徒ってキャラじゃないッスよ。
控えめに言って、学園になんか居る怪異の一種かと思ってたッス。」
苦笑気味にそう返す。
「好きにしろーって言われたからには調べるッスよ?
今回の件が無くなったから暇なんスよ。正直。」
『その暇こそが日常の証ッスけどねー。』と付け加えつつ、
ふわと欠伸をする。あそこまでやられると精神的に疲れるが、
何事も無いのはそれはそれで退屈だ。何しろ、仕事が特に無い。
「任せるッスよー、ま、なんだかんだで世話になったッスからね。」
けらけらと笑いつつそう返す。
普通に学生をしている限りはそこまで話しにくい相手でも無さそうだ。
ケーキを食べに行くのも楽しみにしておこう。奢りだし。
■麻美子 > 近寄って来れば、にへらーっと笑って、
黒塗りのメモを取り出してひらひらとする。
「いや、『知らなかった』ッスよ?
何しろ学生向けの『広報紙』ッスから、
記事を面白くする為に多少の脚色は必要だと思わないッスか?」
けらけらと笑いながらそう答える。
「そう聞いてくるって事はやっぱり付き合ってたんスねー。
…って言っても、さっき綾瀬サンから聞いたッスけど。」
少し隣に座る男に身を寄せ
「ところで、『室長補佐代理』サン、
前に話した時に自分の事を調べてる奴が居たら、
教えてやっても構わないって言ってたッスよね。
この人なんスけど、今教えてやってもいいんスかね?」
彼の事をちょいちょいと指差す。
■『室長補佐代理』 > 「これだけ人間味溢れる先輩を捕まえといてよくいうぜ。まぁでも、怪異だったら楽だったろうにな。何せおばけにゃ学校も試験も何にもないらしいからな。まぁ、名前の件はもう好きにしろ。吹聴しなきゃなんでもいいぜ」
コミックソングをそう揶揄しながら、課題を続けていたが、そう白崎の事について話を振られれば、顔を上げる。
そして、麻美子の人懐こい笑みとはまるで違う不気味な笑みを浮かべた。
「出来れば課題が終わってからのほうが都合がよかったが、まぁ構わないぜ。知ってること洗いざらい教えてやってくれ。それとも……自己紹介したほうがいいかね?」
■麻美子 > 「麻美子も怪異か何かになりたかったッスよー、
そろそろ試験ッスけど、理数系の科目は苦手ッス。
……まして、この所何も勉強してなかったッスからねー。」
口を尖らせると冗談交じりにそんな事を言いつつ、
名前は存分に調べるッス。と答えておく。いい暇つぶしになりそうだ。
不気味な笑みにあわせるように、けらけらと笑う
「そうッスねー、自己紹介してくれたほうが麻美子の説明の手間が省けるッスね。」
「玲刃サン、紹介するッスよ。『室長補佐代理』サンッス。」
■白崎玲刃 > 脚色かよ…
面白くするためとは言ってもな、その対象にされた本人達はどうするんだ?まあ、俺は別に噂されたとしてもからかって来るような相手も居ないから良いんだけどさ。音音には謝っておいてくれよ?
【あれに書かれたいた内容は脚色であると聞き呆れた様子で、呟いたあと、苦笑いで、自分は別に構わないけど音音には謝っておいてくれよ?と言った。】
ああ、付き合ってるぞ。それは事実だ。っと、先に音音に合ってたか。
!?……なんて言った?俺が調べてる奴っていったら…
(どっちだ…?今調べてるのはロストサインだが、前に調べていたのは、音音にちょっかいを掛けたという公安委員だ…)
【麻美子の言葉を聞き、驚いたようにして『室長補佐代理』のいる方向へと瞬時に振り向き、訝しむように見つめた。】
自己紹介、ね。してももらえるなら、して貰うとするかな?まあ、生憎、そっちは俺の事を知ってそうだが?
【『室長補佐代理』と視線が合う、『室長補佐代理』 が浮かべる笑顔は、玲刃の目にはとても不気味に移り、不安感を感じさせる様なものであった。なんでも屋として様々な人種と関わって来たが、こうも不気味な相手だと身構えてしまう。その不安感を見せぬ様に、強がり、皮肉めいた笑みで問いかけた。】
■『室長補佐代理』 > 「なら、理数系は俺が後で少し教えてやろう。成績は悪いが、それだって一年分野だったらまるきり出来ないわけじゃない……まぁ、その話はまた後として」
座ったまま、白崎の目を見て静かに嗤う。
そして、懐から普通の生徒の持っているそれとは装丁の異なる生徒手帳を取り出し、自己紹介を始める。
「公安委員会直轄第二特別教室 調査部別室 『室長補佐代理』 異能名は『主観論』 魔術名は『君の友人』だ。お前の事は話程度には聞いているよ、白崎玲刃」
そう、皮肉気な白崎の笑みに対して、いつも通りの滲むような笑みを浮かべる。
「といってもだ。先に案件を言うようで悪いが、お前の彼女の話だろう? 特殊性のある生徒の監視は俺の一任ではなく、公安委員会全体の仕事だ。俺に直談判したところで何の意味もないぜ」
■麻美子 > 「じゃ、お言葉に甘えるッスよー、
今回の課題の手伝いはケーキとジュース2本とそれでチャラにしてやるッス。」
理数系を教える、という言葉を快諾しつつ、
玲刃のほうに向き直った。
「限りなく事実と思われる脚色ッス。
それに、広報部は『嘘はかかない』ッスから。」
『綾瀬サンにはもうばっちり謝ったッスよ。』
と、ケラケラと笑って答える。
彼の自己紹介が終われば、それに続き
「―――と、まぁ、そういう事ッス。
この人自体は別に悪い人ではないッスよ。
まぁ、ちょっと捻くれものッスけど。
ま、この人と同じ所属にはろくでもないのがいるッスけどね。」
■白崎玲刃 > 公安委員か…なるほど。となると、一般の生徒にもちょっかいをかけていたというのはお前か。
『室長補佐代理』…ふむ。偽名か…
(ふむ、異能、魔術両方を使う、か。)
【自己紹介を聞きつつ、その様子を見ながら、男の強さを推し量ろうとする。男の滲むような笑みに、顔をしかめながらも、玲刃は強気に振る舞う。】
ああ、監視ね…って、特殊性がある、だと?音音は普通側の人間だと思ったがな。
あと、一つ言わせて貰うならだ、監視するにしても不安感を与えるというのは如何なものかとな。
【特殊性のある生徒を監視していると聞き、眉を人目ながら考え込む。音音は普通側の存在だと思っていたが何かあるのであろうか、と。
そして、にやりと笑いながら、一つ意見を申した。監視するのに不安感を与える態度はどうなのか、と。】
■白崎玲刃 > ま、たしかに事実にはなったか、ははは
ふむ、悪い人じゃない、か…まあ、そこはまだ、判断しかねるが。怪しい人なのは事実じゃあないか?
ろくでもないのねえ。どんな奴だ?まだ、公安委員にそんな奴いるのか?ああ、いや、西園寺は何か理由があったみたいだけどな…
【悪い人じゃなくても十分怪しい奴だろと、苦笑いで言いながらも、自分の様子を確認すると、自分も人の事言えないかと、苦笑いを深めた。そして、公安委員にはまだろくでもないのがいるのかと呆れて言った。】
■『室長補佐代理』 > 「仕事柄、本名を使うと不都合の方が多くてね。これだって俺の意思じゃあない。規則だ」
そういって、左肩だけを竦める。
しかし、次の単語で、眉間に皺を寄せる。
「不安感?」
そういわれると、しばらく唸りながら顎に手を当て、虚空に視線を漂わせた後。
困ったように麻美子に視線を寄越して、こう聞いてきた。
「……おい、ブン屋。客観性という見地を求めてお前に意見を聞くぞ。俺はあいつの彼女が夜に一人で出歩いててあぶねぇなぁーと思って女子寮まで送っただけなんだが……何か問題でもあったのか?」
■麻美子 > 『ま、確かに怪しいッスけどね』と苦笑しつつ
「あれッスよ、害来腫サンッス。
玲刃サンも知ってるんじゃないッスか?
確か前に戦ってたッスよね?虫を使う異能使いッス。」
意見を求められればうーんと悩み、苦笑しつつ返す。
「何もして無いっていうのは麻美子も知ってるッスけど、
正直『室長補佐代理』サンが夜道に現れて話しかけて来た時点でもう事案ッスよ。
麻美子が一般女子学生なら悲鳴を上げて逃げ出すッス。」
■白崎玲刃 > なるほどな…確かに、名を隠すというのは有効な魔術的防御手段ではあるともいえるな。
【たしかに、悪くないやり方だと、『室長補佐代理』 の仕事場の規則に感心しつつ、続いた言葉に突っ込まずにはいられなかった。】
おいおい、送っただけって割には、音音は憔悴してたんだぞ?何かしたか、言ったかしたんじゃないだろうな?
【男の言葉に、苦笑いで返そうとするも、あの時の音音の様子を思い出すと、つい険呑な口調になった。】
あの蟲野郎か…
あいつには一度酷い目に遭わされたな…
あいつも公安委員だったのかよ…公安委員本当にどうなってるんだよ…ちょっとそこの所は聞かせてくれないか?
【害来腫と聞き、露骨に嫌そうな顔をする玲刃、そして、疲れたような声で、『室長補佐代理』 に問いただした。】
ああ、あとあの蟲野郎、ロストサインらしいぞ?それをわかってるのか?
【さゆりから聞いた言葉を思い出して付け加えた。玲刃は、害来腫が、「元」ロストサインであり、今はロストサインとは関わりが無いという事は知らないようだ。】
■『室長補佐代理』 > 「ひでぇ評価だな。まぁ、ブン屋がいうならそうかもしれんが……しかし、いや……まぁ、色々いったが……何せ随分前の事だしな」
また顎に手を当てて、何やら思案する。
「要約すると、『真っ当な生徒であるなら、監視をする以上いつでも我々公安委員会が守る』といった旨のことしかいっていないが……?」
実際の言い方はともかくとして、恐らく事実であるだろう。
不本意ながらも付き合いが長くなった麻美子あたりには『まぁ多分嘘ではないんだろうな』とは察しがつくかもしれない。
だが、害来種の話になるとまた肩を竦める。
「そんなの俺が知るか。俺だってただの一調査員だ。上がどんな基準で俺の同僚やら上司を選定しているのなんざ、しるわけがないだろう。だいたい、どっちも総合学籍番号でいったらあらゆる意味で俺の後輩だぜ。後出しで出てきた連中のこと言われたってしらねーよ」
『あらゆる意味』で彼らのほうがあとから公安委員会に来ている。
彼からしても、ある意味でいえば今の公安委員会の評判は不本意なのであろう。
■白崎玲刃 > ………それだけで女子学生を憔悴させられるとか凄いな…
【男の言葉が真実かどうかはともかくそして、もし、真実だった場合、この男は自身と言動の怪しさだけで女子学生を憔悴させるという、ある意味で危険な人物だなと思い、ただただ苦笑いした。】
そうか…自分のいる組織を疑ったりはしないのか?おかしいだろ、あんな奴が仮にも、公の安全を守る組織にいるとか…どう考えてもやってる事おかしいぞあいつ。俺が遭った時にも、女子生徒に暴行振るってたぞ…
【自分のいる組織について疑念を持たないのかと、苦々しい表情で男に問いかける。】
■麻美子 > 「ま、多分言い方が悪かったのと雰囲気に当てられたッスね。
麻美子も初見で『室長補佐代理』サンと話した時は、
その場から居なくなった後に超ぐったりしてたッス。」
苦笑しつつ思い出す。確かに、綾瀬のような一般生徒が、
いきなりこんな男に話しかけられて、『監視しているぞ』とか言われれば憔悴もする。
思いも寄らぬ事件の発端を聞いたような気がして、
思わずクスっと笑ってしまった。
「どうせ、『公安委員会は生徒達全てをしっかりと『見守って』いる。
君が『真っ当な生徒』であるならば、
公安委員会は君を守るだろう。
『真っ当な生徒』である限りな。ククク。』」
声や雰囲気を真似つつ、気味の悪い笑みを浮かべて言い、
「みたいな事を言ったッスよ。」
と言って、呆れたようにため息をついて、苦笑した。
■麻美子 > 彼の言葉に補足するように付け加える。
「ま、別に『室長補佐代理』サンを弁護するわけじゃないッスけど。
……正直する義理もないッスから。」
「今回の一件で察しはつくと思うッスけど、
公安委員会は問題が発生した時に公安全体のイメージが悪くならないように、
基本的に横の繋がりが薄いんスよ。
何しろ、曲がりなりにも学園の平和を守る機関ッスからね。
それ自体に不審感を持たれると、困るッス。」
くるりとペンを回すと、言葉を続ける。
「だからこそ、今回偲サンが切られたみたいに、
悪い噂が広まった時には『その人の独断』って事で処理されるッス。
ついでに言うなら事実として、権力を傘に悪行に手を染めてるのはそれぞれの独断ッスよ。
事実じゃないなら、広報部がそれを許さないッスから。」
■白崎玲刃 > ははは、なんだ…つまり、勘違いから始まって、あんな大事に巻き込まれて、音音まで巻き込んじゃったって言うのかよ…
【麻美子の言葉を聞き、今までの公安委員を調べ続けたあれはなんだったのかと、何のために指名手配されたのかと、疲れたように苦々しく笑って言った。】
ああ、そうだ。それならだ。
公安委員である、お前に問いたい。近頃、ロストサインがまた行動を起こし始めているらしいが、何か知っている事は無いか?
【巻き込まれた騒動と、それを起こした西園寺の動機を思い出しつつ問う。ロストサインの動きについて何か知らないか?と】
なるほど…やはり、西園寺は、尻尾切りされたってわけか…。ああもいきなり公安委員の不評が広がるのはおかしいと思ってたがやっぱりか…
あと、そういえばだ。西園寺は死んだのか?生きてるのか…?俺はあの後吹き飛ばされたから知らないが…校内紙と式典委員の通知との食い違いで気になってな。
【西園寺の尻尾切りを納得し頷きつつ、校内紙を見た時に気になった事を麻美子に問うた。】
■『室長補佐代理』 > 「ああ、だいたいそんな感じだな。ブン屋、よくわかったな。流石の洞察力といったところか……しかし、それの何が問題だったのかよくわからんな」
女は難しいな……などと困ったように呟きながら、白崎にそういわれると溜息をつく。
「そんなことを言ったら副委員長なんて高いポストにいる人間が平然と現場に出てきて杜撰が過ぎる悪事の数々を重ねて処分なんて話のほうがよっぽどおかしいぜ。また聞きの都市伝説だったら『あり得ない』って鼻で笑うところだ。それが、現実でおきるのがこの世界だ。現実は小説よりも奇なりってな。ま、あとはブン屋がフォローしてくれた通りだ」
ありがとな、と一応礼を言いつつ。溜息をつく。
「疑うことは簡単だ。誰でもできる。それをした結果が『西園寺偲』だ。アイツは組織を疑った。体制を疑った。今の平和を疑った。欺瞞の平和よりも真実の戦争を求めた。結果があの有様だ。清濁併せのめない奴は法になんざ関わるべきじゃない。何にだって丁度良い所があるんだよ……そこを踏み外した奴がどうなるのかは、見ての通りだ。それは『今後も変わらない』」
強い口調で、そう断言し……不敵に嗤う。
そう、『今後も変わらない』
やりすぎた『西園寺偲』は『ああ』なった。
では、やり過ぎたものがまた現れたら……?
「で、ロストサインの話は当然のように部外秘だ。知りたいなら公安委員になることだな」
もしくは、そこの事情通にきけ、と麻美子を一瞥する。
暗に『自分のクチからは』喋れないといっているのだ。
どんな世界でも建前は大事だ。
■麻美子 > 西園寺について問われれば、さぁ?と首を振り
「麻美子はなぁーんにも知らないッス。あれも脚色ッスからね。
悪い事をした人間には少なくとも世間的に相応の罰が与えられないといけないッスから。
でも、麻美子が聞いた噂によると、学内ネットワークに『未来を計算して予測するシステム』が増えたらしいッスね。
ま、ただの噂ッスから、本当なのかどうかは調べてないッけど。」
『誰がやってるんスかねー。』と付け加えつつ、そんな事を言い。
「……ま、そういう事ッスね。
綾瀬サンに話したら責任感じる気がするッスから、
綾瀬サンには適当に誤魔化して伝えておくといいッスよ。」
苦笑して彼にそう返す、なんかもう、ドンマイとしか言いようがない。
「ま、そういう事なら『室長補佐代理』サンはまさしく二人の愛のキューピットッスね。
結婚式のスピーチはこの人で決まりッス。」
そう、冗談めかしてけらけらと笑い
ロストサインの事を2人に振られれば、ペンをくるりと回す。
「見ての通り、『室長補佐代理』サンの課題が溜まってるッスから、
その話は今度にしないッスか?
というか、玲刃サンも溜まってるんじゃないッスか?
指名手配されてても、課題は免除されないッスよ?」
■『室長補佐代理』 > そう振られると、男も柔らかく……まぁそれでも不気味に微笑み。
「俺はそのほうがありがたいな。一人でやったら何日かかるかわからなかったが、ブン屋に手伝って貰えば今日中に終わる目途がつく」
■白崎玲刃 > ふむ…まあ、なんだ。俺から言えるとしたらな。せめてもう少し、不気味さは抑えるんだな。そうじゃないと、また俺みたいに嗅ぎまわる奴が出るぞ。
【自分の今までの行動に苦笑いしながら言った。】
清濁併せのめない奴は法になんざ関わるべきじゃないか…ああ、そうだな。まあ、俺もそういう奴だからな、だからこそ、法から外れた所から関わらせて貰うぞ。
【玲刃は自分のスタンスを変えるつもりは無い、表に関わってゆくつもりも無いが、気に食わない事態が起きれば、また関わると、暗に言っていた。】
部外秘か…残念だ。
【そう言うと、玲刃も男の態度を察したのか、それ以上問う事は止めた。】
…?
【未来を計算して予測するシステムと聞いても玲刃には、ピンとこず、首を傾げるのみである。何故なら、玲刃は西園寺の異能を知らないのであったからだ。】
ははは、音音に話すと責任感感じさせてしまう、か…
そうだな。そうするよ。まあ、もう大丈夫だと伝えておけば良いか。
【誤解も晴れたしなと、苦笑いで言った。】
はは、そうだな。それが良いかもな。
【麻美子の笑いにつられ、冗談めかして笑って言う。】
そうだな。俺も今年こそは進級しないといけないしな…
【そう言うと、テーブルについた、しかし、課題をするかと思えば、摩導書を読み始めるのであった。】
■麻美子 > 「ま、知らない一面が知れてよかったッスよ。
あと、なんだか面白い話も聞けたッスから、そのお礼ッス。
あ、でもジュースとケーキは奢ってもらうッスからね?」
そう室長補佐代理に笑って返しつつ、玲刃に向き直る。
「そんなわけッスから、麻美子はこの人を手伝ってから帰るッスよ。
ロストサインの人については後日知ってる限りの話をするッス。
……ただ、麻美子は知っての通り1年ッスから、
むしろ、玲刃サンの知ってる情報を教えて欲しいくらいッスね。」
そう言うと、『室長補佐代理』の課題の手伝いに戻る。
ページを捲り、翻訳を手伝い、時折軽口を飛ばしつつ、
『室長補佐代理』の課題の手伝いを終えれば、
やがて図書館から出て行くだろう。
■白崎玲刃 > ああ、頼んだ。
む、俺も去年はあまり学園内に居なかったからそこは同じだぞ。
【まあ、その入学する一年前にも島には来てたがなと内心つけ加える。】
ああ、そう言いえば、今日は、ロストサインのマスターの一人と遭ったが。それも後日話すか。
【軽い調子でさらっとロストサインのマスターと遭遇した事を告げておいた。】
■麻美子 > 「そうなんスか?その話も今度詳しく聞かせてくださいッス。」
珍しく、真剣な表情で彼にそう答える。
そして、『頼んだッスよ』と手を振ると、再び課題に戻っていった。
■麻美子 > そのまま順調に課題は進み、
図書館内に夕日が差し込む頃に立ち上がる。
「ん、じゃあ終わったッスから、麻美子はそろそろ帰るッスね。
『室長補佐代理』サン送迎は不要ッスよ、また変な事件に発展したら嫌ッスから。」
冗談めかして笑ってそう言うと、
『ケーキとジュース、忘れちゃダメッスからねー!!』
……と手を振って図書館から出て行った。
ご案内:「図書館」から麻美子さんが去りました。
■『室長補佐代理』 > 「そりゃまぁ最初の契約だしな。任せておけ。ありがとうな、ブン屋。安心しろ、送迎できるほど俺も今は余裕がない」
そういって、何とか一区切りつくところまでやってから、顔を上げる。
終始左手一本なのでペースは遅かったが、それでも麻美子のおかげで普段男が1人でやるよりは圧倒的な速度で課題はしあがった。
「……前よりもアイツ、笑っている気がするな。やはり、日常は得難いものであるということか」
そして、図書館からでていく麻美子を見送りながら、静かに笑う。
「それの為の苦労と思えば……まぁ、『正義の味方』も悪くはないか」
■白崎玲刃 > まあ、そうだろうな。日常で幸福を感じれるのは良い事だろうさ。
【音音を非日常側に引き込んでしまった、自分が言えた事ではないだろうなと思いつつ言った。】
正義の味方…ね。その正義がどこにあるかはわからんが。まあ、なんだ、それが普通に生きてる奴らを害さないものである事を願うことばかしだよ。
それに、俺には正義なんてものは無いしな…
【と、眩しそうに呟いた。】
■『室長補佐代理』 > 「正義も悪も絶対的なものではない。どちらも所詮は相対基準だ」
課題がまだ少し残っているので、麻美子の残したメモなどを見ながら続ける。
終始、そちらをずってみているため、白崎の目はみていない。
この男は普通は相手の目を見て話すので、これは珍しい事であった。
「故に正義に寄り添うことも、その相対に身を委ねるということだ。絶対的な価値観などこの世界には存在しない。それを定義しようとすれば、それは『西園寺偲』と同じ轍を踏むことになる」
課題から目を離すことなく、カリカリとペンを走らせながら、なんでもないように言う。
「普通の基準すら、それと同じだ。お前の言う普通が世間に生きる連中の『普通』を侵さないことを願うよ――暗殺も請け負う『殺し屋』」
■白崎玲刃 > ははは、知ってたか…
【殺し屋と言われ、請け負ってきた仕事に、そういう仕事が多かった事を比喩されて言ったと理解し、玲刃は苦笑いしか出来なかった】
相対的な価値観…か。そして、普通の基準、ね…
【音音そう言えば、音音にも言われたな境界線なんて無いと、と思いだしつつ、苦い顔で答えた。玲刃の目を見て無いという珍しさには、この男と初めて遭った玲刃は気が付かなかった。】
ふむ、では、俺も、そろそろ。作業に入るとするよ。
【そう言うと、彼も混成補助魔術の魔術書の復元の作業を始める。
魔術書を読む事に集中し始めた彼は、時折、魔術の発動を試しながら。
夜通し、復元の作業に明け暮れていった。】
ご案内:「図書館」から白崎玲刃さんが去りました。
■『室長補佐代理』 > 奥の作業台に移動していく白崎を見送りながら、嘆息する。
丁度、課題も終わった。
荷物を一通り鞄の中につめてから、立ち上がり、踵を返した。
「アイツと仕事をすることも、関わることも、恐らくなさそうだな」
もし、それでも、関わる日が来るとしたら……
「『正義の味方』の前に、『アウトロー』が現れる意味……せめてそれを汲んでくれる相手であることを期待しよう」
意味深にそう呟いて、図書館を後にした。
ご案内:「図書館」から『室長補佐代理』さんが去りました。
ご案内:「図書館」に名取 美子さんが現れました。
■名取 美子 > (静かな図書館の一室、不規則なローファーの足音が響く。10冊以上の本を抱え、自らのそそっかしさを忘れて席を探す。)
(窓際、誰も座っていない長机を発見。どすん、と本を置く。少しうるさかったかな…と言った様子で焦りながら辺りを見回す。)
■名取 美子 > (幸い、特に気にしている人はいないようだ。そもそもの問題として人がそんなにいない。)
(ほっと胸を撫で下ろすと、着席してかき集めてきた資料を整理する。)
(出来るだけ音を立てないように取り計らいながらの調べもの。料理関連の本が8冊、異能関連の本が2、3冊。それぞれ慌ただしく見比べてはノートにメモをとっている。)
■名取 美子 > …やはり、私の異能は錬金術と仕組みが似ているのですね。
(人がいないことに安心したのか、思わず考えを口にしてしまう。)
あとは…コントロールのコツ…コツ…コツコツ…。
(何やらぶつぶつと頁を繰り始めた。)
■名取 美子 > 難しいですね…異能と言っても色々ありますから。やっぱり使い方は私次第、なのかな…。
(頭を悩ませながら、自分の異能の必要性を肯定してくれた人達の顔を思い出す。何かしら自らの力で磨いていかねばならないのは分かっていた。その為にすべきことを、必死に探していると言うのに、とっかかりは未だ掴める気配がない。)
…少し、少しだけ、お休みしましょう…むにゃ…。
(昨晩は理子と入れ替わったばかりで体が疲れていた。入れ替わった後はいつもこう。環境の変化からか、学園に来てから入れ替わる事が多くなった。疲れていることが常だった。)
お休みなさい…。
(本を数冊重ねて枕がわり。数分ですやすやと寝息をたて始めるだろうーー)
ご案内:「図書館」から名取 美子さんが去りました。
ご案内:「図書館」に名取 悟子さんが現れました。
■名取 悟子 > (つい先程まで名取美子として眠っていた体。今や別の人格の持ち物と化した。普段の何気ない“入れ替わり”とは大きく異なり、外見に変化が。)
(髪は収縮していき、肩までの短さに。ツインテールで結んでいた髪留めはするりと床に落ちた。)
(まるで狸寝入りをしていたかのようにぱっちりと目を開く少女。)
んー…。よく寝た…のかな?いやいや起きてたっつの。
(一人言をぶつぶつ言いながら伸びをする。ぼやける視界。眼鏡を鬱陶しそうに机上に放り投げた。)
まったく。どーしてあの二人はこんなのかけなきゃいけないんだろね。
(ふと、机上に散乱した資料に目が行き。)
…ま、頑張るのはいいんだけどねー。もうちょっと効率よく調べようね~。
(意地の悪い笑みでノートに落書きをする。整った字面に被せるように“自分でカンガエヨウ!!”と殴りがいた。)
■名取 悟子 > さーてと。こんなとこにいらんないよー。いい加減二人を見てるのも飽きたしー、やっちゃおっかなー。
(にこにこと上機嫌な様子で、資料もノートも放置したまま走ろうとする。)
おっと、図書館ではお静かに…でしたねー。
(とりとめのないことばかり言いながら、わざとらしく忍び足をしながら出口へと向かった。図書館から出た瞬間、楽しげな悲鳴と慌ただしい足音が聞こえてくるだろう。)
ご案内:「図書館」から名取 悟子さんが去りました。
ご案内:「図書館」に和泉 兼次さんが現れました。
■和泉 兼次 > 放課後の夕方、たまに来るようにふらっと立ち寄った。
バッグから一冊本を出して、返却用の棚に入れる。
今回の本もなかなか面白かった。
…何か借りるかなぁ。
そう思いながら、書架の間に立ち入ろうとする…前に。
今月発売のコーナーで足を止めた。
■和泉 兼次 > 雑誌の一冊に手を伸ばし、ぱらぱらとページをめくる。
『レモンページ』という料理雑誌だった。
へぇ、と一言呟き、それを持って机の一つに向かう。
席の一つを陣取り、ページを広げる。
バッグからノートと筆記用具を取り出すと、準備完了だ。
■和泉 兼次 > 静かな部屋に、かりかりとシャーペンを走らせる音が響く。
生真面目にページを映しているらしい。
鼻歌でも歌いたい気分だが、さすがに自重する。
図書室ではお静かに、だ。
ある程度集中している気配で、無心に進めていく。
ご案内:「図書館」に谷蜂 檻葉さんが現れました。
■谷蜂 檻葉 > (宿題、終わらせなきゃ……。)
シフトがなくてもこの場所は気に入っている。
だから、自習室代わりに利用する為、いつもより手軽な手荷物で図書館にやってきた。
ふと、和泉に気づくが宿題をやっているのかと思い少し離れた場所に座って自分のノートを広げた。
■谷蜂 檻葉 > 和泉のシャーペンを追うように、カリカリとシャーペンを走らせる……。
■和泉 兼次 > 一品、写し終えると、ふぅ、と一息。
次は…と雑誌のページをめくる。
3ページほどめくったところで、
「…お、美味そう。」
ぽつりと小さな呟きが図書室に落ちた。
これにしよう、とノートの別のページにまた写し始める。
■谷蜂 檻葉 > 静かに、順調に進めていたが和泉の感想にふと顔を上げる。
「……和泉君、何書いてるの?」
古き良き日本の無害な妖怪でもあるまいし、文字を食べようと下拵えをしているわけではなかろうし。
少し手を止めて、訝しげに和泉に問いかけた。
■和泉 兼次 > 「え。」
はっとした顔で声をあげて顔もあげる。
ちょっと間抜けな声だったかもしれない。
「……あ、谷蜂さん。」
ちょっと周囲を見回して、今気づいた、という風に笑顔を浮かべた。
やぁ、と言って料理雑誌を見えるように立てて見せる。
写真つきで美味しそうな肉料理のレシピが書かれたページだ。
■谷蜂 檻葉 > そこで漸く、ああ。と 半分……いや、ほんの僅かにほっとする。
(普通の人間のようで何より。)
「こんにちは。 今日の献立でも考えてたの? それとも、スケッチかしら。」
のんびりと、世間話として問いかける。
■和泉 兼次 > なんだか胸を撫で下ろしたような気がした。
なんでだろ、と微かに首を傾げる。
「…うーん、今日の献立にしてもいいけど。」
さらさらと続きを書いて、そのページを写し終える。
それから一度雑誌を畳み、表紙を見せる。
豚肉特集、と書かれていた。
「俺も男だしね。美味そうに見えたからさ。」
若干の苦笑いを交えてそう言う。
とりあえずレシピのストック、という雰囲気。
■谷蜂 檻葉 > ふぅん。 と、元よりそこまで深入りのつもりで聞いたわけでもないので生返事を返す。
「豚肉特集ねぇ。安くて美味しいとなればやっぱり男の子御用達なのかしら。」
私はどちらかと言えば鶏肉派だけど、と零しながら。
また自分の書いていたノートに視線を戻して、もうひとつ尋ねる。
「そういえば借りて行ったSF小説。 ……どうだった?」
再びゆっくりと、シャーペンの走る音が図書館に響く。
■和泉 兼次 > 「嫌いな男子は知らないなぁ。今のトコ。
鶏肉も安くて美味しいと思うよ。」
どっちも定番だね、と言って頷く。
「あぁ、面白かったよ。」
心から楽しんだのであろう笑みを浮かべて答える。
「…色々話したい部分もあるけど、谷蜂さん、宿題かな?」
それ、と指差す。
邪魔かな、と思っていそうな雰囲気。
■谷蜂 檻葉 > 「お肉が嫌いな人自体珍しいんじゃないかしら……。」
宗教とかでしょう、普通。 と少し考えを巡らせる。
「人体に必須だもの、お肉。」
大豆でもいいけど。と、そんな生活は健康そうだけど嬉しくないなぁと苦笑する。
「ん、そのまま話して欲しいかな。」
難しい宿題じゃないから、と。
作業用のBGM代わりに感想を聞かせてほしいと乞うた。
■和泉 兼次 > 「たまに脂身や皮の食感が、って言う人くらいかな…。」
それ以外では知らない。
そもそもそんな人もあんまり知らない様子。
「魚のが好きっていう人はいるだろうけどね。」
ぱら、と雑誌のページをまた開く。
そう?と返事をして少し考える。
「全体的には児童書よりも中高生向けかなって印象だったかなァ。」
読む子もいるだろうけど。
「仲間のジョニーってのが好きだったかな。
主人公に後を託すトコとか、カッコよかったなぁ。」
主人公を残して行方不明になるシーンの事を言ったらしい。
■谷蜂 檻葉 > 「鶏皮とか、熱狂的なファンがいたりもするけどね。」
少し食べたくなってきて、小さく唾液を飲み込む。
帰りに焼き鳥を売っている場所を探そう。
「ああ、いるわねぇ魚好き。」
肉と魚が一緒に出ることは、あまりないので気にしづらいけど、確かにいる。
うんうんと頷きながらシャーペンを走らせていく。
「ジョニーいいわよね……。ステファニーはどう?コメディリリーフ扱いだったけど第二ヒロインとして結構お涙頂戴な流れ作ったわよね。」
個人的に一番ツボだったが、果たして。
■和泉 兼次 > 「揚げると美味いよね、あれ。」
こう、カリッとしてさ、と…半メシテロ状態である。
「俺はサバとか匂いがきついのはちょっと、なんだけど。」
意外にも好き嫌いがあったらしい。
食べれないことはないようだが。
「面白かったねー、彼女。普段空周りしてるくせに……」
…と、ちょっと熱が入り気味になってきた。
ふと周囲を気にして、席を移動する事にする。
いきなり隣席は、と考えたのか、斜め向かいに雑誌とバッグと持ってきた。
■谷蜂 檻葉 > 「揚げ……そういうのも……。」
鶏皮といえば焼き鳥派には耳寄りかつ試したくなって仕様がない話だ。
またこみ上げてきた唾液を飲み込み直す。
「サバ駄目なんだ……押寿司とか好きなんだけどな。あ、でもスーパーのは確かにちょっと駄目ね。」
ちゃんとしたのは美味しいわよー。
そう言って、後で美味しい持ち帰り用の小売寿司屋を教えることを決意した。
和泉が近づいたことに気づかず、そのままペンを走らせ小説に思いを馳せる。
「そう、ソレ。」
ピッと目線を向けずにペン先だけ向けて深く同意する。
「ああやって、空回りしながらも密かに支えて、ここっていう時にバシッと真正面から決めるの素敵よね……フラれても笑顔で見送るのがまた涙を誘うわアレ。」
私なら主人公はっ倒すわね。 とちょっと複雑そうな表情を見せる。
「……そういえば大半のキャラが米系の名前なのになんでヒロインだけ日系の名前だったのかしら。」
疑問だけ投げて、またペンを下ろして書き進める。
■和泉 兼次 > やったことない?と首を傾げる。
「フライパンで油少な目に入れてやれるよ。」
と簡単な調理法を。
どっちかっていうとお酒のつまみだよね、あれ、と言う。
「押し寿司かぁ。酢締めと、炙ってるのがあるよね、あれ。」
並んでいるのは見る。食べた事もある。
が、ちょっと難しい顔である。
「演出の妙、だよね。」
書き手の事を褒めているらしい。
着席すると、ぱらっとさっきの雑誌に目を落し始める。
「うーん………アクセント、とか?」
深い理由はちょっとわからないが、全部同じような名前よりはすぱっと覚えれるかも。
そういう事を考えながら言ってみる。
■谷蜂 檻葉 > 「あんまり料理しないもの……得意料理は鍋物よ。 あとお味噌汁。」
味の調整は得意だけれど、火加減とか手際が居るのは全般駄目ね、とため息をついた。
料理ができる旦那さん貰わないとねー。と、遠い何時かを思ってさらに深くため息をつく。
……出来るかどうかも、定かではないけれど。
「酢締めで美味しいの売ってる場所、後で教えるわ。」
どうしても嫌なら、そこで別のお寿司を買うのもありよ。と
そこでペン回し……もどきを始める。
少し詰まったようだ。
「映画、やるらしいけど何処まで引き出してくれるのかしらねぇ。」
この前、書店の帯に書いてあった事を思い出して話題に引き上げる。
「アクセントか……アクセント……うん」
少し問題に集中し始めたのか、オウム返しに留まった。
■和泉 兼次 > 「高校生で料理得意だと軽く自慢できるレベルだよね。
家の教えで俺もちょくちょく練習はしているけれど。」
なかなか、と苦笑いをする。
たまに食堂のキッチン借りるくらい、と続けた。
「へぇ、本当に?」
それは、うん、試してみよう。
食べられないわけじゃないし、折角だ。と考える。
それなりに前向きのようだ。
「実写は基本的に原作を超えられないっていうしね。」
一応、見に行く腹積もりではある。
詰まった様子を見ると、ちょっと静かにした。
集中したいこともあるだろう。
■谷蜂 檻葉 > 和泉の言葉を全部ひっくるめて、うんうん。 と頷くと完全に静かになる。
ペン先が、ペン回しもどきのままぐにゃぐにゃと見えるぐらいに振り回されている……。
■和泉 兼次 > 静かに、雑誌をめくる。
ひっかかる料理でもあればメモをとっていくが、
そこまででもないなぁ、と考える。
ふと、視線を向けると、ちょっと苦笑する。
「…煮詰まってるね。」
それだけ声をかける。
■谷蜂 檻葉 > そのまま、少し経つと 犬のように唸りながらペン先を下唇に当ててノートを睨み始める。
「う"ー………」
和泉の励ましに、小さくコクンと頷いて今度はノートを遡り始めた。
ペン先だけは、絶好調に振り回されている。
■和泉 兼次 > …ぱしん、と雑誌を閉じた。
「それ、誰先生の課題?」
机に軽く頬杖をついて、ノートをめくる様子を見ている。
それにしても器用に動くなぁ、と思いながら。
■谷蜂 檻葉 > 和泉の問に、二拍ほど遅れて回答する。
「……………妖精学の………あっ、出来た解った。」
回答になっていないが、すぐにページを戻して書ききる。
「出来た―っ!」
快活に、ただし図書館なので静かに両手を上げてバンザーイと喜びを表現する。
ついでに、シャーペンがすっぽぬけて和泉の方へ飛んでいった。
■和泉 兼次 > 「おっ。」
できたか、よかった。
一瞬手を出そうかと思ったけど不要だったみたいだ。
安心したので、とんできたシャーペンは回避できずに額に直撃する。
「いてっ。」
思わず声を上げてしまったが、落ちる前にキャッチしてちょっと苦笑。
それから、しーっ、というジェスチャーを返す。
…周囲の人が見てますよ、という意味も込めて。
■谷蜂 檻葉 > 「う、わっ。ごめっ、大丈夫!?」
やっちゃった。という顔でバンザイの姿勢のまま固まる。
「ごっ……ゴメンナサイ……」
ジェスチャーの内容を読み取って、顔を赤くすると両手を合わせる姿勢で小さく謝る。
「…………押寿司奢ろうか。」
180円で安いし。と小さな声のまま提案した。
■和泉 兼次 > 大丈夫大丈夫、と笑顔で答え、シャーペンを差し出した。
「谷蜂さん、勢いあるよね。」
前にここで会った時も同じようなやりとりをした気がする。
ちょっと可愛いな、って思った。
「あ、うーん……。」
奢ろうか、という一言に考え込んだ。
難しい顔をしている。受け取っていいものか、という雰囲気。
性格的には場所だけ教えて、と言い出しかねない。
■谷蜂 檻葉 > 「そう……かな? あはは……」
言われてみればそんな気もするし、いやいやそんな猪突猛進じゃないですしと否定する自分もいる。とりあえず『勢いがある』という褒め言葉を認めてしまうのも女子として如何なものかと思い、曖昧に笑ってごまかしてシャーペンを受け取る。
奢りに少しためらうような素振りを見せる和泉に、男としてのプライドだろうか。と少し検討を外した納得を見せて頷くと
「奢りが駄目なら、お試しってことで割り勘……とか。ほら、駄目なら私もらうし。」
そういう問題では無いのだが、それでもいいのだろうか。
■和泉 兼次 > 「元気なのはいい事だと思うよ。」
割と本気で褒めているらしい。
屈託のない笑顔を浮かべる。
追加の言葉をもらって、また少し考えると一つ頷いた。
「うん、それなら。」
それからまた少し考えて。
「…なんかいきなり奢られるのもって思ったけど、
ひょっとして好意を無駄にしてるかな…?」
それはそれでバツが悪そうに、照れ隠しも込みで後頭部をかいている。
■谷蜂 檻葉 > 「そ、それはどうも……。」
嫌味ではないだろうけど、それはそれで子供っぽすぎる評価じゃないだろうかと笑顔で通す。もっと私は、こう、"クールな出来る女"になりたいのだけれど。
「よし、決まりね。」
あまり遠くはないし、ついでにあの店にも寄ろうか。
そうと決まれば鞄にさっさと持ってきた勉強道具を詰め直す。
そこで、
「……あー、いや別に、ホラ安いし折角話しの合う相手だし私から提案したし道案内のついでっていうかえーっとその」
わたわたと弁明のような、言い訳のような言葉をつらつらと述べて
「な――――」
「―――仲良くなった記念、みたいな……?」
■和泉 兼次 > 「…うん、ありがとう。」
自分も雑誌を閉じ、筆記用具とノートを片付ける。
新しく借りるのはまた今度でもいいか、と考え、
「…。」
きょとん、とした表情で弁明のような言葉を聞いて、
少しして、ふふっ、とちょっと噴出した。
「いや、うん。本当にありがとう。」
…折角だし、と思ってポケットからスマホを取り出す。
「記念ついでに、アドレス交換しとく?」
■谷蜂 檻葉 > 和泉の笑いに、なんだか納得行かないと顔にでかでかと書いたような表情を見せたが、直ぐにソレも腹に収める。
クールに、クールに。
意識している時点でもうダメという事実には彼女は気づかない。
気づいていれば、そうしないだろうから。
「あ、うん。……はいこれ、私のアドレスね」
そう言って手際よくスマホを操作して連絡画面を見せる。
■和泉 兼次 > そんな内心には気づかず、いつものように穏やかな笑顔に戻った。
ありがとう、と礼を言って表示された連絡先を手早く打ち込む。
番号と名前を添えて送信。
すぐに着信があるだろう。
「…また何かオススメの本とか入ったら、教えてほしいな。」
そう希望を出しておいた。
■谷蜂 檻葉 > \チャッチャラッチャーッ チャチャチャチャッ【ピッ】/
「はいオッケー……っと。」
賑やかな着メロをホームボタンで差し止めて中身を使って登録を済ませる。
「オススメってだけなら結構色々あるんだけど、好きなジャンルとかあるかな?」
そう言いながら、連れ立って図書館出口へ向かう。
■和泉 兼次 > こちらも、送ったばかりのアドレスなどをきっちり登録。
出口へ向かうと横に並んで一緒に歩いていく。
「うーん。割と雑食なんだけど。」
少し考え、
「……最近はファンタジー物が多いかな。」
それ以外でも面白いのがあれば、とは言っておく。
■谷蜂 檻葉 > 「ファンタジーかー……」
ここはやはり『天驚!寺生まれのTの手記』シリーズを進めるか否か――――?!
(……やっぱりアレ癖が強すぎるかなぁ……)
「んー、"西方、蒼金剛石紀行"とか、"フェアリー・タルト"とかがいいかなぁ。どっちもちょっとホラー入るけど、引き込まれる感じがあって面白いと思う。」
無難な方でいいか、と。
内心で妥協しながら目的の寿司屋へと向かう……。
■和泉 兼次 > 「ふむふむ。」
スマートフォンを素早く叩いてタイトルをメモ。
「西方……えぇと、漢字?」
どんな漢字?と聞きながら、並んで歩いていく。
少し、楽しそうだった。
■谷蜂 檻葉 > 「難しい方の『あお』に金剛石……ダイアモンドね。最後のは紀行文のきこう。」
「あ、それと最近出た本なんだけどね―――
ご案内:「図書館」から谷蜂 檻葉さんが去りました。
ご案内:「図書館」から和泉 兼次さんが去りました。
ご案内:「図書館」に薬師寺 瀬織さんが現れました。
■薬師寺 瀬織 > (紺色の髪をなびかせ、少女は図書館の中を歩く。一日の授業を終え、部活にも入っていない彼女は、ここでゆっくりと本でも読みたい気分だった)
確か……このあたりね
■薬師寺 瀬織 > (『日本文学―小説・物語』の棚――そこで見つけた一冊の本に興味が湧き、生身の左手で本を取る)
(近くにあった机に備え付けられた椅子に座り、本を読み始めた)
■薬師寺 瀬織 > (本は机の上に置き、左手でページをめくっている)
(瀬織の右手は巨大な装甲義手であり、いくら生身の手と同様に動かせるといっても、本のページをめくるような動きにはとうてい向かない)
(しかし、大切の趣味の一環である読書をやめるわけにもいかない。ゆえに、このような形をとらざるを得ないのだった)
■薬師寺 瀬織 > (本の内容は他愛のない恋愛物語だ。瀬織はしばし本を読みふけっていた)
……うーん……
(思うところがあり、読みかけの本を棚に戻す)
■薬師寺 瀬織 > 期待していたほど面白い話ではなかったわ。別の本を探そうかしらね。小説だけじゃなくて、異能にまつわる資料も見つけたいところだし
(彼女が入学した目的の一つが、自らの異能をより活用する手段の模索である)
(異能――とりわけ、『水』と『薬』に関連する異能に関して書かれた本を探すため、別の本棚へと向かって歩きだした)
ご案内:「図書館」に稲葉聡美さんが現れました。
■稲葉聡美 > (図書館に黒髪の少女が入ってきた。きょろきょろとあたりを見回す――並ぶ本棚の奥へ消える誰かの左肩だけが見えたかもしれない)
■薬師寺 瀬織 > (しばらく歩き回り、異能に関する本が並ぶ本棚を見つけ、その前で立ち止まった。左手で指を指しつつ、目当ての本を探す)
……これは?
(目に付いた本の表題は『天使の薬』……表紙・背表紙ともに本の詳細までは書かれていない。瀬織の異能が一つ、<ポーションメイカー>は『天使の薬瓶』と書く……何らかの関連があるのだろうか?瀬織は思わずその本を手に取っていた)
■稲葉聡美 > 「うん……異能に関する図書館はここっすね。……まず図書館探しからなんて……図書館、多すぎっす……」
(あたりを憚って小さな声でつぶやく。大げさに、はあ、と言った感じの仕草を取り――そして並ぶ本棚に向かって歩き出す)
ご案内:「図書館」に朝霧保健医さんが現れました。
■薬師寺 瀬織 > (ここで読んだりせず、すぐに借りようと本を手にしたまま受付の場所へ向かおうとする。なぜだか気持ちが昂ぶり、周囲の様子がよく見えなくなっていた……)
■稲葉聡美 > 「『サルでも分かる!異能の目覚め方!』なーんてないっすかね。……あ、ある。…………」
(手に取り、パラパラとめくると――その胡散臭い内容に引き笑いが出てくる)
「はは……いくら聡美が馬鹿でも、これはウソだって分かるっすよ……」
■朝霧保健医 > ここにもない・・・
確かここらへんに置いたはずなのに~・・・
(血塗れの女性が困った様子で図書館をうろついている・・)
あんなもの、誰も持っていかないわよね~・・・
■稲葉聡美 > (視界の端に血まみれの女性。一度見。二度見。三度見!)
「……うっわあ!?」
(手にとっていた本を取り落とし、腰を抜かす。)
(前からいたのか?今来たのか?)
「あ、あわわわ……」
(保健委員?救急車?単語は出てくるものの意味のある文章にならない。)
■薬師寺 瀬織 > (自分の望む知識にありつけたかもしれない、その興奮で周囲が見えていなかったため、眼前の女性にぶつかってしまう)
あたっ……すみません。よく見えていなくて……
………………っ!?
(眼前の女性が血塗れになっていることに気付き、一瞬言葉を失う)
■朝霧保健医 > おっとっと・・・あら~♪えーと・・・瀬織さん・・・と聡美さん~♪どうかしたかしら~?
(困惑する二人に対し、異常なほど落ち着いたリアクションを返す)
そういえばこの辺でちょっと大きめな手帳を見なかったかしら~?
少し汚れた手帳なんだけど~・・・
■薬師寺 瀬織 > (すぐさま義手の下腕部に備えつけられた青いボタンを押し、開いたハッチから青い薬液の入った瓶を取り出そうとするも、眼前の女性は急を要する容体ではないと察し瓶を元に戻す。だが、未だ困惑は隠しきれていない)
大きめで少し汚れた手帳……ですか。私は見かけませんでした
■稲葉聡美 > (すごく豊満で……大きな機械を持っている――違う、あれは腕そのもの?)
(血まみれの女性、そして相対している女子生徒。)
(名前を呼ばれた?)
(ホラー映画のごとき光景が一瞬でなんだか妙な現実味を取り戻し――聡美は急激に冷静になった――ならざるをえなかった)
(二人におずおずと近寄る。)
「え、えっと。手帳ですか。聡美は見てないっす」
■稲葉聡美 > (改めて二人を見回す。二人は聡美より一回り大きい。)
(血塗れ――様子を見るに"そう見えるだけ"――の女性。見たことがあるようなないような?)
(紺色の髪の女子生徒は、すごく大きな腕をしている――なんか取り出した――正直かっこいい。)
(彼女の困惑は恐らく自分と同じ――とりあえずこの女性寄りに立つことにする。)
■朝霧保健医 > そ・・・そんな・・・私の秘密兵器が~・・・
(朝霧が泣きそうな顔になり、その場から崩れ落ちる。その時、朝霧の後ろから目つきの悪い青年が声をかけた)
「朝霧センセー。これ保健室に置きっぱなしでしたよ。」
・・・え?あ、あら~・・・そうだったの~・・・
(朝霧は恥ずかしそうに青年から薄汚れた手帳・・・というよりハードカバーの本を受け取る。)
「しかし、朝霧センセーがコレ忘れるなんて珍しいっすね。普段からちょっとヤバそうな笑みを浮かべて読んでたのに」
い、言わなくていいです!すぐに戻りますから保健室にいてください!
「はーい」
(目つきの悪い青年は去っていった・・・)
ふう・・・お騒がせしてすみませんでした~・・・
(朝霧は恥ずかしそうに頭を下げる)
■薬師寺 瀬織 > (血塗れではあるが命に別状はない様子で、探し物も見つかったらしい女性の様子を見て安堵する)
良かったですね、見つかったみたいで。では、私はこれで……
(借りようと思っていた本を持ち、本来の目的であった図書館の受付へ向かおうとする)
■朝霧保健医 > ふう・・・変な人に見られなくて助かりました~・・・
もし悪用されたら・・・
(大切そうに本の表紙を撫でながら呟く)
■稲葉聡美 > 「あっ、あの。その……大丈夫なんですか?それ……け、怪我?」
(問題が解決したらしいことを察すると……最初に確認しようと思った言葉がポロリと出てきた)
■薬師寺 瀬織 > (ぴたりと足を止め、二人のほうへ振り向く。念のため確認しておいたほうがよいと思った)
……そういえば気になります。それは一体?
■朝霧保健医 > この子のことかしら~?
(朝霧がそう言うと、血のような液体は朝霧の身体を離れ、まるで血液が大きなアメーバのようになる)
この子はね~、私の・・・う~ん・・・ペットみたいなものかしらね~♪
別に人は食べないから大丈夫よ~♪
■稲葉聡美 > 「お、おっ!すごいっす!」
(痛々しげに手で顔を覆って指の隙間から見ていたが……液体が動きを見せた途端に驚嘆の表情に変わった)
「へえ〜……びっくりしたっす……」
(先ほど名前を呼ばれていたことを思い出し)
「……あ、あさぎり……せんせー……先生っすね。はじめまして、いなばさとみっす!」
「あれ?わたしのこと知ってたっすか?」
(首を傾げる)
■朝霧保健医 > 名簿で見たのをうっすらと覚えてただけよ~♪
多分初対面ね~♪
(正直な話、彼女がはっきりと名前を覚えている人物はごく少数である。)
■薬師寺 瀬織 > (アメーバ状になった、血液だったものを見て納得がいく)
なるほど……そういうことでしたか。ありがとうございます
(女性に対して名乗った黒髪の少女の方をちらりと見て、そういえば名前を呼ばれてはいたものの、自分からはまだ名乗っていなかったな、と思い出した)
そういえば……先生とは初対面でしたね。私は薬師寺瀬織、一年です。今日は異能に関する本を探しに来ていました
■稲葉聡美 > [あっ。せおり先輩……も、はじめまして、っす!」
(教師に名乗った紺色の髪の少女の方を向くと、屈託のない笑顔でそう言った)
■朝霧保健医 > う~ん・・・異能に関する本ですか~・・・
そういうのは私もあまり詳しくないんですよ~・・・
かなり面倒になるけど~・・・一般生徒向けにまとめられた資料なら司書さんに頼めば見せてくれるかもしれませんね~。
(ああいう本は小難しくて眠くなっちゃいます、と朝霧は付け足す。)
■薬師寺 瀬織 > >>稲葉聡美 さん
稲葉さんね。初めまして、薬師寺瀬織よ。私はたまにこの図書館に来るの。これからまた会うかもしれないから、よろしくね
(黒髪の少女の笑顔に対し、笑顔で応えようとするが慣れておらず、表情は変わらない。しかし、声のトーンは明らかに嬉しそうだった)
>>朝霧保険医 さん
……なるほど、司書さんにお願いしてみる手も……わかりました、ありがとうございます
(女性の方を向き、一礼する)
今日はまず一冊、よさそうな本が見つかったので、まずはこれを借りて読んでみようと思っています。では……
(再び、受付へ向かおうとする)
■稲葉聡美 > 「うふふ、よろしくっす。せおり先輩」>薬師寺さん
「異能に関する本かあ。さとみもこう、かっこいい異能が欲しくて。なーんかないかなーっとここに来てみてたっす〜」
(何気なしにくるりとターン。周囲に広がる小難しい異能の本たちの背表紙に視線を泳がせる)
■朝霧保健医 > >>薬師寺さん
うふふ~♪頑張ってね~♪
(小さく手を振る)
>>稲葉さん
魔術の本なら良いのがあるわよ~?
ネクロノミk「駄目ですよ」
(恐ろしい速度で司書に言葉を遮られた・・・)
・・・マジックアイテムの類いなら普通に売ってると思うわよ~♪
それじゃあまたいつか会いましょう~♪
(朝霧はふらふらと図書館を去っていった・・・)
ご案内:「図書館」から朝霧保健医さんが去りました。
■稲葉聡美 > 「? ねくろのみ……」
(同様に司書に遮られる)
「あっ。あさぎりせんせー、またっす!」
(大げさにバタバタと手を振る。)
■薬師寺 瀬織 > (歩きながら、再び黒髪の少女のほうを振り向き、手を振る)
……じゃあね、稲葉さん。また会いましょう
(受付にたどり着いた後、本を借りるための手続きを済ませる。借りた本の表紙と背表紙に傷がつかないようそっと鞄に入れ、静かに図書館を去っていった……)
ご案内:「図書館」から薬師寺 瀬織さんが去りました。